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ことさら町屋に限った話ではないけれど、目を付けていた酒場目当てにとある町を訪れたとして、その酒場に向かいながら自分がここに住むことになったらどうだろうなんてことをよく考えたりします。そんな他愛ない夢想が案外楽しかったりするのです。でも思ってみるだけで実行に移す気力があるかというとそうでもないのです。ぼくは都内に腰を据えるまでは10回近く引っ越ししていて、引っ越しの大変さを実をもって体験しているからです。まあ、10回というのが必ずしも多いかどうかはともかくとして、今、引っ越しをしたいかと問われれば否と答えると思うのです。一つには今住んでいる町がこれまで過ごしてきたどこよりも便利で環境も悪くないと思えるからであるけれど、それ以上に面倒はなるべく回避したいのです。幸運にもそんなにお気に入りの町に済むことができていて、面倒が嫌だと言い張るのに、それでもどこか住んだことのない町で暮らしてみたいと思ってしまうのだからこれはもう単に飽きっぽいといった話ではないのかもしれません。けして住みやすいとは思えない土地で生まれて、死を迎えるその瞬間までそこを離れずに過ごして当たり前に生涯を全うする人々が少なからず存在ようですが、そんなシンプルな生き方にいくらかの羨望を感じつつもぼくには耐えられないのだろうななんて思うのです。ぼくの旅への渇望はかなり潰えてきています。旅のように通り過ぎるだけの隙間風のようなやり方よりは、むしろ短期的な移住みたいな町の一部となって過ごすようなやり方をしてみたいと夢想するのです。などと自身の心境など語っていますが、いやいたのですが、3月も中旬に至ってパッタリ文章を書くのが苦痛になってしまい放棄したままになっていたのです。だからここまでの文章と町屋の老舗飲食店との関係性を結びつける術も思い出せぬままに先に進める無法を働くのです。 町屋から王子方面に数分歩いて行くと串揚・天ぷら、右に和食・洋食とテント看板に記載のある食事処があります。ネットの情報によると「昭和30年に先代が天ぷらの店頭販売のお店は始め、昭和47年に2代目が店内でも飲食できるようにし」たというからなかなかの老舗と捉えて差し支えなさそうです。「藤家」という屋号もなんか悪くないですね。店の構えはごくありふれた居酒屋といった構えで特に目立ったところもなく老舗風の敷居の高さもない分、目を楽しませてくれるような何かがある訳でもないのです。ところで、最初にお断りしておきますと、この日は総勢4名でお邪魔することにしていたのでぼくには珍しく予約してから伺ったのですが、このやり取りでお店の方にとっても我々にとっても好ましからざる関係に陥ったのでありますが、そのことには敢えて触れぬことにします。ご夫婦で長年やってこられたとのことですが、心配なことにご主人が体調を悪くされてご不在でした。女将さんだけなので十分にサービスが行き届かぬかもしれぬというお断りがありましたが、それはそれで酒のお替りはセルフサービスで協力させていただくことで不満はありませんでした。肴も手が回らないところもあるとのことでしたが、この日に仕入れたばかりの新鮮な刺身はありますし、ハンバーグにメンチカツといったちょっと手間の掛かる品以外はご用意いただけました。確かに品数こそさほど多くはないけれど、和から洋まで幅広い用意がされていて個人店としては確かに頑張っているなあと思わされました。ほとぼりが冷めた頃にそしてご主人が復帰された頃に今度は予約なしでそっとお邪魔できればと思っています。
2023/03/31
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以前から作りたいと思っていた料理がありました。台湾のスープ料理です。とここでようやく気付くのですが、呑み歩きでも台湾料理店が続きましたし、近々作ろうと思ってレシピをリサーチしていたのも台湾料理だったのです。店で食べるとこの味は家庭では出せないかなあなんて思ったりするのだけれど、レシピを見る限りではそれほど入手困難な材料を用意しなけりゃならないわけでもないし、行程も案外単純でただコトコト煮るとか思いの外手間が掛からないみたいなのです。それなら作らない理由がないのです。だって近頃台湾料理の美味しさに改めて開眼したんだからね。自宅でそれなりの味が出せるなら外で無駄遣いをする必要もないでしょう。材料を揃えるのが難儀だったり、調理に恐ろしく手間が掛かるのは家では作らず外で頼めばいいと割り切っているのです。でも余程気に入った場合はむしろ店でも頼んでみることにしています。というのは、店で食べるのはきっとぼくのよりは現地に近い味だと思うから、自分で作ったのとの差異を分析するのと作り慣れることで我流に陥っていやしないかということの確認も兼ねているのです。これはインド料理の場合と同様です。やはり自分だけの感覚に頼って作り続けていくとどうしても生まれ育てられた食事に引っ張られてしまいがちです。でも本場の味に拘るのと自分好みの味に引き寄せるのとどちらが正解かは容易に答えが出ることでもなさそうです。とりあえず今は前者に拘ってみたい。後者に移行するのは今以上に食が細くなってからでも遅くはなさそうです。さて、今回作った台湾料理は、麻油鶏です。麻油鶏と書いてマーヨーチーと読むらしいのですが、非常に材料もシンプルでかつ調理も簡単ということで以前から試したいと思っていたのです。【材料】鶏肉(骨付き) 10本/生姜(薄切り) 1片/酒 1カップ/水 2カップ/八角・赤唐辛子・塩・胡椒・ごま油 適宜【作り方】1. 鍋にごま油を熱して生姜を炒める。鶏肉を加える。八角、赤唐辛子、酒、水を加えて煮る。塩、胡椒する。 日頃、多少は料理をする者としてはいささか拍子抜けする位に簡単な料理ですね。八角と赤唐辛子を加えるレシピもあったのですが、それすら使わないレシピも多くみられました。さて、肝心の味ですが、ぼくにはちょっと淡泊に思えました。これをメインにするというよりは味噌汁のようなサイドメニューと考えるのがいいのかもしれません。今回はたまたまスーパーで手羽先が安かったのでこれにしましたが、ちょっと油が強かったかも。手羽元の方が食べやすいしいいかもしれないです。何にしろ最初はシンプルに食べるのがいいと思いますが、残ったら具材を追加するなどさまざまに応用が利きそうです。 という訳で早速応用という程のものではありませんが、この手羽元とスープをそのまま使って麻油鶏鍋にしてみました。【材料】麻油鶏(スープ含む)・水菜(ざく切り)・ニンジン(ピーラーでスライス)・長ねぎ(斜め薄切り)・豆腐(8等分)・春雨(水で戻す)・キクラゲ(水で戻す) 適宜【作り方】1. 鍋に全ての材料を入れて加熱する。 適当に冷蔵庫にあるものを放り込んだだけですが、なかなか美味しく仕上がりました。ポン酢と麻辣タレも用意しましたが、結局使わずそのままで食べ切りました。 さらに、お決まりのカレーへの転用です。麻油鶏カレーって料理名でいいかな。これまたあまり余計な手を加えず最低限の食材を追加するに留めました。【材料】ごはん・麻油鶏(スープ含む)・玉ねぎ(薄切り)・ニンジン(銀杏切り)・カレーフレーク 適宜【作り方】1. 鍋に麻油鶏、玉ねぎ、ニンジンを入れて加熱する。カレーフレークを加える。皿にごはんを盛ってかける。 まあ、予想通りに美味しいです。ただ見てくれ重視で鶏は骨付きのままにしましあが、日本式にトロミがあるとちょっと食べにくいから骨から外しておいた方がいいかもしれません。それかいっそのことスパイスから調合するのがいいのだろうか。でもそれだとどうしても花山椒や五香粉などで台湾料理寄りになってしまいいわゆるカレーとは違ったものになりそうな気もします。
2023/03/30
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今回訪れたのは居酒屋ではなくバーなのです。関西、いやもっと局所的かな、大阪や神戸の人たちは居酒屋が暖簾を下げる前に営業開始時間の早いバーに立ち寄ってクイと1、2杯を景気づけに呑み干してから居酒屋にハシゴするそうですが(今はそういう人も減ったかも)、都内でバーで呑むとなるとそう気軽に立ち寄るという訳にはいかぬのであります。大阪の人たちは、東京は物価が高いと嗾けてきますが(東京も立ち吞み屋はそうは負けてはいないと思いますが)、実際にはどうだろう。Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ) 「サンボア・グループ11店飲み比べ」https://plaza.rakuten.co.jp/pianobarez/diary/200903290000/ こんなサイトがありました。サイト運営者が断っているようにグラスのサイズや氷の量もあるけれど確かにバーに関しては大阪に分があるようです。でもですね、バーというとつい正統派のオーセンティックバーをぼくなどは想起してしまうのでありますが、もっとカジュアルなバーだって存在するわけです。ガールズが接待してくれるものも含めてそのジャンルはそれなりに多様性もあるし、そもそもがバーの定義ってなんじゃいって問題もあるから今回はそこまで深入りするのは止しておくことにしようかな。 前振りしておいてバーのこと、それも普段はあまり利用することもないカジュアルなタイプのバーにお邪魔しました。「富田屋(TOMITA-YA)」っていう雑居ビルの2階にあるまあどこにでもありそうでいて、普段こうした店をほとんど利用することのないぼくにはあまり思い当たらないタイプのお店です。カジュアルなバーというとアメリカンスタイルのバーを思ってしまうのですが、それともまた違った雰囲気です。オーセンティックバーをぐっとライトにした感じだろうか。で、ここにも先の沖縄居酒屋で遭遇したオッサンが付いてきてしまったのであります。先ほどまでのノリはそのまま引き摺ってきているのでいきなりにやかましいので、他人のフリをしたいが、同行者が一緒に盛り上がっているからそうもいかないのだ。結果、他のお客さんや感じのいいマスターにご不快をお掛けしていると考えたぼくは怒りを爆発させてしまい、マスターに謝りつつも支払いを済ませて帰ることになったのす。他にお客さんがいないなら多少騒ぐのはまあ目をつぶるとしてもさすがにゆったりとしたバータイムをかき乱すのはそれが他の客であっても許せぬし、ましてや自分を含む集団(1名はよく知らんオッサンだけれど)が迷惑を撒き散らす側であるなら看過できぬのだ。そんな迷惑脚なのに若いバーテンダーは顔色一つ変えるでもなく押しつけがましくない程度の笑みを浮かべつつ対応してくれたのだ。ほとんど感想にもなってないけど申し訳ないことでした。お手頃で感じのいいお店でした。 ところで、丸谷才一氏にこんな文章があります。 酒というものがある。そして、男は、酒を飲む男と飲まない男とに二大別することができる。 バーというものがある。そして男は、バーヘゆく男とゆかない男とに二大別することができる。 さらにまた、バーヘ来る男を二大別して、酒を飲むために来る男と女が目あてで来る男とに分けることができる―と、これはあるバーテンが言ったのだが、 ちょっと付け足したい。 酒というものがある。そして、男は、酒を飲む男と飲まない男とに二大別することができる。「酒を飲む男は、酒に強い男と酒に呑まれる男とに二大別することができる。」 バーというものがある。そして男は、バーヘゆく男とゆかない男とに二大別することができる。「バーへゆく男は、バーを愛する男とバーに嫌われる男とに二大別することができる。」 さらにまた、バーヘ来る男を二大別して、酒を飲むために来る男と女が目あてで来る男とに分けることができる「酒を飲むために来る男は、酒で自分の世界に浸れる男と酒で顰蹙を買う男とに分けることができる。」―と、これはあるバーテンが言ったのだが、 ちっ、少しも気が利いてないですね。
2023/03/29
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自慢ではないが、ぼくは記憶力が良い方であります。いつもと言ってることが逆ではないかと言われるかもしれないが、実は良いのですよ。といってもその能力が発揮できるのはごく限定的なものに限られていて、数字とカタカナの固有名詞は、よく覚えているのです。数字に関しては円周率を100桁なり1000桁なりを記憶しているかというとさにあらず、郵便番号や電話番号はやたらと覚えているのです。覚えていると言えば聞こえはいいけれどむしろ忘れられないといった方が当たっているかもしれません。そんな数字、覚えていても何の得にもならないですし、郵便番号と地名や電話番号と人命が結びつくかというとそんなこともないのです。固有名詞であっても漢字や平仮名はさほど得意でもないからだし、もし仮に記憶したとしても番号と紐付けるのは得意ではないらしいからです。だから覚えているといっても例えば映画監督ならアッバス・キアロスタミ、ヴァレリアン・ボロズウィック、オタール・イオセリアーニ、シャンタル・アケルマン、ドゥシャン・マカヴェイエフ、マノエル・デ・オリヴェイラといったような結構覚えにくい名前もすんなりと覚えられていたのです。ところが、最近はいけない。例えばイタリア野菜でいうとラディッキオやカリフローレ、フィノッキオはようやくマスターしたけれど(不意に失念してしまうことはありそう)セルバチカ(セルバチコ)や今回のカーボロネロはこうして無理にでも使い続けないと永遠に覚えられそうもないのです。野菜の名前を覚えているためにあえて買い求めているって書くとさすがに嘘っぽいか。ということで先般初めて買ってみて以来、突如として容易に買うことができるようになったカーボロネロの料理3種を記録します。 今回の料理で白眉だったのが、黒キャベツの蒸し煮[写真左]です。日本人シェフが作った和とイタリアンを融合したような料理です。【材料】黒キャベツ(カーボロネロ/茎を取る/3等分/塩茹で) 7枚/塩 適宜/オリーブ油 20ml/パンチェッタ(粗みじん切り) 10g/だし 80ml/酒 5ml/塩・グリュイエールチーズ 適宜【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱してパンチェッタを炒める。黒キャベツを加える。だし、酒、塩を加えて蓋をし、弱火で5分煮る。皿に盛ってグリュイエールチーズを散らす。【備考】Web近代食堂 「人気シェフのとっておき「ニッポン食材」活用レシピ★黒キャベツの蒸し煮」https://asahiya-jp.com/web-kindai/black-cabbage-201612/ おっと、これは美味しいですねえ。これまで作ったカーボロネロって舌触りがちょっとざらつくっていう印象がありましたが、和風の煮汁の効果もあってかツルリとした舌触りで美味しく頂けました。不思議なことに苦味が和らぐ感じがあります。 これは非常に分かりやすい。カーボロネロとじゃがいものサラダ[写真右]です。キャベツとじゃがいもが好相性だからカーボロネロとも当然に相性がいいはずです。【材料】カーボロネロ(茎(みじん切り)と葉(2cm幅)を分ける) 5枚/じゃがいも(茹でる/皮を剥く/一口大) 2個/にんにく 大さじ1/粒マスタード・粉チーズ 大さじ2/サラダ油 大さじ1/塩 適宜【作り方】1. じゃがいも、カーボロネロ(葉)、カーボロネロ(茎)の順に並べて、中火で20分蒸す。2. 全ての材料を混ぜる。 確かに美味しいですね。苦味もちゃんと残っています。でも何か足りてないっていうか頼りない感じがします。もう一工夫できそうです。 最もシンプルなカーボロネロのオイル煮[写真中央]です。食べる前に最も期待していたのがこれ。【材料】カーボロネロ(2等分) 300g/にんにく 1片/オリーブ油 100ml/塩・水 適宜【作り方】1. 鍋にオリーブ油、にんにくを熱しる。カーボロネロを加えて20分蒸し煮にする。塩を散らす。 なるほどねえ。確かに悪くないのです。悪くないけれどもうひと味欲しいと思ってしまうのは旨味に慣れ過ぎているからでしょうか。葉の襞に油が溜まるのもちょっとねえ。いっそのことこのレシピは茎の部分の専用にするのが良さそうですが、どうでしょうねえ。
2023/03/28
