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最初に知ったのはhidepxさんのブログ。どこかで信じたくない気持ちもあったが、ツイッター、ウォッチーさん情報、金曜日にはメルマガをもらっているショップ2カ所から同じ内容の連絡があり、ウラをとるまでもない話のようだと観念した。シモン・ビーズの当主で、千砂さんの旦那さんのパトリックさんが亡くなったという。 たった一度ながら、直接お目にかかる機会が得られたことは光栄だった。ドメーヌ訪問時に2005年のコルトン・シャルルマーニュを分けていただき、「何かメッセージを」とお願いすると、ラベルいっぱいにすらすらとサインしてくださった。 「あのー、長男の名前も書いてほしいんですが…」 「えっ」 というやりとりは、良い思い出だ。 また、「ドメーヌの最近のニュースは、このブログで知りました」と海外の愛好家のブログ記事をiPadでみせると、記事の内容よりもデバイスに興味津津という感じで「何だこれは。おお、俺じゃないか」みたいなこともあった。 これから渡仏するたびにご挨拶できればと考えていたのだが、残念でならない。 話が変わり、ワインと何も関係はないが、やはり10年ぐらい前の一時期、仕事の関係でかなりお世話になっていた元銀行マンの方も最近亡くなってしまった。最近は金融界以外の方で非常に有名だった方で、某紙で評伝が始まったので期待していたら、翌日の朝刊には訃報が出て、連載も1回限りで終わってしまった。 こういうニュースが続くと、さすがにへこむ。
2013.10.26
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次に、複数本持っているワインという条件を外して、どんなワインなら差し出してもいいかを考えた。 お渡しするものだから、ワインに詳しい人にある程度喜んでもらえて、なおかつワインに詳しくない人が飲んでも美味しいと感じてくれるものがいい。 手持ちの中には、将来別の機会に飲もう、あるいは必ず自分で飲もうと決めているものがあり、これは除外しないといけない。 ある銘柄、ヴィンテージのワインとしては1本しか持ちあわせがないものの、同じ作り手のワインを複数保有しているものなら、出してもいいかもしれないと思い至った。 ジョルジュ・ルーミエのワインは有力候補だった。村名級なら、と考えたのだが、価格が安めの銘柄は手持ちが少なかった。「レ・クラ」とか「ボンヌ」と名がつくのは結構ストックがあるのだが、今となってはこれらはどれも高額である。 正直に言えば、ルーミエは世の中で人気が高くなるのと反比例するように、分けてもらうのに苦労するのがバカらしくなり、個人的に興味を失いつつある作り手である。興味を失いつつあるワインの在庫処理に他人を付き合わせるのでは、とても喜んで渡す気にはなれなかった。1人でもルーミエフリークがいると聞いていれば話は別だったが、残念なことにワインを飲む人がたぶん女性であるという以外、何も情報がなかった。 自信をもって勧められるのは、ジャック・フレデリック・ミュニエだ。しかし、こちらも結構値段が高い。ニュイ・サン・ジョルジュならいつでも入手可能だが、あいにく自分で飲みたいと思って買ったワインばかりだ。村名級のシャンボール・ミュジニーは在庫が1本づつしかない。上のクラスだと、気軽に渡せる価格帯ではなくなっている。 エマニュエル・ルジェならとも考えたが、あいにくさらに手持ちが少ない。アルマン・ルソーなら在庫は結構あるが、最近販売されたヴィンテージの価格を考えると、やはり気軽に出せる価格のワインがない。 白はどうか。安くて、手持ちの本数が多いとなると断然ラヴノーだ。絶対の自信をもってお勧めできる。だが、この作り手、蝋キャップが最大のネックだ。誰がどんな器具で開けるか分からない。開けるのに苦心した末、グラスの中に黄色い蝋が入ってしまったワインを飲みたいと思う人がどこにいるだろう。 このあたりで、ああもっとボルドーを買っておくべきだったと後悔しだした。ボルドーはもともとストックが少ない上に、この1-2年に何度か参加したワイン会で、結構出してしまっていた。レフォールも死ぬほど値上がりしている。あれはやまやで3本1万円で売ってたこともあったのに、と昔のことを思い出した。 目先を変えてイタリアワインはどうか。サンドローネは手持ちが少ない、レンテンナーノはペルカルロがもうあらかた飲んでしまい、リコルマは昔購入した不良債権的なストックが多くて出しづらい。 いろいろ考えた結果、以下の2本で最終調整。 ・バローロ・リゼルヴァ・ロッケッテ2004 アッコマッソ ・シャブリ・レ・クロ2005 ドーヴィサ(ハーフ) まあ、これでいいか、どっちも4ケタ円だし...。 そう思って、最後にセラーの中の、ぎゅうぎゅう詰めで、何かの拍子にボトルが飛び出て割れるかもしれない緊張感ただよう領域を整理していたところで、ある赤ワインを掘り出した。 ・クロ・デ・レーヴ2005 むかし松澤屋でプリムールで3本購入したサンテミリオンの、最後の1本である。既にワイナリーは売却され、文字通り「夢の畑」のワイン。他のヴィンテージならまだネットで購入できるが、2005年はもう入手は難しいかもしれない。 