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こっちゃん19770826

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March 4, 2008
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カテゴリ: 開発・環境問題
今週末は、 G社時代の同期 のSがボストンに遊びにきていました。

かつて、 同じ臭い釜の飯(!?) を食い、 大仏にこんがりと焼かれた仲 で、
しかも、 これから開発業界を目指す仲間 でもあり、
更に、うちのいとこの高校の同級生でもあるので、
盛大に接待させていただきました。


午前中は大学のキャンパスを案内 し、
午後からは、近くの コンコード という町に、Sの少女時代の愛読書という 「若草物語」 の作者のオルコットの家 があるので、そこへドライブに行きました。
(僕も姉妹に囲まれて育ったので、「若草物語」ネタは、まあまあついていけます)


キャンパスを案内するときに、「日曜のくせに、なんか人が多いなあ」と思っていたら、
ちょうどHBS最大のカンファレンスである、 「Social Enterprise Conference」 が開催されていたようです。
すっかり忘れていました。

学食の付近を歩いていると、 なんかこわそうな白人のおじさんがこっちをじろじろ見ている ので、誰かなあと思ったら、
ベンチャー・キャピタリスト兼テクノサーブ取締役の Stace Lindsey氏 でした。
「途上国のベンチャー・キャピタル」というパネルのスピーカーとして、招待されていたようです。

Stace氏に、「 お前は当然、俺のパネルを聞きにきたんだろ? 」と問い詰められれば、
「いや、これからドライブなんですけど。。。」などとはとても言えず、
ありうる返事は、「はい」か「押忍」 しかありえません。

こうして、Sにゆっくりハーバード観光してもらう予定が、急遽予定変更を余儀なくされ、「途上国のベンチャー・キャピタル・パネル」に 拉致 られることになってしまったのでした。。。


*         *          *


予定外の参加を余儀なくされた 「途上国のベンチャー・キャピタル・パネル」 でしたが、かなりいい内容でした。

スピーカーは、Stace(テクノサーブ役員)と、 Matrix Partners のパートナー(Endeavorの役員も兼任)と、 Acumen Fund の人と、 ケネディー・スクールのファイナンスの教授

テクノサーブ、Endeavor、Acumen Fundの三社揃い踏み は、この手のカンファレンスでは、もはや「お約束」。
しかも、 Acumen Fundの人は、なんと、去年 電話面接 で僕を落とした面接官でした
思わず、恨みがこみあげます。


まず、ケネディー・スクールのファイナンスの教授が、
「Missing Middle」の問題 に触れたところから、ディスカッションの火ぶたが切って落とされます。

「Missing Middle」とは、途上国の大企業は伝統的な銀行などの金融機関から資金調達でき、途上国の零細企業はマイクロ・ファイナンスによってカバーされつつあるけど、
経済成長の原動力となるべき中小企業は、いまひとつ資金調達へのアクセス手段がない 、という問題。


このブログでも、何度も書いていますが、
金融機関が企業にお金を貸す/出資する際は、企業がどんな商売をしていて、ちゃんとまともな経営者がいるか、などということを調べて( デュー・ディリジェンス )、
ちゃんとお金が返ってくるか、チェックしなければいけません。

この デュー・ディリジェンスに要するコストやリソースは、かなり固定費に近い です。
つまり、貸すお金の額が大きかろうが、小さかろうが、ほとんど一定です。

なので、銀行は、できるなら、大企業向けに大きな融資をつけたほうが、儲けは大きくなります。

一方、マイクロファイナンスは、貸す金額は小さいのですが、
日本の消費者金融であるような 「お自動さん」みたいな仕組み で、いくつか基本的な質問をして、まともそうだったら、
「貸す金額も小さいし、まあ、万が一貸し倒れても仕方ないか」という気持ちで貸してあげます。
その代わり、 金利は大企業向けの融資より随分高い し、融資担当者が借り手を頻繁に モニタリング したり、借り手を何人か纏めた グループに連帯責任 でお金を貸すことで「peer pressure」をかけたりして、
貸し倒れのリスクに対処をします。


これらのやり方のどっちも当てはまらず、 一番中途半端で困った状況にあるのが、中小企業向けの金融
デュー・ディリジェンスにそれなりのリソースを投入しなければいけない割には、貸すお金(あるいは出資額)が小さいので、リターンの絶対額も小さい
(特に、株式市場がいまいち整備されてなく、IPOで逆転満塁ホームラン!みたいな技が使いづらい国では特にそうです。)
なので、いまひとつ儲けが少なく、中小企業金融に携わる金融機関が少なくなってしまうのです。


