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ケンコーコムの訴えが棄却されました。判決内容の骨子としては、医薬品販売は、インターネット販売ではダメである、対面販売でないといけないということです。しかし、この判決において問題となるのは、販売方法の話ではなく、ケンコーコムの後藤社長がいうように、国がインターネット販売に規制をかけたことです。背景として、後藤社長は、ブログの中で、このように言っています。「今回の法令は、日本薬剤師会や日本チェーンドラッグストア協会といった守旧勢力が、医薬品のネット販売をつぶしたいと官僚や族議員に働きかけ、9千以上の消費者からの反対のパブリックコメントを踏みにじって、施行を押し切ったものです。」http://www.kenko.com/blog/genri/2010/03/blog-post_30.htmlすでに、ケンコーコムは、日本での展開に見切りをつけ、昨年、シンガポールに会社を作り、事業を展開しています。また1つ企業が日本を出ていってしまいました。私は、基本的には、ケンコーコムを応援する立場ですが、新しい勢力に対して、旧い勢力が既存権益を守るという動きは当然に起こってくることと思っています。どこの業界、会社でもそうだし、家の中でさえ親子の対立という形であらわれます。流通業界としての動きとしてみれば、かつてあった大型チェーン店対地元小売店という図式を思い起こさせます。地元小売店は、大規模小売店舗法という大規模小売店を規制する法律に守られていたわけです。しかし、時代は、大規模小売店化の流れに勝てず、地元小売店はほとんど淘汰されてしまいました。規制では、時代の流れは変えることはできなかったのです。大規模小売店には、実際に問題がなくもありません。経営が悪化し採算がとれなくなり撤退してしまうと、街そのものが廃墟のようになってしまうという問題です。大規模小売店のような大きな規模で崩壊してしまうと、その後釜は簡単には見つからないどころか、大きなマイナスさえ抱え込むことになるということです。大規模小売店の問題は、ある限られた地域の問題になりますが、インターネットの場合、もっと対象地域が広くなり、日本とか、地球規模の問題になってくることが違います。インターネットでブランド力を持った企業は、日本語サイトであっても、日本中の小売業者に影響を及ぼすことになります。ケンコーコムは売上100億円、社員160名ぐらいの規模ですから、小売チェーンに比較すれば、まだ小さな企業です。それでも、インターネット販売がもっと普及し、これからインターネットが使える高齢利用者が増えていくので、日本中の既存店舗への影響は、ますます大きくなるでしょう。事業としてみれば、大きな発展が見込めます。そのインターネット市場ですが、寡占市場になりやすいというのが特徴としてあります。ショッピングであれば、楽天、ヤフー、アマゾンなどのいくつかのサイトが勝ち組になっています。家電ならヨドバシ、ビックカメラ、ヤマダ、といった具合です。成功している個人サイトもありますが、規模が違います。インターネットで何かを買おうとしたら、比較してもせいぜい3つ、多くても5つのサイトでしょう。それが、全国を対象とした規模で展開しますから、ブランドを構築できたサイトは大きな売上を上げられます。ちなみに、この選択数というのは、リアル店舗でも言えます。やはり、3つとかに限定されます。私が住んでいる地域のドラッグストアなら、カワチ、マツモトキヨシ、スギ薬品ですし、ホームセンターなら、カインズ、セキチュー、ビバホームといった具合です。人間が感覚的に選択する数に合わせて、店舗数は存在しているわけです。繰り返しになりますが、リアル店舗は、地域を限定して展開されますが、インターネット店舗では、広域になる分、影響力がさらに拡大します。守旧派、既存店舗側が、インターネットを脅威として、既存権益を守ろうとするのもある意味当然でしょう。こういった人たちに、経営努力が足りない、もっとインターネットノウハウを身につけろ、と言うのは簡単ですが、それを実行させるのは、簡単ではありません。新しいことに挑戦する人は少数派ですし、インターネットビジネスは結構敷居が高いものです。そもそも、現在のいる場所を守るほうが安心な人が多いですから。しかし、リアル社会の小売店が大規模店舗に置き換えられたように、インターネットの躍進をおさえることはできません。リアル店舗は、ますます淘汰されていくでしょう。そうした中で、今回の判決のようなインターネット販売に規制をかけることは何を意味をするのでしょうか。ビジネスとしてみれば、日本企業が世界の動きに遅れをとることです。規制をかければ、当然、ビジネスは停滞、縮小します。縮小すれば、投資ができないからビジネスが育ちません。その間に、海外の企業が力をつけて、大きく発展し、日本企業が負けてしまうということになります。だから、そうならないように、ケンコーコムは、海外に出たということです。結局、インターネット社会では、世界規模でビジネスが展開していきます。