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2009.02.12
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カテゴリ: Figure Skating(2008-2009)
<きのうから続く>

このルール違反はもちろん減点になる。3Aの基礎点が2割引かれてしまうのだ。

ところが、ここからが現行の変なルール。たとえば、ルールどおりに2度目の3Aを連続ジャンプにするとする。織田選手の場合、3Aはやや苦手。しかも後半。さらに一度失敗してあせっている。その状態で無理に3Tをつけて連続にしても、回転不足を取られてしまうと、「単独ジャンプ以下の点」になってしまうのだ。

この変なルールを逆手に取ってルール違反し、後半の3Aも単独に留めてきれいに着氷させれば、加点がつく。木を見て山をみない今のルールはジャンプだけをみて加点・減点をするので、単独のほうが簡単な分、当然加点がつきやすいのだ。

NHK杯では織田選手は2度目の単独アクセルをきれいに決めて、加点をもらった。得点は8.22点。きれいに跳んだ単独3Aの10点超には当然かなわないが、まずまずの点だ。そして最初に失った3Tの点は次の3Sにつけることでカバーした。

連続ジャンプの点は結局単純な足し算だから、3Aにつけようと3Sにつけようと同じこと。無理に3Tを後半の3Aにつければ、10%増しの基礎点にはなるが、失敗の可能性が非常に高くなる。ダウングレード判定になれば、連続ジャンプにしないほうがマシという点になってしまうのだ。この作戦はうまく行き、織田選手はまったくダウングレードがなく、失敗が目立ったにもかかわらず、点は大きく下がらなかった。

織田選手は、点がいいと、「ジャッジの方が思ったより評価してくれて」と思いっきり「いい子」の顔で答えているが、実際には、ここまで「現行の採点システムとジャンプの個人的な得手・不得手を考慮した減点の防ぎ方」を工夫しているのだ。もちろん、織田選手の後ろにいるのはニコライ・モロゾフ。

そこまでして、モロゾフは織田選手のフリーの3Aを2度何としても決めるつもりで来ている。ルッツが2つ入る小塚選手よりジャンプの基礎点が低い分、失敗は許されないのだ。

ところが今回は、小塚選手が4Tで認定をもらい、織田選手はダウングレード転倒になってしまった。さらに、絶対に決めたかった2度目の3Aでも大きく乱れ、9.02の基礎点に対して、GOEで減点されて6.22点。きれいに決めれば加点がついて、10点近くになるのが後半に跳ぶ3A。だから、ここで織田選手は実際には4点近く失った。4Tもダウングレード転倒だと0点になってしまう(ジャンプそのもの点が1点、最後に1点の減点)。認定さえされれば、たとえ転倒しても、4点。



加えて、演技・構成点は露骨に下げられ、小塚選手とピッタリ同じ70.60点。トータルで146.22点。ジャンプがもう少しよければ、演技・構成点もつられて多少上がったかもしれないが、それを考えなくても、ジャンプの現実的な想定点(4回転は認定転倒、3Aは2つ成功で8点アップ)を加えれば、153.22点という点が出たはずで、このあたりが、「最低の目標」だったハズだ。

だが、結果は、勝負ジャンプの2度目のアクセルを着氷乱れで失敗してしまった。フリー前の予想で、Mizumizuはこの展開を「悪いシナリオ」だと思っていたが、それが現実になってしまった。リンクの幅が狭いこともあって、織田選手は直前の練習で3Aの調子を崩したようだ。

せっかく「あとは4回転を決めるだけ」のところまで仕上げてきたつもりが、ここ一番の大きな試合で、もっとも悪い結果になる。

実はこのパターンは小塚選手も同じなのだ。小塚選手は2戦目のフランス大会で、4回転以外のジャンプはすべて決めた。「あとは4回転を決めるだけ」のところまで、早い段階でもってきていたのだ。

ところが、プレッシャーのかかるファイナルで大崩れ。あのとき、せめて4回転回避策さえ取っていればと何度も書いたが、小塚陣営の描く青写真は、「同じことを繰り返し、徐々に欠点を克服して完成させる」というパターンだ。

これはこれで、基本的には悪くない考えのハズなのだ。ずっと同じ構成で行き、失敗したら、次はその部分を課題として克服するよう努める。すると徐々に選手も慣れて、技術も向上し、最後にはすべてできるようになる。

小塚選手と同じコーチの中野選手も基本的にこの方法だ。シーズン初めには3Aをはずして、他のジャンプはかなりまとめ、ほとんど「あとは3Aを決めるだけ」のところまで仕上げて、ファイナルへ。ところが、結果は大崩れ。次の全日本ではショートは完璧の出来。フリーでは3Aをはずしてまとめる作戦に出たのに、結果はこれまで不安があった部分が全部失敗として裏目に出て、代表落ち。最後の3連続ジャンプはシーズン当初は何も問題なくピョンピョンときれいに決めていたのに、シーズン後半にきたら、着氷が徹底的に乱れた。

この悪いパターンはアメリカのウィアー選手もそうなのだ。全米では4回転ははずしたのに、もはや調子は戻らず、肝心のトリプルアクセルも決まらなくなった。ファイナルまでは台にのぼってきた選手が国内大会で台落ち、代表落ち。

今季特にこの現象が顕著に見られる。そして、調子が上がったところでジャンプ構成の難度を上げると返って点を下げてしまうのは、キム・ヨナ選手が証明した。

ヨーロッパではベルネル選手が難度の高いジャンプ構成にして、やはり自爆を繰り返している。彼もまた4回転がなかなか決まらないうえに、元来は跳べていたトリプルアクセルが乱れてしまった。

