臨床の現場より
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先日、head&neckの同期の医師が開業することになり、そのお祝いを兼ねて久々に同期会をしました。head&neckの学年で耳鼻科に入局したのは6名で、そのうち5名が男性と、当時の耳鼻咽喉科の医局にしては豊作の学年と言われました。耳鼻科医は5年も経つと、一般的耳鼻咽喉科疾患は一通り診れるようになります。もちろん専門性の高い分野の手術や、特殊な疾患についてはまだまだ経験が必要ですが、病院の外来でさえ来院される患者さんの9割は5年目くらいまでの知識でこなせるのです。head&neckが医師になったころは今のような臨床研修医制度は無く、いわゆるストレート研修で、6年目の夏には条件を満たせば専門医試験が受験できました。この専門医の資格を取ったころから医師個々の方向性が出てくることが多く、耳専門、腫瘍専門、はたまた開業志向と、それぞれの医師の今後の人生の使い方を考える時期でもあります。当然もう少し時間が経ってから決定する人もいますし、医師になった時からすでに開業を考えている者もいます。ただ、一般的な傾向としては耳鼻咽喉科の医師は6、7年目から10年目前後で自分の道を決めることが多いようです。 そうしてみると、同期の開業は15年目と、決して早いほうではありません。開業に必要な資金は借金ですから、その返済と年齢等を考えるとぎりぎりの決断といえるでしょうか。彼はもともと手術は余り好きではなく、小児耳鼻科を専門としているので、開業しても患者さんには事欠かないのと、大学病院での自分のやりたい医療と現実のギャップに戸惑って開業したというのが本音のようです。 それにしても、医局にこれまで残って勤務医として働いてきた同期5名、15年も経つと同じ耳鼻科でも専門は全く違います。head&neckは癌、A医師は耳手術と顕微鏡手術、B医師は腫瘍遺伝子研究、C医師は市中病院の一般耳鼻科、そして開業した小児耳鼻科と、それぞれが微妙に重なりつつ、得意分野は全く異なったものになりました。 勤務医でいる以上、専門の異なる同期がいるのは心強くて、一人減るのは寂しい限りです。5年後、10年後には自分たちはどうなっているのか、ふとそんなことを考えたのでした。
2010.12.03
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