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東南アジアの雨季、高級ホテルは室料を値引くことが多いが、そうやって呼び込んだ客になるたけおカネを落としてもらおうと、いろいろな「戦略」を仕掛けてくる。
チェックインの手続きが終わると、さっそくフロント係が、「実は今夜1週間に1度のスペシャルディナーがございまして」と、リボンを掛けてきれいな冊子にしたメニューを手渡してきた。
5品のコースメニューで1人368,000ドン(2000円ちょっと)だという。
へぇ、けっこうお安いじゃない。
でも、実はこれに5%のサービス料金と10%の付加価値税が別途かかるのだが、それに気づいたのはチェックアウトの支払の時だ。
「はい、とてもリーズナブルで、特別な料理です」とたたみかけてくるフロント係の女性。チェックインしたばかりだと、現地のこともよく分からないし、昼間街を見学して、じゃあ、夜はホテルでゆっくりするか、とすぐに思考がそっちへ流れる。
メニューを見ると、貝のグリル、モーニンググローリー(空芯菜)のサラダ、海老のココナッツスープ、牛テールのシチュー。デザートはフランベしたバナナとライチのシロップ。
グッと心惹かれるほどでもないが、食べてみてもいい感じ。 なので、お願いすることにした。
夜用意されていた席は、このホテルの「特等席」であるプールサイド。ランタンを吊るし、プールには紙の灯篭を浮かべて、ロマンチックで幻想的な雰囲気。
「飲み物は何にされますか?」ということで、あまりアルコールは飲めない2人なので、スパークリングワインと白ワインをグラスで頼んだのだが、そこに男性スタッフが登場して、「それぞれの料理にあった、お酒のコースもある」と勧める。
なるほど、こうやってさらに落としてもらうおカネをアップさせるわけね。
タイもそうだったが、ベトナムも料理のわりにはアルコール飲料の値段が高い。「それぞれの料理に合わせた酒」なんて飲めないので、グラスワインで十分だと説明して断った。 ちなみにグラスワイン2杯で480,000ドン。サービス料と付加価値税を足すと日本円で3000円をこえてくる。たいしたワインではないのに、やはりアルコール飲料の値段は日本並み。
とはいえ、ここは南国。暑すぎない、心地よい夜風に吹かれて、雰囲気抜群のプールサイドでのディナーがスタート。
が!
途中で物凄い雨になってしまった(涙)。一応しっかりした屋根があるのだが、とうとうたまらず、室内へ。室内のレストランで案内された席は、すみっこのほうで、灯りが乏しく、寒々しくて雰囲気ガタオチに(苦笑)。
料理はと言えば、貝のグリルは変にガーリックが強すぎ、空芯菜も(もともとあまり好きな野菜ではないのだが)味付けが薄いわりに奇妙なクセがあり、海老は火を通しすぎたのか味が抜けていた。ココナッツスープというので白濁したものを想像したのだが、透明で、パンチがない味。ココナッツの香りもあまりしない。Mizumizu個人としては、さまざまな肉の食感が楽しめる牛テールのシチューと、それに添えられたさらっとした香り米だけは非常に気にいったのだが、逆にMizumizu母は牛テール独特の臭みをまったく受け付けなかったようで、ほとんど食べなかった。
デザートは初めて食べる品で、格別な感動はなかったが、個性的で、そこそこよかったかなという感じ。日本ではお目にかかれないものであることは確か。
まぁ、よく言えばチャレンジングだが、 凄く美味しいかと聞かれると、たいしたことはなかった。全体的にぼんやりした、曖昧な味なのに、変なクセがあり、それが「気の利いた」ではなく「奇妙な」アクセントになっていた。
この印象は、タイのチェンマイでフランス人に高評価の旧市街の高級ホテルのレストランで食べたディナーに共通したものがあった。
まぁ、でもサービス料&税込でも、ワイン付きディナーで2人で8000円いかない。せっかくホイアンの5つ星に泊まったことだし、一度は食べておいてよかったとは思っている。
ちなみに、3泊してチェックアウトした時、「1週間に1度」の特別ディナーだったはずのメニューが、ちゃっかりフロントデスクにまた置かれていたのだった(笑)。
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