でも、日本の経済成長物語を振り返ると明白なとおり、 中小企業は経済成長にとってかなりの役割 を果たします。
ホンダやソニーは、中小企業としてスタートし、技術力に応じてちゃんと資金調達ができたので、順調に成長し、日本経済を引っ張る大企業になったわけですよね。


で、ケネディースクールの教授がいっていたのは、 消費者金融の「お自動さん」的な仕組みをうまいこと使いながら、中小企業金融のデュー・ディリジェンス・コストを下げられないか

世界銀行が、 スリランカで行った調査 によると、
中小企業のReturn on Assetの高さ と、 その中小企業の経営者が簡単な記憶力テスト (数字の桁を何桁まで暗唱できるか)の結果には、 強い相関関係 が見られたそうです。
(Rスクエアが0.4)

まあ、いい脳みそを持った経営者が、いい経営結果を出すというのは、あたりまえといえばあたりまえ。

なので、数字の桁の暗唱よりは芸があるんだけれども、引き続き 簡単にできる経営ポテンシャルチェックテスト を編み出して
そのテストで投資候補先をスクリーニング する、という中小企業向けの銀行/ベンチャー・キャピタルをはじめれば、
低コストで大きなスケール を得ることができ、意外にいい線いけるんじゃん?、というのがケネディースクールの教授の論。


他のパネリストたちも、「むむう、このアイディアはいけてる」と納得していて、
もしかしたら、「 お自動さん的途上国ベンチャーキャピタル 」みたいな、「 Business Model Innovation 」が近々起こってくるのかもしれません。


*          *          *


次に話されたネタが、 途上国でベンチャーが盛り上がるのを妨げる障壁 について。


テクニカルな制度論になるかと思いきや、パネリストたちが口々にいっていたのは、「 カルチャー 」。

日本も多少そういうところありますが、
多くの途上国で、少年が、「 かあちゃん、俺ベンチャー企業起こしたいんだよ。 」などというと、
まず間違いなく、親や、村の長などに焼かれる そうです。


そうなると、ベンチャーを起こすのは、どうしても職がなくて、自分で店をはじめるしかない、という人が多くなってしまう。
そうすると、 経済発展の原動力になるにはやや弱い、零細なベンチャーが多くならざるを得ない
Matrixのパートナーがうまいこといってました。
「In the developing countries, entrepreneurship is not a choice, but a necessity.」


カルチャーについて入っていくと、 だんだん こんぺーさんの世界 入っていくので、この辺で止めておくにしても、
「カルチャーの壁をどう越えていくか」ということは、どこかで深く考えなければいけない問題だと思いました。



最後に、Q&Aセッションが行われましたが、
「今後、途上国ベンチャーキャピタルにとって、 ポテンシャルのあるセクターはどこか? 」という質問に対して、
Stace氏が、
「農業じゃ! 特にモザンビークのバナナ、鳥、大豆はいけるぜい!
と僕のプロジェクトを紹介してくれたので、一瞬だけ会場の注目を浴び、ちょっとだけ鼻の高い気持ちになりました( プチ自慢 )。


*           *           *


パネルから開放されたあと、 念願の「若草物語」ツアー にいってきました。


オルコットの家は、 南北戦争の頃の当時そのままに保存 されていて、その頃の生活の様子がよくわかりました。

ガイドさんが案内してくれるのですが、まさに 「若草物語」オタク みたいな女の人で、
「ここが一番下の妹メイ(「若草物語」の中ではエイミー)の部屋よ。この天井はアーチ型になっているけど、 これはおしゃれ好きだったメイが 、当時の雑誌に部屋の天井をアーチ型にするのがおしゃれだという記事が載っているのを見て、 父親に頼んで改築 してもらったのよ。」
みたいな 非常にマニアックな説明 もあり、楽しめました。


その後、 ヒラリー・クリントン氏の母校である ウェルズリー大学 の美しいキャンパスを見学して、ボストンに戻りました。


ボストン周辺も、いろいろ調べると渋い観光地が多く、僕自身もかなり勉強になった近郊ツアーでした。

Sは、これからワシントンDCの国際機関等で、就職活動らしいので、がんばってきてほしいです。





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Last updated  March 4, 2008 11:48:39 AM


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