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ぼくはこれまで沖縄には1度っきりしか行けていません。正直なところさほどの興味も抱いていないのです。知人に沖縄好きが2人います。新型コロナの関係で訪れる頻度はかなり減ったようですが、最近になってようやく沖縄行きを再開したようで何に何度も行き来して飽きないものかとと思ったりもしますが、好きで訪れる人に水を差すようなことは慎む程度の弁えは持ち合わせています。彼ら2人に共通しているのが独り身でガタイがいい(っていうか端的にかなりのデブ)であるということです。偏見かもしれないけれど南の国の住民は図体の大きな人が多いような気がします。おっきな人たちに混じり込むと自分が特段にデブじゃないと思えるのが彼らが沖縄に足繁く通う理由なんじゃないかというと失礼なんだろうなあ。毎年ハワイに行くのを恒例にしている人たちが結構いるようですが、そのことごとくがデブかっていうとそんなこともないのであって、先の推測は全く当たらないってことになります。でもまあ南国ののんびりしたムードというのが彼らを強く島に誘うっていうのはありそうなことです。一人は下戸でひたすら食べて海に入るという日々を過ごすようですが、もう一人は酒が好きで現地ではひたすら呑み食いしているようです。しかも毎度行く店は決まっていてそこに入り浸っているというからぼくのような酒場巡りを愉しみにしている者にはますます彼らとは分かり合えないって気がするのです。そういや先般、有名酒場の「おでん東大」で事件が発生したようですが、今はどうなったんでしょうか。気掛かりではありますが、聞くところによると紹介されてからは多くの客が押し寄せてとても沖縄気分でゆったり過ごすといった店ではなくなっていたようなので仮に沖縄に行く機会があったとしても立ち寄る気になったかは怪しいところです。 ぼくが初めて沖縄料理を食べたのは随分昔のことになります。当時は見慣れぬ食材も多くて少し戸惑いながらもすぐに好きになってしまったからぼくと沖縄は実は案外相性は悪くないのかも。その後、沖縄料理店も増えてそこそこ通ったものですし、さらにしばらくするとゴーヤを始めとした食材も随分流通するようになりました。そうなるとぼくはぱったりと沖縄料理店に行く機会が減ってしまったのです。だってねえ、沖縄料理って家庭でも簡単に作れそうだし、作っていたりもしますしね。琉球料理のそれも宮廷料理を提供する「首里天楼」なんていうお店のHPを見ても食材にはちょっと珍しくて入手できなさそうなものもあるけれど、料理そのものはさほど手が込んではいなさそうです。とまああれこれ語ってみたけれど、本当は沖縄料理で呑みたいって気持ちはいつだってあるのですね。だから好きなとこで呑ませてくれるって誘われて巣鴨を彷徨っているうちに「ゆんたく酒場 増富商店」なるお店を見掛けたから店の構えはちっともぼく好みではないけれど、迷わず立ち寄ることにしたのでした。店の若い男女が沖縄の方かどうか伺う余裕はなかったけれど、仮にそうだとしたら沖縄の人らしい体格ではなかったかなあ。とてもスリムで顔立ちも物静かな印象であります。ところが先客1名はとんでもなくやかましいオヤジだったのだ。こちらはぼくが抱いている沖縄(知人)のおっさんととそっくりなのだ。でも知人はここまでやかましくはないぞ。とにかくはた迷惑なことこの上ないのだ。この人は九州ではあるが沖縄の方ではないと必要以上に訴えるのです。だがしかしですね、東京出身の同行者がまた負けず劣らずで騒がしいのだ。この人の本性はこれなんだなと見せつけられた気がします。まあこれはこれで沖縄の酒場っぽいのかもななんてよく知りもしないのに合点をしてみせるけれど、さすがに堪らないし何より店の方に迷惑だ。他に客がいないことだけが幸いでした。正直こんな状態だからそれなりに呑み食いしたはずなのにほとんど覚えていないのだ。ちゃんと美味しかった(ちょっとジャンキーだった気がする)けれど、果たして沖縄料理っぽかったかどうかは定かではない。まったくもう、せっかく美味しい物を食べようとしていたのにねえ。巣鴨に系列のお店もあるらしいから今度はそちらに行ってみようかな。ただし、やかましい人と行くのは止しておこう。
2023/03/27
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ぼくは自分が春菊好きになった時のことを今でもありありと思い起こすことができます。そのきっかけを作ってくれたのは母親でした。なんてことを書くといい年してマザコンかよと思われても仕方のないところですが、そこまでではないかな。まあそれを決めるのは本人ではなく他人なのでしょう。まあマザコンと思われようと実際そうであろうと構いはしまい。今、大事なのは母親がいかにしてぼくを春菊好きへと変貌させたかにあるのです。幼少期の実家では休日の夜はほとんど鍋ものばかりを食べさせられていました。鍋もの自体は嫌いじゃないというより結構好きだったのですが、入る野菜は決まりきっていました。白菜はまあいいのだけれど、春菊も大概入っていて嫌いって程ではなかったけれど、好んで手を伸ばすことはなかったのです。ある日のことでした。母親が機嫌よく呑み会から帰還したのです。何かいい事でもあったのかと訝ったのですが、その夜は結局その理由は判明しませんでした。それが分かったのは週末の夜の事でした。料理下手な母親がいつになく気合を入れて料理作りに励んでいます。またいつもの鍋ものかとさしたる期待もなく食事の支度が整うのを待っていると台所からジュっという油がはぜる音が聞こえたのでした。分かる人にはこれで分かったかもしれませんが、今回の最初の料理はその春菊料理をぼくなりに再構成したレシピとなります。 今ではそこそこ世間に浸透している春菊とベーコンのサラダです。これが呑み会で出されてその旨さに惚れ込んだ母親が店主に聞き込むまでして入手したレシピだったのです。ぼくもまさか春菊を生で食べるなんてと遅る遅る口に運んだのですが、これが実に旨いのです。それ以来このサラダはたびたび実家の食卓に登場することになったのですが、今でも食べているのかなあ。【材料】春菊(5cm幅) 1束/ベーコン(1㎝幅) 3枚/オリーブ油 大さじ1/くるみ(ロースト/砕く) 適宜/【ドレッシング(混ぜる)】オリーブ油 大さじ1/レモン汁 大さじ1/粒マスタード 小さじ1/塩・胡椒・醤油 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してベーコンを炒める。2. ボウルに春菊を入れて【ドレッシング】と和える。皿に盛って1.を散らす。 母親が聞き出してきたレシピはベーコンを炒めたフライパンに直接醤油と酢を入れて熱々のまま春菊にかけるっていうものでしたが、醤油が焦げるのと酢の酸味が飛びすぎるのを嫌うぼくはドレッシングは冷たいままで用いるようになりました。春菊を生食しても良いものか、サラダ春菊がある位だからダメなんじゃないかって気もしますが、これまで腹を壊したりもしていないからまあ気にせぬことにします。 春菊って一度好きになっちゃうとこれはダメだろうっていう食べ物ともちっとも相性が合わなさそうな春菊ラーメンにしたって美味しいというもの。あまりこうして食べる人はいないんだろうなあって思って今、検索してみたらずらずらっと結果が表示されますね。春菊好きは自分だけじゃないんだなあ。【材料】中華麺(醤油味/茹でる) 1玉/春菊(茹でる/ざく切り) 1/2把/鶏胸肉(茹でる/斜め薄切り) 50g/水 適宜【作り方】1. 丼に添付のスープ、湯を注いで中華麺を入れる。春菊、鶏胸肉をのせる。 そばもいいけどラーメンも負けてないですね。うどんももちろん合いそうですが、それ以上にスパゲッティとの相性が良さそうに思えます。バジル代わりの大葉代わりの春菊ね。間違いなさそうです。 ならばカレーもいいに決まってる。ってインド周辺の本場では葉物野菜もサブ時などで普通に食べられているからスパイスとの相性もいいに決まってます。でもここは是非とも日本風のノーマンなカレーも試しておきたいところでありますが、賞味期限切れの豆腐があったので具沢山、春菊入り麻婆カレーを作ってみることにしました。【材料】ごはん 1膳分/春菊(ざく切り) 1/2把/豚ひき肉 30g/玉ねぎ(薄切り) 1/6個/ニンジン(千切り) 2cm/じゃがいも(拍子木切り) 1/2個/木綿豆腐(1cm角) 1/3丁/春雨(5cm幅) 10g/キクラゲ(水で戻す/一口大) 5枚/サラダ油・にんにく・生姜・カレー粉・豆板醤・甜面醤・オイスターソース・醤油・ラー油 小さじ1/鶏がらスープの素 小さじ1/2/カレーフレーク 大さじ2/片栗粉・水 大さじ1/水 200ml【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して豚ひき肉、にんにく、生姜を炒める。玉ねぎ、ニンジン、じゃがいもを加える。カレー粉、豆板醤を加える。水、甜面醤、オイスターソース、醤油、鶏がらスープの素を加えて煮る。春菊、カレーフレークを加える。ラー油を加える。皿にごはんを盛ってかける。 さほど工夫せずに無節操に味を重ねただけですが,それでもちゃんと旨く仕上がるのがカレーのすごいところです。カレーと麻婆豆腐(春雨も入ってる)に春菊なんてぼくが嫌いな訳がないし、しかも栄養バランスもきっと良いと思うのです。
2023/03/26
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水菜って野菜にはあまり縁がありませんでした。もともとは関西地方を中心とした西日本でよく食べられていた野菜であるという印象でしたが、今では茨城県が生産量で福岡県や京都府を圧倒しているそうです。このお陰もあってかこの冬は随分と水菜には活躍してもらいました。様々な生食用野菜が価格高騰の折にも水菜は比較的安定して安価に食べることができたからです。大阪でははりはり鍋と呼ばれる鍋料理がありますね。鯨肉と水菜を出汁で煮て醤油、みりん、砂糖なんかで味付けしただけのシンプルな鍋です。確かに脂ののった鯨肉にシャキシャキ(はりはり)した水菜は食感としても口中をさっぱりさせるにも良さそうです。今では鯨肉は贅沢品なので鴨肉だったりさらに庶民的に豚肉で代用することも多いようですが、鴨や豚では役不足に思えます。これらには香りの強いセリの方がずっと相性が良さそう。まあセリは慢性的に高いから水菜と香りの要素として春菊辺りを混ぜて食べると案外いいかも。 って思ったら水菜と春菊のサラダを作ってましたね。水菜に混じると不思議と春菊の香りが抑え込まれてしまう印象でした。火を通したら多少想像する強い風味を感じられるかもしれません。ということで鍋などで火を通して食べることも多いけれど、ぼくはもっぱら生食していましたが、さっぱりしていてちょっと飽きた時には火を通した料理も度々作りました。今回はそんな加熱した水菜を使った料理になります。出典は様々、あちこちから参照しつつも適当にアレンジしているので出典がメモしてある最後の1品以外は割愛します。まあ水菜は食感の良さと他の食材とぶつからないというのが持ち味だからどうしたってそこそこ美味しくなると思われます。以下の4品については、個々にどうこう書くこともないのでやはり割愛します。アサリと水菜のナムル【材料】冷凍アサリ 30粒/水菜(3cm幅/電子レンジで600W1分) 1袋/クレソン(代替:万能ねぎ、ルッコラ、セリ/3cm幅) 1/2束/【調味料】コチュジャン 大さじ1/ごま油 大さじ1/白ごま 小さじ2/すりごま 大さじ2/塩 小さじ1/4/ にんにく 小さじ1/2【作り方】1. ボウルに全ての材料を入れて混ぜる。コチュジャンを添える。蒸し水菜とのりのナムル【材料】水菜(3cm幅/電子レンジで600W1分加熱) 1袋/のり(千切る) 1/2枚分/醤油・酢・ごま油 小さじ1/2/にんにく 1/2片/塩 適宜【作り方】1. ボウルに全ての材料を入れて混ぜる。水菜としらすの味噌和え【材料】水菜(3cm幅/電子レンジで600W1分加熱) 1袋/しらす 大さじ1/刻みのり 適宜/味噌・酢 大さじ1【作り方】1. ボウルに刻みのり以外の全ての材料を入れて混ぜる。刻みのりを散らす。水菜とスプラウトのエスニック風【材料】水菜(5cm幅/電子レンジで600W1分加熱) 1株/松の実(炒る) 小さじ2/好みのスプラウト(電子レンジで600W1分加熱) 100g/【ドレッシング】ピーナッツオイル・ナンプラー・スイートチリソース 大さじ2/レモン汁・カレー粉 小さじ1【作り方】1. ボウルに全ての材料を入れて混ぜる。【備考】GOURMET 人気の料理レシピ 「松の実ハリハリ」https://www.elle.com/jp/gourmet/gourmet-recipes/a50950/gco-2212/ 以上の感想を一言で述べるとどれも必要以上に工夫しすぎで正直あまりしっくりきませんでした。やはりはりはり鍋のようにシンプルに食べるのがいいような気がするけれどどうでしょう。
2023/03/25
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いい年のおっさんが口にするような話題ではないのだろうけれど、藤子・F・不二雄著『ドラえもん』に出てくるひみつ道具であったらいいなあと思っていたひとつにデンデンハウスがあります。尻に装着するカタツムリの殻状の道具で自由に出たり入ったりできて中は非常に快適で過ごしやすいというものであります。これさえあれば家がなくても生きていけそうです。サイズはそう大きなものではないので、常識で考えると内部はかなり窮屈そうに思えますが、この道具内はゆったりしているようだから装着した人物が殻内に潜り込むと人体サイズを縮めてくれる何らかの技術が搭載されているんじゃないだろうか。それとも水槽のネコのように人体をゴム状にする効果があるのだろうか。今でもそういう傾向があるけれど、あんまり広いスペースってのは気持ちが落ち着かないモノでありまして、逆に押し入れだったり狭いところって妙にくつろげるものです。死ぬまで独り暮らしをするなら狭小ワンルームマンションがいいなあって思うのです。ただし、マンションと書いたようにユニットでいいからバストイレ付であって欲しいし、二つ口のガスコンロのある調理スペースはぜひとも必要なのだ。でも生活空間はシングルベッド2台が入る程度の広さがあれば事足りると思っています。と狭い空間が好きって前振りは今回はちゃんと後半に続くのであります。 松戸駅東口を出て階段を下りてすぐの通りに呑み屋が数軒並ぶエリアがあります。その末端に立ち呑み屋があるそうです。随分前に「STANDING BAR 次男房」があったけどそれではないみたい。もしかするとそこの人がバトンを託されて営業を始めたのかもしれないなあ。なんてことを思いつつ向かっていくとやはり以前の店のあった場所そのままです。店先から店内を眺めるとすでにオッサンたちが3名呑んでいます。狭小の店内はすでにかなり窮屈そうです。諦めるべきかとも思ったけれどとりあえず店内の様子だけでも眺めておこうと店のお姉さんに声を掛けるとどうぞどうぞと店内に誘われるのです。「STANDING BAR こと屋」ってお店ですね。2名でお邪魔して計5名になりましたが、すでに客席はぎゅうぎゅう詰めっていうかすし詰め状態です。身動きすらままならず、たすき掛けしていたカバンは床に置くことにします。ハッピーアワーは焼酎300円ってことなのでソーダ割にしてもらいました。そこそこの濃さでありました。周りの客は皆が顔見知りらしくて新参者の我々はつい小声になってしまうのです。その後もお客の入れ替わりがあったりして、お客さんは窓越しに外で呑もうとするのだけれど、その度にお姉さんがここは大体8名は入っていて、これまでの最高は14名入ったこともあるなんて仰ってました。ホントかよ。すでに体勢も辛くなってるのにこれ以上入ったら満員電車どころではないじゃないの。大体トイレに行きたくなったら皆一度外に出ないとダメじゃんか。ちなみにトイレはゲーセンのものを借りて貰っているようでお客さんたちはその度にゲーセンへの見返りとしてUFOキャッチャーをしてくるのだそうだ。でゲットしたフィギュアなどは当然のように店内壁高くに飾られることになり、われわれは有無を言うことも許されずに女のコたちのおパ×ツを見上げることになるのであります。うっかり空腹が酷かったので合鴨スモークとちくわマヨチーズなる品を頼んでしまったけれど、そして美味しかったけれど、食事系はまあ注意して頼むのが吉であります。ともあれ、狭い場所がいくら好きといっても、独りならいいけれど、他人と一緒はちょっと辛いかもなんて思ったのでした。もしかしたらいいことあるかもしれませんけど。