欠場するほどではないが、怪我を抱えているというような個人的な事情はあるにしろ、パターンとしては全部同じ。調子を落としてくると、もともと跳べていたジャンプがダメになり、調子を上げてジャンプ構成の難度を上げると、今度は点が落ちる。



ベルネル選手やウィアー選手に起こったことが、小塚選手・織田選手に起こりつつあるのが非常に気になるのだ。ウィアー選手も解説の本田武史をして、「彼はショートを失敗しない選手」と言わしめていたのが、徐々にショートでの細かい失敗が増え、全米ではとうとう大失敗をして、代表落ちをしてしまった。このときの最大の大失敗が、決めなくてはいけない3Aのすっぽ抜けだったのだ。小塚選手・織田選手も今回、ショートが乱れた。まだ細かな乱れだが、次の大きな試合が世界選手権で、約1ヶ月ほどしか時間がないのが気になる。そして両者とも3Aが不調になってきている。「4回転+2度目のトリプルアクセル失敗」という2つの失敗のパターンにはまった2選手が約1ヶ月でやってくる本当の大一番までに、両方の課題を見事に克服できるかと言うと――確率から言えば、大変に低いと言わざるをえない。

だから、確実に点を上げるためには、やはり4回転はやめて、2つの3Aを確実に決めるという方向にシフトすることなのだが、恐らくもう2人ともその手法は見えていない。というのは、今回チャン選手が演技・構成点で爆アゲされ、10点近く差をつけられたからだ。これを見て、日本の2選手は、「やはり4回転を跳ばないと勝てない」とますます思い込む。実は逆で跳べない4回転に挑戦して3Aを失敗してるから、演技・構成点を下げられているのではないかとも思うのだが。

それにまあ、今回のこの演技・構成点の差はちょっと「操作しすぎ」だ。それは2選手の陣営ともわかっているとは思うが。80.1点なんて国内大会みたいな演技・構成点が出てしまったのは、明らかに失敗。返って四大陸選手権の権威を落としてしまう。同じカナダのバトル選手が長年の集大成ともいえる、ミスのない素晴らしい演技で優勝した昨季の世界選手権だって、演技・構成点は78.78点だった。18歳かそこらで、偉大な先輩スケーターの選手生活での最高の演技を凌ぐ点を与えてはいけない、いくら試合の「格」が違うといっても。

今季のチャン選手と小塚選手の演技・構成点の変遷を見ても、フランス大会で、チャン76.9点、小塚72.10点と5点ぐらい。ショートでチャン不調・小塚好調のファイナル・フリーでは、チャン73.2、小塚73.3と拮抗している。その前のカナダ大会ではチャン77.4点、ライザチェク70.7点(アメリカ大会で76.3点だったライザチェクが、カナダに来てショート4位と出遅れたら、いきなりフリーの演技・構成点が70.7点にサゲられて、余りの露骨さにアメリカファンの怒りを買った。70.7点というのは、今回の織田・小塚選手の70.6点とほぼ同じ。ホント、カナダでの大会は露骨すぎる。ちなみにショート2位で折り返した今回のライザチェックのフリーの演技・構成点は74.7点で、80.1点のチャンとは5.4点の違い)。

どうもショートで3位以下の選手は、フリーの演技・構成点は全般的に下げられる傾向にあるようだ。もちろん、ミスの数にもよるだろうが。



織田・小塚選手には欠点がない。チャン選手はジャンプが弱いという欠点がある。だから、試合によって成績にムラがある。平均的にミスを少なく抑えることのできる織田・小塚選手と違って、チャン選手はジャンプが崩れるとバタバタッと連続してダメになる。だが、上半身の動きと見事に連動させた色気のある高難度のステップを踏めるという突出した才能がある。そして、スピンにも取りこぼしがなく、オール・レベル4を並べることができる。加えて優雅な表現力と雰囲気。

織田選手の今季の振付もローリー・ニコルだが、同じ傾向の振付をチャン選手がやった場合、織田選手はチャン選手ほどの高い芸術面での評価を得ることは出来ない。今季はテイストがダブってしまった。

ニコライ・モロゾフの振付はニコルより「やや重」なので、シーズン初めは、織田選手の個性とは違うような気もしたが、チャン選手を意識するとなると、身体の大きさからくるスケール感や身のこなしの華麗さ、指先までしなやかに動く繊細な表現力で負けてしまう以上、チャン選手の個性と「張り合わない」振付をモロゾフに考えてもらうしかないかもしれない。

織田選手は高橋選手について、「ぼくが持っていないものをすべて持っている選手」と評価している。それは的確な表現だ。4回転の確実性やステップのテクニックなどの技術的な面で織田選手を凌駕しているということあるが、なんといっても高橋選手は、セックス・アピールのある選手なのだ。これは投げ込まれる花束の数が証明する。高橋選手は実は、身体のプロポーションでは必ずしも、日本人の中でも恵まれているとはいえない。本田・高橋・織田・小塚と世界トップの才能をもつ日本男子の中では、一番見劣りするかもしれない。だが、滑り出せば、それをおぎなって余りある「魅せる色気」が彼にはあるのだ。こうした艶っぽい個性は、嫌う人にはひどく嫌われるが、好む人のほうが多い。これも練習で身につくものではなく、持って生まれたものだ。「バロック」な高橋選手の個性は、これでもかというぐらい過剰にスパンコールをつけたり、細かな縁飾りをあしらったりした衣装で引き立つ。こういう衣装が似合う選手は、あまりいないのだ。他方、織田選手はヨーロッパ的な正統派で上品な衣装、小塚選手はユニクロで買ったみたいな(笑)さっぱりした衣装を着ているが、3人3様の個性をもった日本選手の衣装はこの路線で皆成功しているのだ。


<続く>





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最終更新日  2009.02.12 05:03:36
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