真理を求めて

真理を求めて

2002.12.30
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クリスマスが終わったのにクリスマスの歌を選んだ。実は、この歌に関して、ジョンはキリスト批判をした男であるのに、なぜクリスマスを祝うような歌を歌うのか、というような批判めいたものがあったと聞いたのでちょっとそれを擁護するようなことを考えていた。

この前ジョンの詩集を手に入れることが出来たので、この歌もじっくりと読んでみた。この歌は、題名に確かにクリスマスが入っているけれど、それは宗教的にお祝いをするためのクリスマスではない。それは、人々がなんの不安もなく楽しいひとときを過ごす象徴の時間としてのクリスマスだ。だから、すぐあとに「ハッピー・ニュー・イヤー」という言葉も入っている。

この詞の主題はあくまでも「War is over(戦争は終わった)」ということにある。なんの不安もない、幸せな一年にするためには、戦争は終わらなければならないという願いを僕は感じる。

この地上のどこかで戦争をしているというのに、それを忘れてクリスマスを祝うことが出来るだろうか。イエスの生誕を祝ってさえいれば幸せになれるというのだろうか。イエス自身の教えはそんなものではなかったはずなのに、後のキリスト教徒は堕落してしまったのだろうか。

この歌は、キリスト教的にクリスマスを祝うどころか、そういった皮肉を投げかけているように僕には聞こえる。イエスの教えは平和と人間への愛だったんじゃないだろうか。そのキリスト教徒の国が、一番戦争をしたがっている。こんな事を感じるのは、次の部分からだ。ちょっと長いけれど引用を許してもらおう。

And so this is Xmas
For weak and for strong
For rich and the poor ones
The world is so wrong

For black and for white
For yellow and red ones
Let’s stop all the fight

今夜のクリスマスをお祝いするのに、弱い人たちや貧乏人、それから有色人種のことを忘れないというのは、ジョンらしくていい感じだね。白人の豊かな人間だけが祝うんじゃなくて、そういう人たちのことも忘れないで欲しいと訴えているようだ。世界はどこかが間違っている、という言葉に、大事なことを忘れてお祝いなんかしていいのかという想いを感じてしまう。心からのお祝いをするためには、すべての争いをやめようと呼びかけているように感じる。

この歌は、締めくくりの言葉またすばらしい。これは日本語の訳もぜひ味わって欲しいと思う。平田良子さんという人の訳を最後だけ引用させてもらおう。

War is over 戦争は終わった
If you want it 君達がそう望むなら
War is over 戦争は終わる
Now 今すぐに
(「ジョン・レノン詩集『イマジン』」シンコーミュージック発行より)

英語も簡単だから、日本語の訳が無くても分かるかもしれないけれど、こうして並べてみると、とてもいい感じだ。「君達が望むなら」という言葉にとても共感を覚える。僕はそう望んでいる。だから君達も望んで欲しい。そうすれば戦争は終わる。これは、今はかなえられない夢(理想)だけれど、失いたくない夢だ。



たくさんの人の願いで、遠いイラクで戦争が起こることを防ぎたい。





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最終更新日  2003.01.02 00:39:05
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