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2009.01.26
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レンタカー以外で、個人で一番安くヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレに行く方法は、ピアッツァ・アルメリーナに宿を取り、そこから公共バスで往復することだ。タクシーをチャーターするのは、3つ星クラスの中級ホテル1泊代よりずっと高くなる。逆に公共バスは日本に比べるとはるかに安い。

シラクーサ7:00→ピアッツァ・アルメリーナ10:30のバス代が1人14,000リラ(840円)。3時間半乗ることを考えれば、格安だといえるだろう。

アルメリーナから5キロ郊外のヴィッラまでは、バス代1,200リラ(70円)。

効率よく回りたい日本人は、シラクーサ(あるいはタオルミーナ)からアグリジェント(あるいはパレルモ)に抜ける途中にピアッツァ・アルメリーナがあるから、ピアッツァ・アルメリーナで泊まらずにちょっと寄って、ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレだけ見に行きたい、と考える。

だが、この方法は、21世紀とは思えない非効率的世界であるシチリア中部では思いとどまったほうがいい。ピアッツァ・アルメリーナに公共交通機関で着いても、荷物を預ける場所がない。

おまけにアルメリーナからヴィッラまでのバスの便は非常に悪く、1~2時間に1本しかない。荷物をかかえてタクシーをチャーターしたとしても、ヴィッラを見学しているときに荷物をどこに置くかという問題が出てくる。

だから、公共バスで行くつもりなら、ピアッツァ・アルメリーナに1泊して余裕をみたほうがいいのだ。

だが!

ピアッツァ・アルメリーナにはロクなホテルがない!



なので、やはり一番いいのは、アグリジェントかカルタジローネを拠点にホテルを取り、大きな荷物はそこに置き、朝早く身軽にバスで来て、多少割高でもタクシーをチャーターする方法だろうと思う。

では、ピアッツァ・アルメリーナに1泊して公共バスでヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレに出かけたMizumizuがどんな悲惨な目に遭ったか、つまびらかにしよう。

ピアッツァ・アルメリーナのホテルは予約せずに来た。バス停で降りてから、近くのホテルに飛び込めばいいと思ったからだ。

朝10時半すぎ。バスを降りると、1~2ブロック先にホテルの看板とおぼしきものが見えた。だが、どうも看板は崩れかけている(苦笑)。遠目にも、やっていなさそうなのがわかる。

ちょうどそばで、おっちゃん2人が立ち話をしていた。ソフトケースの荷物を引きずりながら、おっちゃんの1人に、

「あそこのホテルはもうやってないの?」
と聞いてみた。
「あ~、閉まっているよ」
答えてくれた50がらみのおっちゃんは、風貌はモロにアラブ人なのだが、目だけはビックリするほど澄んだブルーだった。

さすがにシチリア。アラブの血のどこかに、北ヨーロッパのノルマンの血が混ざってる。なんとなく感心しつつも、ホテルを探さないといけない。

「この近くにホテルある?」

「ここを5分ぐらい歩いたところにある」
とのこと。

5分かぁ。ちょっとあるな、と思いつつ、荷物をひきずって歩き出した。

すると!

なんだか知らないが、このブルーの瞳のアラブ系イタおっちゃん、くっついてくるではないか。


案内してもらうのは悪いから断わったのだが、
「どこから来たの?」
かなんか言って離れない。
「東京から」
「あ~、中国ね」
ヨーロッパの田舎の一般人の極東に対する認識なんて、こんなものなのだ。
「いや、日本」
「そうかそうか。日本人はみんなお金持ちなんでしょ」

つーか、キミみたいに平日の昼間っからプラプラしてないからね。みんなよく働くし。

「でも、南イタリアも以前より裕福になったでしょ。バーリから来たけど、数年でクルマもよくなったし、みんなが着てる服もよくなった気がするけど」
「いや、シチリアは貧乏だよ」

