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《香樹院語録》より《二一。「意得の條々」》
一。五尊様の御給仕は、何事も自身にすべきことと心得、たとい余人に申しつくるとも、
もと我がすべきことと心得れば、諸事に心をつけて、疎末にならぬようになる也。
常にこの身を、仏祖へ奉公の身と心得べし。
一。寺役法用は、みな自身の報謝と心得て、大切にすべし。
信施のかわりに勤むと思うべからず。
門徒の信施は、報謝をつとむる縁と心得べし。
一。親えの孝行に、身を養うと心を養うとあり。
身を養うとは、親の衣食住を安穏にするなり。
心を養うとは、すべて親のこころを常に推しはかりて、親の案じ煩いなきよう心をつくる事なり。
心を養う方を第一と心得べし。
一。学問を心がくるは、一字を覚え一句を知る。みな学問なり。
書物は我れみて、すめるものより解し習うべし。
仏祖の御用なりと心得れば、冥加にかない学問も出来るなり。
一。家内を始め、人の交りは、人に疑われまじ誹られまじと心掛け、
まづ第一に、婦人に狎れ親むべからず、財宝に貪着すべからず。
よろづ情ふかく、畜類虫けらまで悩すまじと心がけて、また人を誹り誑すことなかれ。
然れば、殺盜婬妄も自から嗜まれ、仁義礼智信の道理にも叶うなり。
ゆめゆめ悪友に近づくなかれ。
香樹院思い出にまかせて記之。
右、心がけ、三年たしなめば、習い性をなして、心を労せずして、学業もすすむなり。
仏法心もあつくなる事なり。
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