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西岡、猛打賞&大和4安打!虎新1、2番大暴れ (セ・リーグ、ヤクルト3-9阪神、1回戦、阪神1勝、29日、神宮)快幕や!! 激虎祭や!! 阪神は17安打9得点の猛攻でヤクルトを粉砕。開幕を白星で飾った。今季から加入した1番・西岡剛内野手(28)が、打線を起爆させる3安打。2番・大和内野手(25)は勝ち越し打を含む4安打の固め打ち。新1、2番コンビが8年ぶりの頂点へと和田虎を押し上げる!! 特命を成し遂げた1番と初々しく弾けた2番。新生猛虎の切り込みコンビが、ド派手な化学反応で開幕星に導いた。はじまりの一回先頭。Vへと進む道筋そのままに、西岡の打球は真っすぐ伸びた。2013年シーズンの先頭打者として和田監督の“要望”どおりの出塁を果たした。 「なんとか出ろと、指令を出されていたので。四球でも何でも、塁に出ることを優先していました。試合前に監督から『出塁せよ!』という(文字が書かれた)Tシャツをもらって、それがプレッシャーになっていました(笑)」 指揮官からは球場入り後、ちゃめっけあふれる方法でオープニングを託されていた。この男が意気に感じないわけがない。 先発館山に対し、初球からフルスイング。空振りとなったが、1-1からの3球目、146キロを低いライナーで中前へはじき返した。今季の和田虎での存在感を示す一打が猛爆の口火となった。そして2番・大和が登場だ。投前内野安打でつなぎ、チャンス拡大。相手の守乱も絡んで先制劇へとつながった。 大和は3-3の同点とされた直後の六回。二死一、三塁で勝ち越しとなる左前適時打。4安打の固め打ちをしてみせた。大和の確かな成長が、西岡の暴れっぷりを支える。絶妙の構図ができている。 決勝打は譲る形となった西岡だが、七回には二死二、三塁から。右翼線へ2点タイムリーを放った。開幕6打数3安打2打点。“発注どおり”の先制パンチには指揮官も「西岡のヨーイドンのヒットで空気、雰囲気が変わった。こっちに持ってこられた」と賛辞を惜しまなかった。決勝打の大和にも「しぶとかったね」と称えた。 実は、初の開幕スタメンで緊張でガチガチだった大和をほぐしたのが西岡。セレモニーでは「緊張してんのか。いつも通りやれ」と声をかけた。 大和にとっても信頼する先輩でもある。2月下旬。大和は、母・やよ子さん(63)に電話した際に「西岡さんと一緒に野球ができて、今すごく楽しいよ」と明かしたという。ともに1、2番を組めることの喜び。この日も試合直前のウォームアップで、西岡に大和がピタリと寄り添っていた。 「きょう一つ取りましたけど、144分の1なので、必死のパッチで頑張ります!」。ヒーローインタビューを締めた“太陽”の西岡を大和が陰で支える。恐怖の新1・2番が虎を変える。8年ぶりのVへ向けて和田虎が船出した。(長友 孝輔)
2013年03月30日
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阪神情報タップリ!「週刊激虎」4・2衝撃の誕生 プロ野球の開幕が迫りました。サンケイスポーツでは4月2日、阪神情報満載の「週刊激虎」(ゲキトラ)を創刊、毎週火曜日に近畿圏の駅売店、コンビニなどで発売します。 目玉企画は、ヤクルト、西武を率いて計4度のリーグ優勝、3度の日本一に輝いた名将、広岡達朗氏の球界への提言。阪神OBでコーチなどを歴任した上田二朗氏の阪神へのエール。本紙専属評論家、土井正博氏らのフォーム解析など読み応えたっぷりです。 編集委員上田雅昭が旬の選手の人間ドラマを掘り下げ、トラ番キャップ栃山直樹らもヒーローの裏側に迫ります。鳴尾浜を中心に若トラ情報も。また、選手のサインボール、グッズなどプレゼントコーナーも充実。読んでオモロイ、読めば得する一冊です。 【「週刊激虎」(ゲキトラ)発売要項】毎週火曜日。定価300円(消費税込み)。タブロイド版、28ページ 【発売場所】京阪神地区の主要コンビニエンスストア(午後から発売)、駅売店。産経新聞販売店からもお届けできます。 【購読のお問い合わせ】(電)06・6633・9432(10時~17時、土日祝日を除く)。 【電子版】スマートフォン、タブレットで読める電子版も4月3日から登場します。30日間の購読で、Android OS搭載端末は1260円。産経新聞Andoriodのストアから購入してください。世界のどこからでもゲキトラが閲覧できます。iOS搭載端末でも提供予定です。お問い合わせは産経デジタル メディア・サポートセンター(電)0120・200・188。メールはnv-qa@sankei.co.jp(紙面から)
2013年03月28日
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WBCショックをリセッ投!虎・能見「不安ない」 WBCショックをリセッ投や! 阪神・能見篤史投手(33)が26日、ウエスタン・広島戦(由宇)に先発し、チームに合流後初の実戦登板で7回6安打3失点(自責2)。WBCでは結果を残せなかったが「不安材料はない」とキッパリ。開幕2カード目の4月2日の中日戦(京セラD)へ向けてハイピッチで仕上げていく。 新神戸から新幹線などを使って約3時間。山に囲まれた山口県の由宇で、虎の左腕エースがリセットだ。WBCから帰国後初の実戦登板で、能見が広島の2軍相手に7回を投げて3失点。数字だけをみれば、もうひとつだが、ゲームで93球を投げられたことが、大きな収穫だった。 「ここ1カ月、3イニング以上投げていなかったので。試合の中で投げていく感覚もいろいろ欲しかった。長いイニングを投げられたのが大きい。(開幕まで1週間を切ったが)そのへんの不安材料はないです」 3月上旬並みの気温10度の寒さ。左翼からの風速4メートルで、瀬戸内の山には寒風が吹き抜けた。さらに、1月の自主トレからWBC使用球ばかり触れていた左手指先は、まだ日本の統一球になじみ切っていなかった。 一回、天谷にいきなり中前打され、3番・迎の左前適時打を浴びた。「最初は滑る感覚もあった。寒さのせいもあったと思うんですけど」。三~五回は3イニング連続三者凡退。六、七回に失策や暴投が絡んで1点ずつ失点で7回6安打3失点(自責2)。最速は143キロ。フォークも切れて6つの空振り三振を奪った。なにより統一球で93球を投げたことに納得していた。 初めての“世界”は、3試合で4回2/3で6安打3失点、防御率5・79。準決勝のプエルトリコ戦では0-1の七回に痛恨の2ランを被弾。19日に帰国した際に「僕の力が足りなくて、(日本代表の)力になれなかった」と吐露。21日にチームの練習に合流すると、久々に触れた統一球に「やっぱり違う!」と声を上げた。帰国してからジャスト1週間。ブルペンと実戦の感覚は違う。ベンチから左腕エースの投球を見守った山口投手コーチは「長く(イニングを)放りたいというのがあったから。一応の準備は整った。(直球のキレは)もっともっと欲しいけど、合格点のところまでは来ている。残り6日間で、しっかり合わせて来てほしい」と話した。まだ能見のベストピッチングではないが、判断基準の球数も100球近く投げ、イニングを重ねていくごとに左腕も振れてきたことを評価した。 もちろん、予定通り、開幕4戦目、4月2日の中日戦(京セラD)にエースを送り込む。能見本人も「ある程度大丈夫だと思うので。あとは気持ちを(シーズンに)持って行ければ…」と力を込めた。 シーズン初登板を終えると翌週4月9日の甲子園開幕戦は巨人を迎え撃つ。マウンドに立つのは能見だ。WBCショックを振り払った。残り1週間で、体も心もベストにもっていく。(長友 孝輔)
