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アレクセイは美しいウクライナの大地が大好きな青年村の中央には清水が湧き出る泉があった。たくさんの村人の笑顔があった。アレクセイは毎日馬に鋤をつけて大地を耕す。終わったら川原で馬の身体を洗って一日を終えた。アレクセイは村人から慕われる唯一の若者。しかし村には若い娘がいない。ある日、村から60kmほど離れたところで黒い煙があがった。村人は、黒い煙に被われたが、変わりなく畑を耕していた。村人は、しばらくしてそれが原子力発電所の事故と知った。高濃度の放射能に直撃されたその村は、全員退去を求められた。村を封鎖するという。原子力発電所の名はチェルノブイリ。しかしアレクセイは残った。彼は、この大地が大好きだったから。アレクセイとともに、わずかながら老人たちも残った。いまなお、村を囲む森は高度の放射能で被われている。放射能の害が現れるのは、10年から20年後。アレクセイは、毎日、友達の馬と美しい緑の大地で汗を流している。 私は、この事故の前年の冬に、チェレノブイリのあるウクライナにいた。首都キエフはエカテリーナ宮殿のある美しい街。翌年の春、白樺が芽吹く頃、再度、技術商談で訪れる予定だった。ソビエト原子力省の新設する新しい製鉄所の打ち合わせ。それもこの事故で中止となった。アレクセイと泉は、写真家本橋成一氏が現地を訪れて撮った。DVDがある。岩手の七時雨高原のコンサートで誠実な本橋監督と出会った。絵は、それを題材にした絵本を見て描いたもの。チェレノブイリの事故は人災。人間はかならず過ちを犯す。原子力発電所は人間の管理できるものではないとドイツもフランスも中止を決定した。日本の役所と政治家は企業の意向を代弁するのがならわし。いつも「二重、三重の安全対策を行っているから安全です。」と言う。欧米のように民の方を向いていない。監督官庁の役人は、企業に天下りしたい人間ばかり。監督など行うはずがない。その一例が茨城での放射性物質をバケツで入れ替えて核反応を起こした事故。これを指導したのは、監督官庁から天下りした九大出の官僚だった。しかもこの真犯人は逮捕されていない。あまりにずさんな国を含めた原子力の安全対策、美浜町の発電所でそれが再度、その粗末な管理体制が露呈した。それでも方針は国の方針は変わらないだろう。利益優先の電力会社、受注する三菱重工という独占企業の財力に、役人も政治家も恩恵をうけたいから。美浜町などの町民全員が放射能を帯びて退去させられても全くおかしくないほど、ずさんな管理体制だった。通常、設備管理は最低5年周期で点検するのが常識。点検周期が20年や40年と聞いて普通のエンジニアはみなあきれた。20年や40年は設備廃却してもおかしくない時期。流量測定のオリフィスの近くは磨耗が激しいとか事故を起こしているとかたくさんの情報があったのに、それすら対策を怠っていた。あきれるほどずさんな技術者たち。なぜか?原因はひとつ。電力会社は競争のない高収益の企業。自ら努力しなくても利益が上がるおごり高ぶった体質がある。なんでも外に委託して自ら働かない企業集団。一般家庭の電力代を欧米並みに半減しないとこれらの体質は変わらない。内部調査すればどこの電力会社も同じだろう。恐ろしい安全管理の原子力発電所に囲まれている。技術者として断言できる。この程度の技術力しかない電力会社に原子力を任せるのは危険である。日本でも、町全員が、退去させられて町が封鎖される日は必ずやってくるだろう。参考情報)DVD ジェネオン エンタテインメント アレクセイと泉 ESV-23103 商品コード:D110784152 「アレクセイと泉はベラルーシ共和国の小さな村のお話。1986年に起きたチェルノブイリ原発(旧ソ連・現ウクライナ共和国)の爆発事故で放射能に汚染され、 政府の立ち退き要請によって地図からも消えてしまった小さな村。農作物や森で採取されたキノコからも放射能が検出される中、 村の中心で湧きだす泉だけは、 不思議なことに放射能に汚染されていなかった…。『ナージャの村』で注目された写真家・本橋成一が再び放射能に汚染された村に暮らす人々を追ったドキュメンタリー。今回は、 放射能に汚染されていなかった「泉」を中心に様々な問題点を浮き彫りにしていく。また、 『ナージャの村』に感銘を受けた音楽家・坂本龍一がスタッフとして参加している。 アレクセイと泉という絵本もいい本です。
2004/08/22
