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暗い、暗いと言い倒しましたが、生徒さんたちはとっても良かったです。宙組のアンサンブルの良さは、ほんとたまんない!!最初のビザを求めるシーンから泣きそうでした。新しいトップの祐飛さんは歌もダンスも大して上手くない。それは、若い頃からそうだったし、今になって突然上手くなったりしないと思うから別に良い。芝居だって、特別演技力があるわけではないと思う。でも。「男役芸」は素晴らしい。それこそ若い頃からなんだか陰のある人だなぁと思っていたけど、それが良い方面で育ったなぁって思います。ニヒルで、渋い、キザだけど心が熱い。それが本当に似合う。タバコを吸って、それをぽいっと捨てる仕草からかっこいい。素晴らしいです。役は限られるタイプだとも思うけどね。若い頃は、かわいらしさも兼ね備えていたけど、今は渋専な感じがしないでもない。正直、トップになるのは意外だったので驚いたし、そういった意味ではトップとしてどうかな?と思わないではないけど、彼女の主演で「カサブランカ」を観られたことは幸せなことだと思う。カサブランカでイルザと再会した日の夜に、酔っぱらいながら彼女に悪態をつくリックは「心が割れる音」が聞こえた気がしたし、最後の別れの台詞、ラズローに向かって言った「嘘」にイルザへの愛情を感じた。完全にハマり役。今の宝塚でここまで演じられる人はいないのではないか?と思ってしまうほどです。で、そのイルザのすみ花ちゃん。元々、とんでもなく演技派だなぁとは思っていましたが、この若さでこの難しい役を頑張ったなぁとは思う。これ、イルザは難しいよ。「尊敬を愛」だと勘違いしてラズローと結婚したけれど、今となってはそれは本当の愛で、リックに対する「愛」はかつで愛した人への「愛」以上のものではない、ということを表現するのは、この学年の子では相当苦労しただろうなぁ。百点満点とは言いませんし、言えません。でも、70点ぐらいは上げてもいいんじゃないでしょうか?この手の役は、学年上げたお姉さんでもきっと難しい。ただ・・・。正直、私はアリスちゃんなら出来るんじゃないか?という気がしないではなかった。すみません。(誰に?)ラズローのラントム。いやー、この役がなければホント辛かったこの話し(笑)。民衆の指導者、ファシズムへの抵抗勢力であり希望の光。持ち味と合っていて、良かったと思います。優しく、強い人。ただ、あまりにも理想主義であまりにも完璧に見えて、ちょっと感情移入しにくかった(^^;人間って、リックみたいに弱い物でしょ?あとはみっちゃんね。肉布団着込んで、おっさんの役をよく頑張ったし、まじ渋かった。歌は申し分ないし、いつのまにこんなに成長したのって感じ。でもそれよりもともちんだなぁ。ドイツの軍人で、この話の中で唯一と言っていいほど「完全な悪役」。(このあたりもナチス=敵っていう、元の映画の背景があるんだろうね)彼は彼の信念に厳しく従っているだけだとは思うけどね。でも、そのドイツの誇りをいやらしいぐらい出してくる感じとか良かったなぁと。「おお、いいじゃないか~~」ととても思った。最後にアリスちゃん。実は宙組三年半ぶりですが、かなり素敵な娘役さんに成長して。昔は「発声が・・・」って思っていたけど、台詞も完全に娘訳の発声で、歌も仕草も、演技も良いし、あぁ・・・お願いだから花組か雪組で次のトップにしてあげて・・。すみ花ちゃんもアリスちゃんも大好きな私には、今の状況は複雑すぎるのよ・・・。
2010.01.22