ど~も嫌な予感がする、この会話。そうこうしてるうちにホテルらしき建物が見えてきた。

「あそこがホテルね。わかった。ありがとう」
と言ってるのに、まだこのおっちゃんはくっついてくる。とうとうホテルのエントランスをくぐった。

宿代を聞くと、ツインで15万リラ(9000円)だと言う。シラクーサよりちょっと高い。でも、他に選択の余地がないので、泊まることにした。

おっちゃんはまだぐずぐすしていて、部屋に入ろうとするMizumizuを引き止めて、

「オレは家に子供が3人。でも仕事がないんだ」




「だから、 何か もらえるとうれしいんだけど」

「何か」というのが、「(おカネを)いくらか」の意味だというのは、モチロン察しがついたが、勝手についてきただけのオヤジにチップを恵んでやる趣味はない。

Mizumizu母のソフトケースをあけてもらい、アルベロベッロで現地のイタ男と結婚した日本人妻がいたお土産屋でお義理で買った、おいしくもなさそうなクッキーを取り出した。

そして、素知らぬ顔で渡す。

「これをあなたのお子さんたちに」

ブルーの瞳のアラブ系イタおっちゃんは、ものすごくガッカリした顔で、

「ありがとう」

と言ってクッキーを受け取って出て行った。

さて、ホテルでヴィッラ行きのバスの時刻表をもらった。バスはホテルの前に来るという。おお、それは便利。しかし、便数が少ないなぁ。部屋に荷物をおいて、近くのバールでアランチーノ(ライスコロッケ)でも買い食いするか。

しかし、部屋に入って驚いた。恐ろしくボロい。これでシラクーサのホテルより高いのか!? 信じられない。くつろぐ気にもなれず、町へ出てみるが、これまた町がどうにもならないほど、さびれてる。

1つ2,500リラ(150円)のアランチーノを売ってるバールを見つけ、オレンジの生ジュース(スプレムータ、こちらは1杯180円)と一緒に食した。バーリでイケメンのアルトゥーロに薦められたアランチーノ。

シラクーサの街中でも見つけて食べてみた。店によって美味しかったり、そうでもなかったりするが、基本はチーズ入りライスコロッケ、つまりは典型的B級グルメ。アルメリーナのアランチーノは油っぽくてハズレだった。

ちぇっ、食い物までまずいや、この町。

いったんホテルの部屋に帰り、恐ろしく便数の少ないバスの来る時間に合わせて、フロントにおりた。

すると…!

げげっ、またも例の物乞いおっちゃんがいるではないか。しかも、ホテルのバールで何やら飲んでいる。

失業中なのに、昼間っからホテルのバールで酒(?)なんか飲むなよ!

知らんふりして行こうとしたら、残念ながら見つかってしまい、こっちに近づいてくる。

「ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレに行くの?」
「そう」
仕方なく、バスの時刻表を見せた。
「行ったことある?」
「あるよ」
「よかった?」
「モザイクはきれいだよ」
「有名だよね。楽しみだな」

また家庭内事情に話が及ばないよう、必死で観光名所の話を続けるMizumizu。

ようやく向こうから小型のバスがやってきた。あれだな、ヴィッラ行き。

ところが…!

バスの運ちゃんたら、バス停をほとんど見もせず、つまりは停まろうともせずに行こうとするではないか!

慌てて手を振るMizumizu。すると、ブルーの瞳のアラブ系物乞いイタおっちゃんが、ものすごいデカい声を出し、駆け出して運ちゃんに合図してくれた。

そこでようやくバスに乗ろうとしてる人間がいることに気づいたらしく、運ちゃんがバスを停めた。

やれやれ、乗る人あまりいないのかね、この路線…

なんにせよ、ブルーの瞳のアラブ系物乞いイタおっちゃんが、ガタイのよさを生かしてゼスチャーしてくれたから助かった。いいとこあるじゃん。

なんとかバスに乗り込み、いざヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレへ。

http://jp.youtube.com/watch?v=Bc9t-MhVd30

まさにこんなふうにヴィッラへ入場。しかし、本当に辺鄙な場所だ。世界的に有名な観光地だと思うのだが、みんなだいたい大型バスで来て、そのままアルメリーナの町へは寄らずに行ってしまうというパターンのよう。

ヴィッラの中は人でいっぱいなのだが、周囲には商店街もなにもない。入り口近くにパラソルを立ててお土産を売ってる屋台のような出店があるだけ。

帰りのバスは午後4時と5時半(最終)だった。行きのバスの便も悪かったから、着いたらもう午後2時半をまわっていて、午後4時のバスには間に合いそうもない。それで、ゆったり見て、午後5時を少し回ったところで、ヴィッラを出た。

ところが!