2013年03月27日
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虎・藤浪、叱られた!スタミナ切れ6失点KO (オープン戦、オリックス9-1阪神、24日、京セラドーム大阪)藤浪叱られた!! 阪神のドラフト1位・藤浪晋太郎投手(18)=大阪桐蔭高=がオリックスとのオープン戦最終戦に先発し、六回途中8安打6失点でKOされた。前日に83球を投げ、スタミナ不足をもたらした調整法を首脳陣から叱責された。最良の準備方法を見つけて、31日のヤクルト戦(神宮)でリベンジする。 フジナミ流に強烈なNOが突きつけられた。完投ペースから一転、落とし穴は大きく口を開け、待っていた。まさかの六回KO劇に、黄金ルーキーがうなだれた。己が招いた事態。首脳陣から優等生へ“厳重注意”が入った。 「前日に投げ込んでしまったので、その辺は注意されました。体が重いとかはなかったですけど、球威どうこうよりも打たれたボールは逆球が多かったので、その辺りですかね…」 五回までに78球。初の六回に入ると思うようなボールが行かない。内野手の間へ、外野手の前へ、打球が抜け、六回だけで4安打。未体験ゾーンでは一死も取れなかった。93球を投げ、5回0/3で8安打6失点。周囲が指摘したのは前日23日のブルペン投球だった。 直球はシュートし、制球もままならない。納得がいかず、もう1球もう1球と投げ続けた。気がつけば、登板前日としては異例の83球を投げてしまった。中西投手コーチは「良くない、良くない、という感じで増えていった。それはダメ。前日に投げ過ぎだ。そこは『変えよう』と話をした」と明かした。降板後、調整法にメスを入れることでまとまった。 先発前日にはブルペン入りしない投手も多い。だが藤浪には、高校時からのポリシーを貫いてきたという事情もある。同コーチは続けて「(開幕後の次回から調整を変えるのは)厳しいんじゃないか。2、3回やってからノースローに変えるとかな。すべていろいろやらせていきながら、中6日、中5日の藤浪に合うベストを見つけていかないと」と話した。 和田監督も「五回まではよかったけど六回はバテたかな。前日の球数とかそういうこともしっかりと考えていかないと」と同意見だった。確かに三回までは打者9人、35球の快投だった。一回二死からは糸井をカットボールで空振り三振。二回二死ではT-岡田を外角高め、この日最速の150キロで空を切らせた。四回二死一、三塁でもT-岡田はカットボールに空転。連続三振に斬っていた。ここ一番での勝負強さはさすがの一言。この投球が持続すれば…。スタミナ面での不安を払拭できれば、鬼に金棒だ。 「良かったところは、こうすれば打者を抑えられるだろうというのが少しつかめたこと。感覚ですけど、自分が求めているものなので」 初の“お叱り”を受け止め、予定通り31日の開幕3戦目、ヤクルト戦(神宮)へ突き進む。ドラフト制が導入された1965年以降、高卒新人が開幕ローテ入りするのはチーム史上初めて。高校最強右腕が、プロ最強右腕となるための、大切なレッスンが終わった。(長友 孝輔)
2013年03月25日
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鳥谷、頼もし~ッ!虎復帰即満塁2点打 (オープン戦、オリックス7-3阪神、22日、京セラドーム)ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で戦列を離れていた阪神・鳥谷敬内野手(31)が復帰初戦のオリックス戦(京セラD)の三回、2点右前打を放った。侍ジャパンを引っ張った背番号「1」は好調をキープ。世界一をつかめなかった悔しさを糧に、セ界一を目指す。 ドーム内にこだまする虎党の声援が心地いい。日の丸から着慣れたタテジマへと着替えた背番号「1」はスケールアップしていた。WBCからかえってきた鳥谷が、虎復帰初戦で勝負強さを発揮した。三回に右前へ先制となる2点タイムリー。しびれる戦いを経験したキャプテンが、次なる目標をセ界一に定め、再スタートを切った。 「チャンスだったので、いいところで打てた。振りにいったなかで、しっかりボールを見れるように、と(思っていた)。あとは3、4打席目に打てればよかった」 三回だ。場面は一死満塁。オリックスの開幕投手・西が投じた、フルカウントからの6球目にバットを出した。内角低め135キロのスライダーを振り抜くと、打球は一、二塁間を泥臭く破った。2者が生還し、先制点をもぎ取った。和田監督は「向こう(WBC)で修羅場をくぐってきて、あれだけじゃ何ともないという感じだったね」と、頼もしいキャプテンの姿に目を細めた。 鳥谷は守りでも安定感のあるグラブさばきを披露。四回一死で、バルディリスが放った三遊間深くへの打球に追いつくと、一塁へノーバウンド送球。代表では二塁、三塁を任されたため、久しぶりの遊撃でのプレーだが「特に変な感じもなく普通でした」と振り返った。 日の丸の重圧が一喜一憂しない男に大きな変化を与えた。侍ジャパンの一員として戦った、約1カ月間。普段はクールな男が、感情をむき出しにしたシーンがあった。8日に行われた2次ラウンドの台湾戦(東京D)だった。1点を追う九回二死から四球で出塁し、二盗に成功。続く井端(中日)の右前適時打で生還した。そして、同点のホームを踏む瞬間、また、一塁ベンチ前で、背番号「1」は何度も吠えた。 あのときの熱い気持ちは忘れていない。今季は赤色のバットや打撃グローブ、ひじ当て、レガースを着用しているが、この日は代表で使用していた紺色のレガースを装着してプレー。侍魂は失われていない。胸に宿ったままだ。シーズンでも、あの姿をきっと-。覚醒したチームリーダーが144試合猛虎を引っ張れば、優勝に近づくのは間違いない。 「まだオープン戦なんで。シーズンでそういう場面で打てればいい」 29日の開幕ヤクルト戦(神宮)へとギアを切り替えている。DHを使わず、鳥谷を3番に入れた開幕オーダーがついに完成。熱い思いを抱くキャプテンが、鍛え上げられたその“刀”で、Vロードを切り開く。(西垣戸 理大)
2013年03月23日
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虎・西岡、スーパー1番!赤星+今岡や (オープン戦、広島1-7阪神、21日、倉敷)最強1番で、連敗脱出だ!! 阪神・西岡剛内野手(28)が五回一死一、三塁から右前適時打を放つなど2安打。オープン戦打率を・484まで上げた。チャンスメークだけじゃなくポイントゲッターも出来る姿は、まるで、かつての優勝イヤーの1番打者を融合したよう!? 頼りになる背番号7が、和田阪神を8年ぶりのVへと導く。 オープン戦とはいえ、最大5つあった貯金も吐き出す寸前。そんな4連敗の重苦しさを、西岡がすっきり爽快、晴らしてくれた。出塁できるし、チャンスに強い。そして底抜けに明るい。何でもござれの最強1番。大いに期待して、ヨシだ。 「先制点を取れたのが大きい。2点目も早く取らないといけないと思っていた。1イニングおきに1点ずつでも点が取れるのが、強い勝ち方。下位打線が打つチームは強いですから。上位に回ればホームランもある」 2006年のWBCで世界一。05、10年にロッテで日本一を経験した男は自らの常勝哲学を披露。さらに、それを実行できるのがまたスゴい。 1-0で迎えた五回だ。下位打線のコンラッド、藤井が連打で作った一死一、三塁。広島の右腕・大竹から鮮やかに右前適時打を放ち、「早く」と欲した追加点を自らのバットで生んだ。 一回にも中前打で3打数2安打。