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やっとこさ「カサブランカ」観てきました~。研一さんの頃から応援していたすみ花ちゃんと、マミさん時代の月組を支えてくれてた祐飛くんのお披露目となれば、見に行かないわけにはいきません!!結論からいうと、とても良い作品だなと。名作映画の舞台化なので、それほど外すわけもないのですが、それにしても「アテ書きか?」と思えるほどハマっているのはすごいと思う。さて、この「カサブランカ」ですが。元になった映画は観てません。ので、それとの比較は今回はなし。あまりにも有名な「君の瞳に乾杯」という台詞が一人歩きをしてい、メロドラマなのだとばかり思っていましたが、結構違うのね。パンフレットから、演出の小池先生の言葉を抜粋。「1943年度のアカデミー賞受賞ということは、42年公開、撮影は41年であろう。41年12月とはアメリカが第二次世界大戦に参戦した年である。~中略~ 即ち参戦意識をあおるための教育的目的を持ったプロパガンダ映画なのである。」そんなプロパガンダ映画をなぜ宝塚で?!と思いますが、いやー、台詞とか一つとってもロマンチック。「プロパガンダ映画」ということを十分意識した上で、それでも今なお名作と言われる由縁を考えて、そこを切り取った小池先生の手腕にはうなります・・・。ナチスドイツの進行に怯えるヨーロッパの人々、という作品。はっきり言って、暗いし重いし。これは・・・とも思いましたが・・・。「嘆きの天使は、宇宙のどこから来たんだい?」「私に、恋人がいるか知りたい?・・・いました、ひとりだけ。でも、死んでしまった。」「すまない、過去は聞かない約束なのに」「信じられる?私たち、世界が崩壊するかもしれない時に、恋に落ちようとしている。」「ああ、でも、そのことを後悔はしていない。」「君を、見つめているんだよ。・・・君の瞳に乾杯」どのやりとりをっっても、うっとりする。だって、私、今日初めて見たのに覚えちゃったもん(笑)。宝塚らしい、素敵な台詞だとは思いませんか?!(力説)ただ、その上でも、やはり宝塚としてはどうかなーと。一幕終わったときに「とても良い作品だけど、暗くてリピートをつらい」と正直思いました。これまでも、この時代を扱った作品は宝塚には割と多いのにね。理由は、主役のリックが後ろ向きな所から始まるからだと思います。例えばラズローが主役ならまた変わったかもしれません。先が見えない閉塞感の中で、圧力に負けずレジスタンスのリーダーとして民衆を奮い立たせるラズロー。彼にはこの荒れ果てた世界の中でも希望の光が見える。だから、暗い話をひっぱっていけたかも。でも、リックはパリで生まれて失った恋をひきずって、閉塞感の中でさらに閉塞感を持って生きている(笑)。主役なのに、体制には立ち向かわず自分の内面に閉じこもっているように見える。だから、一幕は重いし苦しい。二幕になって、リック自身が大きく動き出すようになると、話は俄然暗さから抜け出して、躍動感を持ち始めたなぁという印象。最後の決断は、もちろんそうなるだろうと分かってみていてもグッときます。でも。この重さは宝塚の許容範囲をちょっと超えちゃったかな?素敵な良い作品だと思うの。見終わった後の満足感も大きい。でも、リピーターで支えられている宝塚には向かないかな。現実逃避をしたいのに、重い舞台はちょっとね。何度も見るには体力もいるし。時々重厚な宝塚を見たい気分にはなるんだけど、その範囲をも超えたかなぁと。ただ、ホントに作品としては素晴らしい!!それだけは間違いないから、普段ミュージカルは見るけど宝塚は・・・って人には絶対お勧め。それは本当にそう思う。
2010.01.22
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うちの病院に入院中のおばあちゃん、田中さん(仮名 思いつき)。田中さんはとっても恐がりです。夜になると、不穏ちっくになって、病院のことを忘れちゃったり、なんだかいないはずの人が見えたりしちゃうみたい。でも、この手の幻覚とか幻聴とかは他にもいるので慣れっこ。真夜中にそんなこと言われてもあんまり私は相手にしません。(夜中は相手にすると妄想が深くなっちゃうしね)でも、恐がりな田中さんは、「みんなは大丈夫?一緒についてこないけど・・・」(誰もいない)とか「さっきまでそこに息子がいたいの!!」