2023/03/24
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世界中でそばが食べられていることは知っていますが、それでも世界中で日本ほどそばを日常的に食べている国はないんじゃないかと思っていたのです。そりゃまあ国別となると人口の多い国が上回るかもしれぬけれど、人口一人当たりの消費量は日本が他国を圧倒しているものと信じて疑わなかったのです。ところがたまたま以下のサイトを目にしてしまったのです。ふくちゃんの蕎麦の旅人http://tabibito.c.ooco.jp/sobanohosomichi/hyakumihyakudai219.html このサイトはぼくに驚くべき事実をもたらすことになったのです。ソバの国別消費量(生産-輸出+輸入)を多い順に並べると「ロシア・中国・ウクライナ・フランス・日本」になるが、これを人口一人当たりに再計算すると「ブータン・ロシア・フランス・スロベニア・日本」の順になる。日本を基準にするとブータンが約17倍、ロシア10倍、フランス2.4倍、スロベニア・中国はほぼ日本並みになる。ブータンは山岳国で米・小麦の収穫は少なく、ソバは主食である。 ブータンやロシアの消費量が日本人の10倍以上というのにも驚かされましたが、それ以上にフランスの2.4倍というのには驚愕を抑えられなかったのです。それぞれにそばの料理があることは知っていたけれどさすがにそんなに食べているとは思ってもみなかったのでした。でもまあ、他国では日本ほど多様なそばの食べ方はなさそうですし、そばの専門店も多いんだと思うのですが……、って書いてるうちに段々自信がなくなってきました。でもそう考えると世界にはまだまだぼくの知らないそばの食べ方があるかもしれないし、そば料理店も世界各地に拡散しているような気もして楽しくなるのでした。今回はそばの実を使った洋風の食べ方2種とそれだけだと物足りないので日本の乾燥そばで適当に拵えた2種も記録しておきます。 ところで、そばの実については、吉田健一氏に素敵な文章があるので、引用しておきます。吉田健一著「羽越瓶子行」 翌朝の朝飯も相馬屋で、この時の食膳は忘れられない。第一、我々は昭和十三年の初孫を分けて貰っていて、朝、目を覚ましてまず河上さんと二人でこれを冷のままで飲むことから、この日は始まった。 それから、とろろが出た。これは、その効用を説明するまでもない。酒が既に出ていたのはいうまでもないことで、これが前の晩と同じ昨年の初孫だった。それと前後して、むき蕎麦というものが運ばれて来た。これは蕎麦の実の皮だけをむいて砕かずに、そのまま茄でて鶏のたたきで味を付けたものである。二日酔いの朝に普通の蕎麦を食べる気は別段起らないが、蕎麦の実はそれよりも遥かにあっさりしていて香ばしくて、鶏の味が僅かばかり脂っこいから、これ程酒を飲んだ翌日の朝に適したものはない。食べていて、何だか話がうま過ぎる気がする。そして夢ではないかと確かめるためにお代りをする。 鶏のたたきかあ。ぼくが酒田の「久村の酒場」でいただいたものとはちょっと違ったような気もしますが、確かに鶏をメインの具材にするレシピもあるようです。知るとすぐにも食べたくなりますが、生憎切らしているので近々買い求めたいと思います。 さて、今回作ったのはそばの実ときのこの煮物です。出典はあるようなないような。でもいかにも世界のどこかで似たような料理が食べられていて少しもおかしくないなっていう素朴なものを目指しました。【材料】そばの実・舞茸・エリンギ(薄切り)・ベーコン(8mm幅)・青ねぎ(小口切り)・にんにく・オリーブ油・水・塩・胡椒 適宜【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱してにんにく、ベーコンを炒める。舞茸、エリンギを加える。水を加える。そばの実を加えて煮る。塩、胡椒する。 ああ、いいですねえ。この食材は下手にゴテゴテと調理に手間を掛けないのが素材の滋味深い味わいを損なわなくて済みそうです。 続いてのそばの実とスペックのスープも似たような発想です。【材料】そばの実 400g/じゃがいも(皮を剥く/一口大) 2個/スペック 100g/ブイヨン 1.2L/白ワイン 30ml/玉ねぎ(薄切り) 1個/ローズマリー・オリーブ油・塩・胡椒 適宜【作り方】1. 鍋にオリーブ油を熱して玉ねぎ、スペックを炒める。白ワインを加える。そばの実、じゃがいも、ローズマリーを加える。ブイヨンを加えて中火で15分煮る。塩で調味する。 これまたいいですねえ。でも今や気分は酒田の「相馬屋」に気持ちが奪われてしまってどうも身が入らなくなってしまいました。 以下2品は乾燥麺を使った安直料理です。これも食材を控えて、基本的には1品、せいぜい2、3種程度の食材に抑えるのが良さそうです。まずは三つ葉そばです。【材料】そば(茹でる) 1人前/三つ葉(4cm長) 1束/めんつゆ 適宜【作り方】1. 丼にそば、温めためんつゆを盛って三つ葉をのせる。 そりゃまあ当然美味しいですね。せいぜい鶏肉を加える、もしくは溶き卵を注ぐ程度にしておくのがいいかな。その場合は三つ葉をもっとどっさりと加えたいところ。 これはひき肉入りのキンピラごぼうが冷蔵庫に残っていたのをキンピラ味噌汁にしたのをさらに使い回してごぼうそばとしたものであります。【材料】そば 1人前/ごぼう(縦2等分/斜め薄切り) 5cm/鶏ひき肉 20g/赤唐辛子(砕く) 1/2本/ごま油・塩 適宜/だし汁 150ml/味噌 大さじ1.5【作り方】1. フライパンにごま油を熱してごぼう、鶏ひき肉、赤唐辛子を炒める。2. 鍋にだし汁を沸かして味噌を溶く。3. 丼にそばを盛って1.をのせ、2.を注ぐ2023/2/15 そばとごぼうの食感の変化が実に結構です。そばってのは独特な香りのする野菜と相性がいいですね。味噌味でそばを食べるのもいいものなのです。
2023/03/23
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「台湾」を出てちょっと行くとこぢんまりした吞み屋街がありますが、どこも混み合っているかやっていないかで見事に空振りました。そういやここんとこやたらと台湾料理と縁があります。特段台湾料理に拘っているわけじゃないけれど、偶然が重なっているだけなのです。って書いてはみたけれどそれ本当なんだろうか。日中関係の悪化に伴って無意識に中国を避けているんじゃないか。そんなつもりはないんですけどね。なんてことを思ったりしながら同行者の毒舌を聞き流すのでありますが、それにしても巣鴨界隈も随分と中華料理店が増えているように思われます。実際にはどうか知らんけれど、いわゆる町中華が淘汰されて本場の中華料理店が続々オープンしているようなのです。中華料理って一口に言っても四川、広東、北京、上海の四台料理なんてのも言われていて、四川料理はいくらか庶民的なお値段で頂ける気もするけれど、広東料理や北京料理、上海料理は高級に感じられます。まあどれも広東家庭料理みたく家庭の二文字を追加すると途端に庶民的な印象をもたらすのですが、四川料理にはさほどの高級感はないからつい安心して四川料理店には足を向けられるのです(ちなみに中国八大料理となると四川、湖南、広東、福建、江蘇、浙江、安徽、山東となってまた印象が異なります)。という前振りだからここは四川料理にお邪魔します。 しかしまあ店名は「巣鴨餃子坊」に関して中華料理との記載があるばかりで中国の何料理であるとかいった記載はないのでけして値段によって店を決めたわけではないと断っておきます。店内はかなりこぢんまりとして窮屈な咳の配置となっています。先客はカップル1組のみ。店は日本語がほとんどダメらしい男性がワンオペで奮闘しておられます。奮闘しているはいいけれど余りにも日本語が通じなさすぎ。そんな場合は指差しで何とかなるものだけれど、メニューの感じを指差してもスマホでQRコードを読み取ってどうのこうのっていう説明をまくし立てられるのだ。またもちょっと癖のあるお店を選んでしまったようだ。餃子を頼んでもそのオーダーが通ったのかがはっきりしないのであります。まあ、ぼくはまだ我慢の限界に至るには円状まで随分と余裕があるけれど、同行者はすでに爆発寸前です。我々に続いて若い中国娘2名が来なければ餃子が来る前に店を出る羽目になっていたかもしれません。ラー油で揚げてさらにトウガラシなどの辛みを付けたナッツが旨いから餃子がなくとも酒は進むのだ。しかも中国娘は将来は変わり果てるかは知る由もないが少なくともとても可愛らしくて愛嬌もあって日本が隙みたいでつまりはとても好感が持てたのであります。同行者の気に入り方はぼくの遥か上をいっていて相手が日本語学校に通い始めたばかりだというのに容赦なく語り掛けるのでありました。それにしても不意に届けられたここの餃子はなかなかのもの。それに腸詰も大層濃厚な風味で抜群であったのです。同行者は中国娘が入ってくる前にオーダーストップすると決めていたけれど、彼女らの頼んでいたスパイスがたっぷりと掛かった揚げ豚みたいなのを見ると前言をすぐにも撤回したそうな表情を浮かべたのだ。無駄な意地を張らないでくれればぼくも久々の四川料理を堪能できたのになあ。ガッカリです。でもまあ今度はすぐに怒り出したりしない我慢強い同行者を伴ってくることにしようかな。って自分の周辺を見渡してもそんな人、見当たらないなあ。
2023/03/22
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食べ物について、何かを書こうとする際には決まり文句のように×××という野菜が好きってことを語ってみせるのですが、ぼくの場合、大概の野菜が好きだから冒頭でいちいち好きだって宣言するのは冗長でしかないのです。でも世間の皆さんは結構好き嫌いがあるみたいですね。よろず堂通信 「好きな野菜&嫌いな野菜ランキング2022/大人と子どもの調査結果まとめ」https://yorozu-do.com/sukina-yasai-kiraina-yasai/ この調査を集計したサイトの情報を眺めると嫌いな野菜ランキングにランクインしている野菜こそ、むしろこれまでぼくがここで取り上げてきた野菜が多いように思えるのです。なるほど本ブログの当初の趣旨を忘れたように料理の事ばかり書いてきたのにさっぱり反響のないところを見るとぼくは好んで皆さんに嫌われている食材ばかりを嬉々として取り上げてきたんじゃないだろかなどと勘繰ってみたくもなるのです。だからという訳じゃないんですけど、今回はキャベツ料理を4種類ばかり取り上げます。キャベツは好きな野菜として大人と子どもの区別なく安定的に好まれているようで、美味しそうだから作ってみようって思う人が少しは増えそうかな。 ベトナム式のキャベツサラダを作ってみました。改めて材料を眺め直すまでもなくいかにも東南アジアのレシピだなって感じです。キャベツは万人受けしても魚醤はちょっとという人もいそうだなあ。【材料】キャベツ(千切り) 1/4個/鶏胸肉(塩、砂糖、酒を揉み込む/電子レンジで600W1分加熱/ほぐす) 1/2枚/塩・砂糖 小さじ1/4/酒 大さじ1/2/ニンジン(千切り) 4cm/紫キャベツ(千切り) 1枚/玉ねぎ(薄切り) 1/6個/ミント 適宜/ピーナッツ(砕く) 大さじ2/レモン 1/4個/【たれ(混ぜる)】ヌックマム 大さじ1.5/レモン汁・酢 小さじ2/砂糖 小さじ1/赤唐辛子(小口切り) 1本【作り方】1. ボウルにキャベツ、鶏胸肉、ニンジン、紫キャベツ、玉ねぎを入れて和える。ミントを加える。皿に盛ってピーナッツを散らす。レモンを添える。 随分以前作ったっきりなので忘れてましたが、紫キャベツが安く買えたのでこれを作ったんですね。そういやぼくは紫キャベツは固くてそんなに好んで食べる野菜ではないですね。 ネットで見掛けたドイツ料理、ひき肉とキャベツ炒め(Kohl-Hackfleisch-Pfanne)です。キャベツ、肉、じゃがいもの組合せで美味しくないはずがないって位だから一応ドイツ料理ってあったけど、これのどこがドイツだって言いたくなる位に想像通りにやっぱり美味しいとなりそうです。【材料】キャベツ 1個/玉ねぎ(みじん切り) 1/2個/牛ひき肉 500g/じゃがいも(皮を剥く/4等分/塩茹で) 1㎏/コンソメスープ 500ml/トマトペースト 大さじ2/塩・胡椒・サラダ油 適宜【作り方】1. フライパンに油を熱して玉ねぎを炒める。牛ひき肉を加える。塩、胡椒する。キャベツを加える。トマトペーストを加える。コンソメスープを加えて蓋をし、30分煮る。皿に盛ってじゃがいもをのせる。 はい。想像以上でも以下でもなく美味しくいただきました。 キャベツはキャベツに違いないけど、ザワークラウトってこれまた人を選ぶなあ。せっかく健康に良いとされる発酵食品に火を通すのってどうしても抵抗があるけれど、死んだ乳酸菌にも健康効果があるみたいだし、大体健康への良し悪しは二の次の問題でしかないのですね。ポーランドのキャベツの煮込みです。【材料】ザワークラウト 250g/玉ねぎ(みじん切り) 1個/バター 大さじ1/乾燥ポルチーニ(湯で戻す) 大さじ2/湯 200ml/白ワイン 100ml/コンソメ 1個/砂糖 小さじ1/【A】小麦粉 小さじ1/水 50ml/塩・胡椒 適宜【作り方】1. 鍋にバターを熱して玉ねぎを炒める。ザワークラウト、キノコ、戻し汁、ワイン、コンソメ、砂糖を加えて弱火で煮る。小麦粉、塩、胡椒を加える。 これ単体で食べるのはつまらないかもしれませんが、肉料理に添えるなど使い勝手は広そうです。 アメリカでは芽キャベツをローストするのが人気だそうです。シンプルにローストして塩、胡椒、オイルってのも美味しいらしいのですが、せっかくなのでちょっと手の込んだレシピを作ってみることにしました。(写真がどうしても見つかりません。いずれ発見したらアップします)【材料】レッドオニオン(薄切り) 1個/赤ワインビネガー 180ml/砂糖 大さじ2/塩 小さじ1/2/植物油 大さじ3/芽キャベツ(縦半分) 20個/塩 小さじ2/胡椒 小さじ1/にんにく 4片/レッドペッパー(砕く) 小さじ2/タイム 6本/メープルシロップ 大さじ3/パセリ 大さじ2【作り方】1. 鍋にビネガー、砂糖、塩を入れて沸騰させる。玉ねぎにかけて1時間置く。2. ボウルに芽キャベツを入れて油、塩、胡椒、にんにく、タイム、レッドペッパーを入れて混ぜる。3. 耐熱皿に1.を並べてオーブンで220℃25分、途中で混ぜながら焼く。4. ボウルに1.、3.、メープルシロップ、パセリを入れて混ぜる。" なるほど。悪くないのですが、もうちょっと工夫のしようがありそうです。また芽キャベツが安く手に入ったら研究します。ってシンプルなのを作ってみるのが先かな。 と4種のレシピを書いてみましたが、ウィキペディアのキャベツの項目を見ると、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%99%E3%83%84 キャベツといっても今回の最後の料理に使った芽キャベツや以前ここで取り上げたサボイキャベツ、カーボロネロなんかは、日本で最も普及しているグリーンボールのマイルドさに比べるとちょっと癖があるから人を選ぶ野菜でもあるのかもしれません。お友達野菜のケールが嫌われてるくらいですから。ぼくなんかはもっと色んな種類のキャベツを食べてみたいと思っちゃいますけど、世間はそれを必ずしも望んではいないような気がしてきました。
2023/03/21