規定打席には達していないが、打率は・484まで上昇した。10年にシーズン206安打を放ったヒットマン。05、06年はパ・リーグ盗塁王に輝いた足もある。それだけで驚異の1番打者な上、チャンスで回ればポイントゲッターとなれる勝負強さも光る。 振り返れば虎のVイヤーには必ず絶対的なトップバッターがいた。日本一に輝いた85年の真弓。そして近年では03年、首位打者&先頭打者弾7発と猛打を誇った今岡と、05年、盗塁王など快足でダイヤモンドを駆け回った赤星-。西岡剛という男は、対照的だった03&05年の2人がミックスされたような1番打者だ。 前日20日の広島戦後、「このまま絶対に尻すぼみになってはいけない」と必勝を誓った和田監督も、手放しでその働きを絶賛した。「結果も出ているけど内容がいい。凡打の内容もいいし、とてもいい状態でここまで来ている。このまま開幕までいってほしい」。 さらに、この男がもたらす波及効果は打棒だけではない。この日、好プレーが出ると、そこかしこで選手が、コーチが両手の親指、人さし指、中指を掲げた。先のWBCで日本代表が繰り出した「バーン」(エアハイタッチ)に似たポーズだ。 チームに一体感を生みたい-。そう考えた西岡が選手会長の関本と相談して、提案したという。「同じじゃつまらない」とひと味変えたのも、いかにも個性派らしい。 「きょうはいい試合だった。シーズンでも、そういう戦いができたらいい」とうなずいた西岡。開幕まであと1週間、虎史上最高の切り込み隊長となりえる背番号7のVへのイメージは、十分できている。(栃山 直樹)
2013年03月22日
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安藤復活0封!虎中継ぎ陣やっと固まった (オープン戦、阪神2-4広島、20日、レクザム)AFKトリオが誕生-。阪神・安藤優也投手(35)が、オープン戦初登板で2回を無失点に抑える好投。福原忍投手(36)とともに久保康友投手(32)につなぐセットアッパーとして起用されることが決定的となった。また、虎投手陣の開幕1軍メンバーの陣容&役割分担がほぼ固まった。 最後の1ピースが当てはめられた。ネームバリューは十分。セットアッパーも守護神も経験した安藤がオープン戦今季初登板で中身のある2回無失点。速球は全盛時まではいかないが、140キロを超えた。中継ぎ陣の中核として開幕を迎える。 「リリーフの仕事はゼロに抑えること。何とか抑えられて良かったですね」 小雨が降りしきる高松。四回から2番手でマウンドに上がった右腕は、一死から鈴木将に安打を許し、ボークまで犯したが何とか後続を打ち取る。五回一死からエルドレッドに中前打を許したが…。続く松山を詰まった二ゴロに仕留め、注文通りの併殺打に。中西投手コーチも思わず唸った。 「あれぐらい投げられれば十分。セットアッパーもいける。七回は任せられる」 2軍キャンプスタートだった今季は、左太ももの張りを訴えて出遅れたが、3月に入って首脳陣の中では「今年の安藤はいい」と評価がうなぎ上り。役割は決まっていた。中継ぎの一員-。 「筒井、渡辺が離脱して、中継ぎがコマ不足ですから…」 ベテランは自覚している。初めての“部署”ではない。2003年の優勝時、大車輪の活躍をした思い出の働き場所だ。51試合に投げて防御率1・62。ただし、25歳だった当時の球威はないが…。 「調整の仕方を忘れているので」 そう言ってはみたが、自信はある。それが、安藤が持つ最大の武器「経験」だ。 「若手に唯一勝てる部分。フル活用したいですね」 安藤の順調な仕上がりで、リリーフ陣はストッパー久保の前に、右は福原、安藤、鶴。左は藤原、加藤、川崎。必勝パターンは安藤(A)、福原(F)、久保(K)のリレーだ。 ここ数年、「ピッチャー安藤」のコールが鳴り響いた瞬間に「えーっ」と反応した阪神ファンがどれほど多かったか。見直してもらう戦いは、これから。くれぐれも、AFKで「アホか…」なんて言われないように。地獄を乗り越えた安藤なら、大丈夫だ。(上田 雅昭)
2013年03月21日
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虎・藤浪、悪役宣言!2失点も「アウェー好き」 (オープン戦、西武3-1阪神、17日、西武ドーム)頼もし“悪役宣言”!! 阪神のドラフト1位・藤浪晋太郎投手(18)=大阪桐蔭高=が、西武戦(西武D)で3度目の実戦マウンドに上がり、制球などに苦しみながら自身最長の5回を2失点にまとめた。試合後は初経験の敵地も「(自分は)ワルモノでいいです」と歓迎する強心臓っぷり。デビュー戦となる3月31日のヤクルト戦(神宮)へ、楽しみは膨らむばかりだ。 憎まれっ子、しんちゃん、球界にはばかる-。敵地デビュー戦で、熱い血が沸き上がった。“初黒星”もなんのその、藤浪が堂々の悪役宣言だ。相手ファンたちの恨みを買うほどの投球を、プロで見せつけていく。 「結構自分はアウェーが好きです。悪役っぽいので。(自分は)ワルモノでいいです。(相手ファンが多いと)燃えるとかではないですが、周りが敵ばかりで抑えたら、すごく気持ち良いので」 まるで3・31のヤクルト戦、敵地・神宮でのデビューを見越したかのような頼もしい言葉だ。 3度目の実戦登板は、初のビジター。藤浪のアナウンスに三塁側の西武ファンも「ウオー!」と沸いた。獅子打線が安打を浴びせるたびドームが揺れた。セットポジション時、ルーキーは正面に西武の大応援団を見る。時に飛び上がり、フラッグを振り、「打て!」と大声を上げる。しかし18歳は、動じないどころか歓迎だというのだ。 一回二死三塁で、4番・オーティズを空振り三振。二回二死一、二塁でも永江をフォークで仕留めた。制球が安定せず、四回にはボークも絡んで逆転を許した。調子が良くないのは明らか。それでも、この試合までオープン戦打率・308の西武打線相手に、予定通りの80球で5回を投げ切った。5安打2失点。最速148キロで、5奪三振。悪いながらも試合を作る。さらに試合後「ワルモノでいい」と言うのだから、この18歳の肝っ玉たるや恐るべしだ。 和田監督も「悪くはない」と合格点。そのうえで「セットポジションになってから、やや落ちるかな。配球は考えていかないといけない。長い回を投げようと思ったら、少しずつ緩い球も混ぜないと。(盗塁やボークなど)そういう課題が出ると、修正もできる」と指摘。“うみ”は、今のうちに出せばいい。 次回は中6日で、24日のオリックス戦(京セラD)に先発。そこで100球をメドに投げ、着実なステップを踏んで「3・31」へ。デビューの舞台は神宮。傘が舞う敵地だが、この日の“悪役宣言”と堂々たる姿を見る限り、この男への心配など、まったく無用だ。 球団関係者は「(18日の)神宮のヤクルト戦も遠征に帯同する。予行演習になるんじゃないか」と明かした。登板が終わっても帰阪せず、2週間後に迫った決戦の地で、下見と偵察をきっちり済ます予定だ。 「もっとしっかり打者を打ち取れるように。ボール球を減らして、少ない球数で打ち取れるような投球をしたいです」 課題を多くつかんだアウェー初登板。経験を確実に生かす。そしてシーズンでは相手を牛耳り、敵ファンを黙らせてみせる。憎まれるほどに-。(長友 孝輔)
2013年03月18日
