Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2023/04/18
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カテゴリ: カクテル
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 ※原則、年代順に紹介しています。レシピは標準的なものです。★印は近年においても欧米のバー・シーンでは頻繁に登場する、とくに重要なカクテルです(かつて私のBlog連載で取り上げたものについては、その関係ページへのリンクも貼っておきます)。


★ハンキー・パンキー(Hanky-Panky) (1903~20年代前半、考案者=エイダ・コールマン<Ada Coleman>)
 ジン45ml、スイート・ベルモット45ml、フェルネット・ブランカ2dash、オレンジ・ピール(シェイク)

 ※スイート・ベルモットを使う甘口系「マティーニ」(ドライ・ベルモットを使うマティーニが主流になるのは、1920年代後半以降)のヴァリエーション。ロンドンのサヴォイ・ホテル「アメリカン・バー」で2代目のチーフ・バーテンダーをつとめた女性バーテンダー、エイダ・コールマン(1875~1966)が、顧客の求めに応じて考案したと伝わる。


★ベボー・カクテル(Bebbo Cocktail) (1920~33年、考案者は不詳)
 ジン40ml、オレンジ・ジュース10ml、レモン・ジュース10ml、ハチミツ10ml(シェイク)

 ※米禁酒法時代(1920~33)に生まれたカクテルと伝わる。奇妙な名の由来は定かではない。クラシック・カクテルには、ハチミツを使うものがしばしば登場する。氷が貴重品だった時代、カクテルを飲みやすくするバーテンダーの工夫の一つだった。(禁酒法時代の)粗悪なジンを使ったカクテルが飲みやすくなり、ジュースにも見えるため当局の摘発から逃れられるという実用的利点もあったと伝わっている。


★メアリー・ピックフォード(Mary Pickford) (1920~33年、考案者は不詳)
 ホワイト・ラム30ml、パイナップル・ジュース20ml、マラスキーノ10ml、グレナディン・シロップ1tsp、レモン・ジュース1tsp(シェイク)

 ※米国の禁酒法時代(1920~1933)に、キューバの首都ハバナを代表するバー「エル・フロリディーダ(El Floridita)」で誕生したと伝わる。サヴォイ・カクテルブック(1930年刊)にも紹介されている。パイナップルの風味が効き、マラスキーノ・リキュールがほのかに香る、爽やかな味わい。カクテル名は、サイレント(無声映画)時代のハリウッドの大女優の名にちなむ。
 ちなみに、ピックフォードは自ら映画製作に乗り出した最初の女優として知られ、1919年にはチャプリンらと共同で映画製作・配給会社「United Artists」を設立している。「エル・フロリディーダ」は、ハバナをたびたび訪れ、居宅も構えた文豪ヘミングウェイが、大好きなフローズン・ダイキリを味わうために通った店としても有名。


★ピスコ・サワー(Pisco Sour) (1920年代、考案者は不詳)
 ピスコ・ブランデー40ml、レモン・ジュース15ml、シュガー・シロップ10ml、アンゴスチュラ・ビターズ2dash、卵白(シェイク)

 ※爽やかな酸味と、卵白の柔らかな舌触りが絶妙に調和したカクテル。1920年代、ペルーの首都リマでバーを誕生したと伝わる。その後米国へ伝わり、50年代に入って、ハリウッドスターらに愛飲されて人気が高まった。ピスコ・ブランデーは、マスカット系ブドウが原料。カクテル名の「Pisco」は、古代インカの言葉の「鳥」に由来する。


★ブラッド&サンド(Blood & Sand) (1920年代、考案者は不詳)
 スコッチ・ウイスキー30ml、スイート・ベルモット10ml、チェリー・リキュール10ml、オレンジ・ジュース20ml、ビターズ(シェイク)

 ※1920年代に誕生。サイレント時代の名優、ルドルフ・ヴァレンチノ(Rudolph Valentino)が主演した映画「Blood And Sand(血と砂)」(1922年公開)にちなんで考案されたという。美女の心を掴(つか)むために闘牛士の主人公が猛牛に戦いを挑むが、敗れて倒れ、血が熱砂を染めたという映画のエピソードから生まれたカクテルと伝わっている。


