琴音の徒然草
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やっと観てきた〜!時間があるなら、平野綾と見比べしたかったけど、おそらく一回しか観られないので花總版一発で。全体的な感想としては、佳作の曲は多いけどキャッチーでガツンと残るような名曲がない・・・。エリザベートの「私だけに」しかり、モーツアルトの「僕こそミュージック」「星から降る金」しかり。おそらく何度も観れば印象は変わると思うんだけど、一回目からもう一度観たい!と思わせる曲がないのが・・・。一番、耳に残ったのはフェリペの「cool head」って、それでいいのかっていう。ベスの「秘めた想い」が本来それになるレベルの大きなナンバーなんだけど、うーーーん。これは訳詩も悪い。「魂だけは自由」「窓なんてない」「命令されても心はわたしのもの」って詩の数々が既視感ありすぎだーと思っちゃって。テーマは似て非なるものだけど、同じ名前のエリザベートとエリザベスを描く上で彷彿させるような事はかなり危険なんじゃぁ。それだけじゃなくて、リズム感の悪い言葉の運びもあったし。小池氏は訳詩とか素敵だと思ってたのに、今回は本当にどうしたんだろうって思っちゃった。さらに言えばオープニングの掴みも甘いような?状況説明そんなにいるかな。状況説明はおいおい良いと思うし、それより最初は一気に引き込む何かが欲しいなぁ。イギリス王室の歴史って映画も多いし、エリザベス1世の周囲の話は日本人にもなじみはあると思うんだよね。今後、欧州で上演するならもっとみんな知ってるのでは?でも、天文学を模した円形で斜めの回り舞台はgood。遠近法だったり心情だったり、困難な状況だったりを巧みに表せている!ロジャー・アムカスもちょっと不思議な雰囲気を出していてここは良かったなぁ。歌詞が説明調でなければもっといいのにって返す返すも残念。人物像としてはアン・ブーリンの描かれ方もちょっとなぁ。とても純粋に愛に生きたのに無実の罪で処刑されたかわいそうな人って雰囲気出してるけど、アン・ブーリン、罪は無実でもそんなに純粋なお人でもないよねぇ。だって、キャサリン・オブ・アラゴンが亡くなったときに祝杯挙げてたような人だよぉ。だからブラッディ・メアリーことメアリーが死ぬほどエリザベスを憎む気持ちも全然不思議じゃない。ベスが生まれたときにメアリーの方が忠誠を誓うように言われたりもしてるしね。歴史の説明よりそういう人物説明の方がよっぽど欲しかった。じゃぁ、思う存分、レディ・ベスの花總まりについて。きちゃった、来ちゃったよ!お花さん、とうとう帝劇の真ん中でタイトルロールやってる。花がどんなに凄いかって、宝塚100年の歴史はあれどこの10年以上トップ張ってた娘役は、宝塚における現代の娘役像の代表的な雛形の一つって言っても過言じゃない。花が娘役の天才というより、もう花が娘役としてのそれ、なんだよね。脱線したー。というか、実年齢を知ってる身としては、なんでこんなにお姫様に違和感がなくて、20代の若い俳優さんとラブシーン演じても違和感がないのんか不思議だ。最初に出てきた、世間を知らない自分は王妹という想いで成り立っていた彼女は、本当にただの「娘」って感じなんだけど、自分がおかれている状況や死へ恐怖、自分自身に課せられた物の大きさを知るについて少しずつ上品なだけだったところに自覚と共に気品がにじみ出ているんだよ!特に終盤のメアリーが崩御して「新女王陛下に万歳」の言葉を受けての「これは神の御業です。」の言葉から身にまとう空気が変わる。これはさすがとしか言いようがない。その瞬間に不安や迷いの中にいたレディエリザベスは消えて、クイーンエリザベスになる。人は簡単にこの人のことを姫役者とか言うけれど、これができる人はそうそういないと思ってます。相変わらず歌唱は弱い感じもするんだけれど、感情が乗りまくっているので強引に揺さぶってくる。花總まり、ここにあり。ほかのキャストさんたちは吉野圭吾さんとか、たっちん、未来さんは本当に良かったし、裕一郎さんも好きだったな。でもびっくりしたのはフェリペ役の平方くん。フェリペ、むっちゃ良い役!曲も良い。後のフェリペ2世だから、「父上には逆らえない」と歌いつつも、計算しているまさにcool head.ただ者じゃない感もしっかり出ているし、後々無敵艦隊としてエリザベスと対峙するんだなぁと考えるとある意味そういう予感も残して去っていった感じ。これから楽しみだ。個人的には、エリザベスの恋愛パートはかなりの消化不良感が否めない。やるならもっと丁寧にしてほしい。愛ではなく義務を選ぶ、という悲壮な決意、でもそれが宿命と知った彼女の中の対比がものすっごい曖昧で、だからこそなんとなくぼやーっとした話になってるんだろうなって。まだ初演ですので、もう少し手が加わったら良くなると期待したいです。
2014.05.17
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