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虎・福留に1号!キヨシ監督歯ぎしりさせたった (オープン戦、DeNA4-14阪神、15日、横浜)キヨシに歯ぎしりさせたったァ! 阪神・福留孝介外野手(35)が一回一死一塁からオープン戦初アーチとなる先制2ラン。猛虎打線に火をつけ15安打14得点で爆勝だ。昨年末に福留を巡って虎と激しい争奪戦を繰り広げた敵将・中畑清監督(59)は「我々を苦しめるだろう」と悔しがることしきり。ホンマ、ええ補強しましたなぁ。 虎党にとって、こんなうれしいシーンはない。福留が、因縁の相手の応援団が陣取る右翼席へ弾丸ライナーでブチ込む。和田監督が手をたたき、中畑監督は苦虫をかみつぶしたような顔をみせる。獲得は大正解-。福留が、横浜で虎1号だ。 「ありがとうございま~す!」 帰りのバスへと向かう際、球場外に鈴なりになっていたファンから「福留選手、素晴らしいホームランでした!」と絶叫されると背番号「8」はニコリと笑顔をみせた。 「悪くはないと思う。自分のタイミングでスイングできている。オープン戦だし、自分のスイングをするだけだね」 試合開始から間もない一回一死一塁。DeNAの開幕投手が有力だった高崎と対峙した。3ボールから142キロ直球をガツン。高さ5・3メートルの右中間フェンスを測ったかのようにまたいだ。オープン戦通算10試合目。練習試合を含めても初の一発。日本球界では、中日時代の2007年7月3日の広島戦(福井)以来、2082日ぶりとなるウイニングランを終えた。 「(球場は以前と)少し変わったけど気にするようなことはないね。大丈夫。右翼席からの声援? 特にないよ(笑)」 本人はサラリと敵地を振り返ったが、中畑監督は「“額面通り”じゃない!?」とじだんだを踏み、「本番で我々を苦しめるだろうし」と頭をかかえた。昨年末、阪神は福留獲りをめぐってDeNAと壮絶なバトルとなった。阪神は福留に3年契約で年俸1億5000万円プラス出来高を提示。条件面ではDeNAの方が上回っていた。福留は悩みに悩んだ末に虎を選択。周囲に「逆境に立ち向かっていくのは僕の性分にあっている」とイバラの道を歩む理由を語った。 福留は、阪神に入団の意向を伝えた後、家族とともに、ある場所に向かった。年末年始を全国の名所で過ごすのが福留家の恒例行事だ。今年は京都・清水寺。「清水の舞台から飛び降りるつもりで」。打てば大統領、負ければA級戦犯-。これが阪神。碁盤の目の古都を眺め、想像を絶する重圧と戦う覚悟を決めた。 中畑監督のため息とは対照的に、和田監督は興奮を隠しきれなかった。 「久しぶりやな。あんな打球を見たのは。あの低さで入るんだから」 福留獲りをフロントに直談判した将。会心の先制パンチに表情も緩む。 「状況に応じながら、自分のスイングで打てる準備はしないと」と福留は気合を入れる。口火の一発から15安打14得点。爆勝で再びオープン戦単独首位に立った。ブランコ、モーガンが入ったDeNA打線なんて、怖くない。虎には福留がいる!(阿部 祐亮)
2013年03月16日
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ローテ固まった!虎・藤浪、開幕第3戦デビュー 『3・31』出陣!! 阪神のドラフト1位・藤浪晋太郎投手(18)=大阪桐蔭高=の公式戦デビューが、31日のヤクルトとの開幕第3戦(神宮)に決まったことが13日、わかった。29日の開幕投手をランディ・メッセンジャー投手(31)に託すことが決まったため、当初の2戦目構想から、3戦目へ“スライド”した。これで右、左、右という理想的なV奪回ローテが固まった。 雨の中、開幕の相手ヤクルトとのオープン戦は0-8で敗れた。相変わらず投手陣に不安は残しているが、虎には輝き続ける大きな光がある。伝説の陽は、東から昇る-。その大きな手に握られたのは、東京行きの切符だ。藤浪の公式戦デビューが決まった。31日、ヤクルトとの開幕カード、3戦目だ。 和田監督はこの日、藤浪の開幕ローテについて「その次、その次と段階を踏んで、それを見てから」と慎重に言葉を選んだが、順調なステップを刻む新人右腕には、すでに当確ランプが灯っている。では、どこで? 指揮官が下した結論が『3・31』だった。 甲子園春夏連覇右腕の初登板は、虎党のみならず全国民の関心事だ。球団はフロント&現場一体で“Xデー”の議論を交わしてきたが、ひとつのカギとなったのが、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の動向だ。 藤浪は2日のオリックス戦(練習試合=安芸)、9日の日本ハム戦(甲子園)に登板。次戦は16日のロッテ戦(QVC)というステップからも、23日のオリックス戦(京セラD)を経て、30日の開幕2戦目が有力視されていた。しかしWBC日本代表が米国での決勝トーナメントに進出。決勝戦に進めば、エース能見の帰国は21日だ。疲労や調整不安を考慮しての開幕回避が決定。来日4年目のメッセンジャーが、大役に抜てきされることが決まった。 ただ、首脳陣はメッセンジャー→藤浪という、同タイプの長身右腕が続くことを懸念。2戦目に岩田を登板させ、藤浪を3戦目に“スライド”させる方針を固めた。 さらに先発ローテの6番目も、この日のヤクルト戦(甲子園)で先発した岩本が4回4失点と炎上。3戦連続の背信で争いから脱落し、ここ2戦で8回0/3を無失点と安定感を見せる榎田が、実績的にも最後の椅子をほぼ手中に。これでヤクルトとの開幕カードにメッセンジャー、岩田、藤浪、2カード目の中日戦(4月2日~京セラD)に能見、スタンリッジ、榎田で臨む布陣が完成。右、左、右と交互に投入できる理想的なローテーションが整うわけだ。 もちろん、藤浪には重責がかかる。カードの勝敗を握るケースの多い3戦目には通常、実績ある投手が控えるもの。それでも、この18歳なら-。 衆目注視のルーキーの初舞台が決定し、8年ぶりの頂点を目指すVローテもほぼ固まった。確実に突入した開幕モード。リニューアルした投手陣とともに、2013年、虎の反攻が始まる。(紙面から)
2013年03月14日
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阪神・福留、最強5番!開幕ヤ倒リハ (オープン戦、阪神6-4ヤクルト、12日、甲子園)福留、開幕ヤ倒リハや! ヤクルト戦に「5番・右翼」で先発した阪神・福留孝介外野手(35)が六回無死満塁で、右翼へ同点とする2点適時打を放った。勝負強さをみせつけ、この回、5連打を含む6安打5得点で、3・29開幕戦(神宮)の相手に逆転勝利。猛虎史上、最強の5番打者誕生の予感だ。 ここで1本出たら…。そんな『たられば』論に終始した昨季とは、まるで違う。掃除機のように、走者を本塁へと吸引する5番がいる。福留がいる。満塁から同点の2点適時打。好機になるとキラリと目が光る。 「打てる球が来たら打とうとね。今の時期は結果どうこうではなく、自分のタイミングで打てるかどうかが大事」 大仕事をさらりと振り返ったのは2点ビハインドの六回だ。無死から単打3連打で走者が埋まった。1ボールからの2球目。2番手の右腕、増渕の内角真っすぐを一閃した。打球は鋭く一、二塁間を真っ二つ。5点を奪うビッグイニングの口火を切った。3・29開幕戦の相手を粉砕。首脳陣も声をそろえて喝采だ。 和田監督が「勝負どころの配球の読みや、打撃の技術はたいしたもの。そういうところをこちらは求めているし、それをやってくれる」と賛辞を並べると、中日時代から福留を知る水谷チーフ打撃コーチも続ける。「(プロに)入った時から勝負強かった。チャンスに強い阪神になるじゃろう」。貧打虎の脱却を確信する笑みを浮かべた。 F砲加入がもたらす効果を語るには、昨年の悪夢を振り返らざるを得ない。5位に沈んだ昨季は満塁の場面で12球団ワーストの打率・189。それを象徴するように、得点数も12球団最低の411点に留まった。 同じ過ちを繰り返さないために呼んだのが、この背番号8。中日時代には満塁機で73打数27安打、打率・370の驚異的な数字をマーク。メジャーでもカブス時代に満塁弾を放っている。 「やはり、勝負強いですね」。虎首脳陣と同じ感想を漏らした人物がいる。活躍を伝え聞いた元PL学園高監督で福留を指導した中村順司氏(66)=現名古屋商科大監督=だ。「そういう場面にめぐってくる奴なんです。練習量に裏付けされた自信と信念が、結果を出すという強い気持ちにつながっている。あの夏の大会もそうだったなぁ…」。恩師は懐かしそうに、教え子が3年夏の初戦(北海道工高戦)で満塁弾を放った場面を回顧した。 2003年には107打点のアリアス、05年には147打点でタイトルを獲った今岡と、優勝した年には、必ず“稼ぐ5番”がいた。 虎史上最強の5番となる素養を十分に備えるスラッガーは「シーズンに入れば攻め方も変わってくる。そう簡単にはいかないでしょう」と謙遜した。だが、これでオープン戦6勝1敗1分け。昨季は8戦を終えて3勝4敗1分けだった。期待感は高まるばかり。ドメさんに回せ-。虎13年の合言葉は決まった。(栃山 直樹)