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近頃はなぜか忙しくてパソコンをいじっている余裕も余りなかったりするのです。でも一体全体どうして忙しいのかが自分でもよく分かっていないのです。ぼくは子供の頃からどちらかといえば早起き体質でありまして、最近は睡眠の質の劣化が著しいけれど、それでも余程疲れているような時じゃない限りは6時前には目を覚まして即行動開始できています。すぐに日課というか日々のノルマを片付けて自由時間の確保を目途に邁進するわけですが、そんなに頑張ってもいつの間にか時計の針は正午を回ってしまうのです。自分で書くのもどうかと思うけれどぼくは案外能率的なつまりは仕事の早いタイプでありますが、それなのに科ほどの時間を要してしまうのはきっと必ずしもやらなくてもいい事をそれと気付かずにやり過ぎているんじゃないかと思うのです。近いうちにそういう無駄を削ぎ落していかねばならぬと思っていますが、時間がないから見直ししている暇がないというジレンマに苛まれる訳で結局事態の改善どころか現状把握すらままらなぬ日々が当分は継続されることになりそうです。って実は愛用のGoogle Mapすら眺めてる暇がないってことを書きたいだけだったんですよね。まあ、こんなだらだらと冗長な文章を書いてる時間があれば地図だって眺められるんですけどね。とか何とか書いていておかしな話をするけれど、以前お邪魔したとあるお店を調べたらそこはお店じゃなくなかっていて建築物って表示されたんですね。漫然と眺める余裕はなくともピンポイントで調べる程度の余裕はあるのだ。それでてっきり閉業したものだと思いつつも通り掛かってみるとあら不思議営業していたのです。「台湾」ってお店がそれなんですが、ここ随分前に鉄玉子が名物料理であるとテレビで放映されていたのを見てお邪魔したことがあったんですね。当時のぼくはそこそこのミーハーだったのだ。で建築物と化しているはずのこちらのお店、何食わぬ顔でごく当たり前に営業していたのであります。どういうこっちゃ。その際に他に何を食べたかなんてことはちっとも覚えていないのですが、鉄玉子ってのが固いけれどさほど美味しくはないと感じたことは覚えています。ちなみに鉄玉子ってのは、現地の台湾では鐵蛋(ティエタン)と呼ばれているようで、醤油、砂糖、五香粉で卵を煮込んでは乾燥を繰り返すというシロモノでありまして、せっかく唯一覚えていた知識を投げ捨てて今回またも食べたのですが、まあ以前感じたほどに不味くはないし、3週間物を食べましたが思ったよりは固くなかったのであります。他に焼きビーフンやチーズ入りの葱油餅なんかを頂いたのです。食べログの評価をアテにしていいかどうかはともかくとして3.48とかなりの高評価を得ているほどには確かに美味しくはないと思うけれど、同行者はその場では旨い旨いを連呼しつつも店を出た途端に酷評を吐き続けるのでした。確かにまあそれ程のものではないけれど、そこまで腐すというのは度を越している気がします。こちらご夫婦でやられていて厨房の旦那さんは日本人らしいのですが、とても寡黙であったのに対して、台湾出身の奥さんは××あるよ、××旨いよとオーダーを応急する猛烈なアタックが確かにハードでそれに辟易したんだと思っておくことにしよう。確かにねえ、他にお客さんもいなかったから通常よりも辺りがキツかったのかもしれません。というわけで2人でビール3本で出てしまったのですが、同行者はよほど不満かつ中華欲求が満たされなかったためか、次なるお店も中華料理店となったのでした。
2023/03/20
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北大路魯山人氏に「お米の話」という短いエッセイがあります。そこで彼は以下のようなことを語っております。 料理人は飯なんてものは、無意識のうちに料理ではないと考えているらしい。ところが、飯は料理のいちばん大切なものなのである。料理ではないと思うところに根本的に間違いがあり、まずい飯ができるのである。 洋食でパンの良否を問題にしたり、焼き方を問題にしたりするのとまったく同じなのである。だから、飯は料理ではないという考えを改め、立派な料理だと考えなければならない。 この意味で、料理人は飯の炊き方に注意しなければならない。わたしは断言する。飯の炊けない料理人は一流の料理人ではない。主婦、女中、飯炊きについても、同じことがいえるのである。 まあ確かにこれはもっともらしいことを語っているようです。でも冒頭の一文はいかにも乱暴すぎるきらいがあります。日本人は単一民族である、といった文章とどこか似通っているように思えてしまいます。女性差別や職業差別とも読み取れる一文も見られます。まあ突っ込むとキリがないので端的に飯炊きは重要な料理であるという風に受け止めることにする。これはまあある程度まで理解できなくもない。一般論としての料理の基本を疎かにする者は何一つまともな料理は作れるはずがないといった議論ではなく、とにかく飯が重要だと言い切る態度には潔さを見て取ることも可能かもしれません。でも、以下の一節に関してはちょっと黙ってはいられないのです。 殊にライスカレーなんてものに使う米は、少しまずい米でないといけない。たとえば玄米だ。 どうでしょう。解説してみせるつもりはないけれど、ぼくには実に不愉快に感じられるのですが。この短い2つのセンテンスで魯山人氏は恐らく日本人のみならず世界の多くの人々を敵に回したと思うのです。まあ氏はそんなことは屁ほども痛くも痒くもないのかもしれないけれど、ぼくの気分を悪いものにするに十分な文章です。ってまあこうして自分が不快に感じる文章を晒す行為は負の感情を拡大するのに貢献していないとは言えないと思うと複雑な気持ちになるのです。 ともあれぼくはライスカレーをなんかなどと蔑ろにしたくないし、ましてや少しまずい米で食べたいとは思えぬのだ。できることなら単に炊くだけではなくせっかくだからカレーチャーハン(もしくはドライカレー)で美味しくした米にカレーをかけて食べたいと思うのです。そしたらやはりあるんですね。「美華飯店」というお店にはカレーチャーハンという料理があるらしくそれはこういうものらしいのです。メシ通 「ヤミツキになる「町中華のカレーチャーハン」のつくりかた【料理人のまかないメシ】」https://www.hotpepper.jp/mesitsu/entry/maguro/18-00356 こりゃ一度は作ってみなくちゃ。【材料】【カレー】豚肉 20g/玉ねぎ(くし型切り) 1/4個/ニンジン(半月切り) 3cm/じゃがいも(皮を剥く/一口大) 1/2個/にんにく・生姜・カレー粉 小さじ1/2/サラダ油 小さじ1/水 200ml/カレーフレーク 大さじ2/【チャーハン】ごはん 1膳分/ピーマン(粗みじん切り)・玉ねぎ(粗みじん切り) 1/4個/ニンジン(粗みじん切り) 1/5本/豚ひき肉 100g/卵 1個/サラダ油 適宜【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して豚肉、玉ねぎ、ニンジン、にんにく、生姜を炒める。カレー粉を加える。じゃがいも、水を加える。カレーフレークを加える。2. フライパンにサラダ油を熱して豚ひき肉を炒める。ピーマン、玉ねぎ、ニンジンを加える。溶き卵を加える。ごはんを加える。カレー(1/3量)を加える。皿に盛ってカレーをかける。 なるほど。ピーマンでドライカレーっぽくするというアイデアはいいと思うのです。でも卵はなくても構わない気がするなあ。それとルーとチャーハン部分の味が当然ながら似ているから味に変化がないのはもったいないと思うのです。いっそのこと飯はオーソドックスなチャーハンでいいんじゃないかと思うのですが、ご存じかと思いますが、そういった品も当然にあったりするのでした。例えばこんなの。https://machichuka.com/%e3%82%ad%e3%83%9f%e3%81%af%e6%8e%92%e9%aa%a8%e3%82%ab%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%83%81%e3%83%a3%e3%83%bc%e3%83%8f%e3%83%b3%e3%82%92%e9%a3%9f%e3%81%b9%e3%81%9f%e3%81%93%e3%81%a8%e3%81%8c%e3%81%82%e3%82%8b/ たまたま多めにカレーを作ってしまい食べ切れずに残してしまいました。いかにもありそう。また、大量に茹で過ぎてしまったスパゲッティが冷蔵庫に仕舞われていました。まあ、そうそうないかもしれないけれどあっても不思議ではないかな。その両者が同時に生じるとなると世間的にはそうはないかもしれません。でもぼくの場合はあったりするのですね。特段、狙った訳ではないけれど、仕上がりは以下の料理とどこかしら似ているようです。おとなの週末Web 「焼きカレーの店 ストーン(パスタ・ピザ/浅草橋)裏路地に佇む、気軽に本格的な料理を楽しめるお店♪」https://otonano-shumatsu.com/articles/235142カレースパゲッティグラタン【材料】スパゲッティ(茹でる) 120g/溶けるチーズ 大さじ3/【カレー】豚肉 30g/玉ねぎ(くし型切り) 1/4個/ニンジン(銀杏切り) 1/4本/じゃがいも(茹でる/皮を剥く/一口大) 1/2個/水 150ml/カレーフレーク 大さじ3【作り方】1. 耐熱皿に【カレー】(半量)を敷いてスパゲッティをのせる。【カレー】(半量)をかけて溶けるチーズを散らす。オーブンで200℃10分焼く。 まあ、いかにもありそうな料理です。名古屋のインディアンスパゲッティばかりでなくカレースパゲッティは日本各地で食べられているようです。それをグラタン風に焼くのもちっとも意外ではないと思います。なので、ぼくにとってはいかにもありそうだと思っていながら食べたことも作ったこともない料理でした。そして結論としては、まあそこそこ美味しいけれど、ルーの絡みが今一つだからこれに関してはドライカレーもしくはナポリタンのように麺を炒め合わせるのが正解だったように思います。 麻婆カレーは以前作って非常に美味しかった。なので、余計なレシピ抜きで思うがままに具材や調味料を加えるとこんなのが出来上がりました。【材料】ごはん 1膳分/豚ひき肉 30g/玉ねぎ(薄切り) 1/6個/ニンジン(千切り) 2cm/じゃがいも(拍子木切り) 1/2個/木綿豆腐(1cm角) 1/3丁/春雨(5cm幅) 10g/キクラゲ(水で戻す/一口大) 5枚/サラダ油・にんにく・生姜・カレー粉・豆板醤・甜面醤・オイスターソース・醤油・ラー油 小さじ1/鶏がらスープの素 小さじ1/2/カレーフレーク 大さじ2/片栗粉・水 大さじ1/水 200ml【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して豚ひき肉、にんにく、生姜を炒める。玉ねぎ、ニンジン、じゃがいもを加える。カレー粉、豆板醤を加える。水、甜面醤、オイスターソース、醤油、鶏がらスープの素を加えて煮る。カレーフレークを加える。ラー油を加える。皿にごはんを盛ってかける。 以前作った時はカレー寄りの仕上がりでしたが、今回は中華の風味が強いものに仕上がりました。これもまた旨し。またも余ってしまったので翌日は茹でた中華麺と合わせてみました。これはまあ悪くはないんだけれど、やっぱりごはんに合わせた方が美味しいなあ。
2023/03/19
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先日、某百貨店で米沢牛のコンビーフを買い求めました。結構なお値段でしたねえ。スモークハウス ファインhttps://e86.jp/?pid=79947890 コンビーフって子供の頃から大好きだったと思うんですけど、当時から贅沢な品だったので滅多に口に出来る機会はなかったから本当に好きだったというよりは憧れに近い食べ物だったのです。ところで気になっているのが、団塊の世代の人たちが言ってるんだと思うのですが、独身時代には茶碗にごはんを盛ってコンビーフをのっけて醤油をふって食べるのが貧乏飯として定番だったといったような発言をしていましたが、それは少しも貧乏自慢にはならないということをしっかり認識して欲しいのです。ということで、日本におけるコンビーフのトップメーカーであるノザキの商品の価格を見てみたいのだ。そういやノザキというと巻き取り鍵の添付された枕缶が廃盤となったことで先日話題になっていました。それはともかくとして値段であります。ところが調べてみてもどうもはっきりしない。でも以下のページを読む限りでは庶民が安易に買える価格ではなかったらしいことは分かりました。COMZINE ニッポン・ロングセラー考 Vol. 98 「ノザキのコンビーフ」https://www.nttcom.co.jp/comzine/no098/long_seller/index.html 仮に馬肉を混ぜたニューコンビーフ(現在はニューコンミートと改名)であっても現在の価格差を照らすと半額程度だったと推測されますが、それでも貧乏学生が貧乏飯として食べるには無理がありそうです。スパムなどのランチョンミートだって結構いいお値段であることを思うと致し方ないのかもしれません。庶民としてはたまのご褒美といった気分でコンビーフとは付き合わざるを得ないようです。 なので、まずは嵩ましを主な目的としてコンビーフとクリームチーズのペーストを作ることにしました。せっかくの贅沢品を薄めるような所業についての良し悪しは議論の余地を残すところでありますが、根がケチだから仕方ないのだ。【材料】バゲット(スライス) 適宜/【パテ】コンビーフ・クリームチーズ 50g/塩・胡椒・ドライパセリ 適宜【作り方】1. 【パテ】の全ての材料を混ぜてバゲットにのせる。 ちっとも創意工夫はないけれどバゲットに塗って食べました。ピンクペッパーを飾っているという手間が敬意の表れとご了解ください。でもまあ容易に想像できるとおりの抜群の美味しさでありました。なので、せっかくだから焼き椎茸のコンビーフとクリームチーズのペースト詰めとしてみました。【材料】椎茸・コンビーフとクリームチーズのペースト 適宜【作り方】1. 椎茸をグリルしてにコンビーフとクリームチーズのパテをのせる。 う~ん、悪くはないけれどコンビーフ感が弱まる気がしてちょっともったいなかったかな。 続いては、以下のサイトのレシピを参照しました。国分のコンビーフhttps://www.kokubu.co.jp/brand/kkcornedbeef/ コンビーフのポテトボムです。じゃがいもとコンビーフの相性がいい事は食べなくたって分かってるけどね。以下がレシピに記載されている分量でありますが、100gはいかにも贅沢過ぎるでしょう。ってな訳で辛うじてコンビーフの風味が感じられる程度に控えめに挟み込むことにしました。【材料】じゃがいも(十字切れ目/電子レンジで600W4分加熱) 2個/コンビーフ 100g/溶けるチーズ 40g/トマトケチャップ・粒マスタード・タバスコ 適宜【作り方】1. じゃがいもの十字切れ目にコンビーフを詰める。溶けるチーズを散らしてオーブンで焼く。トマトケチャップ、粒マスタード、タバスコを添える。 うん。美味しいですね。でも想像以上のものではありませんでした。 わずかにコンビーフが残りました。冷蔵庫に茹で過ぎて食べ切れなかったスパゲッティがありました。ということで、両者が夢の出会いを果たしました。コンビーフスパゲッティです。【材料】スパゲッティ(茹でる)・コンビーフ・バター・塩・胡椒 適宜【作り方】1. 全ての材料を混ぜる。 旨っ。ロシアにも艦隊のパスタなるコンビーフを混ぜたパスタレシピがあるらしいけれど、そんなレシピなどなくても炭水化物とコンビーフは最高のパートナーなのです。ごはんにもパンのお供にも単に混ぜるだけで美味しくなるのだから高値なのも無理からぬ話ではあります。
2023/03/18