(真夜中)とか言っては、「居ないの?私おかしくなっちゃのかしら・・・怖いわ・・・」と言ってます。他にもなにかっていうと、「怖いの、怖いの」というともかく恐がりです。そんなある日。「トイレに行きたい」というナースコールで訪室したところ・・・。「あのね、お向かいの伊藤さん(仮名 適当)、息子さんが亡くなったばかりで、可哀想だなとは思うのよ。でも、仏壇をこっちに向けるのはちょっと・・・。仏壇の写真がずっとこっちを向いているから怖くってカーテン閉めたの。」ええっ?!仏壇?!確かに、伊藤さんの息子さんは先月亡くなったばかり・・・。ご本人もとても肩を落としていらっしゃるのですが・・・。「えっ?写真なんて置いてないよ。」「写真じゃないの。仏壇そのものよ。」「どっちにしても、今は無いよ。」「ええっ?!」田中さんは心底驚いて体をおこしてお向かいのベッドを見つめます。「あら?どこにしまったのかしら・・・。さっきまで置いてあったのに。」いやぁ~・・・。さっきまで私はそこにいたんですけどね。伊藤さんの所に、息子さんがいらっしゃってるとしてそれは別は良いことなのですが、でもちょっと背筋が凍りました。だって、田中さんったらその数日前に別の部屋の患者さんが亡くなったとき。まだ亡くなるほんの少し前。真夜中で誰も話したりしないような時間なのに・・・。「あっちのお部屋の方、亡くなったんでしょう?」と真顔で看護婦に言ったそうです。その少し後、本当にその方は亡くなってしまい・・・こーわーいー!!!!一瞬にしてその話を思い出した私は、ついつい「田中さんって・・・そういう・・・敏感なの?」って聞いちゃいました(笑)。いやー、普段だったらしないけど、だって夜勤で怖かったんだもん!!その返答は「そんな、私霊媒師みたいなことしないわ。だって、恐がりだもの!」と言い返されましたが・・・。っていうか、それって普段から常に見えているから恐がりなんじゃぁ・・・。そして田中さんは、その日の夜中も相変わらず「子供が付いてこない」とかなんとか言っておりました。
2010.01.18
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90ウン歳の高橋さん(偽名 なぜ高橋かは突然思いついたから)は、「おいくつ?」と尋ねると「じゅうさん、ななつ!!」と答えます。元旦に、「今日は一月一日だけど、数えでいくつになったの?」と聞いたら「じゅうさん、ななつ!!」「じゅうさん、やっつじゃないの?」と聞くとうなずくけど、「じゃぁ、いくつだっけ?」と聞き返すとやっぱり「じゅうさん、ななつ!!」永遠の二十歳らしいです。そんな高橋さん。1年目の研修医(男)がお気に入り。初日に「あら、良い男!!」と叫んだかと思ったら、先生が来るたびに「いい男!!」叫んでます。ある日、先生が「じゃぁ、結婚する?」って聞いたらとっても嬉しそうに「うん!!」めでたく婚約が成立しました。おめでとう。その翌日。高橋さんが大嫌いな点滴を、私は入れる事にしました。「高橋さん、点滴入れるから、ちくっとするけど我慢してね」「いやーーー!!!!!」耳元でつんざくような大声で叫ばれました。まぁ、いつものことなんですが。叫ぶだけならいいんだけど、手足を小刻みに動かして絶対に入れさせないぞ!!とアピールをするので困っちゃいました。でも、ご飯食べられないし、水も飲めないから点滴しないと干からびてしまいます。そこで、「でもね、高橋さんの婚約者の先生が点滴しないとダメって言っていたよ。」って試しに言ってみたところものすごい真顔で「そう?そう言ってた?じゃぁやる!!」そうですか・・・。惚れた弱みと申しましょうか。嫌な事でも好きな人に言われたらするんですね。恋する乙女は強いと実感した、今日この頃でした。さすが、二十歳。(本当は90ウン歳。)違います。
2010.01.06
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