★アペロール・スプリッツ(Aperol Spritz) (1920年代、考案者は不詳)
 アペロール60ml、スパークリング・ワイン60ml、オレンジ・スライス(ビルド)
(アペロール40ml、白ワイン60ml、ソーダ40mlというレシピも)。

 ※「アペロール」は1919年イタリア北部の町パドヴァで誕生したリキュール。「スプリッツ」は20年代には地元ですでに飲まれていたスタイル。戦後もそう注目されることもなかったが、2000年以降、欧米の大都市のバーでブレイクし、おしゃれで飲みやすいドリンクとして近年の人気カクテル・ランキングでは常に上位にランイクインしている。


サウスサイド(Southside) (1920年代、考案者は不詳)
 ジン40ml、ライムジュース15ml、シロップ15ml、フレッシュ・ミントの葉7枚(ビルド)

 ※1890年代、米国ロングアイランドの「Southside Sportman's Club」で誕生した「サウスサイド・フィズ」が、その後、禁酒法時代(1920~33)に、ニューヨーク・マンハッタンのもぐり酒場(Speakeasy)でソーダを抜いたショート・カクテルのスタイルに変化したものと伝わっている。


エンジェル・フェイス(Angel Face) (1920年代、考案者は不詳)
 ジン、カルバドス、アプリコット・リキュール各3分の1ずつ(ステアまたはシェイク)

 ※英国ロンドン発祥と伝わる。『サヴォイ・カクテルブック』の著者、ハリー・クラドックが考案したという説も伝わっているが、裏付ける資料は確認されていない。


プレジデンテ(Presidente) (1920年代、考案者は不詳)
 ラム40ml、スイート・ベルモット(またはドライ・ベルモット)10ml、コアントロー10ml、オレンジ・ビターズ2dash(ステアまたはシェイク)

 ※1920年代、ハバナのバーテンダーが、キューバの第3代大統領マリオ・メノカル(「第5代ヘラルド・マチャド大統領」という説も)のために考案したと伝わる(「El Presidente」という名で紹介されるケースも)。他にも、「ニューヨークのクラブ「エル・チーコ」に勤めるキューバ人バーテンダーが考案した」という説も。
 サヴォイ・カクテルブック(1930年刊)には「President」というよく似たカクテルが登場するが、こちらはベルモットは入らない別のカクテル。一方、ハリー・マッケルホーンのカクテルブック(1919年刊)に登場する「President」は、「El Presidente」に近いレシピであるなど、実に紛らわしいカクテルである。


★コープス・リバイバー#2(Corpse Reviver #2) (1920年代、考案者=ハリー・クラドック<Harry Craddock>)
 ドライ・ジン、トリプルセック、リレ・ブラン、レモンジュース各15ml、シロップ5ml、アブサン2dash(シェイク)

 ※サヴォイ・ホテルの3代目チーフ・バーテンダーで、『サヴォイ・カクテルブック』の著者、ハリー・クラドックが考案したと伝わる。
 同時代(1920年代)のカクテルに、J.W.ターリング(Tarling)による「コープス・リバイバー」が、また、少し後の1950年代に誕生したパトリック・ダフィ(Patrick Duffy)による「コープス・リバイバー#3」も伝わっているが、欧米ではクラドックの「#2」が一番よく知られている。他の2つのレシピは以下の通り。

 ・コープス・リバイバー=ブランデー30ml、カルバドス15ml、スイート・ベルモット15ml(シェイク)(※同名のカクテルでは「ブランデー、オレンジジュース、レモンジュース各20ml、グレナディン・シロップ2dash、シェイクしてシャンパンで満たす」というレシピも伝わっている)
 ・コープス・リバイバー#3=ペルノー45ml、レモンジュース15ml、氷を入れたタンブラーに入れ、スパークリングワインで満たす


モンキー・グランド(Monkey Gland) (1920年代、考案者=ハリー・マッケルホーン<Harry McElhone>)
 ジン40ml、オレンジジュース20ml、グレナディン・シロップ5ml、アブサン 2dash(シェイク)

 ※パリの「ハリーズ・ニューヨーク・バー」の創業者、ハリー・マッケルホーンが考案したと伝わる。カクテル名は直訳すると「猿の分泌腺」だが、1920年代、フランスの外科医セルジュ・ヴォロノフ(1866~1951)が「猿の睾丸を移植すれば長寿になる」ことを実証するため老人に移植手術したというエピソードに由来するという。


