安倍首相は臨時国会の所信表明で加計学園疑惑に一切触れず、衆院選前は「私の友人が関わることだから疑念の目を向けられるのはもっとものことだ」として、国会等では丁寧に説明すると話していたのに衆院文部科学委員会の審議は堂々巡りに終わったという。安倍首相の意向が働いたのか解明されず性善説の言い訳ばかりか、それどころか一部の与党議員の質問内容はマスコミ・野党批判だったという。あるジャーナリストは「委員会は質問する場所であって演説する場所ではありません。与党は質問時間を増やせと言っておきながらとんでもない話です。安倍首相は加計孝太郎理事長を国会に呼べばいい。ゴルフに誘えば来る人なんですから。それとも来られては困るのか」と憤慨していた。
憤慨しているということでは「タダで市有地をあげて施設整備にかかるお金も半分出してあげてそこまでして私立大学を建てにゃいかんのかと思う。疑惑が晴れないまま開学させるなんて今治市民はバカにされとる」 と今治市内で建設業を営む代表は憤っている。大学建設の仕事は 1 つも入ってこず工事を請け負うことができた市内の同業他社はごく少数でそれも期待したほど儲かるレベルではないという。この建設会社の代表は工事のため学校用地に出入りする岡山ナンバーのトラックを見るたび、「情けない気持ちがこみ上げる」日々を送っているという。工事が本格化する前は「地元の業者をできるだけ使ってほしい」という要請が今治市議から今治市の担当課に出されていたというのにだ。
林芳正文科相は加計学園が国家戦略特区制度を使って、愛媛県今治市に獣医学部を新設する計画を認可し来年 4 月の開学が決まったが、地元の建設会社代表は 「認可を受けるずっと前から工事は進んどって、最初からこうなると決まっていたとしか思えない」 と言い、「最初は今治に大学が来るのはええことじゃなあとみんな言いよった。でも工事業者を選ぶのは加計学園だから市内の業者は 1 社を除きほとんど選ばれなかった。メインは岡山県の業者で今治市の業者に与えられたのは生コンクリートを打ち込む作業ぐらい。儲けの出ない所を現場に近い地元業者に任せたんだと思う。どれだけ国民から疑惑の目が向けられても工事が止まることはなかった。外観上は完成に近く市内の業者は不思議に思っている」とまで語っている。
今治市は加計学園に大学用地を無償提供するほか、施設整備費として最大 96 億円を供出するとしている。今治市選出の愛媛県県議は「そのうち 32 億円は誰が出すか決まっていない」と打ち明ける。「今治市は最大 64 億円までしか出さないと市議会答弁で約束しており、残りは愛媛県に出してもらうつもり。愛媛県知事は加計学園を支援するつもりはないが、愛媛県と友好関係にある今治市を支援する気はあるというスタンスです」とも話している。我々県民の血税が今治市を経由して加計学園につぎ込まれるのであれば、結局は加計学園に税金を使うことになるというのだ。その県議によると今治市民は獣医学部新設について「ようわからん」とか、「勝手にやっとる」などと思いつつも表立って怒りの声をあげる人は少ないという。
私も愛媛県の建設業界で40年以上飯を食ってきた人間なのだが、県内の業界の事情通に聞いた話では「地元大手の工務店が工事を受注した岡山市の建設業者に話をしに行って、元受けである岡山の中手ゼネコンと、新居浜市に本社のあるその工務店と、菅良二今治市長に近い今治市の建設会社で共同企業体を組む条件で交渉したが、どうやら請負金額で折り合いがつかなかったという。ところがその後菅市長に近い今治市の建設会社だけが単独で交渉し下請けに入ったそうで、そのとき菅今治市長が『その建設会社を必ず使ってほしいと言って押し込んだようだ』との噂が流れた。菅今治市長は認めていないが地元建設会社は選挙で応援するなど物心両面で菅市長を支援していることで有名な業者です」というのだ。
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