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世界がもし百人の村だったらその村には・・・57人のアジア人21人のヨーロッパ人14人の南北アメリカ人8人のアフリカ人がいます52人が女性です48人が男性です70人が有色人種で30人が白人70人がキリスト教以外の人で30人がキリスト教89人が異性愛者で11人が同性愛者6人が全世界の富の59%を所有し、その6人ともがアメリカ国籍80人は標準以下の居住環境に住み70人は文字が読めません50人は栄養失調に苦しみ1人が瀕死の状態にあり1人はいま、生まれようとしています1人は(そうたった1人)は大学の教育を受けそしてたった1人だけがコンピューターを所有していますもしこのように、縮小された全体図から私達の世界を見るなら、相手をあるがままに受け入れること、自分と違う人を理解すること、そして、そういう事実を知るための教育がいかに必要かは火をみるよりあきらかです。もし、あなたが今朝、目が覚めた時、病気でなく健康だなと感じることができたなら・・あなたは今生き残ることのできないであろう100万人の人達より恵まれています。もしあなたが戦いの危険や、投獄される孤独や苦悩、あるいは飢えの悲痛を一度も体験したことがないのなら・・・あなたは世界の5億人の人達より恵まれています。もしあなたがしつこく苦しめられることや、逮捕、拷問または死の恐怖を感じることなしに教会のミサに行くことができるなら・・・あなたは世界の30億人の人達より恵まれています。もし冷蔵庫に食料があり、着る服があり、頭の上に屋根があり、寝る場所があるのなら・・・あなたは世界の75%の人達より裕福で恵まれています。もし銀行に預金があり、お財布にお金があり、家のどこかに小銭が入った入れ物があるなら・・あなたはこの世界の中でもっとも裕福な上位8%のうちの一人です。 もしあなたの両親がともに健在で、そして二人がまだ一緒なら・・・それはとても稀なことです。もしこのメッセージを読むことができるなら、あなたはこの瞬間二倍の祝福をうけるでしょう。なぜならあなたの事を思って,これを伝えている誰かがいて,その上あなたはまったく文字の読めない世界中の20億の人々よりずっと恵まれているからです。昔の人がこう言いました。わが身から出るものはいずれ我が身に戻り来る、と。かつて一度も傷ついたことがないかのごとく、人を愛しましょう。誰も聞いていないかのごとくのびやかに歌いましょう。あたかもここが地上の天国であるかのように生きていきましょう。これを読んで、もし、あなたが、何かを感じたら・・・友達や家族にも、プレゼントしてあげましょう。もし、あなたの近くに、仲間はずれにされたり、いじめられたり、無視されたりしている人がいたら、そっと、プレゼントしてあげましょう。もし、あなたの近くに、自分はどうなってもいいと思ったり、自分を傷つけている人がいたら、そっと、プレゼントしてあげましょう。七時雨高原のコンサートで盲目のピアニストが弾き語りした語りかけようなる含蓄のある言葉に思わず聞耳を立てたその夜、山小屋で飲み放題の懇親会ビアニストに出所を聞いたこれは、アメリカのある中学校の担任の先生が、生徒に学級通信と言う形で、メールを流したもの.
2004/08/07
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夕暮れの日が草原を囲む尾根に沈む頃、宗次郎のオカリナの曲が、遠い夕日に向かって風に乗って流れていった。オカリナを聴くには、似つかわしい舞台。自然が作った別天地、七時雨高原。盛岡から90分ほど入った田代平。四周を小高い山で囲まれ、山腹は美しい牧草の草原。中央に山小屋が一軒。気のいい小屋の主とやや美人の奥さん。この草原に踏み入れた人は、みなとりこになるよう。私は草原にテントを張り、バーベキューを食べ草原に寝転んで、一番星を探しながらこのコンサートを聴いた。草原の広大な空間が生み出す心地よい開放感は、オカリナや草笛やろうろうとしたソプラノの声に合っていた。全国から100人以上が集まった。草笛の名人や声楽家のオリジナルの曲も披露された。トルコを戦争直前に旅した池澤夏樹の映画が映写された。市場には果実や野菜が並び、子供たちが駆け回り、赤ん坊は母親の腕に無心に眠っていた。多くのトルコ人の笑顔を見た。その4ヵ月後、この国は非情な爆撃を受け国土は混乱に見舞われた。この映画の多くの人も今はどうしているのだろう。池澤夏樹は言う。この平和に生きていた人たちを、フセインが恐怖政治を行っていたからといって戦火にさらす権利は誰も持っていないと。旅をして、いろんな人と片言の会話で触れ合った。自分が出会った笑顔を交し合った人々が爆撃やテロにあったり、平和な生活が混乱に陥っているとしたら、池澤夏樹のような経験をすれば、どんなにか心痛むだろう。
2004/08/04
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