パラダイス(Paradise) (1920年代?、考案者=ハリー・クラドック<Harry Craddock>)
 ジン45ml、アプリコット・ブランデー23ml、オレンジジュース23ml、オレンジ・ビターズ(シェイク)

 ※サヴォイホテルの3代目チーフ・バーテンダーで、『サヴォイ・カクテルブック』の著者、ハリー・クラドックが考案したと伝わる。


★ブールヴァルディア(Boulevaldier) (1927年、考案者=ハリー・マッケルホーン<Harry McElhone>と伝わる)
 バーボン・ウイスキー40ml、カンパリ25ml、スイート・ベルモット25ml(シェイク)

 ※レシピを見て分かるように、ネグローニのジンをバーボンに代えたバージョン。「Boulevaldier」の文字通りの意味は「大通り」だが、転じて、「伊達男」「遊び人」「流行りの場所に出入りする人」の意がある。近年の欧米の人気カクテル・ランキングでは、常に20位以内に入るなど再び注目を集めるカクテル。
 ハリー・マッケルホーンは、パリの「ハリーズ・ニューヨーク・バー」創業者で、1919年には歴史的名著『ABC of Mixing Cocktails』を出版した名バーテンダー。ブールヴァルディアは、彼の2冊目の著書『Bar Flies & Cocktails』の「Cocktail Round Town」の項で初めて登場する。


ナイト・ライト(Night Light) (1920~30年代、考案者は不詳)
 ホワイト・ラム40ml、ゴールド・ラム15ml、コアントロー20ml、卵黄(シェイク)

 ※1920~30年代に誕生したと伝わる、食後向きのナイト・カクテル。ブザム・カレッサー(前出)と同様、卵黄を使うカクテルで、英国で1937年に出版された「カフェロイヤル・カクテルブック」でも紹介されている。基本はロック・スタイルだが、ショート・カクテルでつくってもとても美味しいドリンク(バーUKではベースのラムは2種をブレンドしています)。


ブランデー・ズーム(Brandy Zoom) (1930年代前半、考案者は不詳)
 ブランデー45ml、生クリーム30ml、ミルク20ml、ハチミツ10ml(シェイク)

 ※甘口でデザート感覚で楽しめるカクテル。1934年にパリで出版された「The Artistry of Mixing Drinks」(フランク・マイヤー著)で初めて紹介されたが、マイヤー自身のオリジナルかどうかは不明である。「ズーム(Zoom)」とはミツバチが飛ぶ羽音の擬音。転じてハチミツを使うカクテルは「Zoom Cocktail」と呼ばれるようになった。ベースにはラムやウイスキー、ジンも使われるが、ブランデー・ベースが一番人気である。


★サイレント・サード(Silent Third) (1930年代前半、考案者は不詳)
 スコッチ・ウイスキー35ml、コアントロー20ml、レモン・ジュース15ml(シェイク)

 ※有名なカクテル「サイドカー」のスコッチ・ウイスキー版。1930年代前半、コアントローの独占販売権を持っていた英国の実業家が考案したと伝わる。カクテル名は「物言わぬ第三者」との意ではなく、考案者の愛車のサード(トップ)・ギアがとても静かでスムースだったことに由来するとのこと。ベースに使用するスコッチ・ウイスキーは、アイラ島のスモーキーなシングルモルトを好む人も多い。


★ゾンビ(Zombie) (1934年、考案者=ドン・ビーチ<Don Beach>) 以下の2種類のレシピが伝わっている
A=ホワイト・ラム、ゴールド・ラム、ダーク・ラム各15ml、アプリコット・ブランデー、オレンジジュース、パイナップルジュース各10ml、レモンジュース、グレナディン・シロップ各5ml、アブサン少々、氷、オレンジ・スライス(シェイク)
B=ホワイト・ラム、ダーク・ラム各25ml、ライムジュース、パイナップルジュース各15ml、グレナディン・シロップ1tsp、氷、オレンジ・ピール(シェイク) ※Aの簡略版として考案されたものだろう