2013年03月13日
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セ界ぶちかます!虎・コンラッド、大相撲に大興奮 セ界をぶちかますゼ! 阪神のブルックス・コンラッド内野手(33)が11日、大相撲春場所(ボディメーカーコロシアム)を観戦。関脇豪栄道(26)が前頭3枚目勢(26)に強烈な当たりで圧倒した一番や、日馬富士(28)、白鵬(28)の両横綱らの迫力に大興奮。開幕の相手でもある12日のヤクルト戦(甲子園)へ闘争心を燃やし、必勝宣言をした。 ガツン! 低い体勢の仕切りから鋭く前に出た豪栄道が、勢の頭を突き上げる。 「ウォーーーー!」 コンラッドが枡席から立ち上がりそうな勢いで右こぶしを突き上げた。 ともに大阪府出身で26歳の豪栄道と勢が、地元で初めて顔を合わせた熱い一番に「頭を鍛えて、強くしているのか!?」と目を丸くした。 「どうしたら、体をあれだけ大きくできるのか。しかも体が大きいのに筋肉質だ。そのぶつかり合いの衝撃がスゴイ」 練習休日を利用し、美人妻・ジェシーさん(32)と大相撲を初観戦。「米国でもテレビで見ていたが一度でいいから生で見たいと思っていたんだ。本当によかった」。横綱白鵬の土俵入りには観客と声を合わせて「ヨイショー!!」。前頭11枚目豪風(33)が前頭10枚目玉鷲(28)を突き落としで破ると「オーマイガー」と雄たけびを上げ、グルジア出身で212キロ、前頭6枚目臥牙丸(26)が前頭7枚目豊響を寄り切りで下すと「持ち上げたっ」など、興奮を隠しきれなかった。 相撲特有のしきたりにも興味津々。清めの塩については「小麦粉かチョークの粉をまいているのかと思ったよ」とビックリ。「懸賞金は勝たないともらえないのか!?」「勝った力士が残って力水を渡すのか!?」と質問を連発。手刀や四股もマネするなど大相撲のとりこになった。横綱日馬富士が前頭筆頭栃ノ心(25)を寄り切りで下した一番も「横綱は立ち会いが少し早かったんじゃないか」と玄人ばりに熱視線を送った。 「力士は気合がすごい。何とか相手を倒そうという気持ちがすごい。自分もグラウンドに出る以上は、何とか倒そうという強い心を持ちたい」 ここまで紅白戦を含む実戦17試合で打率・351、3本塁打、8打点と好調。全力疾走などハッスルプレーで日本野球に溶け込もうとしている。 12日は開幕の相手でもあるヤクルト戦。「オープン戦だけど勝ちにいきたい。勝ちにいく」。力士から闘争心をもらった。8年ぶりの優勝へC砲がぶちかます。(阿部 祐亮)
2013年03月12日
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鳥谷、口火弾!侍6発大爆勝/WBC WBC2次ラウンド1組(10日、オランダ4-16日本=七回規定によりコールドゲーム、東京ドーム)鳥の一振りが勝利を呼び込んだ!! 3連覇を目指すWBC日本代表はオランダを16-4と圧倒した。一回、鳥谷敬内野手(31)=阪神=が先頭打者アーチ。この一発で目覚めた侍戦士は大会最多タイの計6アーチを含む17安打で毎回の16得点。大会規定により七回コールド勝ち(七回以降10点差)し、米サンフランシスコで行われる決勝ラウンド進出を決めた。 試合開始1分。満員の右翼席へ伸びたアーチが、米国へ続く架け橋となった。珍しく感情を爆発させてハイタッチに飛び込む背番号1とナインの歓喜が猛攻の幕開け。新1番、鳥谷が試合を大きく動かした。 「1番だったので何とか塁に出たい気持ちで、甘い球が来たら振りにいこうと思った。本塁打になってうれしいです」 一回先頭でロビー・コルデマンス投手(38)の2球目の直球を振り抜くと、自身初安打となるチーム1号が右翼席へ一直線。ここから侍の猛打が始まった。 二回に松田(ソフトバンク)の2ランと内川(ソフトバンク)の3ラン。三回に一発を放った稲葉(日本ハム)は「鳥谷君の先頭打者本塁打で球場とベンチの雰囲気が変わった。あれが全てです」と振り返った。四回には糸井(オリックス)が3ラン。締めは七回に飛び出した坂本(巨人)の満塁弾で、日本はコールド勝ちを決めた。 1試合6発は09年にキューバが作った大会タイ記録。ここまで4試合、本塁打のなかった日本打線が嘘のような変身ぶり。山本監督も、鳥谷の一発を「非常に大きい。相手打線に怖さがある中で、トップバッターが打ってチームに勇気を与えてくれた」と称賛した。 「1番」が決まらないのが首脳陣の悩みだった。この日初めて起用された男は4試合で5打数無安打、打率・000だったが、抜群の選球眼で出塁率・400。何よりも8日の台湾戦で、1点ビハインドの九回二死から二盗。これが逆転劇を呼んだ。ここ一番での走力も期待されての1番起用だった。 「打順より状況に応じた打撃。できることを、しっかり準備してやる。その積み重ねしかない」 最高の結果を呼んだ普段通りの姿勢は、舞台裏でも同じだ。8日の台湾戦の翌朝7時。バッグを片手に宿舎を歩く鳥谷の姿があった。緒方外野守備走塁コーチが冗談で「朝帰りか」と声をかけると「トレーニングです」と真剣な眼差し。激闘から、わずか7時間後。ウエートトレーニングをするために東京都内のジムへ向かったのだ。 前日9日、アップを行う鳥谷の元へ山本監督が歩み寄った。「ああいうプレーが大事だ」と台湾戦の盗塁をたたえた。またも期待に応えた猛虎の主将は、侍ジャパンのキーマンにもなった。「もう1試合あるし、勝っていい形で(米国に)行きたい」。 試合後はすぐにクールな表情に戻った。韓国とキューバを破ったオランダに勝って4強入り。切り込み隊長の誕生は、3連覇を目指す侍ジャパンにとって何よりの好材料だ。(安藤 理)
2013年03月11日
