多くの企業は 50 歳前後の社員に対し「どのようなセカンドキャリアを描くか」についての研修をよく行っているが、そこで感じるのは多くの人が定年後のことを考えていないという事実だという。定年退職したら、やることがない」という人は公的年金額がそこそこ多く退職金と現役時代に貯めたお金で生活費の不安がないからだといわれている。 60 歳または 65 歳で定年退職した後は 25 年から 30 年あるいはもっと長い人生が残っているが、この時間は何もしないで過ごすには長すぎるといわれており、家でぼんやりしていたら病気になってしまうとさえいうのだ。やることを見つけて何かをすべきなのだが、まず生活費の不安がないならお金目的ではない仕事をすることを考えるとよいという。
少子高齢化で働き手が徐々に減っていく社会環境だし、何となく景気がよくなっているらしく人手不足気味なので、高齢者も働き手に加わることの社会的意義は大きいという。今の 60 代や 70 代は元気だから働く体力・気力は十分にあるはずで、退職するまでの仕事で培った経験を活かした仕事でもいいし、全く新しい仕事にチャレンジするのもよしだという。働き方は現役時代のようにバリバリでなくてもかまないし、週に 2 日でも 3 日でも早朝の 2 ~ 3 時間でも仕事をすれば、生活にメリハリができてやりがいや生きがいも生まれてくるというのだ。仕事で空いた時間やどうしても仕事はしたくない場合は、趣味・習い事といわず家事分担や地域活動にボランティア活動などに費やすのもよいというのだ。
そう考えていても実際に定年を迎えると思っていたほど楽しめない人が多いのも事実で、ある人は定年後に地元に帰り趣味であるゴルフ三昧の日々を送ろうと、ゴルフ場の会員権を買ったのだがそのうちに「ゴルフが難行苦行のようだ」と言うようになったそうなのだ。その人にとってゴルフは会社の仕事があるからこそ成り立つ趣味だったということで、仕事の合間にあくまで「気晴らし」として楽しんでいたのでそれだけになるとしんどくなったというのだ。定年後に趣味の釣りにますますのめりこみ毎日夢中になっている人もおり、自分の趣味が気晴らしのものか本物なのか定年になるまでわかりづらいですが、単なる気分転換の趣味だったと気づいてから初めて次のステップに進む方も少なからずいるという。
定年になってからまったく新しいことを始めても会社員として培ったレベルまで上げることはほぼ不可能で、趣味・習い事はこれまで続けてきたことをさらに極めるとか、時間ができたらやりたいと思っていたことや全く新しいことでもなんでもかまわないという。趣味・習い事の内容にもよるが初心者でも 10 年続ければ他人に教えられるようになり、新しい夢や世界が広がるかもしれないというのだ。家事分担は定年退職して家で夫婦が一緒にいる時間が長くなると妻の家事の負担が大きくなるからで、料理好きな奥さんなら喜ぶかもしれませんが夫に毎日 3 食用意するだけでも大変だというのだ。そこで 1 食は夫が作るとか掃除は夫が担当するなど、夫婦がストレスを感じなくて済む分担方法を相談して決めるとよいというのだ。
地域活動は町内会や祭りの役員を務めるとかサークル活動に参加するなど会社人間だった人が地域に馴染むいい機会になるというが、もし妻が先に亡くなって夫が 1 人になったとき地域に馴染んでいれば孤立しないで済むというメリットもあるという。私もボランティアガイドをはじめ多くのボランティア活動をおこなっているのだが、ボランティア活動というのは子ども相手から高齢者相手まで幅広くあるといわれている。とにかくやる気さえあれば「やること・やりたいこと」は際限なく出てくるそうで、あとはやる気スイッチを押すだけだというのだ。どこにやる気スイッチがあるかわからないのでいろいろチャレンジしてみることが大切で、年齢を経るごとに働き方を変えていくのがベストだというのだ。
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