結局、バローロはやめて、赤ワインはこちらを渡すことにした。 大きな理由は2つ。1つはかつて自分で1本飲んだことがあり、中身はおススメできる、入手価格も安いということ。 もう1つは、ワインを飲んでいただく皆さんの共通の趣味において、この「レーヴ(夢)」という仏単語は非常に受けるであろう、関心をもってもらえるだろうと想像できたことがある。種を明かせば簡単だが、この人たちの趣味が何か、よければご想像していただければと思う。 3人でボトル1本半、1人あたり半分の量。他の参加者の方が泡や日本酒を持ちこむと聞いていたので、これぐらいでよかろうと判断した。勝沼から都内の老舗ホテルに直行し、ワインを置いて帰った。 後日談では、実際には20人近く参加していたらしい。クロ・デ・レーヴ、シャブリともに大変喜んでいただけたようだった。クロ・デ・レーヴは普段ワインを飲まない人でも飲まれるほど好評、レ・クロはワインを趣味にされている方が真顔になってお飲みになったという。 よく考えてみればこの老舗ホテル、戦後の日本社会にあってフランス料理界の聖地のような場所の1つであり、きちんとワインを提供する態勢が整っている国内有数のホテルであることをすっかり失念していた。 ワインを持ち込んだ時、受け付けの女性から、保管方法についてしつこく確認を求められ、「ベストとお考えになる方法でご提供いただければ結構です」とお任せしたのが奏功したかもしれない。ラブノーを持ち込んでも大丈夫だったな、と反省している。※一応貼っておきます。クロ・デ・レーヴは安くなっているようです。 ※2008年を最後に造られなくなった幻のワイン 大好評を頂いたクロ・デ・レーヴが再販!クロ・...価格:3,129円(税込、送料別) シャブリ・Grand・Cru・レ・クロ[2011]ヴァンサン・ドーヴィサ価格:8,820円(税込、送料別)
2013.10.20
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つい先日の話。嫁さんの友達の女性から、趣味が同じひとと3人ぐらいで、都心の老舗ホテルの部屋で簡単な打ち上げをするので、どんなワインがいいだろうかという相談があった。地元の「エノテカ」に行ったけど、どれがいいか良く分からなくて困っているという。 エノテカなんてろくでもない、安いワインをぞんざいに売っている店だ、やめろやめろ。ホテルからそう遠くない虎ノ門の例の店に行けば良いワインがあるから銘柄を教えるよと申し出たら、どうやら上京後はスケジュールがいっぱいで買いに行く時間すらないという。じゃあ、用意して渡しますよと伝えた。その時、念頭にあったのは品質が安定し、価格も2000円ぐらいですむブシャール・ペール・エ・フィスのブルゴーニュ・ブランだった。 たまたま、ワインを渡す当日に勝沼のトンネルカーヴに行くことになった。キャンセル待ち2年にして、ようやく3つ目の区画を借りることができたので、今年に入ってちょこちょこ買って自宅にあったワインと、今まで借りていた2区画の中で、やむなく不安定な場所に立てて保存していたワインを寝かせるつもりだった。 虎ノ門でワインを購入すればお代を返してもらうことになるが、この方と直接会う時間はなく、受け渡しが少し手間だ。単価2000円ぐらいのワインをお店に行って選ぶくらいなら、勝沼のセラーにあるワインから少し渡せばいいんじゃないか。お金もかからないし。おお、名案だ。サンクコストが大きいセラーのワインの価値を引き上げる絶好の機会だ。 だが、手持ちのワインから実際に選ぼうとすると、なかなか難しいと分かった。 ・ストックの大半はブルゴーニュワインだが、万人受けしない ・当日持ち込む点も、繊細なブルゴーニュワインでは分が悪い ・安いワインは先に飲んでしまうため、単価が高いものが多い ・多少残っている安いワインは、もう入手が困難なものばかり 価格は重要だ。このブログで前にも書いたかもしれないが、むかしフランス語の学校に通っていた頃、クラスメートだった年上の女性(おばさん)が話していた雑談を思い出した。 「ワインがおいしい店があるという人がいたので何人かで行った。確かにワインはおいしかったが、ワイン代として1人2万円だといわれてビックリした。そんな高いワインだと知っていたらついて行かなかったし、自分なら頼まなかった」。 高価なワインはTPOを考えて出さないと、相手の心の負担になる代物である。今回、頼まれたのはOLさんが気兼ねなく買える日常的な価格のワインだ。1万円以上するワインではいけない、DRCなどなおのこと。 まず複数本持っているワインという点でスクリーニングすると、こんなワインが候補となった。 ・シャブリ・レ・クロ2005 ドーヴィサ(ハーフ) ・ブルゴーニュ2005 J.トルショー ・ソーヴィニヨンブラン2003 シャトー・ド・スロンド ・シャトー・ムートン・ロッチルド2002 ・レフォール・ド・ラトゥール2005 だめだー(笑)。3つ目とか、僕以外で誰が喜ぶというんだ。やり直し。(続く)
2013.10.20
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