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どうしたものかこのところ心がざわついています。目先に大きな懸案があるとか健康面で不安があるとかそういった理由ではなさそうです。無論、生きている以上はちょっとした悩みの十や二十は常に抱えているし、健康にしても万事会長ってわけにはいかないけれど、今すぐにどうだって問題ではないのです。いやこの心のモヤモヤした状態を招いているのは、必ずしも大問題に起因しているのではなく、そうした細々とした小問題が原因となっているのではないだろうか。でも仮にそうだとしたら時間を要するかもしれないけれど一つ一つ片づけていけば済むだけの事ではないだろうかとも思うのだ。問題を小問題として認識できているということはその問題について理解できているということだからさして気持ちが晴れないなんてことはないように思えるのです。ということは、まだ問題として可視化できてていない何事かがあって、その何事かが問題となり得ると訴えかけていて、間もなくぼくの認識に浮上しようとしている段階にあるのではないだろうか。それとも逆にすでに何事かはぼくの知らぬうちに解消されているにも関わらずそれを知覚できずにいるんじゃないだろうか。だとするとその意識できずに過ぎ去った何事かは死ぬまでずっとぼくの心の片隅に巣食って留まり続けるんじゃないだろうか。それってとても辛い状態に思えます。そんな時、独りで呑めば内省が上手く作用してそのモヤモヤの正体を突き止めることに繋がるのかもしれません。でも愚かなぼくは知人とともに呑んで憂さ晴らしするという目先の享楽に飛びついてしまうのでした。 と書くことがないからって青臭い省察を試みてしまったけれど、呑める程度のモヤモヤはまだまだどうってこともない状態に違いないのであります。いつもは店の選り好みで愚図愚図しがちなぼくではありますが、この夜はその意欲も潰えていたから知人の言うがままに西日暮里駅からすぐの居酒屋に連れられていたのでした。西日暮里には「はやしや」や「さと」が閉店してからというもの西日暮里とはすっかり縁が薄くなってしまいました。それはさておきお邪魔したのは、「いざかや 漁火」でした。これまで数回訪れていて、その度に印象に残るような店ではないしきっと数カ月も経つと忘れてしまうんだろうな、なんて思っていましたが、いやはや不思議なことにやけに記憶が鮮明なのです。記憶ってのは不可解な働き方をするもんですねえ。って、ここまで書いてきて前段で書いた憂鬱がどこかに消し飛んでしまったことに気付かされます。ここ数週間、酒量が増えていて体力がアルコールに奪われていたのが良くなかったんじゃないかなあなんて思い直すことにしますここに来ると決まって入口付近の2人掛け卓席に通されます。奥は予約が入っているみたいですが、後は一組のみで空席もたくさんあるのにどうしてかなあ。早く帰って欲しいとか思われてるのかしら。実際、知人は急な会合への呼び出しが入ってしまい1時間に満たない滞在にはなりましたが、矢継ぎ早に肴を注文していたから良客であったと思うのですが、どうした配慮によるのだろうか。ここは結構しっかりとした料理を出してくれるけれど、量は少なめで値段はそこそこいい値段であるというまあ極めて普通のお店ではありますが、なぜか来る度にポテサラや写真にはないけれど梅水晶やだし巻きなんかを食べている気がします。最後に知人が高菜チャーハンを頼んだのですが、メシ物は初めてだったかな。案外美味しくてこれは量もたっぷりと満足感が高かったのでした。
2023/03/17
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帰宅時にトイレをよく拝借する高級スーパーは見切り品が充実しています。いつもいつもトイレを借りてばかりだと申し訳ないという気持ちもあるにはあるのだから、正規の値段で商品を買い求めても良さそうなものではありますが、見切り品のワゴンを目にするとついフラフラと引き寄せられてしまうのです。この夜はなんとトレビス(ラディッキオ)が見切り品として売られています。トレビスは見た目は紫キャベツとたいさないのですが、ぼくは圧倒的にこれが好きでこれを見掛けると買う変わないに関わらずつい値段をチェックしてしまうのです。それが見切りワゴンに1個あるのを見逃すわけにはいかぬのです。って正規の値段で引き取り手がなかっただけではなく、見切られてからも貰い手がなかったんだからこれを好きなぼくには不可解でならぬのです。若干小ぶりな感じがするのは元の表が多少傷んで何枚か葉を剥がしているのかもしれません。それでも1個80円なら即買いを決めても損のあるはずがないのです。京都産だそうな。平日は調理するのが面倒だから週末まで持ってくれるといいのだけど。痛むと茶色に変色してしまうんですよね。で、翌日です。またも同じスーパーにてトイレに立ち寄って習慣となったワゴンチェックのため歩みを進めると、なんということか、またも同じ価格にて売られているではないですか。80円に消費税というケチ臭い買い物のために列に並ぶのはちょっと辛いなあなんて表情を浮かべながら実のところはほくそ笑みを抑えるのに必死だったのです。まあ、買ったはいいけれどこれまでサラダに加えるとかせいぜいアンチョビやベーコンと炒める程度の料理しか作ったことがないのです。ということでせっせとネットを調べてレシピ探しに明け暮れ週末を迎えたのでした。ちなみに最も参考になったのは何度も参考にさせてもらっている以下のサイトになります。BACCHETTE E POMODOROhttps://bacchetteepomodoro.com/ja/ 最初は特段レシピなどのせるまでもない単なるサラダなのです。トレビス(ラディッキオ)、ルッコラ、セロリをサラダにしました。【材料】トレビス(ラディッキオ/一口大) 4枚/ルッコラ 1袋/セロリ(葉:ざく切り/茎:4cm幅薄切り) 1本/くるみ・パルミジャーノ 適宜/【ドレッシング(混ぜる)】赤ワインビネガー・ディジョンマスタード・オリーブ油・はちみつ・塩・胡椒 適宜【作り方】1. ボウルにトレビス、ルッコラ、セロリを入れて混ぜ、【ドレッシング】と和える。皿に盛ってくるみ、パルミジャーノを散らす。 まあ、これは言うまでもなく美味しいですね。トレビスの独特の食感が楽しく、ほんのりと苦いのも好みです。人によっては生のトレビスは非常に苦いという感想を述べるようですが、ぼくにはホロ苦程度に感じられます。 続いては、先のサイトに掲載されていたトレビス(ラディッキオ)のマリネです。用いられている品種が別ですがまあそうはかけ離れた味ではないと思います。【材料】ラディッキオ 1個/オリーブ油 小さじ2/【マリネ液】白ワインビネガー 50ml/砂糖 大さじ1/シナモンパウダー 適宜/ローリエ 1枚/水・塩・胡椒 適宜【作り方】1. 鍋に【マリネ液】の材料を沸かしてトレビスを茹で、タッパーに取り出す。冷ました【マリネ液】、オリーブ油を注いで一晩置く。 おお、なるほどこれはいいですねえ。サラダよりもしっかりとトレビスの風味が味わえます。手軽に作れるので傷みそうになったらすぐにマリネすれば余すことなくきっちり食べ切れそうです。 トレビスをグリルしたらどうなるか。ずっと試してみたかったのですが、焼かずとも美味しいのに焼くのはもったいないような気がしていました。でもキャベツだったり白菜なんかもグリルすると旨いのでこのトレビス(ラディッキオ)のグリル 生ハムとケーパー添えもきっと美味しいと思います。【材料】トレビス(ラディッキオ/4等分) 1個/生ハム・ケーパー・バルサミコ・オリーブ油 適宜【作り方】1. トレビスをグリルする。生ハム、ケーパーをのせてしばらく置く。バルサミコ、オリーブ油を散らす。 うおっ、相当に苦味が強くなります。焼いたら苦味が和らぐといった意見も見掛けましたがそれはきっと間違いです。でもこの苦味、実にいいです。ワインが進むこと。以前、ベーコンやアンチョビと炒めたのを作ったことがありますが、ここまでの苦味は感じませんでした。炒めるとオイルがしっかりコーティングして苦味を感じにくくしちゃうのかも。 ずっと食べてみたかったトレビス(ラディッキオ)のリゾットです。先のサイトでは豪華版がアップされていますが、もう少しシンプルにトレビスを味わってみようということで他のレシピも参考に作ってみました。【材料】米 240g/トレビス(3cmざく切り) 1個/玉ねぎ(みじん切り) 1/2個/野菜のブロード 700ml/赤ワイン 80ml+40ml/クリームチーズ・パルミジャーノ 30g/バター(無塩) 15g+30g/生クリーム 50ml/オリーブ油 大さじ1+1/塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してトレビスを炒める。塩、赤ワインを加える。2. 鍋にオリーブ油、バターを熱して玉ねぎを炒める。米を加える。赤ワインを加えて煮る。野菜のブロード(半量)を加えて煮る。野菜のブロード(半量)を4回に分けて加える。1.、クリームチーズ、生クリームを加える。パルミジャーノ、バター30gを加える。塩、胡椒する。皿に盛って胡椒、パルミジャーノを散らす。 おお、これはいいですね。リゾットって食べる直前に調理しなけりゃならないと敬遠していたのですが(食事と飲酒の途中にあれこれ調理などをするのは面倒です)、最後に軽く温める程度の段階まで用意しておいても問題なく美味しいことが分かったのでまた色々なリゾットを試してみたくなりました。
2023/03/16
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このところ誰かしらの文章を引用して作文を誤魔化すという悪癖に冒されていますが、まあぼくの書きっ放しで推敲どころか読み返しさえしていない文章を読ませるよりは、名文駄文入り交じりはするけれどそれだって著名な人が書く文章を紹介することができるのは嬉しい事なのです。さも学がありそうに振舞えるのもぼくにとって都合が良いのです。実際のところ他人の文章を記憶を頼りに探すのはともかくとして引き写すのは相応の労力を要するものだからどちらが楽とか言えないのですが、再読のきっかけとなるので悪い事ばかりではないのです。でも今回は先般腐したばかりの魯山人氏の文章を長くはありますが、引用します。北大路魯山人著「鮟鱇 夕話」 ところで、このわたしは、幼年時代から七十年の長期に渉って、日本料理を研究し続けているので、普通人とは少しばかり違うなにかを持っている。 わには知らないが、もともとあんこうという魚は、鍋料理にするとすてきにうまい魚である。脂肪、ゼラチンに富んでいて、なかなかしゃれた食べ物である。ざらにある魚でありながら、鍋料理中もっとも乙なものとされ、高級層にも下級層にも賞味されている。しかも、それが骨以外捨てどころのないという魚で、肉を除いてはことごとくうまいところだらけである。この点、珍しく雅俗混合の趣味を有し、味にも、見た目にも、ユーモアたっぷりで、親しめることおびただしい。 ところで、問題の白色なるあんこうの肉、食って食えないこともない故に殊さらに捨てられもせず食用に供されてはいるもののとい故に、殊さらに捨てられもせず食用に供されてはいるものの、とびついて食うほどの者はいない。いわんや肉だけを好んで食う者など一人もあるまい。わたしの経験からいえば、魚屋に前もって「肉はいらないよ」と断っているくらいだ。その代わり、他の部分は全部所望する。他の部分とは、吊り切りにした皮、鰭、臓物、とりわけ肝である。というわけで、肉が食いたくてあんこうを買う者はまずないであろう。Kさんが鰐の肉塊をあんこうと称して贈ったかどうか知らないが、この話はてんで問題にならないのだ。 冒頭の一文は非常にエラソーで気に食わぬけれど、ここでこの文章を引いたのは先日、あんこう鍋を食べる機会を得たからなのであります。ちなみに2段落目の冒頭の「わに」は「鰐」つまりアリゲーター(厳密にはちょっと違っているけれど)の事で誤植ではないので一応お断りしておきます。とこれだけ書くと結構なボリュームになったので、早速本題に入ることにします。 お邪魔したのは、「大衆割烹 大黒 松戸本店」です。この夜はグループで伺ったのですが、うち一人がこの数日前に来ていて、その際に食べたあんこう鍋を大絶賛していたのです。ぼくは鍋物は嫌いじゃないけれど、呑むのに忙しくて食べる方が疎かになってしまうことが多いのです。いきなり鍋ってのもアリですが、せっかくなのでこちらのゴツイ刺し森からスタートです。いやはや3人前でこのボリュームだからここでは肴の頼み過ぎは禁物です。ちなみにカキフライも大粒ふっくらと美味しかったなあ。でいよいよあんこう鍋です。何年振りだろうかってさもかつてはしょっちゅう食べていたかのように書きましたが、これまで片手に全然満たない程度しか食べたことはないのでした。鍋奉行はいきなり強火を放ったりせず、じっくりと火を通しています。せっかちなぼくならガッと強火で沸かしてしまうところですが、どうも鍋料理に関しては彼が上手のようです。やがて鍋がグツグツいい出すと一気にゴワッとかき混ぜるのであるがその手さばきが尋常ではないのだ。ぼくはあん肝を鍋に注ぐお手伝いをさせてもらいました。さて、味はどうだったかというとすでに結構な酒が入ってしまっていたのでじっくり味わったりはできなかったのだ。ごく稀にふぐ鍋やすっぽん鍋を食べる機会もあったけれど、いつだって寄っていて存分に食を楽しめないのだ。これは何度経験しても変わらぬ。いかにももったいないことだ。これからは本当に食べたいものは先に食べることにしてそれが叶わぬ場合は飲酒をセーブして目当ての品の登場を大人しく待つことにしたい。ってそれができれば苦労はないのですけど。
2023/03/15
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カレーについては、書けど尽きることはないのであります。という位にカレーが好きなのでありますが、それはぼくに限ったことではないのです。ぼくが北大路魯山人氏を好きになれないのは、カレーを語った言葉がいくつもあるにはあるのだけれど、その一言として愛を感じ取れぬからです。それに引き換えると以下の文章を読んで今すぐにでもカレーが食べたいと感じない人がいないとは思えぬのです。吉田健一著「邯鄲」これはインドの料理のはずだなどと思うのが無駄な程、うまいことはカレーの色で解って、どんより曇った空の下に豚の子のように太った鯉が蝦を漁って更に肉をつけている沼の滑かな水面が鈍光を湛えている風情である。それがどういうことか合点が行かなければ、要するに、うまそうなカレーライスだったのだと思えばいい。これに薬味が見渡す限り取り揃えてある感じで、無数の小皿に盛ったので正体が解るものだけを挙げても、乾し葡萄、じゃこの空揚げ、棗の砂糖漬け、苅で卵の粕漬け、バナナの微塵切り、南京豆、胡桃、蜜柑の皮の甘煮、乾し蝦、生姜、銀杏、西瓜、銅鑼に尺八、太鼓に竪琴という盛況である。カレーの肉は羊のようで、飯は黄色くて小粒の、我々にいわせれば外国米だった。(……)カレーはうまい。こんなカレーの中で泳いでみたら、どんなにいいだろうと思った。 いやいや、この人アホなんではなどと思ってくださるな。本当にカレーの中で泳いでみたいとは思いはしないんでしょうし、吉田氏がカレーを好きなことは疑う余地がないではありませんか。もう少し文章を書き継ぐつもりでしたが、もう我慢できないので、早速カレーを食べることにします。続きは食べた後で書きます。(……) さて、今回は3種のカレーを作ります。まずは春菊カレーです。昨年来、春菊の価格が高止まりの傾向にありまして、好物なのになかなか手に取りにくい日々が続いていました。が、突如1袋98円で販売されているのを見掛けてしまっては、何をさておき買い求めるのでした。【材料】ごはん 1膳分/春菊(ざく切り) 1/3袋/玉ねぎ(くし型切り)・ニンジン(3mm幅銀杏切り) 適宜/豚ひき肉 40g/サラダ油・にんにく・生姜 小さじ1/カレー粉 小さじ1/顆粒だし・鶏がらスープの素 小さじ1/2/水 200ml/片栗粉・水・めんつゆ 適宜【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱してにんにく、生姜、玉ねぎ炒める。ニンジン、豚ひき肉を加える。カレー粉、を加える。水、めんつゆ、顆粒だし、鶏がらスープの素を加えて5分煮る。春菊を加える。水溶き片栗粉を加える。丼にごはんを盛ってかける。 とはいえこれというレシピを想定していたわけではないので、そんな時はカレーに入れてしまうのが間違いがありません。われながら安直思考/嗜好でありますが。でも香りの強い青菜はカレーによく合いますね。パクチーとはまた全然別物です。ちょっと和風テイストにしたのも良かったかな。 やってそうでやってなかったもやしカレーです。スープ系のカレーのレシピは数多くあって自分でも作ったことがありますが、どうも満足感が少ない。ってな訳で日本式のカレーライスにそのまま入れてみることにしました。【材料】ごはん 1膳分/もやし 1/2袋/豚ひき肉 50g/玉ねぎ(くし型切り) 1/4個/にんにく・生姜・カレー粉・豆板醤 小さじ1/2/カレーフレーク 大さじ2/水 200ml【作り方】1. 鍋で豚ひき肉、にんにく、生姜を炒める。玉ねぎ、カレー粉、豆板?を加える。もやしを加える。水を加える。カレーフレークを加える。皿にごはんを盛ってかける。 これが思った以上に旨いのです。どうしてあまりレシピが存在しないのか不思議な位です。豆板醤を入れてみたのですが、これも当たり。我ながらナイスなアイデアと思ってますが、他人がどう思うかはまた別の話です。今回はシャキシャキで仕上げましたが、さっと茹でたのをギュッと絞ったのを加えるのも旨いかも。 3品目は長芋カレーです。このレシピの肝となるのが長芋の処理の仕方になりそうです。おろしたのを使うか、短冊切りがいいのか、迷った挙句に乱切りにしてみました。【材料】ごはん 1膳分/豚肉 40g/玉ねぎ(くし型切り) 1/2個/長芋(皮を剥く/一口大) 5cm/にんにく・生姜・クミンシード 小さじ1/2/サラダ油 小さじ2/トマト水煮 1/4缶/水 200ml/カレーフレーク/牛乳 大さじ3【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱してにんにく、生姜、クミンシード、豚ひき肉、玉ねぎを炒める。トマト水煮を加える。長芋、水を加えて煮る。カレーフレーク、牛乳を加える。皿にごはんを盛ってかける。 まあねえ、悪くないんですけどねえ。この切り方だとしっかり火を通してホックりとさせた方が良かったかも。シャキシャキを楽しむなら短冊が正解だったのかなあ。ホールのクミンを使うなど長芋に合うようには工夫したつもりなんですけど。まあ、当分は作らないかな。
