おしゃれ手紙

2020.08.11
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テーマ: 読書(8637)
カテゴリ: 読書


たった35銭を握りしめ、15歳の八田吾平が、淡路島から大阪に出てきたのは、明治29年の三月。
一介の丁稚から叩きあげ、苦労の末築いた店も長子も戦争で奪われ、ふりだしに戻った吾平の跡を継いだのは次男孝平であった。
孝平は、大学出のインテリ商人と笑われながら、徹底して商業モラルを守り、戦後の動乱期から高度成長期まで、独自の才覚で乗り越え、遂には本店の再興を成し遂げる。
親子二代“のれん”に全力を傾ける不屈の気骨と大阪商人の姿を描く作者の処女作。

江戸時代、北前船が北海道から、昆布を積み大坂に持ってきた。
だから昆布は大阪=上方でよく食べられたという。

そんな昆布を商う船場商人の物語だ。
作者の山崎豊子は、船場の出身。
実家は老舗昆布屋の小倉屋山本。
「暖簾」は、生家の昆布屋をモデルに書いたもので山崎のデビュー作。
以来、「花のれん」、「女系家族」、「ぼんち」など船場ものを書いた。

初期の作品は船場など大阪の風俗に密着した小説が多い。
その頂点が足袋問屋の息子の放蕩・成長を通して商魂たくましく生き抜く大阪商人の典型を描いた『ぼんち』であり、市川雷蔵主演により映画化された。

「女系家族」も何回も映画化ドラマ化された。
●読書メモ●
●船場の商家の習いで、給金はなく、小遣いとして月々貰う五銭はもちろん、二、三十銭の盆、正月の祝儀(ぽち)、祭りのひねり紙・・・。

●酢は『三勘』の酢で漬け・・・。

*「ミツカン」って「三勘」と書くのか・・・。

●火元の丸喜の主人は、紋付羽織に袴をつけ、足元は裸足のままで
「火出しておわびの申しようもござりまへん、どうぞこの通りで・・・」
類焼した隣の近所へ土下座に廻った。
これが火出しの作法であった・
●「昔から大阪の昆布、江戸の海苔いうやないか、東京人は、ああ昆布か、あれは安いもので江戸っ子の食うもんではない思てる。・・・」

「そら確かに前はそうやった、そやけど、戦争を境にして変わってきてる・・・・

●「お母はん、酢昆布買うて欲しいわ」
嬢はんいこう注文されると、幸平は流行の服着てハイヒールをはいてても、大阪の生粋の娘はチュウインガムの代わりに酢昆布をしがんでくれはると、手放しで喜んだ。
*■ みをつくし料理帖 ■で、
「なにか大坂らしい食べ物を・・・」と言われて澪は、とろろ昆布を作った。

みをつくし料理帖 ■で出汁出汁をとるのは、
江戸はカツオ、上方は、昆布とあり、澪は、両方のいい所を生かそうと、いろいろ工夫する。

■暖簾
花のれん
■船場狂い
■持参金
■遺留品
■しぶちん
■エッセイ


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Last updated  2020.08.11 00:01:00
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