ネット文芸館 木洩れ日の里

ネット文芸館 木洩れ日の里

PR

×

コメント新着

朽木一空と五林寺隆 @ Re:新宿に熊怖い(06/16) 笑左衛門さんへ 新宿、渋谷、池袋、銀座…
笑左衛門 @ 新宿に熊怖い ユニークな画像でびっくりしました。新宿…
イラン攻撃@ Re:時の家(03/05) イラン攻撃については、 0896240183 をど…
日差し@ Re:万作の花(02/22) 日差しの知りたいことは、0896244450 か…
聖書預言@ Re:置き爺(11/25) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…

カレンダー

キーワードサーチ

▼キーワード検索

サイド自由欄

このサイトに掲載している「文章と絵手紙画像の著作権」は、当サイト管理人に帰属しています。従って、無断で転載することをお断りします。

2018.05.12
XML


 日が暮れ、桜の花びらだけが、月に照らされた闇が拡がる。酔いが回ってきた。足を縺れさせ、墓石に小便を垂れる。 酒を飲み、乱れて、朽ち落ち葉のように醜く、汚く散ってゆく、酒を飲まずにすめば幸せ者である。桜のように優雅に舞うことはできない、誰も振り向きもせず、踏んづけてゆく毀れ花、朦朧とした頭の中で呑死でもいいのかと、、、。

 井月は、『無能の人』(つげ義春)の中で知った俳人である。とぼとぼ、ぐつぐつ、ひょろひゅろ、伊那谷を流浪徘徊した俳人井月、出自没却一切語らず、襤褸纏い、酒に溺れ、糞尿に塗れ、野垂死にした男。

-寝て起きて又のむ酒や花心-       井月
-秋経るや 葉に捨てられて梅もどき-   井月-降るとまで人には見せて花曇り-     井月
-落ち栗の座を定めるや窪溜り‐      井月

-今は世に拾う人なき落栗のくちはてよとや雨のふるらん- 井月-何処やらに鶴(たず)の声聞くかすみかな-        井月

 机の上に置かれた一冊の文庫本、友人の丸谷が読みかけの本だった。ちらっと眼を通すつもりが泥沼に引き込まれるように、ずぶずぶと暗い穴の中に引き込まれてしまった。 『海も暮れきる』吉村昭、という本だった。そこで。放哉熱に罹ってしまった。悪酒癖によって身を持ち崩し、すべてを捨て、暗いほうへ暗いほうへと降りて行き、自分に対する嗜虐的呟きを句に詠み、咳込みのたうちまわった小豆島での晩年は心に刺さった。

-咳をしても一人- 放哉-何がたのしみで生きてゐるのかと問はれて居る-放哉

-いれものがない両手でうける-  放哉
-こんなよい月を一人で見て寝る- 放哉- 一人の道が暮れて来た-    放哉
-入れものが無い両手で受ける-  放哉

 捨てきれずに、だらだらと寿命を費やしているだけの男の句

-咲きそびれ 桜蕾に 月の声-  退月
-残桜の 花びらが舞う 酔人に- 退月
-闇桜 徘徊助くる 月明り-   退月

-ぼちぼち(墓地墓地)と、洒落てみる花 帰ろかな- 退月

退月とは男の俳号である

作:朽木一空


※下記バナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ。
またこのブログ記事が面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。

にほんブログ村

人気ブログランキングへ






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2018.05.12 11:15:00
コメント(0) | コメントを書く
[短歌・俳句・川柳・都々逸] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: