うたのおけいこ 短歌の領分

うたのおけいこ 短歌の領分

2010.02.01
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カテゴリ: 詩歌つれづれ


「優劣判定 今昔/仕分け人 元祖は定家/歌壇のボス 悩ませた西行」という記事である。

それによると、我が国の「事業仕分け」の元祖は、歌聖・藤原定家(ふじわらのていか、さだいえ)その人なのだそうで、それまでの日本文芸の粋である和歌を渉猟網羅(しょうりょうもうら)、俯瞰睥睨(ふかんへいげい)し「仕分け」して成った集大成こそが「新古今和歌集」なのだという。

・・・凡人には思いも寄らない、やや唐突・突飛ともいえる譬えだが、言われてみれば、なるほど案外言い得て妙かも知れない。

そして、どうしても「仕分け」の対象に出来なかった最高峰の歌人が、ほかならぬ同時代人であった西行(さいぎょう)法師なのだという。

「西行の存在が定家による仕分けの事業を拒絶して」おり、「のり越えがたい山岳を形成していたということが想像される」のだという。・・・う~む、この辺けっこう分かる。同感。

後世の芭蕉は、その辺の消息を見抜いており、両者の歌を「定家の骨、西行の筋」と評していたという。

芭蕉は、よく知られているように(いわば「大人ナチュラル」な)西行贔屓(びいき)の立場であったが、定家の都の書斎における彫心鏤骨と、西行の風狂の旅の漂泊流転を対比していたという。
「筋」とは、足腰の筋肉の筋でもあるという。

山折氏は、今日我々の眼前に展開される「事業仕分け」も、専門家による骨身を削るメス(定家)と、それを迎え撃つ、足腰を鍛えた余裕と自信(西行)の真剣勝負であるという。

・・・最後の方は、何が言いたいのか今ひとつ分かったような分からんような、「名文」と「迷文」の境界線上にあるような人を食った文章であるが、全体として深みがあり、面白い文章である。

和歌・短歌に興味がある読売新聞購読者の皆さんには、必読というべき論文である。
・・・読売を購読していない皆さんは、最寄のコンビニで買うか、図書館でお読み下さい





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Last updated  2010.02.01 16:11:48
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くまんパパ @ 短歌では、ありですね(^^) 七詩さん、そうですね、同感です。 私も…
七詩 @ Re:ニヒルなれども面白し(06/08) くまんパパさんへ あの「世の中にたえて…
くまんパパ @ ニヒルなれども面白し 七詩さん、いつもありがとうございます(^^…
くまんパパ @ めっきり蒸し暑くなってきました やすじ2004さん、いつもありがとうござい…
くまんパパ @ のんびり行きたいですね(^^) やすじ2004さん、いつもありがとうござい…
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やすじ2004 @ Re:松尾芭蕉  あらたふと青葉若葉の日の光(05/03) お元気ですか 今日は夏のような暑い一日…

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