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October 28, 2016
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カテゴリ: 教授の読書日記
 自分の原稿書きと身内の不幸が重なって今年の8月9月はめちゃくちゃな忙しさだったのですが、10月に入ってようやく少しのんびりできるようになりました。

 ということで、今日は、溜まりに溜まっていた学会関連の仕事に取り組んでおりました。

 で、その学会の仕事というのは、学会員から送られてくる著書のデータをきちんと記録し、礼状を書き、学会のHPに紹介文をアップする、というもの。別に大したことはないのですけれども、かなりの冊数を溜めてしまっていたこともあって、全部やるのに半日がかりよ。

 だけど、今日処理した本の大半が共著もの。そして何冊かは翻訳。単著の研究書はゼロ。これが私には理解できない。

 なんでみんな、単著書かないのかな。これが自分の本だ、これが自分の研究だってことを公けにして、それで毀誉褒貶をまともに喰らってナンボなんじゃないの、研究なんて。

 共著だと、責任が分散するせいか、難しいことを平気で難しく書く人が多いんだよね。

 だけど、単著で出そうと思ったら、やっぱり「売れる/売れない」というのが直接自分の責任になってくるじゃん? そうなると、やっぱり売れる本にしなくちゃ、という気になる。

 売れる本にするには、難しいことを難しいまま書いたってダメなのよ。誰が読んでも「なるほど!」と思ってくれるように、噛み砕いた書き方にしないと。

 自分ではわかっているつもりの生硬な思考を、誰が読んでも分かるような形に書き直す。これが、モノを書くってことなんじゃないのかしら? 


 そこへ行くと、今、『新潮45』で平山周平さんが連載している江藤淳論、これはいいよ。

 とにかく読んでいて面白いもんね。で、面白いのだけど、それでいて江藤淳の形成過程にギリギリと迫っている。そして、そのための調査・下調べがものすごい。

 今、丁度、江藤淳が評論家としてのデビュー作となる夏目漱石論を書き出すあたりの事情が書かれているんですけど、その産婆役として山川方夫の存在が大きかったということ、そして山川方夫の方も江藤淳の存在によって小説家として成長していくという、その双方向の影響関係に迫っていてすごくスリリング。

 アメリカ文学の畑でも、こういう感じの単著の研究書が出てこないかなあ・・・。

 あ、私が書けばいいのか。





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Last updated  October 29, 2016 12:13:27 AM
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Comments

釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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