 ※ハリウッドにあるドン・ビーチのバー「ドン・ザ・ビーチコンバーズ(Don the Beachcomber's)」発祥と伝わる。映画「ティファニーで朝食を」でオードリー・ヘプバーンがパーティ・シーンで味わっていたのがこのカクテル。


★ヴュ・カレ(Vieux Carre) (1937年、考案者=ウォルター・バージェロン<Walter Bergeron>)
 ブランデー、ライ・ウイスキー、スイート・ベルモット各20ml、ベネディクティン1tsp、ビターズ3dash、レモン・ピール(ステアまたはシェイク)

 ※ニューオーリンズのモンテレオーネ(Monteleone)・ホテルのバー・カルーセル(Carousel)のバーテンダー、ウォルター・バージェロンが考案したと伝わる。「Vieux Carre」とは、観光名所「フレンチ・クォーター」地区の古名。上記26のブールヴァルディアと同様、近年再び人気が上昇している「クラシック」の一つ。


アルゴンキン(Algonquin) (1930年代、考案者は不詳)
 ライ・ウイスキー35ml、ドライ・ベルモット10ml、パイナップル・ジュース20ml(シェイク)、マラスキーノ・チェリー=飾り

 ※ニューヨーク・マンハッタンにある老舗ホテル「アルゴンキン・ホテル」のブルー・バー発祥と伝わる。


B & B (1930年代、考案者は不詳)
 ブランデー30ml、ベネディクティン30ml、氷、ロック・グラスで(ビルド)

 ※米国の禁酒法時代(1920~33)の1930年代、大都市にあった「もぐり酒場(Speakeasy)」で考案され、その後1937年、ニューヨークの有名な社交クラブ「21 Club」で提供されるようになって、幅広く普及したと伝わる。現代のバーでは人気カクテルという訳ではないが、今なお「スタンダード」としての地位を保っている。


★ヘミングウェイ・スペシャル(Hemingway Special) (1930年代、考案者は不詳)
 ホワイト・ラム40ml、マラスキーノ10ml、ライム・ジュース10ml、グレープフルーツ・ジュース40ml(シェイク)

 ※キューバ・ハバナの老舗バー「エル・フロリディータ(El Floridita)」のバーテンダーが、1930年代、常連客だった文豪ヘミングウェイのために考案したと伝わる。当初は、「パパ・ダイキリ(Daiquiri como Papa)」と呼ばれていたが、その後いくつか名が変わり、最終的に現在の名前になったとのこと。ヘミングウェイはこれを一日に12杯も飲んだという逸話も伝わっている。


エース・オブ・クラブス(Ace Of Clubs) (1930年代、考案者は不詳)
 ゴールド・ラム40ml、ホワイト・クレーム・ド・カカオ10ml、ライム・ジュース10ml、シュガー・シロップ1tsp(シェイク)

 ※1930年代にバミューダ諸島の発祥と伝わる。カクテル名の「Ace Of Clubs」とは、1930年代後半、ニューヨークにあったバーの名(元々の意味は「トランプのクラブのエース」)。考案者はここに勤めていた無名のバーテンダーだが、彼は禁酒法時代、キューバのバーで働き、禁酒法廃止後、再びニューヨークへ戻ってきた。その彼がキューバでの日々を思い出し、ダイキリのヴァリエーションとして考案したという。カカオ・リキュールが入るが意外ときりっとして旨い。


ミッショナリーズ・ダウンフォール(Missionary Downfall) (1930年代後半、考案者=ドン・ザ・ビーチコマー)
 ホワイト・ラム45ml、ピーチ・リキュール15ml、パイナップルジュース40m、カット・パイナップル2~3片(シェイカー内で潰す)、ハチミツ1.5tsp、生ミントの葉5~6枚

 「宣教師の転落、破滅」という妙な名前を持つ古典的カクテルだが、名前の由来は不詳。「ラム・カクテルの帝王」とも称されるアーネスト・レイモンド・ボーモン・ガント(Ernest Raymond Beaumont Gantt)、すなわち米国のドン・ザ・ビーチコウマー(Don the Beachcomber)が考案したと伝わる。1907年にテキサスに生まれたガントは、禁酒法時代に酒の密輸業者として財をなし、34年に自らのバーをハリウッドに開いた。37年には自らの名前を「ドン・ビーチ」と改名。その後、自らの名を冠したレストラン&バー・チェーンを全米へ次々と展開、100以上のラム・カクテルを生み出した。


