先月の給与明細書を受け取ったときに「差引支給額がいつもより少ない」と感じる人が多かったかもしれないそうで、人によっては逆に手取りが多くなる場合もあれば、ほぼ変わらないということもあるというのだ。それはなぜかというと給与から天引きされている「住民税」の金額に影響を受けているからなのだが、この住民税は前年 1 月から 12 月までの所得に応じて決まる所得割と、所得の有無にかかわらず一律に負担する均等割などによって計算され、当年 6 月から翌年 5 月までの間に納付することになっているのだ。本来であれば自分が住んでいる市町村が徴収するところを会社等が代わって従業員から住民税を徴収し毎月納付しており、この方法を「特別徴収」といわれているそうなのだ。
地方税法によって所得税の源泉徴収義務者である給与支払者である会社等は、原則として従業員の住民税を徴収して納付することとなっており、このため従業員が「私の給与から住民税を引かないで」と言ったり、徴収の有無を選択制にしたりすることはできないというのだ。一方で給与の支払いを受けていない農業等のフリーランスの人などは、市町村からの通知書に基づき自身で納付することになりこの方法を「普通徴収」というそうなのだ。 6 月給与から住民税がアップしてしまうのはどのような人たちかというと、そのポイントは昨年 1 月から 12 月までの所得が基本となっており、でたとえば「 昨年の給与改定で、大幅な昇給があった」とか、「昇格したり、資格を取ったりして手当が増えた」ひとだというのだ。
このような理由で所得が前々年度よりもアップした場合は、住民税もそれに応じて高くなり、そうなると給与の控除額が多くなるので必然的に手取りが減ってしまうこともあるというのだ。給与が上がって嬉しい反面支給される金額が減るとちょっと複雑な気持ちになってしまうという。住民税が少なくなるのは逆の人たちを想い浮かべていただくとわかりやすく、あまりうれしくないがそれ以外のケースもあって、「 昨年のボーナスが大幅にカットされた」とか、「残業が少なく、時間外手当が減った」・「転職して給与が大幅に下がってしまった」・「病気などで休職したために年収が減った」・「産前産後休業や育児休業などを取って、年収が大幅に減った」等が考えられるとされている。
このような理由から結果として昨年 1 月から 12 月までの所得が前々年度よりも下がってしまった場合には住民税が低くなることが考えられ、場合によっては非課税となって住民税を納めなくてもよくなる場合もあるというのだ。住民税は現在の給与と連動していない点に注意する必要がって、稼いだお金から納付すべき住民税が決まるまでに一定のタイムラグがあるということを覚えておくべきだといわれている。そこで注意したいのは転職をした人たちで、住民税は基本的に前年度の所得に基づいて決められることから、前年度の所得について会社が「給与支払報告書」を作成し、今年 1 月 1 日に従業員の住所がある市町村へそれぞれ報告しているため市町村が情報を把握することができるというのだ。
今年になって会社を退職した人は 5 月分までの前年度分の住民税を前職の会社で一括して支払っていることが多く、この場合市町村は退職したという情報はあっても、今どの会社で働いているかまたは無職であるかといった情報までは持ち合わせておらず、そのため今年度の住民税は「普通徴収」の取り扱いとなって自宅に納付書が届いてしまうことになるのだ。会社で天引きされる場合は 1 年間の税額を 12 分割で徴収されるのでそれほど負担に感じないが、「普通徴収」の場合は 4 回の分割払いか一括払いとなるため負担が大きくなってしまうというのだ。そのためついつい納付が遅れてしまったり納付漏れが起きてしまったりという事態になりかねないことか退職者は注意が必要だというのだ。
このような場合は「特別徴収」への切り替え手続きを行うとよいそうで、市町村から送られてきた「普通徴収」の通知書一式を会社に提出し、会社経由で「特別徴収切替届出(依頼)書」を市町村に提出すれば特別徴収用の新しい住民税額通知書を交付してもらえるそうなのだ。 こうした税金に関することは普段私たちが慣れていないだけに、ちょっと面倒だと思われるかもしれないのだがそのまま放置しておくのは問題があるそうで、退職や転職をされる人は住民税についても会社に確認しておく必要があるというのだ。私も定年退職が迫ってきていることからこのような税金の勉強をやっと始めたわけで、もう少し若いころから節税等のことを調べておけばよかったと思うこのごろなのだ。
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