Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2009/02/07
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カテゴリ: 今宵も、BARへ…
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その15:「いいBAR」の条件(2)

(4)話術=トーク

 カクテルづくり等の技術は一流だが、物静かで寡黙なマスター、バーテンダーもいる(とくに首都圏に多いような気がする)。「おしゃべりなバーテンダーは格好悪い」「むやみに客に話しかけるべきではない」という業界関係者もいる。しかしうらんかんろは、トークの上手い、話していて楽しいマスターの方が断然好きで、評価する。

 関西、とくに大阪では一般的に言って、物静かなマスターは好まれない。客もマスターにトーク(会話)を求める。自然と、マスターと客との「距離」が近いBARが多くなる(マスターに“いじられたい”客が多いのか?)。 漫才師の才能までは必要ないが、トークはやはりBARという接客業に携わる人にとっては必要不可欠だ。トークはとくに大阪のマスターやバーテンダーには必須科目だ。多少のボケやツッコミができないとやっていけない(厳しいねー)。At teh Bar24

 大阪では、トークが上手いマスターのいるBARはいつも賑わっている(例えば、北新地のBar・Kや天満橋のBar・Cadbollなど)。東京でも、銀座のBar保志のマスター、保志さんのようにトークのうまい方の店はいつも客で溢れている。トークの上手いお店にいると居心地が良くて、とても楽しい。だから、やはり「いいBAR」の条件としては欠かせない。

(5)内装などの店の雰囲気

 店の雰囲気は、個人的には英国調=パブ調のウッディで、トラディショナルな内装の店が、うらんかんろの理想だ。「なぜ英国調が一番なのか」は感性の問題もあるが、やはり、BARは洋酒を飲む場所であることや、BAR=パブが持つ歴史の重みが大きい。洋酒を飲む場所の内装はやはり、英国調が一番合うと思う。

 ライティングは温かい暖色系で、やや暗い店がベスト。しかし、振り返ってみると同じやや暗いライティングでも、モノトーンを基調にした店にも長年通い続けていることに気づいた。だから、そういう雰囲気の店も嫌いではない(マスターの人柄が良ければ、多少の雰囲気の違いは無視できることもあるということ)。

 椅子はハイ・スツール(小さな背の付いた高い椅子)で、カウンターの端(客側手前)と足元に金属(真鍮)製のバーがあるBARがいい。高い椅子に座って、姿勢を正してながらゆったりと飲める。低い椅子のBARには馴染めない。ホテルのラウンジBARにあるような、座ると沈み込むようなソファ椅子は、街場のオーセンティクBARにはまったく合わないとまで思っている。この項に関しては極めて独断に満ちた、個人的な好みだけで書いているが、「いいBAR」の内装には、英国調でハイ・スツール、カウンターと足元に真鍮のバーがある――の3つが必須条件だ。

(6)酒やサービスに見合った料金

 金には糸目をつけずいくらでも飲める一部のセレブならいざ知らず、普通のサラリーマンにとっては、これは大切な条件だ。大阪・北新地をみても、酒とサービスに見合った、良心的な料金のBARはいつも繁盛しているのは、当然かもしれない。

 もっとも、何をもって「良心的」と言うのか、その客観的基準も難しい。ウイスキーなら一般的な小売り価格が分かるので、それが一つの目安となる(市価の4倍、5倍もの料金を取る店を「良心的」と言うのは難しいだろう)。カクテルをつくるのにどの程度手をかけているかも、一つの「目安」だろう。材料の仕入れ値も千差万別で、カクテルをつくる技術料的な部分は店側が決めるべきなので、基準があってないようなものだ(その4~5「注文の仕方」をご参照)。At the Bar25

 例えば、ジン・トニックというシンプルなカクテル一つとってみても、1杯の材料費(ジン、氷、ライムまたはレモン、トニック・ウォーター)はせいぜい200~300円だろう。それを500円で売るパブもあれば、1500円で売るBARもある。材料費以外は、バーテンダーの技術料であり、BARが受け取る利益である。

 500円のジン・トニックは(例外もあるが)所詮、500円程度の味わいしかないことが多いが、うらんかんろは、1500円を払ってでも飲みたい素晴らしいジン・トニックをつくる優秀なバーテンダーを知っている。しかし、「それが2000円でも飲みますか」と言われたら、NOだ。あるカクテルの価格には「それ相応」の基準も限度もある。

 酒やサービスに見合った料金とは何かは、かように表現が難しい。要は、貴方がその料金に見合う「値打ち」があると思えば、そこは「いいBAR」だと思っていい。もちろん、それを的確な判断ができるためには年季=経験も要るので、その域に達するにはそれなりの時間と“授業料”も必要だが…。

 言わずもがなだが、「安かろう、悪かろう」は困る。くれぐれも「安いこと=良心的、サービスがいい」ではないことだけは肝に銘じたい。非日常空間で美味しい酒を味わうためにBARに行くのだから、「旨いモルトや極上のカクテルには、それなりの対価が必要」ということも貴方は知らなければならない。

(7)フードに求められるもの

 BARには本格的なフードは要らない。お酒を楽しむ場所だから、基本は「かわきもの」程度でいいと思う。空腹はBARに行く前に満たしておくべきだろう。しかし、ささやかでもいいが、小腹がすいたとき満たしてくれる、簡単で美味しく、温かい料理があればとても嬉しい。贅沢は言わないが、カツサンドや簡単なパスタ、ピンチョス(バゲットの上にいろんなフードを乗せて一口で食べる品)のようなメニューがあるような店はとても有り難い。

 さらに、付き出しひとつとっても毎回とても工夫が凝らしてあったり、「かわきもの」ひとつとっても、メニューにセンスが感じられるようなBARがいい。いつ行っても同じ付き出しという芸のない店もあれば、ナッツひとつとっても、いろんな国や地域のさまざまなナッツを取り寄せたりという研究熱心な店もある。後者の方が「いいBAR」であることは言うまでもない。

【その16へ続く】

【おことわり】 写真は本文内容とは直接関係ありません。



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うらんかんろ

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Comments

kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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