桜の森の満開の下

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はんびゃーぐ @ Re[1]:ママ(11/18) ともさん >この物語はおもしろいです。 …
とも@ Re:ママ(11/18) この物語はおもしろいです。
はんびゃーぐ @ Re:はじめまして(06/29) saku5319さん > 可愛い、お話。私も転…
saku5319 @ はじめまして  可愛い、お話。私も転校した事あります…

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2006.08.05
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カテゴリ: カテゴリ未分類
【8月はポイント10倍】『トマト化粧水』

今日はトマト合戦の日だ。去年の雪辱を晴らすため、この一年間、私は今日の日を待ち続けた。だからこそ仕事が山ほど残っていても定時にタイムカードを押して、会社を飛び出してきたのだ。
 コンビを組む次女とは自宅近くの公園で待ち合わせをしている。次女はこの日のために迷彩服を購入するほどの気の入れようだった。そう、我々は妻と長女のコンビに二年続けて負けるわけにはいかないのだ。
 公園で次女と合流すると、我々は予定通り八百屋に向かった。そこで注文していたダンボール一杯分のトマトを受け取り、合戦の場である自宅マンションへと向かった。
 マンションの玄関ドアの前まで来ると、トマトのダンボールを下に置き、大き目のトマトを一つ手に取った。ドアを開けると、いよいよトマト合戦が始まる。
「パパ、準備はいい?」
 真剣な目つきで、次女が私に囁く。次女にうなずくと、私はドアノブに手をかけ一気に中に突っ込んだ。
「チクショー、今年こそトマトまみれにしてやるぞ!!」
 興奮して私は叫んだ。だが、私の気合とは裏腹に家の中はしんとしてもぬけの殻だった。まさか妻と長女は、今日がトマト合戦だということを忘れたのだろうか。そんなバカな。トマト合戦の日を忘れるなんて絶対にあり得ない。これは罠だ・・・
 不穏な気配に気づいて振り返った瞬間、迷彩服に身を包んだ次女が私に向かってトマトを投げつけるのが見えた。・・・ 信じられなかった。次女が裏切るなんて・・・
 顔面トマトまみれで視界を奪われ、ひざまずいた私の耳に、妻と長女と次女の笑い声が響いた。












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Last updated  2006.08.06 20:49:00
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