サファリング・バスタード(Suffering Bastard) (1942年、考案者は、ジョー・セイアロム<Joe Seialom>)
 ブランデー30ml、ジン30ml、ライム・コーディアル20ml、ライムジュース10ml、ビターズ3dash、ジンジャー・ビア100ml、氷を入れた大ぶりのマグで提供する(ジンジャー・ビア以外をシェイク)

 ※セイアロム氏は、当時、エジプト・カイロのシェファーズ(Shepheard's )・ホテルのバーテンダー。


★エル・ディアブロ(El Diablo) (1940年代、考案者は不詳)
 テキーラ40ml、ライムジュース10ml、カシス・リキュール20ml、ジンジャー・エール(適量)、ライム・スライス(ビルド)

 ※米国カリフォルニア州オークランドのバーテンダーが考案したと伝わる。1946年に出版されたVictor Vergeronのカクテルブックには「Mexican El Diablo」として紹介されている。Vergeron自身のオリジナルではないかという人もいるが、裏付ける資料は確認されていない。1960年代後半からは、単に「El Diablo」として紹介されることが多くなり、現在ではこの名前で定着している。 【ご参考】過去のBlogでの関連ページ


ハリケーン(Hurricane) (1940年代、考案者は不詳)
 ホワイト・ラム15ml、ダーク・ラム15ml、レモンジュース10ml、パッションフルーツ・シロップ7.5ml、グレナディン・シロップ2tsp、オレンジジュース5ml、パイナップルジュース5ml(シェイク)、オレンジ・スライス&チェリー=飾り

 ※ニューオーリンズの「パット・オブライエンズ・バー(Pat O’Brien’s Bar)発祥と伝わる。


★パロマ(Paloma) (1950年代、考案者は不詳)
 テキーラ40ml、グレープフルーツジュース20ml、トニックウォーター30ml、グラスの縁を塩でスノースタイルに

 ※メキシコでの人気スタンダードカクテルの一つ。同国テキーラ村地区で誕生したと伝わる。


バラクーダ(Barracuda) (1950年代後半~60年代前半、考案者=ベニート・クッパリ<Benito Cuppari>)
 ラム(ハバナクラブ3年)45ml、ガリアーノ15ml、パイナップルジュース 45ml、ライムジュース7.5ml、シロップ少々。シェイクしてシャンパンで満たす

 ※地中海クルーズの客船上のバーで働くクッパリ氏が考案したと伝わる。同氏は1966年、このカクテルでコンペに出場し、何かの賞をもらったという。


イエロー・バード(Yellow Bird) (1960年代、考案者は不詳)
 ハバナクラブ3年20ml、バカルディ・ホワイト20ml、バナナ・リキュール15ml、ガリアーノ10ml、オレンジジュース45ml、パイナップルジュース25ml、レモンジュース5ml(シェイク)

 ※ハワイの「ハワイアン・ヴィレッジ」にあるシェル・バー(Shell Bar)で誕生したと伝わる。


ゴールデン・ドリーム(Golden Dream) (1960~70年代、考案者=レイモンド・アルヴェラス<Raimondo Alveraz>)
 トリプル・セック25ml、ガリアーノ25ml、オレンジジュース40ml、生クリーム25ml(シェイク)※4つの材料を等量にするレシピも

 ※マイアミの「オールドキング・バー(Old King Bar)」のアルヴェラス氏が考案したと伝わる。


★ペイン・キラー(Pain Killer) (1970年代初め、考案者=ダフィニー・ヘンダーソン<Daphne Henderson>)
 ダーク・ラム(パッサーズ・ネイビー・ラム)30ml、パイナップルジュース60ml、オレンジジュース15ml、ココナツミルク(またはココナツ・リキュール)15ml、クラッシュド・アイス、ナツメグ・パウダー=最後に振りかける(シェイク)

