自らが属する共和党内からもブーイングが続く中でも米大統領選の候補指名争いで実業家ドナルド・トランプ氏の快進撃が続き、「毒舌の帝王」が予備選さらに本選を勝ち抜いて、ついにはホワイトハウスのあるじになってしまったのだが、アメリカ社会や世界に日本はどうなるのかということを 日米関係に明るい米国出身の筑波大大学院教授に「トランプ大統領下の日米関係」を聞くと、「それに答えられる人はいませんね。トランプ氏自身もわかっていないでしょう。彼は対日政策を担うワシントンの政官関係者と全くつながっていないと思う。他の分野でも日本の専門家と接触した形跡がない。そもそも対日に限らず外交に関心がないし、学ぶ気がなさそうです」と即答したそうなのだ。
エリート主義に対抗するポピュリズムの台頭が浮き彫りになったわけなのだが、「トランプ氏は日本と中国の違いさえ分かっていない。米国人の典型です」と指摘するのは、米国在住の映画評論家の町山智浩さんだ。今回の大統領選でも特にトランプ旋風をラジオやネットでリポートしてたそうで、「海外から米国への輸入額は中国、カナダ、メキシコが上位3国で、日本は大きく離れた4位に過ぎません。貿易相手を批判するならカナダにも触れるべきなのに、『日米貿易摩擦』という今や存在しない問題を持ち出し、中国と同列にして無知な支持者の人気取りをしているだけです」と酷評しているし、トランプ氏の看板政策の一つ「移民排斥」も「存在しない問題」を騒ぎ立てる一例だと語っている。
次期米大統領に決まった共和党のドナルド・トランプ氏は、日米など12カ国の環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に強硬な反対姿勢を示し、10月下旬「就任当日にTPP離脱を正式発表する」と宣言して離脱を訴えてきた。オバマ大統領は残る任期中にTPPの議会承認を得ることを目指しているが審議入りすら危ぶまれており、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)発効は困難な情勢に追い込まれているという。大統領選では民主党候補のヒラリー・クリントン氏も環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に反対を表明していたが、実際に大統領に就任すれば環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を合意に持ち込んだオバマ政権の政策を引き継ぎ、容認に傾く可能性もあるとみられていたのだ。
合意内容の再交渉すら許さない強硬姿勢のトランプ氏が勝利したことで、共和党議員も同調せざるを得ないとの見方が強まっており、法案提出にさえ至らない可能性も出ているという。ほかには「有能なビジネスマン」だから経済を伸ばすかもという期待も「大いなる誤解」という評論家も多くいるそうで、「親から巨万の富を受け継ぎ、最初から優位に立っている人です。世界中にあるトランプと名のつくビルの多くは彼の所有ではなく、名前を貸しているだけ。得意分野はビジネスというより消費者のニーズをつかむマーケティング。自分の名を売ることだけにたけている」というのだ。そんなこともあってドナルド・トランプ氏が米国の次期大統領に決まり、日本の産業界は動揺を隠せないでいるようなのだ。
トランプ氏が円安批判や環太平洋パートナーシップ協定(TPP)反対など保護主義的な発言を繰り返してきたからなのだが、米大統領選で共和党のドナルド・トランプ氏が勝利したことに政府・与党内で動揺が広がっていたそうなのだ。同盟国に米軍の駐留経費全額負担を求めるなど過激な発言を繰り返してきたうえに日本との関わりは薄く人脈もほとんどないこともあって、政府がヒラリー・クリントン前国務長官を優勢と分析してきた誤算もあり、対応も定まらない状況だとされていたというのだ。安倍晋三首相を円安で米国内の雇用を奪った「殺人者」と呼んだトランプ大統領の誕生は、保護主義的な政策を意識させ外国為替市場は急激な円高・ドル安で反応し、与党からはトランプ氏との関係作りを急ぐよう求める発言が相次いだというのだ。
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