新型コロナウイルスの感染拡大で外出を自粛する動きが広がる中異常事態宣言も出され、特に高齢者は家の中にこもりがちになり運動不足になったり生活のリズムが変わったりして健康への影響が心配されている。東京都内で1人暮らしをしている高齢者の女性は持病の糖尿病の改善や健康維持のために 15 年前からフィットネスクラブに通い週に4日ほど運動を続けてきたそうだが、新型コロナウイルスの影響でフィットネスクラブは感染のリスクが高いとされ、周りとも相談した結果休会せざるをえなくなり多くの時間は自宅で過ごしているという。テレビを見ながら簡単なストレッチをしたり近所を散歩したりしていますが以前よりも運動不足になったことで、糖尿病の進行や体力の低下に不安を感じているそうなのだ。
多くのフィットネスクラブでは新型コロナウイルスの影響で一時営業を取りやめているそうで、私のウォーキンググループに入っているのだが予定していた「お花見ウォーク」も自粛の中で中止になったし、地域のイベントや仲のよい友達との花見の予定なども中止になり他人と会話を楽しむこともほとんどなくなくかっているのだ。同じウォーキンググループの人とも連絡を取り合っているのだが、その人が言うには「日々運動することで糖尿病の数値も下がってきていたので影響が心配ですし、筋力が落ちてしまわないかと思っています。フィットネスクラブに行って友達と会っていろんな話をすることも一切絶たれてしまったので、これからまだこの状況が続くと思うとつらく、なんとか早くもとの生活に戻りたいです」と話していた。
健康政策が専門の筑波大学大学院の久野譜也教授は「運動不足で筋肉量が落ちると高齢者の体は弱って転倒や骨折をしやすくなり寝たきりになるおそれもある。特に、糖尿病や高血圧など持病がある人が運動しない状態が続くと、新たな病気になるリスクも高くなり、ウイルスの感染予防だけでなくこうした2次健康被害 ” 減らすことを考えることが重要だ」と指摘している。そして具体的な対策として人混みを避けたうえでなるべく自宅周辺を歩いたり公園で簡単な体操をしたりして意識的に体を動かすよう呼びかけている。また1人暮らしの高齢者が家にこもって誰とも話さないと認知症になるおそれも高まるとして、「家族と電話で連絡を取り合うなど、可能なかぎりコミュニケーションをとってほしい」と話していた。
新型コロナウイルスを巡っては感染拡大を抑え込むため異常事態宣言が首都圏をはじめ出されたが、特にメディアによる若年層への外出自粛呼びかけなどが要請されている。東京都をはじめ自治体から外出自粛要請が出るなど緊迫する新型コロナウイルス問題で、ちょうど要請が出た 3 月末のタイミングのアンケート調査によると、他の世代に比べて 60 代が最も「商業施設への買い物」といった外出を伴うような行動・レクリエーションについて実行していることが明らかになったという。「商業施設への買い物」で 60 代男性が 42.8 % 60 代女性も 42 %が「できている」と回答し、他の年代が 20 ~ 30 %と自粛ムードなのに比べいずれも唯一 40 %を超えており、感染拡大に加え生活必需品が買いづらい状況が長期化している背景もあるという。
新型コロナウイルスに感染した場合特に重症化するリスクが高いとされている 80 歳以上の人や糖尿病や心筋梗塞などの持病がある人については、多くのフィットネスクラブで今も休会という対応になっているそうだが、フィットネスクラブでは休会している高齢者が自宅にこもりがちになって体力が落ちたり周囲との交流がなくなり気分が落ち込んでしまったりしないように、インストラクターが電話をかけて生活の状況などを聞き取るといった取り組みを進めているということのようなのだ。フィットネスクラブの担当者は「高齢の方が家の中にずっとこもって運動ができず誰ともしゃべらないでいると健康への影響が心配です。自宅でもできる運動を少しでもしてもらい、また元気に通ってもらえるように支援したいです」と話している。
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