日立製作所 は、人工知能(AI)を使い住宅やカードのローン審査を代行するサービスを始める。今年4月をメドに共同出資会社を設立し、10月から全国の地方銀行向けに提供する。年収や職業などの情報をもとにリスクを瞬時に算定し、ローンの可否を判定する。契約者ごとに優遇金利を設定するなど新サービスの開発につながりそうだ。
全国の地銀から契約者の年収や職業、世帯構成、貸し出し状況などの情報を提供してもらい、AIが債務不履行などのリスクを0~100%の確率で評価する。従来は数日間かかっていた審査が数秒で終了するという。
これまでは貸し出し実績などをもとに、審査担当者が契約リスクを数段階に分ける程度だった。新会社は地銀から審査手数料を受け取り、半年から1年に1度程度、契約者の情報を更新しリスクを再算定する。サービスを利用する地銀の情報を共有し、精度を高める。
AIによる精緻な分析で「従来は融資を断っていた潜在顧客の掘り起こしにつながる」(住信SBI)。リスクをより細かく把握できれば、優遇金利を契約者ごとに設定することも可能になる。
住宅ローンなど債務不履行が発生する件数が少ない事例の場合、AIが分析するデータが不足し、リスクを正確に算出するのが難しかった。日立と住信SBIは2017年から実証試験を開始。住信SBIの年間2~3万件(約8000億円)の住宅ローン取り扱い実績をもとに、一部修正した情報でサンプル数を増やして課題を克服した。
少子高齢化で住宅ローンなどの借り手は減少が続くため、地銀間の競争はさらに激しくなる。新サービスを活用すれば、業務負担を軽減してサービスの効率化につながる。住信SBIと日立は大手行や海外へのサービス展開も視野に入れ、事業を拡大していく方針だ。
出典:日経電子版
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