目の変化びと

目の変化びと

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2006年12月24日
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カテゴリ: 日曜日には小説を
日曜日には小説を3
はじめから読んでみようという人は 日曜日には小説を1 へ。

 きょうは、 2006年12 月24日、日曜日だ。クリスマスイブだな。ショートケーキ、食べよう。

 新聞には「細菌性髄膜炎ワクチン承認」と書いてある。

「アイデアは自分で見つける」とgaMeさんにコメントされたけど、なかなか独自のアイデアは浮かばないから、やはり「物語」をちょっと使わせてもらうことにしよう。
 でもまあな、これはこれで「私のアイデア」ではあるよな。

■ひろしを探せ

 私はアニハ探偵社(3級探偵士事務所)で日給の仕事をさせてもらっている。探偵事務所で働いているといっても、探偵の知識も技術もない。ちょっとしたコネのおかげで、暇さえあれば誰でもできそうな依頼を回してもらっている。もちろんそんな依頼がさほどあるわけではない。

 行方不明になったひろしという人物を探すという仕事だ。
 本物の探偵によるひと月ほどの真剣な調査のはて、どうにも行き詰まった探偵事務所が、残念ながらひろしさんは見つかりそうにないと依頼人に告げたところ、調査をつづけてくれれば経費と調査料は今後も払いますと返事され、そういうことでしたらと、私に仕事が回ってきたというわけだ。手がかりはほとんど何もなく、期待の少ない気楽な仕事だ。
 きのうから、ひろしの家の近所をうろついている。どういうわけか顔写真も手に入らず、家の近所をうろつくほかに何をすればいいのやら思いつかないでいる。ひろしの過去についても、アニハ探偵事務所としてはずいぶんがんばって調査したものの、重要な手がかりは見つからなかったらしい。
 海岸沿いのベンチにすわって夕日を眺める。世界はまったく美しい。こんなにゆったりした時間を過ごさせてもらって日給をもらうのも少し気が引けるが、今のところ探偵としてやれることは何もないのだから、あとは偶然に頼るしかない。………え? 電話? 携帯電話持ってないのに、どうしてこんなところで電話が鳴るんだ?
 どうやらベンチの隣の電話ボックスらしい。私は立ち上がり、ボックスに入る。
 受話器をとるとすぐにしゃべってきた。
「ひろしだけど」
「ひろし?」
「ん? あんた誰?」
「どこにかけてます?」
「あれ? 家じゃないの? 家の人に代わってよ」

「海岸通りの電話ボックスだよ」
 ここと同じような場所だな。
「じつはわたくし、頼まれてひろしさんを探している者です。どうして家出なんかしたの?」
「家出? してないよ。それどころか家に帰りたいんだ」
「誘拐?」

「どういうことなんです?」
「あんたはぼくを探そうとしてくれてるんですよね。だったら言うよ」
 奇妙な状況とはいえ、とにかくこうしてひろしとしゃべれてるのだから、意外と簡単に事件(?)は解決するかもしれない。
 だけどな、事件を解決してしまえば(解決というのがひろしの居場所を発見することなのか、ひろしを家に連れもどすことなのか、探偵事務所に確認しなくてはいけないな)仕事が終わってしまう。
 行方不明のひろしが見つからなくても、というか、ひろしが見つからないかぎりいつまでも日給をもらいつづけられる、目が覚めたら探偵気分で一日を始めることのできる、かといってプレッシャーのほとんどかからない、のんびりした日雇い探偵でいられるのに、ひろしが見つかったらこの仕事、終わってしまう。
 まあな、そのかわり、事件を解決したら、依頼人は成功報酬としてすごい額を探偵事務所に支払ってくれることになっており、そのときには私にもかなりな報酬が回ってくることになる。
 私にひろしが見つけられるはずがないと予想したアニハ探偵社が、もしも成功したら成功報酬の8割をあげよう、がんばってくれたまえ、と約束したのだ。
 そうだ、ここで私の探偵としての能力を見せつければ、本物の探偵として雇ってくれるかもしれない。
 それに、日雇いバイトとはいえせっかく憧れの探偵をしてるんだから、ひとつくらい事件を解決してみたい欲望もある。
「そうです。わたくしは探偵です。ひろしさんを探しています。何が起こったか話してください」



 うん、これはなかなかいいぞ。この調子で来週も書ければいいな。どうなるか、わからないけど。

 さて、gaMeさんの「物語」、どうなってるかな?

 ………ふーん、こうくるか………

 ん?「物語14」はまだない…そうか、誰かが「物語13」のコメント欄に「A」を書きこまないと「物語14」にはつづかないんだな。
「物語」をおもしろいと思ってるのは私だけか? ほかの人はつづき、読みたいと思わないんだろうか?
 だけどまあ「12話」までは「A」にたいする応募が来てるんだから、興味を持ってる読者はいる。もしかしたら、いちど「A」を書きこんで「物語」に参加した人は、なかなか2回目3回目の応募はしづらいのかもしれないな。だけど、それで誰も書きこまなくなったら、つづきが読めない。
 ほかの人はともかく、私はつづきが読みたい。
 そうだ、もし、来週の日曜日まで誰も書きこまなかったら、もういちど「A」に書きこむとしよう。



日曜日には小説を5 につづきます。





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Last updated  2006年12月25日 06時37分51秒 コメント(2) | コメントを書く
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Comments

ミズナ@ Re:ミズナさんへ(12/10) gaMeさんへ お返事をありがとうございます…
gaMe @ ミズナさんへ 「悟りについて」をおもしろいと言っても…
ミズナ@ Re:悟りについて(その33)(12/10) こんにちは。 「悟りについて」 なんか、…
gaMe @ まちがい けっきょくのところ、この頃(2006年)や…
gaMe @ もがいていた時期 この頃(2006年)書いてた、【私=瞬間ご…
無空無限@ Re:川を渡る(01/06) 幾月か幾年かは存在にまかせて、喜び祝い…
gaMe @ これ書いて、4〜5年経って、思うこと。 こんな文章を自分が書いただなんて、ほん…
gaMe @ 結末を知って見ると… この前(2018年8月19日)見ておもしろかっ…
gaMe @ 約 数 「同じ個数に分けられない(1個ずつは除く…

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