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2019年06月24日
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 大きなシェアを勝ち取るような企業に犠牲者は付きもののようだ。
 マクドナルド、ウォルマート、アマゾンは低賃金労働者を酷使することで有名。
 鴻海の中国の工場も有名。
 アマゾン倉庫などの労働実態を潜入ルポで暴いた本が出版された。
        ​
1日の歩行距離は16キロ
芹澤健介が
『アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した』
(ジェームズ・ブラッドワース 著)を読む
週刊文春 2019年6月13日号
  …(略)…
        ​
 たとえば、アマゾンの倉庫で働く「ピッカー」は、指定された商品をピッキング(選定・集荷)する仕事。
 従業員の多くは、東欧からの移民だ。
 シフトの前後やトイレ休憩の際も万引防止の厳重なセキュリティ・チェックを受け、常に監視される中で、スピードアップを要求されて、サッカー場10面もあるような巨大な倉庫の中を汗だくになって駆けまわる。
 就業時の一日の歩行距離は、16キロ以上にもなるという。
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ランチ休憩は実質15分
 また、夕方6時からの“ランチ休憩”は実質15分しかない。
 ノルマを下回れば、容赦なく懲罰ポイントが課されていく。
 遅刻や病欠もポイント加算され(病気の子どものための早退も1点加算)、そして、6点になればすぐに解雇される。
 まさに現代の「蟹工船」のようなブラックな労働環境だ。
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​ 介護の現場も、イギリスに100万人いるというコールセンターの仕事も、ウーバーの運転手も、労働者は体よく搾取され、疲弊するばかり。​
 しかし、本書で語られている労働者たちの苦悩は、きっとイギリスに限ったものではない。
 ページを繰る手を止められないのは、そこに日本の近未来を見てしまうからかもしれない。
 「ここの仕事は大っ嫌い」「この国が好きじゃないの」という移民たちの声は、日本のコンビニや工場で働いている外国人留学生や技能実習生たちの声ではないかと思ってしまうのだ。
 絶望し、発狂しているのは、ひょっとしたら10年後の自分ではないかと思ってしまうのだ。
 最後に皮肉を言えば、本書はどうせならアマゾンで買って読んでみると、行間のリアリティが増すかもしれない。
  …(略)…
        ​
 現代日本の潜入ルポの古典は『自動車絶望工場』か。
 鉱工業で飛躍的な経済発展を遂げた敗戦後の日本では、絶望企業も数多く存在しただろう。
 うまくやったところが大きくなり、残っている。
 大企業が大企業であり続けることは、容易ではない。
        ​
 「タコ部屋」は、戦前の北海道で、労働者をかなりの期間身体的に拘束して行われた非人間的環境下における過酷な肉体労働のこと。
 主に土木業、林業。
 タコ部屋労働が禁止されたのは、1946年、GHQの指令によるとされる。
 その後重機の導入拡大で人海戦術による土木工事が減少。
 高度経済成長期に減少したとされる。
 そして自動車工場から商業、物流企業へという絶望職場の変遷も時代を映し出す合わせ鏡。
 人手不足の現在、自動車企業の期間工は、労働条件の優位性を各社で競い合っている。
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最終更新日  2019年06月24日 16時00分07秒
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