2023/03/14
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駅から遠かったり、町外れにあったりとても不便そうに思える場所にある酒場にはすごく惹かれます。今更そんなことを言われなくても分かっとるわいという声も聞こえてきそうですが、それを表立って語ることはきっととても失礼なことのように思うのです。余所者からすればこんな不便な場所に酒場があるなんて、驚くべきことだなんて思ったりもするけれど、そこにあるってことはそこを普通に利用する客もいるってことで、そうした場所にも家で呑むより外で呑むのが楽しいと感じる人だっているからこそ成り立っているはずです。つまりはどんなに余所者が不便だと感じてもそれがそこにあるのが当たり前でむしろ便利だと感じている人もいるのであります。いや、不便と感じる人よりはずっと便利と思っている人の方が多いのだと思うのです。例えばですね、ぼくなんかは最寄駅から徒歩で20分程度の場所に目当ての酒場があったとすると、それはちょっと遠いなあなんて思ったりするのです。もし仮にぼくがそこ酒場の近所の住民だとして、毎日列車通勤をするため20分の距離を往復すると思うとさすがに嫌気がさしてくるってもんですが、例えば駅と酒場との中間地点に住んでいたとすれば、自宅に寄ってひとっ風呂浴びて呑みに行くとするとさほど苦には感じないだろうと思うのです。ともあれ余所者は、本来は原住民のためにある酒場にお邪魔するのなら例えそこ自分にとって不便に感じたとしてもそれを口にすべきではないのではないかということです。ってまあぼくもこれまで散々呟いてきたので、自戒の念を込めて記しておきます。 駅から10分程度だから「居酒屋 めだか」は、少しも遠くないのです。だったら前段は何だったのだってなことになりますが、まあ思い付いたので書いておいたという程度でご理解ください。さて、北松戸には現在巨大な倉庫が建設中でありましてその程近くになるのですが、ただでさえ交通量の多いこの道路に巨大なトラックが行き交うのかと思うと周辺の様子も変化を被らざるを得なくなるのだろうなと杞憂するのであります。さて、先のことはさておいて、この夜は4名でお邪魔したのですが、まだお客さんは入っていません。これまで数回お邪魔していますがいつも閑古鳥が鳴いていたので気になっていましたが、どうやら2卓は予約が入っているようです。都心から見ると松戸は郊外なんだろうからこのお店にお客さんが来るのはもっと遅くなってからなんだろうか。これまでは比較的早い時間に入店していたからたまたま空いていただけなのかもしれません。それにしてもこれまでは気付かなかったけれど、ここの肴は何を取ってもしっかりとボリューム感がありますね。焼いただけとか揚げただけとかの簡単な料理が多いのですが、それだけでもちゃんと美味しいんですね。オヤジさんから大鉢山盛りのキンピラごぼうの差し入れを頂きました。これが実にタコ糸のような細さで丁寧に処理されたごぼうとニンジンで作られていてオヤジさんの誠実な人柄を物語っているようでした。初めての方はこのオヤジさんも寡黙さに戸惑うことがあるかもしれませんが、ちゃんと事情があるのです。その事情には敢えて触れませんが、お話しすると実に柔和な笑顔を浮かべてお喋りになられるのです。これが嬉しくてついついたまに顔を出したくなるのです。
2023/03/13
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椎名誠氏に『モヤシ』(講談社文庫, 2006)っていう作品があるんだそうな。中学生の頃に椎名氏の著作に親しく接していた(ってなんじゃそりゃ)時期があって、小岩の克美荘における沢野ひとし氏や木村晋介氏との約2年に及ぶ共同生活にトキワ荘に通じるホモソーシャルな関係という一種のユートピアを見出していたからに相違ないのであった。って助平盛りにそんなはずもないのだけれど、まあ、楽し気な彼らの生き様に杳として知れない将来に救いを見出していたというのが本当のところだろうと思うのです。てなことは置いといてですね、椎名氏の著作に戻らせてもらいます。この本を紹介する以下の文章がネット上にアップされています。こうなったらモヤシと旅に出るしかない一日一麺の人生をつらぬく作家は、尿酸値の高さを指摘され、非プリン体系食品に覚醒する。代用麺類として着目したモヤシに激しく傾倒、妻も巻き込みモヤシ料理に工夫を重ねる。ついに利尻島に栽培キットを持参しモヤシ育成の旅が始まる。旅と食い物にこだわり抜く堂々の“私モヤシ小説”。同時収録「モズク」。 貧乏時代を経験した椎名氏だから、若かりし頃を回想してもやしをよく食べたっていう流れを予想したのですが、呆気なく裏切られました。尿酸値の高さってのがビール好きの氏らしくていいですね。そんなに気になるからせっせともやしを食べるよりビールを控えめにした方がいいとも思うのですが、そこは矜持が許さないのかもしれないですね。ということで今回は卵が高騰する中、未だに低価格で奮闘するもやし料理を3種。出来栄えはう~ん、若干ここに出すのを躊躇いますがまっいっか。 単なるもやし炒めだとちょっと単調になるのでえのきの食感を加えることにしました。旨味もぐっと増しますし。もやしとえのきのバター炒めです。【材料】もやし・えのき・豚ひき肉・にんにく・バター・塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにバターを熱して豚ひき肉、にんにくを炒める。もやし、えのきを加える。塩、胡椒する。 もやしとえのきが思っていた以上に好相性のように感じられました。 イタリアのパスタ本にもやしパスタが掲載されているそうな。だったらもやしそばもあってもいいかなと。これももやしだけだと物足りなさそうなので鶏肉を加えてみました。【材料】そば(茹でる) 1人前/もやし(茹でる) 1/2袋/鶏胸肉(一口大/茹でる) 40g/青ねぎ(小口切り) 3cm/めんつゆ 適宜【作り方】1. 丼にそば、めんつゆを入れてもやし、鶏胸肉をのせ、青ねぎを散らす。 樋口直哉氏の記事でもやしのリゾットというのがありました。だったらチャーハンだってあってもいいじゃんってことで、もやしと納豆のチャーハンを作ってみました。【材料】ごはん 1膳分/もやし(みじん切り) 1/2袋/納豆(たれ、練り辛子を混ぜる) 1パック/長ねぎ(粗みじん切り) 大さじ2/ごま油・塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにごま油を熱してごはんを炒める。もやし、納豆を加える。長ねぎ、塩、胡椒を加える。 勢いで冷蔵庫に残っていた納豆を加えましたが、余計なことしちゃったなあ。もやしを刻んだのは良かったけれど、納豆チャーハンと合体させたのは失敗でした。納豆チャーハンってネットにもレシピがいろいろ出てますが、どうもぼくにはピンときません。第一、椎名氏的には納豆って尿酸値を上げる食材だから避けた方が良かったんでしたね。
2023/03/12
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かの北大路魯山人氏は、「お米の話」で次のように語っております。 料理人は飯なんてものは、無意識のうちに料理ではないと考えているらしい。ところが、飯は料理のいちばん大切なものなのである。料理ではないと思うところに根本的に間違いがあり、まずい飯ができるのである。 洋食でパンの良否を問題にしたり、焼き方を問題にしたりするのとまったく同じなのである。だから、飯は料理ではないという考えを改め、立派な料理だと考えなければならない。 この意味で、料理人は飯の炊き方に注意しなければならない。わたしは断言する。飯の炊けない料理人は一流の料理人ではない。主婦、女中、飯炊きについても、同じことがいえるのである。 飯炊きに手を抜く料理人は、料理人失格であるってことなんですね。もとよりぼくは料理人ではないし、料理人になるだけのモチベーションも技術もそして何より大事な食材の良し悪しや個性を見極めるセンスが欠如しているのです。一方で「結局、料理は好きでつくる以上の名法はない」と魯山人氏は書いているけれど、好きですらないぼくにはやはり決定的に料理を作る条件は全くと言っていいほどにクリアできていないのでした。で、話を飯に戻しますが、自ら脱穀し、丁寧にといだ米を土鍋で炊いた飯は確かに美味しいのかもしれませんが、それって日本人の米好きの大部分は当たり前に美味しいと思うだろうと思うのです。でも、自慢にもなりませんが、ぼくはそんな立派な飯でなくても構いはしないのです。インディカ米、タイ米、玄米、発芽玄米、雑穀米などなどいずれもちょっとづつ違うけれどどれも美味しく頂けているのです。また、レンチンのサトウのごはんやコンビニ弁当なんかの飯も好きだし、おかゆすれすれの炊きそこないの飯だってそれなりに美味しく食べるのです。これぞ真の飯好きのあるべき姿ではなかろうか。 といったところで、河合単著『銀平飯科帳』の火消し飯(こしょう飯)から。【材料】米・胡椒・水・鶏油・【だし汁】顆粒鰹だしの素・鶏がらスープの素・水・酒・塩 適宜【作り方】1. 炊飯器に米、胡椒、水を入れて炊く。茶碗に盛ってだし汁を注いで鶏油を垂らす。 いやまあこれはこれで十分に美味しいのだけれど、さすがに素朴に過ぎるかな。まあ、酒の肴にもできなくはないけれど、あえてそうする理由もないかなあ。 金沢のご当地料理、ハントンライスです。大和デパートのレストランで従業員の賄いとして提供されたのが起源とのことです。でもまあ、洋食の残った揚げ物とオムレツをケチャップライスにのせただけだから地方色もご当地感もあったもんじゃないって思ってしまうのですがどうですかね。それ言い出したら大部分のご当地料理って特段に現地の名産品などを使用しているってことでもなさそうですけど。ちなみにこれは「キッチン すぎの実」風らしいです。【材料】白身魚フライ 1個/エビフライ 1尾/【ケチャップライス】ごはん 200g/玉ねぎ(みじん切り) 1/4個/ニンジン(みじん切り) 1/5本/トマトケチャップ 大さじ1/中濃ソース 大さじ1/2/塩・胡椒 適宜/バター 10g/【オムレツ(牛乳、塩、胡椒を混ぜる)】卵 1個/牛乳 大さじ1/塩・胡椒 適宜/バター 10g/【タルタルソース】卵(茹でる/フォークで潰す/混ぜる) 1個/ピクルス(みじん切り) 20g/マヨネーズ 大さじ2/レモン汁 小さじ2/パプリカパウダー・塩・胡椒 適宜/【仕上げ】トマトケチャップ 大さじ2/パセリ 適宜【作り方】1. フライパンにバターを熱して玉ねぎ、ニンジンを炒める。ごはん、トマトケチャップ、中濃ソース、塩、胡椒を加える。2. フライパンにバターを熱して卵を焼く。3. 皿に1.を盛って3.、白身魚フライ、エビフライをのせる。トマトケチャップをかけてパセリを散らす。 白身魚とエビのフライの両方が自宅にあるなんて事態はまずもってあり得ないからこの機会を逃すまいと作ってみました。当然これだけ豪勢だから不味いはずがあるわきゃないのです。 それに弾き比べるとメンチカツの単品がある場合ってのは自宅にある確率は格段に上がるのです。でもメンチカツって案外アレンジの加えようがないんですよね。卵とじはこれまでも何度も作ってるし、ソースメンチカツ丼なんてつまらないもいいところです。じゃあ、見た目だけでも多少はインパクトをと思いバクダンメンチカツおにぎりを作ることを思い立ったのです。【材料】ごはん・メンチカツ・キャベツ(千切り)・ウスターソース・マヨネーズ・のり 適宜【作り方】1. ごはんにメンチカツ、キャベツ、ウスターソース、マヨネーズをのせてむすぶ。のりを巻く。 別にね、悪くはないんですよね。でもメンチカツとキャベツ千切り、ごはんを別々にして食べた方がやはり格段に美味しいものであることが再確認できました。まあ片手で食べられるから吞みながらってな場合には便利であることが辛うじて取柄と思えます。 最後に深谷かほる著『夜廻り猫』から、貧むすも。【材料】ごはん・三つ葉(2cm幅)・揚げ玉・めんつゆ・のり 適宜【作り方】1. ボウルにごはん、三つ葉、揚げ玉、めんつゆを入れて混ぜる。握ってのりで巻く。 あら、三つ葉が案外いい仕事をしてますね。おにぎりと三つ葉の組合せはツナなどいろいろ使えそうです。
2023/03/11
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ぼくが若い頃に台湾料理がちょっとしたブームとなりました。どうしたものか台湾料理店というよりも台湾小皿料理店として一般に膾炙したように思えています。大皿料理寄りも色んなものをちょっとづつ食べたいというのは日本人の特性なのか金持ちの修正なのかよくは分からんけれど、とにかくそれなりのクリーンヒットとなったようです。でもそれもひと昔、いやふた昔前のこと。その後、台湾料理を代表するようなルーロー飯などに特化したお店なんかがむしろ主流になったように感じれます。って今回は写真がたくさんなので、余りのんびりしていられません。どうやら近頃になって台湾料理に再ブームの兆しが到来しているらしいのです。そういやちょっと前に御徒町でお邪魔したのも台湾料理店だったはずです。 さて、訪れたのは「府城」です。府城とは清朝における台湾府に置かれた城郭と都市を意味するらしく、正確には「台湾府城」と書くようですが、ならば店名も「台湾府城」とした方が店の売り物が明確になって良さそうですが、まあ色んなお考えがあってのことなのでしょう。通りから少し引っ込んだ目立たぬ立地でお隣は「胡弓」っていう中華料理店と競合しているのに思い切った店舗選びであります。そういやこの辺の中華料理店って味は悪くないけれど、結構強気な価格帯で勝負する店が多いです。さて、妙に静かな店の戸を開くと、なるほど他にお客さんはいませんね。ぼくらは3人だったのですが、3時間ほど吞み食いした間に来られる客は一人客が2組のみと集客には苦戦なさっているらしい。ご主人は物静かな感じですが、にこやかでいい感じ。女性従業員は元気溌剌なニコニコ娘さんでフレンドリーな接客が実によろしであります。鶏を酒、醤油、生姜、バジル、ごま油で炒めた三杯鶏、干し大根と卵を揚げた菜圃蛋、乳酸発酵させたササゲをひき肉と炒めた酸豆炒肉末などなどかつての小皿時代には余り食べられなかった日本の味付けとは全く異なる料理が数多くあって、異国の料理を食べておるなあと実に美味しく楽しいのです。酒も進む進む。その割にちゃんと食べたせいか翌日は案外ダメージが少なくて済みました。やはり呑む時にはちゃんと食べるのも大事ですね。ということで貸切みたいな雰囲気でゆっくり堪能できたのであまり知られたくない気もするのですが、食べログみると結構な高評価を受けておられるようだから今更このブログに書いたって大した影響はないのかも。
2023/03/10
