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2020年10月06日
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カテゴリ: 経済
 日本の家電メーカーは、高付加価値、高機能をおうあまり適切な商品開発に失敗し、衰退。
 アイリスオーヤマやツインバードなど、消費者(使い手)優先の商品開発のできたところが、売上を伸ばした。
 シャオミはデジタルデバイスばかりでなく、家電でも安かろう悪かろうから脱し、消費者目線に立った製品開発を実行している。
 ポイントは、必要な機能に絞り込む、使い勝手をよくする、現代のライフスタイルにあった外観。
        ​
シャオミの「雷軍流」が中国を鍛え上げた。
なぜ日本の家電は敗れた?
=牧野武文
2020年9月8日 MONEY VOICE
  …(略)…
 しかし、シャオミは、中国のものづくりに大きな変革を起こしました。
 現在では、白物家電製品の製造にまで乗り出して、炊飯器やテレビなどでもヒット製品を生み出しています。
 また、インドにも進出をし、早くから現地生産を行っているため、昨今の中国製品排斥の動きからも、インドではシャオミ製品は準国産品とみなされ、大きな打撃は受けていません。
        ​
 シャオミのものづくりの起点は、消費者目線というものです。
 これを言葉だけ、スローガンだけでなく、開発手法にまで落とし込んだことがシャオミの大きな功績です。
 雷軍は、そのシャオミ独特の手法を編み出すまでに、日本の無印良品のものづくりをよく研究し、たびたび「デジタル界の無印良品になりたい」と口にしています。
 創業者の雷軍は、いったいどこでこのような手法を学んだのでしょうか。
 学生時代典型的なハッカーだった雷軍は、夢を持ち続けてきました。
 現実の企業運営という厳しさに直面をしても、その夢を捨てずに、シャオミで実現してきました。
 今回は、シャオミのものづくりと、創業者の雷軍についてご紹介します。
        ​
白物家電のデザインに革命をもたらした
 シャオミの日本での知名度もだいぶ上がってきました。
 Xiaomi Japanが設立されて、スマートフォンやスマートウォッチ、炊飯器などの日本販売を始めているからです。
        ​
 特に、日本でも発売が予定されているスマートウォッチ「Miスマートバンド5」は、OLEDを使いながら、4,490円と手頃な価格で、うまくすると、中国本国と同じようにヒット商品になる可能性があります。
 日本では、中国製というとアレルギー反応を起こす人がまだまだ多いことや、テック好きではない人の間でのシャオミの知名度はまだ高くないことが障害になりますが、デジタルデバイスとしては買って損はないと思います。

 また、シャオミは炊飯器「米家」を日本でも発売していて、中国では発売後2年で100万台が売れるというヒットになっています。
 この「米家」の開発責任者は、IH炊飯器「おどり炊き」を開発した三洋電機の内藤毅氏です。
 三洋電機を退職後、中国でIH炊飯器を開発したのです。
 この後継機種の炊飯器が日本でも販売されていますが、デザインが素晴らしい。
 シャオミは白物家電のデザインに革命を起こしたと言っても過言ではありません。
 見ていただければわかりますが、本体は白一色で、ボタンが3つしかありません。
 「予約」「開始」「取消」の3つだけです。
 しかも白いボタンなので、目立ちません。
 時刻表示は大きめのLED表示ですが、本体のカバー下に埋め込まれているため、通常時は見えなくなります。
 つまり、使っていないときはほとんど白一色の箱になってしまうのです。
        ​
 日本の家電製品は、多くが大量のボタンをつけ、大きな液晶表示がさまざまな情報を表示します。
 一般的な炊飯器の液晶画面には、時刻表示の他に「もちもち」「ふっくら」「玄米」「おかゆ」などの文字が常に表示されています。
 最近では、このような過剰なボタン、過剰な表示をうるさく感じる人も増えていますが、日本の白物家電のデザインレベルはなかなか向上しません。
        ​
 日本の白物家電は、高度成長期に10社近い大手メーカーが競い合う形で成長してきたため、売り場での競争が激しかったのです。
 売り場で目立たないことには埋もれてしまいます。
 そこで本体に、「こんな機能」「あんな機能」のボタンをつけたり、大きな表示をつけたりして、一目見て多機能であることがわかるようなデザインが求められました。
 それが、ゴテゴテしたうるさいデザインになっているのです。
 では、米家は単機能なのかというと、そんなことはありません。
 お米、おかゆ、玄米はもちろんのこと、ケーキ、ヨーグルト、蒸し煮なども作ることができます。
  …(略)…
        ​
「消費者の80%を80%満足させる」
 創業者の雷軍(レイ・ジュン)は、 「80/80の法則」 がシャオミにはあると言います。
 これは 「消費者の80%を80%満足させる」 ということです。
 ですから、シャオミの製品に尖った先進機能は搭載されません。
 炊飯器をスマホから操作するというのも一見先進的な機能に見えますが、それが多くの消費者を満足させる方法であり、しかも本体につけるボタンやLEDの数が減るので、価格を抑えることにもなるのです。
 価格性能比の最大化を狙うと言っても、なかなかピンとこないかもしれません。
 雷軍は、たびたび「無印良品のものづくり」に言及し、「デジタル界の無印良品になりたい」と発言しています。
  …(略)…
        ​
 「消費者目線のものづくり」というのは、言うは易し、行うは難しの典型例です。
 多くの企業が、ユーザーアンケートなどをやって、その結果を改善案のひとつとして盛り込む程度のことにとどまってしまっています。
 雷軍は、この「消費者目線」を「消費者に近い部分からつくっていく」という開発手法にまで落とし込みました。
 これは一種の発明であり、中国の多くのメーカーを刺激して、中国のものづくりを大きく変えていきました。
  ― 引用終わり ―
        ​
 「80%」は、大昔、トヨタ・カローラの開発担当主査が「80点主義」を唱えていた。
 使い勝手重視は、ジョブズがいた頃のアップルがすすめていた。
 良い品質のものを、使い手があまり気にしないところを削って廉価に提供する「無印良品」は現在進行形。
 どれも分かっていることだが、日本の家電メーカーがうまく実現できていないこと。
 生活者を消費者としかみていないため、会社の利益を前提とした製品開発をすすめた。
 使い勝手はいいのか、必要な機能をしぼっているのかに、「廉価」であることの優先順位が低かった。
 国産携帯電話、スマホも同じ。
 その隙間をアイリスオーヤマやツインバードは鋭く突いた。
        ​
 研究開発者はタコツボ型でよいのかもしれないが、経営者、経営トップは使い手の目線で新商品を批判できなければ売れる商品はモノにならない。
 手間をかけ複雑怪奇なものを作りがちな日本人の性癖は、大局観を失いがちであることも否めない事実。





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最終更新日  2020年10月06日 16時00分06秒
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