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聖地どよめかせた!虎・藤浪、151キロデビュー (オープン戦、阪神2-3日本ハム、9日、甲子園)我が聖地、ひと足早く、春一番-。阪神のドラフト1位・藤浪晋太郎投手(18)=大阪桐蔭高=が先発した日本ハム戦の一回に、151キロをマークした。4回を5安打1失点に抑え、1万5021人の虎党が見守る中、上々の甲子園デビューを飾った。マウンド度胸も申し分なし。藤浪が主役を務める球春の到来が待ち遠しい。 わずか3球で甲子園を支配した。歓声からどよめきへ。一回だ。先頭の西川へのカウント0-2からの真っすぐ。スピードガンが示した数字は151キロ-。一流がそれを証明するのに、多くの球数は不要だった。 「すごくファンの方も応援してくれて、しびれるというか、すごく楽しかったです」 ファンだけではない。藤浪自身もシビれた。ここ数年、久しく遠ざかっていた虎党と選手の一体感。もうそれだけで十分だった。 昨年夏の決勝(対光星学院高)以来、198日ぶりの聖地はまた、試練を与えた。三回無死一塁、けん制悪投で、一走の三進を許した。そして鶴岡に右前打を浴びて、先制点を献上。さらに連打を浴びて、満塁。並みの新人なら崩れる。しかし、藤浪は違った。 打席には新外国人選手のミチェル・アブレイユ内野手(34)。キューバ出身でメジャー経験はないがメキシカン・リーグで通算67発を放った男への初球。148キロ速球で胸元をえぐると、バットは砕け散り、遊ゴロ。併殺でピンチを切り抜けた。 「サインが内角だったので、ゴロを打たせようというか、しっかり押し込もうという感じでした」 攻めて守る。失点は最小限にとどめて4回5安打1失点で61球。剛球とオトナの投球に和田監督も「次はもう少しみてみたい。球数もイニング数も増えていく」とうなった。次は16日のロッテ戦(QVC)となる。 選抜への出場が決まっていた昨年の今頃。大会を前に大阪桐蔭高ナインは西谷浩一監督(43)にバスに押し込まれた。目的地は甲子園。「雰囲気に慣れておけということで、球場の周りを歩きました。優勝校の刻まれた石を見ろと」。あれから1年。聖地不敗男は、やはり甲子園が似合った。 やり残したことがある。1月、初めての給料を手にした時から、両親へのプレゼントを考えていたが何も贈っていない。理由は「休みの日に一緒に買いに行きたいから」。ネット裏に両親がいた。2日のオリックス戦(安芸)に続く好投がとりあえずの贈り物だ。 「ピンチで粘れたことはすごく収穫ですし、甘いところに行ったら打たれるので、細かいコントロールをしっかりつけていきたいです」 このままなら、30日のヤクルトとの開幕2戦目(神宮)の先発が濃厚だ。能見、岩田、スタンにメッセの“4強”の一角を突き破る勢いが、この男にある。甲子園で咲いたサクラのツボミが春を呼び込む。(長友 孝輔)
2013年03月10日
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虎・西岡、輝く1球目打ち!竜3連倒口火 (オープン戦、阪神2-1中日、6日、甲子園)西岡、甲子園初見参で上々デビューや! 阪神・西岡剛内野手(28)が中日戦に「1番・二塁」で出場し、2安打1四球の活躍で2-1勝利に貢献した。今年初の甲子園での戦いに、「初回にホームベースを踏むのが僕の仕事」と先制ホームを踏むなど自覚も十分。虎の「新1番打者」が聖地で輝いた。 電光石火で勝利への道を切り開いた。西岡が全打席出塁の2安打1四球。空席が目立った甲子園のアルプスも、その存在感に酔いしれた。トップバッターの適性を聖地初試合で証明した。 「1番としての仕事をきっちりとできた。初回に最初にホームベースを踏むのが僕の仕事。しっかりできてよかった」 一回二死一、二塁。二塁上で足を鳴らす。打席にマートン。白球が中前に落ちた直後、本塁を駆けた。アッという間の先制点。すべては背番号7のバットから始まった。 「ストライクゾーンにきたら、もともと1球目から打っていくスタイル。振っていく中でタイミングも合ってくる。いい反応だった」 「1番・二塁」で先発。その1打席目だ。中日の先発右腕・西川の初球の132キロ直球。甘い球を見逃さない。逆らわずにバットを合わせ、左前へ。続く大和への初球でスタートし、三ゴロで二塁到達。スコアボードに「1」を刻み込む先導役を担った。2打席目も初球を中前打、3打席目は再び西川からストレートの四球。竜倒をけん引した。上本がけがで離脱後、出場した3試合はいずれも「1番」を託した和田監督もうなった。 「ファーストストライクからという気持ちが出ている。先頭が出る、出ないで後が変わってくるし、勢いがつく。初球からガーンといくところを持っているのが西岡だ」 虎の1番といえば、真弓や今岡らパンチのあるタイプや足で魅せる赤星らがいたが、新たな1番像で不動の地位を築く予感だ。移籍後、タテジマで初見参の甲子園。大阪桐蔭高の3年夏に足を踏み入れ、ロッテ時代には通算62打数25安打、打率・403と暴れてきた。「土は今と夏場でも変わる。風? 高いフライじゃないし褒めちぎらないで」。口元に充実感が漂わせた。 キャンプからオープン戦に突入し、疲れも蓄積する時期だが、入浴時にパワーを取り戻す。ロッテ時代からサポートを受ける「SEV」(健康器具などの製造・販売)から提供された100万円超の機器が相棒。特殊な電気エネルギーで体内環境を整えるモノだ。リラックス時間が、グラウンドでの仕事を支える。 今は結果より内容を重視する。とはいえ結果は申し分なし。ならば内容は? 「これ以上求めることありますか?」。報道陣を見渡し、ニヤリと笑った。 「開幕までまだまだある。過剰にならないように。優勝とかわからないので落ち着いていきましょう」。昨季は7勝16敗1分けの竜相手に、練習試合も含めて3連勝。周囲のワクワクは止まらない。(恵濃 大輔)
2013年03月07日
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森田、生き残りへ5安打4打点!若虎で竜倒や (オープン戦、阪神13-5中日、5日、鳴門オロナミンC)“ラストチャンス”で決死アピール!! 阪神は5日、中日とオープン戦(鳴門オロナミンC球場)を行い、13-5で爆勝した。「6番・一塁」で出場した高卒6年目の森田一成内野手(23)が5打数5安打4打点と大暴れした。6日からは甲子園での7試合がスタート。主力が続々登場する前に、1軍当落選上の若虎が生き残りへ執念を見せた。 足は徳俵にかかっていたが、うねりを上げて巻き返した。その迫力、まるで鳴門の渦潮のよう。飛車角落ちの“ラストチャンス”で、森田が大爆発した。20安打13得点と竜圧倒の主役を張る、5安打4打点。小ブラゼルが、帰ってきた! 「ずっと途中出場が続いていたので試合に出たい気持ちがありました。結果が出てよかった。1打席目が、勝負だと思っていました。代打でも1打席勝負なので」 地方遠征ということもあり、福留、西岡、マートンら主力が欠場。スタメンに燃えた。2点を追う二回無死一、三塁。岩田の速球をとらえ、右中間フェンス直撃の同点二塁打。四回一死満塁では左前2点打で計4打点。六回無死一塁でも左キラー小林から流し打った。 2011年7月26日の甲子園、ネルソンから球団史上初のプロ初打席初本塁打を放つなど、中日戦通算12打数4安打の未完の大器が、圧巻の「5の5」で、主力をそろえた宿敵の竜を、サンドバッグ状態にした。 6日の中日戦から甲子園7試合。主力やベテランが登場する。1軍生き残りには代打しかない男に、5打席も立つ機会など最後だ。しかも試合前まで実戦14打数2安打、打率・143。土俵際からの反攻に和田監督も「こいつはホメるとアカンからな」とほおを緩めた。「いいもの全部が出た感じ。打つことを売りにしないといけない選手。バットを持ったら誰にも負けないという気持ちでやってほしい」。 “師匠”に感謝を届けたかった。この日の練習中、森田は2種類のバットを手にしていた。試合用の白木、もう1本は福留のものだ。宜野座キャンプ最終日の2月22日、サプライズでプレゼントされていた。「バットを折ってもいいから思いきって振れ」。6年目。伸び悩んできただけに金言が身に染みた。「感じがよさそうだったからあげたよ」とは福留だが、愛弟子は涙が出るほど嬉しかった。だからこそ誓った。必ず生き残ると。 新井貴が右肩痛や背中の張りでリハビリ中。1軍の“打撃枠”はある。要は、切り札・桧山に次ぐ左の代打要員になれるかどうかだ。そのためには日高らをバットで上回る必要がある。水谷チーフ打撃コーチは「そういうこと。食い込んでほしいね。長打力もあるし、左(腕)も打てるようになった」とうなずいた。 森田は「あしたもあるので、また頑張ります」と前を向いた。結果が出なければ即、あしたはない。日々戦場。必ず『3・29』開幕に、名を刻んでみせる。(阿部 祐亮)