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学生時代の貧乏自慢はこれまでも何度となく書いてきました。貧乏といったところで最低限の衣食住が保証されたものでしかなく、バイト生活に明け暮れざるをえない現在の大学生諸君の多くに比べると余程能天気に日々を過ごしていました(と書いてはみたけれど、夜の町には学生らしき若者がべろんべろんになって徘徊しているのを見掛けるし、朝昼晩の3食を外食で済ませる学生も少なくないから生活そのものはルーズでむしろぼくよりも贅沢しているのかもしれないなんて思ったりはします)。ぼくの場合は、朝食は抜き、昼食は抜きか食べてもパン1個乃至はアパートにて前夜の残り物、夕食はもやしを中心に卵、豆腐、キャベツなどで安い食材を使い回しておかずにし、激安焼酎を呑むという日常を過ごしていました。つまり、外食や外呑みというのはとてもできる経済状況にはなかったのです。たまに飲食しに行くとしても日雇い日払いの薄給をつぎ込むことがある程度だったのです。なので就職するまでは外で飲食する習慣などなかったのです。毎月給料をもらい始めてからもしばらくは賃金も低かったため、専ら上司にご馳走になったりで、昼食は社食なんかで食べることもあったけれど、夜は食べるだけの外食ってのはついぞなかったのです(といっても呑みには行くようになっていた)。どうしても食べたいけれど家には何もないって場合に、たまに牛丼屋で牛丼をテイクアウトするのがちょっとした贅沢になりました。牛丼の頭を肴にして呑んで、汁の染みたごはんもまた肴になったのです。前川つかさ著『大東京ビンボー生活マニュアル』のように翌日に持ち越して牛丼のお茶漬けなんてものを翌朝に食べるなどという事態はまず起こりえないのでした。貧困時代と自由に酒を呑める時代がオーバーラップすることで、ぼくはめしを肴に酒を呑むようになったとも言えます。といった訳で、当時よりは給与が多少う増ぇてもその習慣は抜けることがなく、未だに自前で丼物を作っても酒を伴う習慣は変わっていません。鰻丼のめしをおかずにするのと基本的には似たようなものだと思っています。という訳で今回は丼物あれこれです。 昔から鰻の蒲焼きの代替品としてナスを蒲焼きにしたレシピが広く紹介されていました。ぼくも何度かナスを蒲焼き風にして食べてみましたが、これが鰻とはとてもじゃないけれど思えなかったのです。だからここしばらくはナス蒲焼き丼を食べたいと思うことはありませんでした。【材料】ごはん 1膳分/ナス(皮を剥く/電子レンジで600W3分加熱/縦2等分/伸ばす) 2本/刻みのり・山椒 適宜/【たれ】みりん・酒・醤油 大さじ2/砂糖 大さじ1【作り方】1. フライパンに【たれ】の材料を入れて沸かしナスを加える。 丼にごはんを盛ってのりを散らし、のせる。山椒をふる。 でも年を取ってくると鰻では重いと感じるようになりました。って嘘ばっかりこの間食べに行ったばかりじゃん。単に日増しに鰻が高値となっているから食べたくても思うように食べられのです。でもだからといってナスの蒲焼きを鰻になぞらえたりしない程度の反省はある。然るにナスの蒲焼きは鰻の蒲焼きの代替などではなくあくまでもナスの蒲焼きであるとの信念のもとに食べるとこれはこれで案外オツなものなのです。書いてる傍から食べたくなってきた。ってどちらかご馳走してあげるっていう申し出があれば微塵も迷うことなく鰻を選んでしまうのでしょう。 鎌倉で食べられているという鎌倉丼を作ってみることにしました。卵でとじた天丼ってのはたまにあるけれど、エビフライの卵とじって確かにまあちょっと変わってるかも。でもカツ丼だってあることだし、コロッケやメンチカツもこれまでなんども卵でとじて丼に仕立ててきたからエビフライをのせたってどうってこともないのだ。名物ってほどでもなかろうと思っていて、それは今でも変わらぬのです。【材料】ごはん 1膳分/エビフライ 2本/玉ねぎ(くし型切り) 1/4個/卵 1個/三つ葉(ざく切り) 適宜/【つゆ】だし汁 50ml/醤油 大さじ2/酒・みりん・砂糖 小さじ2【作り方】1. 鍋に【つゆ】の材料を入れて沸かす。玉ねぎを加える。エビフライを加える。溶き卵を加える。丼にごはんを盛ってのせる。三つ葉を散らす。 たまたまスーパーの総菜売り場で見切られていたからつい手が伸びたまでなのです。でもこれ案外いいもんですね。 岩手県の一関にあんかけかつ丼なる丼があるようです。ソースカツ丼のソースをあんかけにしただけのものですが、果たしてどうだろうか。実のところさほど興味は抱いてはいなかったのであります。確実に卵とじのカツ丼が旨いと思うのだなあ。ソースカツ丼も嫌いじゃないけれど、これって店で食べるから美味しいのであって、総菜のとんかつを買ってきて自宅で食べてもあんまりうまくなさそうに思えたのです。【材料】ごはん 適宜/とんかつ 1枚/キャベツ(千切り) 2枚分/水 200ml/めんつゆ 大さじ1/砂糖 小さじ2/中濃ソース 大さじ3/片栗粉・水 小さじ2【作り方】1. 鍋に水、めんつゆ、砂糖、中濃ソースを入れて煮る。水溶き片栗粉を加える。2. 丼にごはんを盛ってキャベツ、とんかつをのせて1.をかける。 う~ん。思ったより悪くないんだけどねえ。なんか味が単調に思えるんだよなあ。と閃いたのだけれど、練り辛子をあんに溶かし込んだのをかけて食べると味がしまって案外美味しいかもしれないなあ。
2023/03/09
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昨日、孤甚丸さんのコメントに衝撃を受けました。衝撃を受けるというのは、常に何事かがもたした結果に対するリアクションという形でしかなり得ないものでありまして、その何事かが自身に及ぼした効果はもはや取り返しのつかないこととして受け止めるしかない性質のものであります。今回お知らせいただいたコメントは無念とか悲しいといったネガティブな衝撃だったわけで、それは端的には山谷の「大林」の閉店の報であったのです。一般的な理解では、良い方向にベクトルが向いている事柄に関しての衝撃は歓迎されるものですが、良くない事柄にベクトルが向いている場合の衝撃は極力遠慮しておきたいと考えるものだと思われます。だからということではないのですが、事前に良い事柄に対して備えておくよりは、良くない事柄に向けて予防策を取っておくのが賢明というものでしょう。仮に「大林」とは違うどこか別の酒場が資金繰りで困っているなんていう情報を知って、しかもその酒場が自身にとってかけがえがないのであれば、例えばクラウドファンディングを立ち上げるなどの事前の対策が可能な場合もあるかもしれません。でも「大林」のオヤジさんがそうした申し出を受けてくれるとはとても思えないとなれば、衝撃を多少なりとも緩和するために、いつ閉じても未練がないと思える程度に足繁く通っておくことが一介の客でしかない身にとっては穏当な態度であろうと思うのです。どちらにしたってもたらされる衝撃も通いきったという思いが幾分か気持ちを慰撫してくれるだろうと考えたいのです。でもそう思って連夜通い詰めることでより一層にその酒場がかけがえのないものとなってしまう危険性もあります。仮に無沙汰したままに店がなくなるよりは同じ程度の衝撃を受けるとしても通っておいた方がマシだと思えます。と取り返しが付かなくなってからオロオロと感傷に暮れるくらいなら行けるうちに行っておくという気持ちが高まったのです。 ということで、訪れたのは十条の「齋藤酒場」です。ぼくが長くもなく短くもない半生において通った酒場では、5本、いや10本の指に入るのがこの酒場であります。まあうち2本が飛び抜けて長いから10指で例えるのはちょっと無理があるのですが、まあその位好きな酒場ということでご理解頂きたい。ここ数年は行く頻度もやや低調になってしまったけれど、それでもコンスタントに通い続けているのですが、前段の出来事があったものだからもう少し頻度を上げることも思い始めています。とはいえそうして無理に増やしてもノルマのように思えてしまうのは逆にストレスになりそうです。ふと夜を迎えて行く先を迷う時にはその候補としてそっと含める位がちょうどいいのかもしれません。でも前回も書いたような気がしますが、近頃お邪魔すると大概お客さんの入りが良くないのです。ある時にはぼくとその同行者だけだったりしたこともあって、先行きに暗雲が立ち込めているかのような印象を受けました。でも幸いかな、この夜はご高齢の10名ほどのグループが中央の大きな卓を囲んでいました。毎晩これ程に賑わっているかは知らぬけれど、まあこれなら大丈夫かな。若女将始め店の方たちも心なしかお元気そうに見えます。ここに来るとつい清酒もしくはにごりを頼んでしまいます。日本酒ってのは肴がなくても際限なく呑めてしまいそうだから、できるだけ控えるようにしてはいるのですが、この酒場の雰囲気では日本酒を呑む誘惑に抗うことは叶わぬのでした。でも駅から近いってことも多分に作用しているのでしょうが、ここだとうっかりすると肴に手を付けもせずにゆったりとした気分で呑みたくなっちゃうのです。そんなところがここを好きな理由なんだろうなあ。独りでもそれなりの人数ででもただ呑んでいるだけで気分の良くなる酒場なんてのはそうそうありません。そろそろ無粋なアクリル板も撤去されそうだし、また賑やかになることを願っています。
2023/03/08
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またも、北大路魯山人の引用から話を切り出すことにします。「味を知るもの鮮し」なるエッセイに以下のような記述があります。 人間一生涯好きな物ばかりで、三度三度の食事を楽しんだら、誰しも文句はないはずである。にもかかわらず、大抵は欲する美食とは縁遠い雑物を食事として堪え忍んでいるというのが、実際の生活になっている。あるいは無神経なるが故に、無頓着に過ごしている。そのいずれかである。 それも貧者であれば思うにまかせぬということもあろうが、相当の富者にして、食の自由を知らずじまいに過ごしている者があるのは、まことに気の毒のかぎりである。それにこういう人々には、決ってなんらかの持病があるのを見逃すわけにはいかない。 魯山人という人の文章を名文と評する人がおられるようです。名文というものがその内容の如何に関わらず文章というものが美的にとか技術的に優れているというのであればまあ評する人がいても構いはしないのです。ある評価対象に対して美的であるか否かなどというものは多分に評価する者の主観に基づいていると思います。また、技術的に優れているか劣っているかについては、あくまでもぼくの私見ではありますが、平明であることが取り柄のごく標準的な文章だと思っています。仮に内容を含めて名文とするのであればぼくはそれには意義を呈したいのです。前段はまあいい、ああそうですかってだけのものです。ただし、後段が頂けない。富者で食の自由を知らずじまいの人を気の毒と慮るのに、貧者には思うにまかせぬこともあろうと突き放すのであります。食事を楽しまぬ者を気の毒に思いながら、生きるためにただ食べていくのに必死な貧者を蔑ろにする態度がぼくには到底許しがたいことに感じられるのです。無意識もしくは無邪気に書きなぐったのだとしたらなおのこと始末が悪い。 と憤ってみせはしますが、ぼく自身は富者でも貧者でもない多分その中間層に位置する者(だと思ってます)でありますから、時にはゴージャスな食事を楽しむこともあるし、給料前には慎ましい食事でやむなしってこともあるのです。まあ、そういう慎ましい食事を食べるのは金欠という理由よりむしろ呑んで帰ってからあり合わせで手早く食事を用意したいってことが多いのですけど。パスタはそういう場合に活躍してくれます。まあ、物価高騰の現在ではパスタも贅沢品という考えもありますが、そこはお見逃しください。 オリーブオイルと醤油のスパゲッティと取り敢えず名付けましたが、そのまんまのものです。気分次第でくず野菜などや冷蔵庫の賞味期限前の食材をぶち込んでもいいと思います。が、まあ多分これはシンプルな方が美味しいかな。【材料】スパゲッティ(茹でる) 120g/オリーブ油・醤油・パルミジャーノ 適宜【作り方】1. スぺゲッティ、茹で汁、オリーブ油、醤油を混ぜる。皿に盛ってパルミジャーノを散らす。 シンプルな分、オリーブ油や醤油はいいものを使いたいところですが、それじゃあ本題から外れてしまいます。そこそこのものでもそこそこは美味しくなります。 次は、だしスパゲッティです。ちゃんとだしを取った方が美味しいけれど、やはりそれじゃ予算オーバーになるからここはほんだしなどの市販の顆粒だしで【材料】スパゲッティ(だし汁に3時間浸す/だし汁で茹でる)・水・顆粒だし・玉ねぎ(みじん切り)・オリーブ油・塩・刻みのり 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱して玉ねぎを30分炒める。スパゲッティ、茹でだし汁を加える。塩を加える。皿に盛って刻みのりを散らす。 無茶苦茶地味なのにこれが案外癖になる味なんですね。でもこういうシンプルなスパゲッティっていくらでも食べられちゃうので、危険は危険なんですよね。 これまた、非常にシンプルな醤油バタースパゲッティです。顆粒だしなしでもいいんですけど、ちょっと加えるとグンと旨味がアップする気がします。【材料】スパゲッティ(茹でる)・バター・醤油・顆粒だし・胡椒・刻みのり・青ねぎ(小口切り) 適宜【作り方】1. スパゲッティ、バター、醤油、顆粒だしを混ぜる。皿に盛って胡椒、刻みのり、青ねぎを散らす。 以前ここで書いた札幌「味百仙」で提供されているという究極のじゃがバターにインスパイアされて作りました。だしとバターを混ぜると危険な位に旨いんですよね。醤油よりも塩の方がいいかも。 親子丼にあやかって親子××なんていうレシピを想像していたら腹が減ってきたのでとっさに作ったのがこの親子スパゲッティです。【材料】スパゲッティ(茹でる) 150g/鶏ひき肉 80g/玉ねぎ(みじん切り) 1/4個/にんにく 1片/卵 1個/赤唐辛子(砕く)・オリーブ油・塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにくを炒める。鶏ひき肉を加える。スパゲッティ、卵、塩、胡椒を加える。 親子そばとかはそこらで食べさせてくれるし、うどんだってありそう。ラーメンはあまり聞かないかな。それはともかくとして意外とこれが美味しかったのです。ってまあこの材料なら不思議でもないか。この流れでいけば鮭ハラコの親子パスタも当然にイケそうです。
2023/03/07
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北大路魯山人曰く、 私の体験からいえば、うなぎを食うなら、毎日食っては倦きるので、三日に一ぺんぐらい食うのがよいだろう。なんだそうです。「毎日食っては倦きる」のは実践したことがないから確実とは言えないけれどまあ分かぬではない(魯山人は「毎日食った」体験があるということらしい)。しかし、「三日に一ぺんぐらい食うのがよい」って簡単に仰るが現代日本の庶民が鰻を口にする機会などそうしょっちゅうって訳にはいかないのだ。詩人の斎藤茂吉は鰻好きとして知られて毎日のように鰻を食べていたというから,貧乏が身に染みた経験がある人たちにとっては鰻を食べることで自身の成功を含めて味わったという側面もあるのかもしれません。ぼくにとっての鰻は週に一ぺんぐらい食いたいものではあるけれど実際には年に二へん食えたらいいものでしかないのです。いやまあ年四へん位は食えなくもないけれど、それにしたって週に一ぺんという願いとは乖離してしまうのです。この願いは今後も叶えられることはないのだろうなあ。まあ、最近はあれこれと自分で作った変わり種料理を食べたりするのもそれなりに楽しいと思えるようになってきたからまあ良しとしようかな。 さて、北松戸駅から徒歩10数分。しょぼくれた商店の少ない商店街に「う奈ぎ道場」はあります。ここは以前から存在は知っていたものの駅からの距離なんかもあるし、それ以前に鰻を食べる機会をそもそもが計画し得なかったのです。でもいいことってあるんですねえ。思いがけぬ幸運が舞い込みました。わざわざ北松戸ってのも面倒ですが、まあご馳走になれるならそう遠くなければどこだって馳せ参じる心積もりがあるのです。面倒なので訪れたお店の詳細は、以下を参照。なにせ今回は料理の写真が充実しているのだ。酒もそれなりの銘柄を試したのですが、メモすらせぬという体たらくで相すまぬことなのです。うなぎ大好き 「松戸 う奈ぎ道場 ~食の黄金律、ひとつの極み~https://unagi-daisuki.com/post-10345 料理だけは、写真を見れば大体思い出せるので一応列記します。鰻巻、岩もずく、白魚、柚餅子、カラスミ、青柳の風干し、刺身(赤むつ、ヤリイカ、アジ)、白焼き、鯖の棒寿司、百合根のしんじょ、鯨刺(鹿の子、赤身、畝須)、フグの唐揚げ、鰻丼 刺身及び鯨刺の部位の名称には若干の不安はあるけれど、分かる人なら写真を見たら見分けが付くと思います。いずれも抜群でありましたが、やはり鰻が抜群に旨かった。油ギトギトとは正反対の淡泊とも言えそうなさっくり、ホコリといったこれまで味わってきた鰻とは一線を画する味と食感で、もしこれが初めて食べる鰻だったら他所の鰻は同じ鰻とはとても思えなかったでしょう。惜しむらくは〆に水菓子などが提供されないこと。これがないとひと通りを終えたって気分になれないのですね。でも美味しかった。鰻の概念がすっかり覆されて今後、他所で食べて満足できるかちょっと不安です。
