brog

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2024.06.01
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西アフリカのイグボ族の葬送儀礼の紹介されている記事があり
この部族は近代化される前の人々の葬送儀礼をもっており、非常に興味深い記述があります。

イグボでは埋葬の際、死者の手にヤムイモかココヤムを握らせるという風習があります。

これは一種の〈類感呪術〉であると考えています。〈類感呪術〉は〈模倣呪術〉とも呼ばれ、
イギリスの人類学者ジェイムズ・フレイザーが定義した概念です。

「似たものは似たものを生み出す」という原理にもとづき、ある事象をまねることでその事象を実際に引き起こそうとする呪術のことです。


収穫されたイモはなんとも無骨な表情をしていますが、ひとたび土のなかに埋めれば、生命力そのものとなって「再生」し、土中から新芽を出します。

「大地のなかに埋められ、大地のなかで再生するヤムイモ」という心像が、
「大地のなかに埋められ(=土葬され)、大地のなか(=冥界)で再生する死者」


「母なる大地」という言葉のとおり、ヤムイモは豊穣を、死者は再生を願って地母神アラの子宮のなかに埋められます。

ここでは根菜を植える行為と、死者を埋葬する行為とが、類推という神話的なレトリックによって結ばれているのです。

こうして見ていくと、ヤムイモやキャッサバなど地中で成長する根菜類の栽培、地母神信仰と祖霊祭祀、そして土葬の風習など、イグボの再生の観念はさまざまな生活の実践のなかに見事に織り込まれていることがわかります。

このような記述から土偶がなぜあのような姿をしているか、人類学の方がこれは根菜(つまりイモ)であるというのは、まさにその通りなのです。

そこには縄文時代は採取によって生活していたのですから、それらの豊作を願うと言う意味と
また、亡くなった人は大地に埋められていくわけですから、イモのような無骨なものから
美しい花を咲かして、よみがえって(再生、よみがえって)きてほしいとの二重の思いが込められているように、思えるのです。

そのことがこのイグボ族の死者への考え方が次に出てきます。





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Last updated  2024.06.02 09:36:50
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