2013年03月06日
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虎・藤浪、一足お先に開幕ローテ当確! 阪神ドラフト1位・藤浪晋太郎投手(18)=大阪桐蔭高=の先発ローテ入りが確実になったことが4日、明らかになった。5日の中日戦(鳴門オロナミンC球場)から先発ローテ争いが激化するが、徳島入りした和田豊監督(50)は今後の登板は藤浪自身の間隔を最優先することを強調。先輩より、一足お先の当確ランプだ。 まだ初舞台を踏んだばかりだ。甲子園のマウンドも味わっていない。それでも当確ランプがともったことが判明した。和田監督が開幕ローテへの条件を明言。そこに藤浪と他の投手との、明確なコントラストがあった。 「週末には投げると思うし、前回よりはイニングも球数も増えていくんじゃないかな。相手どうのこうので登板日を選ぶんではなくて、藤浪の間隔もあるから」 夕刻、徳島市内の宿舎に到着した指揮官は黄金右腕の次回登板について初めて明言した。「間隔もある」-。すでに藤浪に対してイスを1つ用意し、そこに向けて逆算させているともとらえることができる。 開幕ローテをめぐる6枠。指揮官はキャンプ前から、2枠を若手と想定し、藤浪を含めて慎重に検討を重ねていた。前日3日の西武戦(春野)では榎田が3回無失点と結果を出したように岩本や秋山、そして5日の中日戦で先発する鶴らが確実に成長を遂げている。が、一方で決定打に欠けているのは事実だ。 だからこそ、和田監督は現状をこう分析した。 「消去法ではなしに『これ』という投手が出てきてほしい。競争に勝ってその座をつかんでほしい。自分がどういう投手かというのを試合の中でどう表現するかが一番大事。自分の力をマウンドで出せるか、どうか」 藤浪は実戦初登板となった2日のオリックス戦(安芸)で2回1安打無失点。計30球のうち大半が145キロの直球とカットボールで、T-岡田を狙って3球三振を奪った。許した「H」ランプも内野安打のみと上々。何より独自性を存分に出していた。 和田監督の基準にピタリとマッチする。9日の日本ハム戦(甲子園)で4回&40~50球を目標にさせた後は2回の実戦をはさむ。キャンプ打ち上げ時に中西投手コーチも「ここ、ここで投げさせるのは決まっている」と話していたように青写真はできている。シーズンに突入し、開幕2戦目となる30日のヤクルト戦(神宮)か、同5戦目となる4月3日の中日戦(京セラD)に向かわせるという算段だ。 徳島遠征に帯同しない藤浪は東京都内で行われた「NPB新人選手研修会」に出席し、大谷(日本ハム)らとプロとしてのノウハウを教わった。 「1年間しっかり、けがをしないように、チームの勝利に貢献できるようにしていきたいです」 春夏の甲子園と秋の国体の高校3冠を成し遂げたMAX153キロ右腕は、ツボミから超速でサクラを咲かせた。オリジナリティー豊かな藤浪が最後までイスを守り続ける。(紙面から)
2013年03月05日
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虎・コンラッド、“コン”だけ打ったら本物“弾” (練習試合、西武1-10阪神、3日、春野)ほんまもんや!! 阪神の新外国人ブルックス・コンラッド内野手(33)が3日、西武との練習試合(高知春野)で右翼へ130メートル弾の2ランを放った。3打数2安打3打点で早くも実戦3発目。打率は・435。基本構想では恐怖の7番だが、クリーンアップに昇格する可能性も出てきた。 土佐湾からの潮風を切り裂いた。3メートル70のフェンスを悠々と越え、右翼芝生席に着弾した。サクラの開花よりも一足先にコンラッドが満開だ。3発目の放物線を描いた。 「しっかりとらえた打球だった。だけど、ここは広いから入るかどうかわからなかった。2点を追加できてよかったよ」 逆風でも関係なしだ。4点リードの三回一死二塁。西武先発4年目右腕・岩尾の速球を一閃した。両翼100メートル、中堅122メートルと甲子園よりも広い春野球場で豪快な130メートル弾。ナインからモミクチャにされた。 「(日本野球に)うまく対応できている。キャンプから開幕まで、今後もいい調子でいきたい」 先制直後の一回二死一、二塁では右翼線タイムリー二塁打。この日は3打数2安打3打点で、紅白戦を含めて実戦12試合で打率・435(23打数10安打)、3本塁打、8打点の暴れっぷりだ。広角に打てるとされていた左打席で3アーチ。和田監督は「パンチ力がかなりある。下位でああいう打撃をすると相手からしても怖い」と絶賛。WBCで離脱している鳥谷が戻ってくれば、基本構想では7番になるが「これを続けると上(位)に上がっていくだろう」とクリーンアップに組み込む可能性を示唆した。 最高気温12度。太平洋側といえども太陽が雲に隠れるとブルッと震えてしまう。それでも、C砲は丸太のような腕を露出している。 「袖がない方が動きやすいんだ。氷点下にならない限りは半袖だ」 髪はバリカンで自ら刈る。打撃用手袋はつけない。野生派のプレースタイル。だが、グラウンドでは決してみることがない繊細さが日本での大活躍を後押ししている。 「視力はいいよ。裸眼だ。目が悪くなれば、メガネにしないといけないね。目の中に何かを入れるというのが怖いんだ」 コンタクトレンズを愛用する選手も多いが、今のところ縁はない。配球についてもマートンを質問攻めにする。虎の新助っ人史をひもとくとグレン、クルーズ、キンケードら開幕前に大暴れしたが、線香花火のように終わってしまう男たちもいた。C砲にその心配はいらない。 コンラッドは今後の課題について「とにかくバットを折らないようにしたい(苦笑)」と明かした。フリー打撃練習中にボキボキ折ってしまうことが多い。「ポイントが前すぎたら折れるんだ。体が突っ込まないようにすることとストライク、ボールを見極めることかな」。対策はすでに打ち出しており、この修正も早くできそうだ。ジャパニーズドリームをつかんで、虎の風雲児になる。(阿部 祐亮)
2013年03月04日
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激震デビュー!虎・藤浪2回0封、狙ってK斬り (練習試合、阪神1-1オリックス、2日、安芸) 衝撃の第一歩だ。阪神のドラフト1位・藤浪晋太郎投手(18)=大阪桐蔭高=が2日、オリックスとの練習試合(安芸)に先発で対外試合初登板し、2回1安打無失点に抑えた。一回無死一、二塁では主砲・T-岡田外野手(25)を狙い通り空振り三振に仕留めるなど、最速145キロと鋭いカットボールで堂々のデビューを果たした。 1球に歓声が上がり、1球に感嘆の吐息が漏れた。少し肌寒かった南国・土佐の空気が、スタンドの異様な熱気で上気した。黄金ルーキー、藤浪のデビュー戦。圧巻だった。いきなりのピンチにも、顔色ひとつ変えなかった。鋭く描いた3球の軌道が、18歳の無限の可能性を証明した。 「得点圏の場面だったので、できれば三振を狙いたいと思いました」 堂々と言ってのけた。見せ場は一回、いきなり訪れた。先頭の坂口に初球を不運な二塁内野安打され、ストレートの四球で無死一、二塁。打席に2010年のパ・リーグ本塁打王、T-岡田を迎えた。