その中で、ビジネスの寡占化が進みます。それは、今回の規制と関係なく進み、止められない大きな流れでしょう。今回のインターネットの規制は、日本企業が負ける環境を作ることに加担することになることが問題なのです。規制によって、現在の守旧派を守り得られるものと、失うものを考えないといけません。世界規模での寡占化というインターネットの恐ろしさは、大規模小売店舗以上のものがあると思います。しかし、既存店舗を守るにしても、インターネット規制という強引でマイナスの施策ではなく、インターネット活用というプラスの施策で乗り切るべきだと思います。**********************************有限会社リレーションメイク 羽切 徳行企画書作成サービス羽切のtwitter
2010.03.31
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1枚企画書の本が売れているようです。ただ、その扱っている1枚企画書というのはA4サイズです。企画のきっかけを作ったり、ヒントを企画書にする程度なら、A4サイズの企画書でもいいかもしれません。しかし、企画を実現するときには、A4サイズではどうしても情報が少ない。実際多くの企画書を現場で書いている立場の私からすると、1枚企画書はA4サイズよりもA3サイズで作るほうが圧倒的に多くなっています。それは、A3サイズの1枚企画書のほうが情報を多く掲載でき、説得力が増すからです。例えば、新事業の企画書を書くとします。その企画書では、少なくとも、市場環境を概観、ターゲット、コンセプトを策定、戦略を練り、実行計画を書かなければなりません。これだけの要素を書くとなると、A4サイズではさわりしか説明できませんが、A3サイズならより実践的な企画書が作れるというわけです。A3サイズの企画書は、特化した内容のものを書くこともあります。例えば、年間のプランを練る場合などです。横軸に12ヶ月、縦軸にリアル店舗、インターネット、広告などチャネル別、場所別、メディア別などの展開を書いていきます。さらに、具体的な媒体名や施策レベルまで細かく追っていくと、A3サイズでないと書ききれないということになります。年間計画なども、時間軸と展開内容が細かく全体としてどうなっているかを一覧できるから、流れと組み合わせを頭の中で組み立てられ、検証できるのです。A3サイズの企画書は、より実践的な内容に向いています。**********************************有限会社リレーションメイク 羽切 徳行企画書作成サービス羽切のtwitter
2010.03.26
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A3企画書に関して、サッカーのJリーグが1992年に発足した時の有名な話があります。当時の日本サッカー協会の川淵三郎キャプテンのところには、リーグへの参加を希望するクラブからたくさんの企画書がとどきました。ほとんどの企画書が何十枚という中に、たった2枚のA3企画書があったのです。それは、トヨタ(名古屋グランパス)が出してきた企画書です。あとで、川淵三郎キャプテンは、必要なことが簡潔にわかりやすく、一番よくできていた企画書だった、と述べています。企画書は、ときと場合によって、少ない数枚でも効果を発揮しますが、この場合、A3企画書は大きな威力を発揮したのです。トヨタには、今でも企画書はA3でというきまりがあります。社員、関係各社は当然この決まりを守りますが、外部からの提案者も、A3の少ない枚数でまとめなければなりません。A3企画書の優れたところは、1枚の上にビジネスの要素や情報をたくさん掲載できるので、流れや関係性、因果関係などが検証しやすいところです。つまり、見る側が全体と内容をぱっと見て判断できるのです。同じことをA4企画書で書くと、何枚ものページにまたがり説明することになるので、見る側はいちいちページをいったりきたりしなければなりません。A3企画書は、スピーディーな判断を可能にし、時間がない人にも最適なのです。このメリットを追求すると、A3企画書を書くなら1枚にまとめたいというのがあります。すべてを1枚にまとめるからこそ、より内容を理解しやすくなるからです。1枚にまとめるには、情報の取捨選択と見せ方が重要になってきます。必要な情報を極限まで絞り込み、ビジネスの小宇宙をA3・1枚という世界に凝縮する。それは、高度なビジネス能力と企画書作成能力をあわせ持つことで可能になります。ときには、A3企画書は数枚になることもあります。しかし、それは、A3・1枚という世界がいくつか重なったというとらえ方をします。共通するノウハウは同じです。**********************************有限会社リレーションメイク 羽切 徳行企画書作成サービス羽切のtwitter
2010.03.25
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