 ※「痛み止め」という変わった名前を持つカクテル。1990年代以降、世界中で注目を集めるようになってきたが、考案されたのは、1970年代初めで、発祥はカリブ海に浮かぶ英領ヴァージン諸島の一つ、ヨスト・ファン・ダイク(Jost Van Dyke)島と伝わる。パッサーズ・ラム社のHPによれば、ダイク島の「ソギ―ダラー・バー(Soggy Dollar Bar)」のオーナー・バーテンダーで、英国人女性のダフィニー・ヘンダーソンが考案したという。
 後日、「ペイン・キラーの美味しさ」の噂を聞いたパッサーズ・ラムのオーナー、チャールズ・トビアス(Charles Tobias)が、ヘンダーソンに「レシピを教えてほしい」と頼んだが断られた。しかし、トビアスは「調合されたサンプル」を入手し、2年がかりで味を再現して、世界中のバーに紹介していったという。
 「ペイン・キラー」の普及には、ドイツ・ミュンヘンにある「パッサーズ・ニューヨーク・バー」(1974年創業)が大きく貢献したことで知られており、現在でも同店の看板カクテルになっている。
【ご参考】過去のBlogでの関連ページ


フレンチ・コネクション(French Connection) (1971年、考案者は不詳)
 コニャック45ml、アマレット23ml(シェイクまたはビルド)※コニャックではなく普通のブランデーだと「Godchild」というカクテルになる。

 ※1971年、映画「フレンチ・コネクション」の公開を記念して考案されたと伝わる。初出文献は、1977年に出版された「Jones Complete Bar Guide」。


ジャングル・バード(Jungle Bird) (1973年、考案者=ジェフリー・オン<Jeffrey Ong>)
 ダーク・ラム45ml、カンパリ23ml、パイナップルジュース45ml、ライムジュース15ml、デメララ・シロップ15ml(シェイク)

 ※マレーシア・クアラルンプールのヒルトン・ホテル内「バー・アヴィアリー(Bar Aviary)」のバーテンダー、ジェフリー・オン氏が考案したと伝わる。


★アマレット・サワー(Amaretto Sour) (1974年、考案者は不詳)
 アマレット45ml、レモンジュース23ml、シロップ1tsp、卵白(シェイク)、飾り=レモン・ツイスト、マラスキーノチェリー、ロック・グラスで提供

 ※米国のアマレットの輸入業者が1974年に考案したと伝わる。本格的に普及したのは1980年代以降。近年の欧米の人気ランキングでは常に上位にランクされている。
 なお、2012年にオレゴン州のジェフリー・モーガンタラー(Jeffrey Morgenthaler)というバーテンダーが上記レシピにバーボンを加える別バージョンのアマレット・サワーを考案し発表。若い世代のバーテンダーに支持されたこともあって、現在ではオリジナル・レシピと同じくらい普及している。


レモン・ドロップ・マティーニ(Lemon Drop Martini) (1970年代、考案者=ノーマン・ジェイ・ホブディ<Norman Jay Hobday>?)
 シトロン・ウオッカ60ml、トリプル・セック7.5ml、レモンジュース20ml、シロップ15ml、グラスの縁を砂糖でスノースタイルに(シェイク)

 ※サンフランシスコ発祥と伝わる。考案者ではないかと伝わるホブディ氏については詳細は不明。


フェルナンディート(Fernandito) (1970年代、考案者は不詳)
 フェルネット・ブランカ(リキュール)50ml、氷を入れたグラスに入れ、コーラで満たす(ビルド)

 ※アルゼンチン・ブエノスアイレス発祥。考案者はブエノスアイレスのバーテンダー、Oscar Becerraとも伝わるが、裏付ける資料は確認されていない。


★ブランブル(Bramble) (1980年代半ば、考案者=ディック・ブラッドセルラス<Dick Bradsell>)
 ジン40ml、レモンジュース15ml、シロップ10ml、ブラックベリー・リキュール(クレーム・ド・ミュール)10ml。シェイクして、クラッシュド・アイスを入れたロック・グラスに。レモン・スライス&ブラックベリーの実=飾り。

 ※ロンドンの「フレッド・クラブ(The Fred's Club)」のバーテンダー、ディック・ブラッドセル氏(1959~2016)が、故郷・ワイト島の香ばしいブラックベリー畑にインスピレーションを得て考案したと伝わる。今日でもなお数多くのカクテルブックで取り上げられる「モダン・クラシック」の一つ。ブラッドセル氏は80~90年代に数多くの素晴らしい「モダン・クラシック」を創り出したことで知られる。


 <下>へ続く。






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うらんかんろ

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Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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