2023/03/06
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名高い「美食倶楽部」の発足者であるかの北大路魯山人氏が「海にふぐ山にわらび」というエッセイで、 ふしぎなような話であるが、最高の美食はまったく味が分らぬ。しかし、そこに無量の魅力が潜んでいる。といった一文を残しています。何だか分かったような分からぬような、でもこういう発言をしたり顔を晒したりしないで、自然な表情をもって発せられたとしたら相応の説得力が宿されるような気がしなくもないのです。大体において世の中はそういった革新的な識者なりの分かるような分からないような言葉で動いているものなのかもしれません。そしてそれがさも真理であるかのように世間に広まって定説化するなんて事態も起こり得るようなのです。ちなみに魯山人氏が語るまったく味が分らぬ最高の美食は以下のとおりなのです。 日本の食品中で、なにが一番美味であるかと問う人があるなら、私は言下に答えて、それはふぐではあるまいか、と言いたい。 さらに加えると海からはふぐを筆頭に挙げていますが、山の幸としては取り敢えずと断りつつもわらびを上げています。となると今回のお題はふぐかわらびかってことになりそうなものですが、残念ながらふぐを食べる機会は絶えてないし、わらびは好きですが、そう滅多に口にすることもないのです。なのでこれはあくまでもぼくの私見ではありますが、そばっていう食べ物もまったく味が分らぬ食べ物と考える次第で当たらずとも遠からずと考えるのですが、いかがでしょうか。なんかかなり強引な気もしますが、ぼくにはそばっていうのは、ズルリとすすってふんわりと香りが口腔から鼻腔へと通り抜けると同時に咽喉をスルリと瞬時に過ぎ去っていくという印象で、なんか美味しい感じはするけれどどうにも掴みどころがないのです。それを言ったらあらゆる食べ物がそんな気もしてくるし、食べ物に限らず例えば異性との交渉なんかも同様に思われ、つまりは生きるってことは現在を生きることでしかないってことになりそうです。 さて、わざわざ魯山人氏を引用したのだからどれほど立派なそばのレシピを開示するかってことになるのですが、相変わらずの横着かつ出鱈目なものばかりなので恐縮です。「美食倶楽部」からは破門どころか黙殺されてしまっても文句を吐けないものばかりです。まずは、パクチーそばを2種。温かいのと冷たいのを作ってみました。【材料】そば(茹でる) 1人前/パクチー(5cm幅) 5本/鶏ひき肉 30g/鶏がらスープの素・ナンプラー・水・一味唐辛子 適宜【作り方】1. 鍋に湯を沸かして鶏がらスープの素、ナンプラー、鶏ひき肉を入れて加熱する。パクチーを加える。丼にそばを盛って注ぐ。冷やしパクチーそば【材料】そば(茹でる/冷水で冷やす) 1人前/パクチー(5cm幅) 5本/鶏ひき肉(炒める) 30g/ピーナッツ(砕く)・【ソース(混ぜる)】ナンプラー・スイートチリソース・鶏がらスープの素・レモン汁・水・一味唐辛子 適宜【作り方】1. 皿にそばを盛ってパクチー、鶏ひき肉、ピーナッツを散らし、【ソース】をかける。 魯山人氏になんと罵られようとぼくはこういったのが好きなんだから仕方がない。美食ばかりが料理ではないのであります。美食を追求するってのは常にそのことばかりを考えていなくてはならなさそうでとても疲れそうです。 次のとろろそばであれば材料とちゃんとした調理次第では魯山人氏の理解を得られるのかもしれません。【材料】そば(茹でる) 1人前/長芋(おろす) 3cm/もやし(茹でる) 1/2袋/鶏胸肉(一口大/茹でる) 40g/青ねぎ(小口切り) 3cm/めんつゆ 適宜【作り方】1. 丼にめんつゆ、湯を入れてそばを加える。とろろ、もやし、鶏肉、青ねぎをのせる。 非常に平凡な品ですが、やはり美味しいものですね。大和芋のとろろが正当なのでしょうけど、ぼくは長芋のショリショリとした舌触りと風味、味の軽快なところを好みます。 神戸の「トシヤ」なるお店で提供されているそば焼きってのを作ってみました。【材料】そば(茹でる) 1人前/豚肉(一口大)・キャベツ(1cm幅) 適宜/【すき焼き風たれ(沸かす)】砂糖・醤油・酒・煮干しだし・昆布だし・ウスターソース 適宜【作り方】1. フライパンで豚肉、キャベツを炒める。そばを加える。【すき焼き風たれ】を加える。 ありていに言えば和そばで作った焼きそばでありますが、ちょっと甘みを加えたところに新味があります。店ではすき焼き風たれと称しているようで、ならばいっそのこともっとジャンクに生卵をくぐらして食べるというのも美味しそうです。
2023/03/04
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知ってるつもりで勘違いしていたり、知識が浅かったりして恥ずかしい思いをするということがあります。そういった恥ずかしさの積み重ねがオヤジたちの口数を少なくするのではないかと考えています。オヤジってのは相手にもされない割にはカッコつけたがる生き物なんですね。それは置いといて、今回は「知識が浅かったりし」た事案が生じたのですね。ってか以前から知識が曖昧だなあと思っていつつも放置しておいた疑問をようやく重い腰を上げて解消する気になったのです。Tips Note 「知っていますか?チェーンとフランチャイズの違い【メリット・デメリットなど詳しく解説】」https://tips-note.com/startup-2021-06-30/ってこれだけのことを知りたかっただけなんですね。でもいきなり勘違いしていたことが判明しました。フランチャイズってのはチェーンの1形態だったのですね。でフランチャイズチェーンには、「直営店」と「フランチャイズ店」があるってことなのね。つまりは「直営店」のみでグループされたフランチャイズチェーンってのはあり得なくてこれはレギュラーチェーンってことになるのだな、多分。などということを調べていたら、以下のページを見つけてしまった。note 「晩杯屋の情報を公式以上にまとめてみた」https://note.com/nagaretea/n/nfdc37fe78589 全くようやるわ。じゃなくて、実にたいしたリサーチ力でありますね。これを調べるだけのモチベーションが湧くところがすごい。ぼくはとてもそれだけの気力は起こらないなあ。あら大山店は閉店しちゃってたんですね。あそこ、ちょっと気に入ってたんですけどね。これまで20店舗程度は行ってると思いますが、一番好みだったかも。 ということで今回は、「立呑み 晩杯屋 十条店」にお邪魔したのであります。正直、このフランチャイズチェーン(長ったらしいので以下FCとします)には飽き飽きしているんですけど、何店舗かは気に入ったところもあったのです。フランチャイズの厳密な定義は知らなかったけれど、何となくは直営じゃないってことが分かっていて、「晩杯屋」にも両方が混じっていることは何となく聞いていたのです。なので、ぼくのお気に入りだった大山を始めとしたいくつかはフランチャイズなんだとばかり思っていたのです。しかし、上記の公式以上のページによるとぼくが避けたいと思っている店舗のいくつかがフランチャイズ店であることが判明しました。事実は逆だったんですね。同じ直営でも差異があるし、良し悪しがあるってことが分かりました。店は人が育てるもんなんですねえ。などとしたり顔をしてみたりするけれど、果たして十条店はどうか。実は大山店を気に入っていて、××店を嫌悪する知人がこの十条店を褒めていました。感性も近いだろうし、きっとまあ悪くはなかろうと立ち寄ってみることにしました。事実は行きたいお店が臨時休業だっただけなんですけど。思ったよりも手狭な店内ですが、ちょどいい具合に混み合っていて雰囲気は悪くないですね。店の方たちも真面目そうで応対もフレンドリーかつ丁寧です。先の店とは大違い(店主さんは身振りで詫びてくれたりいい人らしかったので残念)。やたらとなれなれしかったりしつこかったりする場合がありますが、そういう押しつけがましいところが少しもないところがいいです。プレーンなチューハイにスモークサーモン(スライスしたプロセスチーズが敷いてあります)とアジフライ。どちらもお安いのにちゃんと美味しいのは立派です。あらああまたこのフランチャイズチェーンのことちょっと好きになったかも。
2023/03/03
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今でこそレンコンが食卓に上る機会が多くなりましたが、以前はあまり食材として愛用はしていませんでした。一応お断りしておきますが、レンコンは大好きだったのです。じゃあどうして余り使わなかったかというと一番の理由として昔はレンコンのレシピっていうとキンピラか筑前煮などの味の濃い和風の料理って相場が決まっていたからです。無論、どちらも好きなんですけど、さすがに毎日そればっかりだと飽きてしまうのですね。食材の味がちょっと苦手だったり、料理下手な人が作る料理も余り食欲が湧かないものですが、それ以上に食欲を減退させるのがその料理そのものに飽きてしまうことですね。多少まずい料理も飽き飽きした料理寄りはよほど食が進むってものです。でも先入観を取っ払ってみるとピクルスにしてもいいし(酢レンコンも似たようなものですが、正月以外に食べる機会はまずなかった)、マヨネーズだって合うし、それこそ塩で食べても旨いってことが分かった途端に料理のヴァリエーションが広がり出したのです。そんな似たようなタイミングで世間にも多くのレシピが出回るようになったような気がします。まあ、実際にはすりおろして団子にしたり餅状にしたりと日本にも多くの料理があったりする訳なんですが、まああんまり一般的じゃあないですよねと誤魔化すことにします。 果たしてこれを料理としてお披露目してもいいものだろうか。レンコンラーメンと料理名を付けてみたけれど、蒸し焼きしたレンコンをラーメンにトッピングしただけなのだ。【材料】中華麺(味噌/茹でる) 1玉/レンコン(半月切り/茹でる) 1/4節/小松菜(4cm幅/茹でる) 2本/鶏肉(一口大/茹でる) 50g【作り方】1. 丼に中華麺、スープを盛ってレンコン、小松菜、鶏肉をのせる。 いい加減なアイデアでもちゃんと美味しくなるところがレンコンの懐深さであります。これは余計な味付けをしてませんが、薄味のキンピラにしてトッピングするのもありかもですね。 レンコン以外のゴボウなんかも入れた根菜のカレーもすごくメジャーです。だからレンコンカレーなんぞ今更って感じですが,構わずのせてしまうのです。スパイスから自ら調合した本格派もありで、案外簡単に作れそうですが、ここはあえて日本風のルーカレーにしてみました。レンコンカレー【材料】ごはん 1膳分/鶏もも肉(一口大) 100g/玉ねぎ(みじん切り) 1/4個/レンコン(半月切り) 1/2房/サラダ油 大さじ1/カレーフレーク 大さじ3/生姜 小さじ1/水 200ml【作り方】1. 鍋にサラダ油を熱して玉ねぎ、生姜を炒める。鶏もも肉、レンコンを加える。水を加える。里芋、レンコン、カレーフレークを加える。 そんないい加減なアイデアでもちゃんと美味しくなるところがレンコンの懐深さであります。これは余計な味付けをしてませんが、薄味のキンピラにしてトッピングするのもありかもですね。ってさっきと同じコメント!! もっちりとゆであがったスパゲッティとレンコンのシャッキリとした食感に間違いなどあるはずがない。けれどそれが分かり切っているから、余りにコンサバとこれまで作らずにきてしまったのでした。(一生懸命探したのですが見つからないので諦めました。申し訳ないです。まあ、想像通りの地味な見た目だったはずです。)レンコンパスタ【材料】スパゲッティ(茹でる) 120g/レンコン 1/2節/長ねぎ(細切り) 5cm/オリーブ油・生姜・にんにく 小さじ2/赤唐辛子(砕く) 1本/アンチョビ(粗みじん切り) 2枚/醤油 小さじ1/塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱して生姜、にんにく、赤唐辛子、アンチョビを炒める。レンコン、長ねぎを加える。スパゲッティ、醤油、塩を加える。皿に盛って胡椒を散らす。 こんないい加減なアイデアでもちゃんと美味しくなるところがレンコンの懐深さであります。これは余計な味付けをしてませんが、薄味のキンピラにしてトッピングするのもありかもですね。ってまた同じこと書いてる。つまりはレンコンはあらゆる料理にすんなりと身を寄せてくれてしかも警戒で愉快な食感とほんのりとした甘みと旨味を添付してくれるナイスな根菜なのであります。
2023/03/02
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あらあらしばらく来ないうちにまたまた十条駅前が随分と情けない姿になってしまったもんです。最初に工事現場の仮囲いが設置されてもう随分長い時間が経過したものとの印象があるけれど、実際のところどうなんだろう。じわりじわりと勢力範囲が拡大しているようには思えるけれど、素人勘定ではあるけれどいかにもノロノロしているように感じられます。再開発に反対する住民なんかが居座ることなどお構いなしに見切り発車したんじゃないかと勘繰ってしまいます。まあ、どうだっていいんですけどね。でもこれで十条駅前に辛うじて残っていた多少とも怪しい呑み屋街は消滅してしまったからこの後にはより十条を魅力的にするような施設ができることを期待したいと思います。日刊SPA! 「商店街を破壊する道路計画、ゴリ押しで都が進める本当の理由は「超高層マンション建設」」https://nikkan-spa.jp/1336701 こんな記事が出てますね。住民の意思を無下にした政策ってのはやはり怪しからんですねえ。しかも超高層マンションなんてガックシです。ぼくも自宅のそばに巨大な賃貸マンションがありますが、聞くところによると家賃が高過ぎてとても住めたもんじゃないってことらしく空き物件だらけみたいです。十条あたりだとやはり似たような事態が待ち受けているんじゃないかって気がしますがどうなんでしょうねえ。 といった今更っていう感想を述べてみましたが、そうしたおっきな変化だけが町を変えるのではありません。多くの人にとっては取るに足らないような変化が特定の人たちにとっては欲望渦巻く巨大マンション建設なんかよりも大事だったりする場合があるのです。ってまあ「炭焼きバル&串焼き J.J.ぽっち」が開店していたって程度のことで喜んでいる人は限られるんでしょうけど。注意力散漫というよりは、片手程度の注目アイテムの発見に総力を当てて行動しているぼくにとっては、こんな商店街に埋もれたようにできた店のことに気付けるはずもないのです。つまりは、今回もネットの情報(というか端的にはせんべろさん情報)を頼りにやって来たのでした。細い階段を上ります。店に入ると厨房で忙しそうな店主(?)が窓際の席を指し示します。あれれ、2階の店舗にこの店主さん、どこか既視感があるなあ。気のせいかなあ。席に着くと女性の従業員さんが、御用があればベルを押してくださいと仰るのだ。ファミレススタイルね。とりあえず生中3つとお願いしたら、ベルを押してくださいだって。改めてベルを押して注文。せっかくだからすぐに出そうなつまみもと思ったらやはりベルを押してください。仕切り直して焼鳥なども頼んだのだけれど、運ばれてきた際に七味もらえるって聞いたらこれにもベルを押してください。ふう。まあ手頃で使い勝手がいいんですけどね。実際女性客や学生(見た目には高校生かなって感じだけど皆1杯づつ呑んでいたみたい、ああよく呑んだだって)で賑わっているから多少の瑕疵など気に留めないことにしているようです。でもおっちゃんはこういうのどうも気になるのだ。勘定の際にはベルを数風置きに何度も押したけど来ないもんだから同行者などは途端に不機嫌な表情を浮かべたりして、おっちゃんは心が狭いのですね。
2023/03/01
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