三重県のトンネル工事の入札をめぐる汚職事件で、加重収賄などの疑いで逮捕された中部地方整備局の副所長が、役所が入る庁舎内で贈賄側の業者に落札情報を漏らしていたことがわかったというのだ。この事件は国土交通省中部地方整備局北勢国道事務所の前副所長深谷亘容疑者が、三重県紀北町のトンネル工事の入札で大手建設会社奥村組の元工事所長星野直則容疑者に、入札情報を教えた見返りとして商品券100万円分を受け取ったという加重収賄などの疑いで逮捕されたものなのだ。捜査関係者によると深谷容疑者が入札情報を星野容疑者に教えたのは2度で、1度目は中部地方整備局が入る名古屋合同庁舎の1階ロビーで落札可能価格を口頭で直接教えたという。
また2度目は入札における技術提案の評価点数について、他社との差を携帯電話で教えたということのようなのだ。深谷容疑者は容疑を認めていて愛知県警は余罪についても調べているというのだ。これは贈賄側の業者が今回の事件分とあわせて計5件約58億円分の、中部地整発注工事を受注していたことがわかったからなのだが、愛知県警は他にも入札で不正がなかったかどうか捜査しているという。今回の工事の入札は入札額や企業実績に工事内容を総合的に評価する方式だったが、逮捕された前副所長は入札前に他社の評価点数などを携帯電話の通信機能で教えたほか予定価格が記された書類を渡したというのだが、賄賂として贈ったとされる百貨店の商品券100万円分の購入費用を下請け業者に負担させていた。
この下請業者は問題のトンネル工事に関わっており、愛知県警が経緯を調べているそうで 捜査関係者によるとこの下請業者は東京都内に本社があり、以前から奥村組の下請けに入っていたというが、商品券は1万円券の10枚つづり10冊で名古屋市内の百貨店で購入されていたそうなのだ。 広告 invented by Teads 星野容疑者は奥村組が問題の工事を落札した翌月に深谷亘容疑者の自宅にこの商品券を郵送したとされ、深谷容疑者は商品券で服などを購入しほとんど使い切っていたそうなのだ。また逮捕容疑として容疑者が入札に絡む情報を教えて落札させ、深谷容疑者らはクラブなどで十数回の計三十数万円分の接待をした疑いもあり、異動を知った熊谷組の前担当者が情報の漏えいを持ち掛けたとみて調べているそうなのだ。
国土交通省中部地方整備局管内では橋梁工事の入札に絡み、業者に秘密事項を漏らすなどしたとして愛知県警に、加重収賄と官製談合防止法違反などの疑いで国土交通省中部地方整備局三重河川国道事務所の工務第2課長田中春人容疑者が逮捕されているのだ。また贈賄などの疑いで東証2部上場の建設会社「瀧上工業」の営業副本部長兼東京支店長の加納泰司ら3人も逮捕されている。逮捕された4人とも容疑を認めているというのだが、三重河川国道事務所の工務第2課長の田中容疑者の逮捕容疑は、滋賀県津市の田中川に橋桁を架ける工事の一般競争入札で浜島容疑者らに入札予定価格などの秘密事項を漏らし、瀧上工業に工事を落札させた疑いだというのだ。
秘密漏えいの依頼や謝礼の趣旨と知りながら収賄側の加納容疑者らから十数回にわたり、名古屋市のクラブなどで計三十数万円相当の飲食接待を受けた疑いもあるというのだ。津市の橋桁工事に絡み加重収賄などの疑いで逮捕された田中春人容疑者は28年にわたり技術畑でキャリアを積んできたそうで、同僚職員は「普通の職員で悪いうわさは聞かないのに」と逮捕されたことに驚いていたそうなのだ。田中容疑者は平成元年4月に技官として採用され土木関係の専門知識を持ち、26年に岐阜国道事務所の建設監督官に着任し28年から現職という。田中容疑者の勤務態度に問題はなかったといい担当者は「これまで研修などを通じて職員に周知してきたのに、残念だ」と話しているそうなのだ。
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