バス停で待てども待てどもバスが来ない。午後5時で入場が終わるヴィッラは、だんだんひと気がなくなり、出店もじょじょに店じまいを始め、あっという間に淋しい雰囲気になった。

時計を見ると午後5時40分。30分以上待ったのに来ない。10分も遅れるだろうか?

不安が募り、バス停とヴィッラの入り口の間をウロウロと歩く。

そのMizumizuの不安げな姿を、大型観光バスのそばで、観光客グループの帰りを待っているらしい運転手が心配そうに見ていた。

「バスが来ないのよ」
視線を受けて話しかけてみた。
「何時のバス?」
「午後5時半」
運転手は時計を見た。
「もう45分だよ」
「ここってタクシーあるかどうか、知ってる?」
「いや、知らないけど、ないだろう」

確かになさそうだ。公衆電話もないし、パラソルの下で商売している人たちが帰ってしまったら、周囲には本当に何もなくなる。このままバスが来なかったら? 

いや、もう15分も来ないのだから、来ない可能性のが高い。

「どこまで行くの?」
「ピアッツァ・アルメリーナ。ホテルを取ってるから、今日はそこに泊まるの」
「このバスはピアッツァ・アルメリーナを通るよ、でも…」

乗せてあげたいけど、自分からは乗せてあげるとは言えない、といった雰囲気だ。

「誰が責任者? 乗せてもらえるか、聞いてみてもいい?」
「彼女」

運転手が指した先に引率者のような女性がいた。

意を決して、ピアッツァ・アルメリーナまで乗せてもらえないか聞いてみることにした。すると、運転手もついてきてくれて、途中から「ずいぶんバス停で待ってて…」と助け舟を出してくれるではないか!

女性はすぐにニッコリ笑って、

「もちろん、どうぞ!」

と快諾してくれた。

あ~、助かった。

日本では考えられないことだよね? でもイタリアではアリ。

考えてみれば、5キロ先まで観光客を同乗させてあげるなんて、満席でなければなんでもないこと。でも、日本じゃ、「事故ったら責任が…」とか「どこの誰ともわからない人をいきなり乗せるわけには…」なんつって、助けてくれるとは思えない。

観光バスを借り切ってやってきたのは、カラーブリアから来たという若者の集団だった。

皆が乗り込んだところで、運転手がマイクで、

「さ~、みなさん。今日はインターナショナルなゲストが乗ってます」
とアナウンス。バスの中はなぜか拍手喝さい。

照れ照れのMizumizuと母。

公共バスに比べると、貸切の大型バスは天国。快適にピアッツァ・アルメリーナまで帰ってきた。

しかも、ホテルもすぐに見つけてくれて、近くでちゃんと降ろしてくれたのだ!

感激のMizumizuと母。

バスを降りて、「ありがと~!」と出発するバスに手を振った。

バスの客も手を振り返して感動的な別れ… かと思いきや、

バスのみんなは誰もこっちを見てなかった!

あれ~ッ

それぞれのおしゃべりに夢中で、降りてしまった我々のことは、即座に忘れたよう(苦笑)。

しかし、本当に助かった。地獄で仏とはこのことだ。

さて、夜は食事をして早めに寝るだけだわ。このシケた町じゃ他に何もやることがない。

ホテルのフロントの背の高い兄さんに、近くにおいしいレストランがあるかと聞いたら、

「ない。ここで食べろ」
とフロントの横にあるレストランを指差された。

<このホテルでは、またひと波乱あり。それは明日のお楽しみ>

































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最終更新日  2009.01.26 08:38:50


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