本来なら足が震えるような場面。しかし藤浪ははっきり、三振を狙っていたと言うのだ。 初球、内角低めのカットボールで空振り。2球目、フォークで空振り。そして3球目…。「追い込んでから、藤井(彰)さんのサインが内角のカットボールだったので、『三振を狙いに来い』ということだと自分で解釈して投げました」。 高校球児たちをなで斬りにし「ヒットにされた印象はあまりない」という宝刀が内角をえぐる。プロの大先輩相手に、衝撃の3球三振だった。 平常心でいられるだけでも、並のルーキーとは違う。試合前、ブルペンに姿を現すだけで、拍手喝采が沸き上がるほどの熱気だ。背番号19を追ってスタンドを子どもたちが走る。場内アナウンスが「ピッチャー・藤浪」と告げると、地鳴りのような歓声が上がった。2777人が熱視線を送ったマウンド。その異常な期待に、まったくそぐわぬ輝きを放ってみせた。 二回も先頭を歩かせ、盗塁で得点圏に走者を背負ったが、後続を断った。二死三塁からは斎藤に対し、外角低めに球威ある速球を集めた。1ボール2ストライクと追い込み、最後は右飛。きっちり0を2つ並べて、打者8人に1安打2奪三振、無失点。自己最速153キロには届かずも、気温10度前後の中で、最速145キロも2球マークした。 「(3球三振は)狙ったところにしっかり投げられたことが良かったです。決まった球は、そう簡単には打たれないんじゃないかと思いましたけれど、まだまだ甘く行ったらしっかり打たれる。しっかり磨いていきたいです」 言葉に確かな手応えがにじんだ。30球の熱投を経て、次回登板は中6日で9日の日本ハムとのオープン戦(甲子園)が有力。着実にステップを踏み、その先に見えてくるのは-。聖地無敗の18歳が大股で歩く、開幕ローテへの道。プロの猛者たちに強烈な印象を植え付けたデビュー戦は、まだ序章に過ぎない。(長友孝輔)
2013年03月03日
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虎総帥、開幕ダッシュ厳命!和田即答「もちろん」 阪神・坂井信也オーナー(65)=阪神電鉄会長=が1日、西宮市内の広田神社での必勝祈願後、開幕ダッシュを厳命した。2日からの練習試合に備えて高知入りした和田豊監督(50)は、総帥の指令に「(開幕ダッシュは)もちろん。今年は特に大事」と2年目の手応え確かに約束した。 充実した戦力に手応えをヒシヒシと感じている。完成したばかりの真っ白な鳥居をくぐり目指すはV奪回のみ。8年ぶりの悲願達成へ、坂井オーナが絶対条件を掲げた。 「優勝にはスタートダッシュが必要なので、万全の態勢で開幕を迎えてほしい」 南信男球団社長(58)ら球団フロントから、和田監督以下コーチ、選手たちが勢ぞろいしての必勝祈願。ファン約400人に見守られる神妙な空気が虎の鼓動で震える。 2日のオリックスとの練習試合(安芸)で初登板を控えるD1位・藤浪晋太郎投手(大阪桐蔭高)に、福留、西岡…。手にした大型戦力をぐるりと見回した総帥が力をこめて拳を握った。その言葉に和田監督が呼応した。 必勝祈願、甲子園での練習を終えて指揮官は練習試合(2日・オリックス戦、3日・西武戦)のため高知空港へと降り立った。待ち受けたファンは「歓迎」のノボリを掲げ、「六甲おろし」が流れる中での到着だった。 花束を受け取り、歩みを進めた虎将。オーナーの開幕ダッシュに対しての言葉には即反応し、うなずいた。 「(スタートダッシュは)もちろん、もちろん。今年は特にそう。開幕前に状態を上げていけるようにしたい」 就任1年目の昨季は結果5位の大惨敗。和田監督が“特に”と強調したのも、うなずける。先に挙げた3選手以外にも日高やコンラッドと、新戦力を多く抱えて臨む今季。未知数の部分が多い分だけ「いける」感触が早期にチームに浸透すれば、勢いは自然とつく。 広田神社での祈祷を待つわずかな時間で『坂井&和田』の“トップ会談”も行われていた。 「(けがで戦線離脱した)上本君のこととか、(故障で調整が遅れている)新井のお兄さんの報告とかをね。少し話しました」 故障者はいるものの、幸い新戦力や主力の仕上がりはおおむね順調。出だしが良ければ、優勝がより現実的になる。就任2年目の指揮官のタクトを信じている。 「ぜひとも優勝したい、という気持ちが出てきた。実現するように、がんばりたいと思います」 是が非でも開幕ダッシュ。燃えたぎる思いを吐きだした坂井オーナー。即応した和田監督。『3・29』-。虎の反攻が幕を開ける。(栃山 直樹)
2013年03月02日
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虎、異例ベスト布陣!藤浪を援護射撃や 阪神はドラフト1位・藤浪晋太郎投手(18)=大阪桐蔭高=が対外試合初先発する2日の練習試合・オリックス戦(午後1時・安芸)に野手のベストメンバーをそろえることが28日、明らかになった。黄金ルーキーの船出に西岡、福留、マートン、コンラッドら主力が全員集結。プロの大海原に乗り出す背番号「19」を援護射撃する。 虎党でなくとも待ち焦がれた、高校三冠投手のお披露目。スーパールーキーの初陣には、それ相応のメンバーで臨むのが“筋”だ。藤浪の初登板初先発となる、2日のオリックスとの練習試合(安芸)。右腕の出撃に合わせ、猛虎はベスト布陣を敷く。黄金ルーキーのバックを守るのは、西岡、福留、マートン、コンラッド…。超豪華なスタメンで、まっさらなマウンドへと送り出す。 藤浪は「プロで使う球場はどこもきれいだと思う。球場どうこうじゃなくて、しっかり自分の投球をすることが大事だと思います」と冷静に語った。甲子園の全体練習後、初実戦が間近に迫り「楽しみとか緊張とかはない」と平常心を強調したが、周囲は盛り上がる。注目されるMAX153キロ右腕をチーム一丸で支える。水谷チーフ打撃コーチは、西岡や福留らの2日の出場について「出るじゃろう。オープン戦中に調子をもっと上げてもらわな困るからな」と明言。主力がスタメンに名を連ねることを明かした。1日の神社参拝後、甲子園で全体練習を行い、高知県安芸市に乗り込む。 後ろを振り向けば、二塁には大阪桐蔭高の先輩・西岡。緊張ぎみなら、マウンドに駆け寄って声をかけてくれるだろう。右翼はメジャー帰りの福留がバックアップする。安芸は1965年から阪神がキャンプを張る(現在は2軍のみ)猛虎ゆかりの地とはいえ、調整段階でまだ寒い3月初めの地方遠征にベテラン、主力、助っ人が勢ぞろいするのは異例中の異例だ。 中村GMは号令を出した。想定していた3・5点以上の爆発を見せる野手陣に藤浪の援護射撃を命じた。 「このまま藤浪も援護? そうだな。1軍キャンプではなかったことだからな」と初めて野手を従え、打者と対峙する黄金新人をバットでサポートすることを求めた。西岡は「彼は彼の仕事をすればいい。守る方もね。緊張もあると思うが、そういうときは自分の力以上のものが出るもの。僕らも足を引っ張らないようにプレーしたい」と約束した。 藤浪はこの日ブルペンに入らず、軽いキャッチボールで調整した。 「(いつも登板前は)ビデオを見て打者の得意、不得意とか、どういうフォームで打っているかを見ますが、まだ何ももらっていないので、どうなるかわからない。相手どうこうよりもまずは自分のこと。自分のプレーをしっかりするだけです」 データに頼りすぎることなく、自分の一番いいボールを投げるつもりだ。1日にブルペン投球を行い、最終調整をする予定。最大級の支援を受けながら、黄金右腕がマウンドに立つ。(西垣戸 理大)
2013年03月01日
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