仁志・多喜馬の戯言日記&戯言通信

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2015年01月14日
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 安倍政権が賃上げに向けて本格的に動き出しているようなのだが、昨年度に引き続き財界に対して異例の賃上げ要請を行うとともに、税制改正大綱には賃上げ促進税制を盛り込んだという。財界は基本的に賃上げに応じる方針だが、日本経済を取り巻く環境を総合的に考えると、大幅な賃上げは難しいとされている。政府・経済団体・労働団体の代表らが一同に会して雇用や賃金について話し合う「政労使会議」を開催したのだが、会議では一昨年と同様に合意文書がまとめられ、今年の春闘において賃上げを行うことが明記されたという。昨年の春闘ではこの「政労使会議」の合意がきっかけとなって賃上げが実施されたというのだが、今年も同様に財界は一定の賃上げを容認することになると予想されている。

 安倍首相は第3次安倍内閣が発足した翌日に経団連の会合に出席し、財界に対してあらためて賃上げを要請したそうで、賃上げ受け入れ後というタイミングを考えるとより高い賃上げ率を求めたものと解釈されている。昨年は日本の1人あたりの国内総生産が大きく順位を落とし、経済協力開発機構に加盟国中19位となったことが明らかになっている。主要7カ国の中では6位となり下にはイタリアしかいないというのだ。このことは日本の購買力が確実に低下していることなのだが、世界の国内総生産に占める割合は6.5%になるという。3年前は5兆9526億ドルで世界国内総生産に占める割合は8.0%だったので大きくシェアを落としたことになっている。いくら賃金が上がってもいかに国民全体の購買力が落ちている証になっているのだ。

 円ベースの名目国内総生産は基本的に横ばいなので、ランクを落としたのは円安による影響が大きいといわれており、これに伴って豊かさの指標である1人あたり国内総生産も大きく低下してしまっており、昨年は一昨年から8000ドル以上減少して3万8644ドルとなったそうなのだ。日本以外の主要国の多くはここ10年の間に名目国内総生産を自国通貨ベースで1.3倍から1.5倍程度に増やしているが日本は横ばいのままだという。自国通貨ベースでの国内総生産が伸びない中、円安が進んだことでドルベースでの国内総生産は大きく減少したというのだ。1人あたりの国内総生産が減少することは、日本人の購買力が減少しているということであり、端的に言えば日本が貧しくなったことを意味するということなのだ。

 ここまで購買力が落ちてくると生活実感として貧しさが顕在化してくる可能性が高いことから、安倍政権が賃上げに向けて本格的に動き出しているのだが税制でも側面支援するという。年末にとりまとめた「税制改正大綱」では、賃上げを行った企業の法人税を軽減する「賃上げ促進税制」の緩和が盛り込まれたのだ。この「賃上げ促進税制」は企業が給与総額を一定割合増やした場合、増えた額の1割を法人税から差し引く仕組みで、減税対象となる基準は今年度の2%の給与増加だけでなく、来年度は3%の給与増加を目標とし、その翌年度以降は5%の給与増加となっている。これを見直し中小企業は3%や大企業は4%の給与増加で適用対象とするのだが、企業としては積極的に賃上げに応じる状況にはないという。

 好調な米国経済や円安の影響によって製造業を中心に企業業績は好調だが、利益の多くは海外の現地生産によるものであり、国内が富の源泉にはなっていないというのだ。企業としては儲けに関係ない地域の社員よりも、儲けが出ている地域の社員を優先することになるため、いくら業績が良くても国内社員に対する大幅な賃上げにはつながらないという。また賃上げが税制面で促進されたとしても経営者がそれによって賃上げを決断する可能性は低く、税金はあくまで賃金などコストを支払った後の利益に課税されるものであって企業にとって経費ではないというのだ。いくら減税されたとしても賃上げをしてしまえば減益になってしまうため、基本的に経営者は賃上げを望まないとされている。

 また地方だけには公務員人件費を巡る情勢も厳しいものがあり,人事院による「給与制度の総合的見直し」に見られるように,政府が「総人件費抑制のために,給与体系の抜本改革に取り組む」ことを閣議決定し、人事院に具体案を取りまとめるよう要請したことに同調するなど、地域の公務員給与も一方的に引き下げようと企図されているのだ。政府・自民党の意向に応えようとするものとされているが、依然として厳しい財政状況にあることや地方交付税の減額、さらには新たな行政需要への対応など多額の財源不足が生じることから,給与独自減額や早期退職募集制度の導入や住居手当の廃止などを提案しているのだ。これら政府による公務員の給与を引き下げる方針もあって、企業だけが積極的に賃上げに応じる状況にないというのだ。






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最終更新日  2015年01月14日 07時46分50秒
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