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2021.10.13
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カテゴリ: 本



書家、画家、篆刻家、陶芸家、料理家、、、と、さまざまな顔を持ち、おのおのの面で「美」に生きたマルチ芸術家、北大路魯山人の、これは「食」にまつわるエッセイ(1930年から53年にわたって書かれた)を集めた書。
どの項も、いかにも彼らしい「上から目線」な書き方で、そこにかえってある種の清々しさを感じる。

最初の寿司にまつわる話からして
「エェッ」
と、度肝を抜かれる。
なぜなら、江戸前寿司は元々はお茶を飲みながらカウンターで立ち食いするものであり、戦後に椅子を置くようになってお茶が酒に変わった、とあるから。
結果、手短にまとめれば、
「いまの江戸前寿司は本物ではない。寿司屋ではなく自由料理屋だ。そのうち、トマトやコンビーフ、トンカツを使った寿司が出てきそうだし、サンドイッチ寿司なんてものも現れるのではないか」


トマト寿司。コンビーフ寿司。トンカツ寿司。サンドイッチ寿司。70年後の現在、すべてある!
6歳の頃から養子先の炊事を受け持ち、工夫と研究を重ねて3等米でも1等米のように美味しく炊きあげた魯山人は、優れた味覚のうえに、食の先見性も備えていたのだろう。

魯山人は、その出自や生育歴にまつわる特殊な事情も関係してか、キャラクター的には鬱屈した問題ありの人(彼の生涯をえがいたテレビドラマでは緒形拳が魯山人役をしており、そこいらをうまく演じていた)だったが、寿司のこの件だけを取り上げても、やはり非凡な人だったのだね。









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最終更新日  2021.10.13 22:17:07
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