おしゃれ手紙

2019.02.01
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テーマ: 読書(10118)
カテゴリ: 読書
あなたみたいな明治の女(ひと)
嫁姑問題に悩んだ森鴎外の母・峰子、愛鶏家としての高群逸枝、東京初の女性校長になった木内キヤウ、とんでる女・宮田文子…。
現代女性と同じような感覚を持って恋に仕事に、そして教育に悩みながら、激動の明治期を生き抜いた8人の女性たちを、身近な感覚でユーモラスに紹介する評伝集。

★森峰子―家の女
父の帽子:森茉莉 ■ ■ 贅沢貧乏 ■などで森鴎外一家のことはよく知っていると思っていたが、鴎外の母親の書いた日記をもとに書かれた一文を読んでまたまたいろんな発見があった。

●鴎外の最初の妻・登志子との結婚は生き別れ。
森茉莉には母親が違う兄、於菟がいた。
子ども(於菟)が生まれて一か月しかたっていなかったため、入籍していなかった。

●鴎外は最初の妻・登志子と別れた後、隠し妻がいた。
名前は児玉せきといい彼女と鴎外の母親とは古い知り合いだった。
せきを可愛がっていたが、日陰の身としては認めるものの妻としては無理だったようだ。


女は家事裁縫さえできれば、文字などしる必要がないという父の命で、
正規の教育を受けていなかったために、読み書きもおぼつかなかったが、
母の清子に教えてもらい、いろはから勉強し、十七年間にわたって日記を書いた。
向上心があり、それを身につける強い意志を併せ持った女性だった。

そういう一生懸命なところが、 鴎外の妻・森茉莉の母親・茂子とは正反対で二人は仲が悪かった。

その様子は、鴎外でさえ、<人力の及ぶ所にあらず>と言った。

★富本一枝―家庭の人
★網野菊―ひとりの人
★小林信子―従の人
★福田英子―利発な人
著者はこんな英子の言葉を選んで結んでいる。
「男は駄目だよ。位階や勲章に目がくらむからね。
そこへ行くと女には勲章をぶら下げて喜ぶやうな馬鹿はいないから頼もしいよ」。
★高群逸枝―愛鶏日記
有島武郎と心中事件をおこした波多野秋子のことを
「世界から馬鹿が一人減った」と書く気性をもっていた。
★木内キヤウ―教育一路
キヤウを婦人運動と教育に走らせたのは、昭和3年にハワイで汎太平洋婦人会議に出席することになってからである。

このとき吉岡弥生や井上秀子が、旅費がかかること、英語を話せないと資格がないことなどの“選考基準”を云々していた。
キヤウはこれに発奮して、旅費は地所を売ってつくり、「英語なんかは日本人なんだから、日本語で通す」と決意して臨んだ。
万事がこういう女性であった。
★宮田文子―ひらめきの人
著者は宮田文子を知ったとき、
「えっ、こういう人が本当にいたの?」と思ったそうだ。

少女期から夢を見ていて、本当にそのような人生を送った。
◆宮田文子の華麗なる経歴◆
京都府立第一高女を出て、親の勧めで結婚し、 3人の子をもうけた。
24歳でさっさと離婚した。
松井須磨子に憧れて女優の卵になったり、政友会の機関紙記者になったりしたうえ、禅寺で知り合った男とあっけなく2度目の結婚。
ところが、あまりに嫉妬深いので上海に逃げた。


ふと出会った作家の武林無想庵とも偽装結婚してパリに行き、むこうで女優になったら別れようと考えていた。
が、何がどう転んだか、無想庵とは正式に結婚式をあげる。
それも島崎藤村の仲人で、帝国ホテルで挙式した。そのうえ実際にパリにも行った。
パリで無想庵の子を生んだ文子は、その子にイヴォンヌ(日本名は五百子)と名付けて、溺愛をした。
パリの可憐な子供服を着せたくなって、子供服と帽子づくりを習いはじめ、 暇なときはヨーロッパの観光地に3人で出掛けまくった。
パリの噂になるほどの生活ぶりだったが、金はほとんど費いはたしてしまった。
帰国して困っていると、 資生堂から子供服部門の主任になってほしいという依頼がきて、これに着手。
が、すぐに心変わりして帽子に鞍替え
、帽子製作所をつくって何百という子供帽子を各地でショーイングした。

ふたたび家族3人でパリに渡った文子は、今度は日本レストランを開く。
浮気な文子の経営がうまくいくはずもなく、おまけに男関係の噂も広まった。
「妖婦」の噂である。
文子は 日本舞踊を付け焼刃で習ってお金を儲けようとし、大統領の宴会や侯爵夫人の茶会で踊り、ついにはシャンゼリゼの劇場にまで出演する 。  
それにしても無想庵の原稿は売れない。
文子は単身帰国して、稼いだらパリに送金することにした。
ゼネラルモーターズに話をもちかけ 黄金のシボレーで大阪から東京までを走るとか
日本でも噂になっていた「妖婦」のイメージを売りつつも、
あえて母親役になって 映画に出るとか、まあ、思いつきを次々に実行 に移す。
そこへ 子爵の令嬢がエチオピアの皇太子と結婚するというニュースが入ってきたので、
これだと勘がはたらいた文子はエチオピアにルートがあるアントワープの貿易会社を訪ねるのである。
ともかくやることがとんでもない。
そうしたら案の定、 その貿易会社の社長の宮田耕三と親しくなって 、文子が無想庵と別れるなら結婚すると言う。
これで迷えば普通だが、文子はまんまと 宮田と結婚 してしまうのだ。
エチオピア皇太子の結婚は破談、しかし、これで文子 はもうお金には不自由しなくなった。
いままで以上に自由気儘にアイディア・ビジネスをする。
子供服・婦人服・紳士服の縫製、古い電車をタダで貰ってのレストラン開店、古代エジプトについての出版、コンゴの写真展‥‥、
ともかく手当たり次第なのである。


恐るべし、宮田文子ー別格の人
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Last updated  2019.02.01 00:11:36
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