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2009.01.21
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人でも街でも国でも、「もっとも華やかな時代」というものがあり、その輝きを忘れることはできないようだ。

他のシチリアの都市と同様、シラクーサも長い歴史の中でさまざまな民族の支配を受けたが、この街が一番輝いたのは、古代ギリシア時代。シチリア最大のポリスとして繁栄し、アテネと勢力を競うほどだった。

シラクーサには考古学地区と呼ばれるギリシア・ローマ時代の遺跡の残る地域と、主として17世紀以降に建てられたバロック建築が美しい旧市街地区がある。だが、圧巻はなんと言っても考古学地区に残るギリシア劇場(テアトロ・グレコ、紀元前3世紀ごろ)だろう。

siracusa2

普通古代の劇場は石を積み上げて作るのだが、シラクーサのギリシア劇場は石を切り出して作った。規模ではタオルミーナを凌ぐシチリア最大の野外劇場遺跡であり、現在は減っているが、オリジナルの客席の列は67にも及んでいたという。紀元前の時代に、シラクーサではこんな巨大な劇場で人々が演劇という文化を楽しんでいたのだ。同じころの日本 劣等 列島では、人々はどういう生活をしていただろう? 

ギリシア劇場からそれほど離れていない場所に、ローマ劇場(テアトロ・ロマーノ、紀元後3~4世紀ごろ)もあるのだが、こちらはローマのコロッセオをミニチュアにして、徹底的に壊したようなお粗末なもの。
siracusa3
写真にしてしまうと、スケール感の差が出ないのだが、実際にその場に立ってみると、シチリア最大のギリシア都市だったシラクーサが、ローマに征服されてからは、完全に「辺境の街」に追いやられた歴史の変遷が実感できる。

また、シラクーサにはイタリアでも屈指と名高い 考古学博物館 がある。博物館の入り口に至る前庭には、手入れの行き届いたパームツリーがびっしり並び、強い日差しを受けて、幹と葉の美しい影模様が地面に描き出されている。この入念に演出された前庭の美しさを見ただけで、シラクーサという街がどれほどこの博物館を大切に思い、誇りにしているかがわかろうというもの。



そういえば、フランスのどこかの郵便局で硬貨を出したら、何度もひっくり返して見て、「これは受け取りたくない」とかって、窓口のねーちゃんに拒否されたことがあったっけ。別に腹も立てなかったが、70円かそこらの価値しかない硬貨で、しのごの言ってたあっちの態度のほうが失礼だった(さすが、おフランス)。もちろん、その硬貨は別の店で普通に使ってしまったし、そこでは「受け取りたくない」なんて言われもしなかった。

さて、シラクーサの考古学博物館だが、展示物も先史時代から、エジプト、ギリシア、ローマに至る文明の遺物が所狭しと陳列され、圧巻の一言だった。立ち寄る価値は十分にあると思う。

コレクションで中心を占めるのは、やはり古代ギリシア時代の遺物で、赤絵や黒絵の壺やギリシア神殿の装飾品などの充実ぶりを見ると、ここがイタリアだということを忘れてしまいそうになる。

シラクーサには意外な特産品もある。それは「パピルス」。パピルスと聞くと日本人はまずエジプトをイメージするが、シラクーサではパピルスに描かれた――主として――ギリシア風の絵がお土産としてたくさん売られている。

古代文明はこんなふうに海を隔てて互いに影響しあい、融合していったということだろう。
断片的に頭に入っている「エジプト=パピルス(紙)」「ギリシア=(壺に描かれた)黒絵」が現在のシチリア島の街の土産屋で1つになっているのは、なんだかシュールな光景だった。

siracusa5
アレトゥーザの泉には、今もこんなふうにパピルスが茂っている。ちなみにアレトゥーザとは、ギリシア神話に登場するニンフの名前。

そして、シラクーサには、世界にその名を轟かせているスーパースターがいる。やはりギリシア時代、紀元前3世紀に活躍した数学者・物理学者にして発明家でもあるアルキメデスだ。

アルキメデスはギリシア人、だが生まれたのはシチリア島のここシラクーサなのだ。そして彼は海をわたったアレクサンドリアで学問を修めている。アレクサンドリアから帰ってからはシラクーサ王へロンに厚遇され、数学や物理の研究で成果をあげた。

もっとも名高いのが「静水圧の原理」。王の金冠が純金か不純物入りかを見極めるために考案された原理で、お風呂に入ったときに浴槽から水が流れ出すのを見てひらめいたという伝説でよく語られる。

また、ローマの侵攻を受けた際には、さまざまな武器を考案して、これを防いだとも伝えられている。アルキメデスが死んだのは、紀元前212年のやはりシラクーサ。街を包囲したローマ軍の攻撃に巻き込まれてのことだったという。



見所の多いシラクーサ。

考古学地区でのもう1つの観光ポイントは、「ディオニソスの耳」と呼ばれる古代の石切り場。

siracusa4

この名前自体は案外新しい。16世紀の画家カラバッジョの命名で、ディオニソスとは紀元前5世紀から4世紀にかけて実在したシラクーサの僭主。僭主とは卑しい身分からのし上がった国王のことで、ディオニソスはカルタゴとの戦いで功を立て、貧民階級の後援をえて勢力を拡大し、政権を握った。

この人工的な洞窟は別名「ロバの耳」とも呼ばれる。入り口の形が似ているからだが、「ディオニソスの耳」という名前には、形のほかにディオニソスにまつわる伝説が絡んでいる。

この洞窟は非常に音響効果がいい。そこで、ディオニソス王は自分に歯向かう反乱分子をここに閉じ込め、囚人同士の会話を盗み聞きして、彼らの陰謀や秘密を探ったというのだ。もちろん後世のデッチアゲで、カラバッジョ自身の創作だという説もある。



なんにせよ僭主ディオニソスは猜疑心の強い暴君で、最終的な評価は高くなかったということだろう。

さてさて、こちらはガラリと雰囲気の違う、モロ「現代」なコンクリート建築、マドンナ・デッレ・ラクリメ教会。ラクリメとは涙、つまり「涙の聖母」教会という意味だ。
siracusa1
この教会が完成したのは1990年で、1953年に起こった「奇跡」にちなんでいる。ある市民の家にあった小さな聖母マリアの絵から、突然涙があふれ出たというのだ。調査の結果、マリアの涙は本物(つまり、人間の涙だということ)であることが判明して、そこは聖所とされ、やがて教会が建てられたという次第。

悪いが、全然信用する気になれない、いかにもキリスト教的なミラクル・ストーリー。









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最終更新日  2009.01.22 10:44:46


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