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August 20, 2021
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カテゴリ: 教授の読書日記
J・L・ホイットン/J・フィッシャー著『輪廻転生 驚くべき現代の神話』(原題:Life Between Life: Scientific Exploration into the Void Separating One Incarnation from the Next, 1986)という本を読了しましたので、心覚えをつけておきましょう。なお、ホイットンの方が医者で、フィッシャーはライターね。医者とライターによる共著――というか、ホイットンと患者とのセッションを、フィッシャーが文章化した、ということでしょう。

 さて、この本はですね、まあ、一言で言えば「前世療法」の実践記録、と言うことになるのだと思います。では前世療法とは何か。

 例えば、我々はフロイトの理論については、何となく知っているわけですよね。大雑把なことを言うならば、神経症を病んでいる人が居たとして、その人に退行催眠をかけてみたら、幼少期にトラウマがあることが分かったりする。そのトラウマが今、その人を苦しめている様々な症状の原因だったんですな。で、本人はそのトラウマを無意識の中に押しこめているものだから気づいていないのだけど、それを「実はそうなんだよ」と教えてあげると、その人を苦しめていた症状も解消される。これが精神分析による治療なわけですよ。

 はい。このフロイトの治療の有効性を認めるとしましょう。だったら、前世療法まではあと一息よ。

 つまりね、退行催眠をさらに推し進めていくと、前世の記憶、それも何回・何十回と生まれ変わってきた沢山の前世の記憶が出てくる。しかもね、どうやら今生と前世の間(あるいは前世と前前世の間、でもいいんだけど)には「中間生」――すなわち『チベットの死者の書』でいう「バルドゥ」、仏教でいう「中宥」――の状態というのがあるらしく、その中間生での記憶も出てくるらしいのね。

 つまり人間ってのは、そうやって何度も何度も生まれ変わっていると。で、一つの人生が終わると、次の人生に生まれ変わる前に中間地点、すなわち「中間生」に戻って行く。だから、ある意味、この中間生こそが、人間にとって帰り着くべき家というか、ホームであると。で、この中間生に居る時に、前世での経験を踏まえ、次はどんな風に生まれ変わるか、ガイド(三人居るらしいです)の助けを借りながら、自分自身で決めるらしいんですな。

 で、どんな風に生まれ変わるかは、「カルマ」にどうケリをつけるかによると。カルマというのは、宿題みたいなものなんですな。ある人生でやり残した宿題、と言うか。だから一つの人生をどう生きたかによってカルマが生じ、その宿題を片付けるために次の人生を選ぶことになる。例えばの話、ある人生で誰かを傷つけてしまったとしたら、生まれ変わった人生では、今度は自分がいじめられる側に回って、人から傷つけられるっていうのがどういうことなのか学ぶことになる、とか。あるいは「怒り」のカルマを背負った人は、次の人生でその怒りを抑えることによって見事宿題を果たし、そのカルマから脱出することができる、とか。

 つまり、今、自分が生きている人生で辛い目に遭って苦しんでいるとしても、退行催眠で自分の前世を振り返ってみれば、その辛い経験自体、中間生において自分が自分自身に課した今生の宿題であることが分かるわけね。で、全ては自分が自分に課した宿題であると分かれば、納得できるし、それに対してどういう風に対処すればそのカルマから卒業できるかも分かるので、悩み自体は解消し、苦しみからは脱出できる。

 でまた「それが人間が生きる仕組みだ」と分かれば、少なくとも人生に「不公平」というものは存在しなくなります。だって、この世界では、それぞれの人が、それぞれの立場で自分の宿題を果たしているだけなんだから。ある人が金持ちで、ある人が貧乏人だったとしても、それは不公平ではない。金持ちの人は、その人生で金持ちである経験をすることで、何らかの宿題を果たしているのだろうし、貧乏の人もまた、その人生で貧乏人の経験をすることを自分の宿題として自ら選んだだけなのだから。



 とまあ、これが前世療法の仕組みです。退行催眠にかかる人とかからない人がいるので、かからない人には治療自体が成立しませんが、かかる人には著しい医学的効果がある(つまり苦しみが治ってしまう)ことは確か。

 治療法として絶大な効果があるということは・・・つまり・・・前世は確かにあるし、中間生も現実に存在する、ということ、なのかな? 

 退行催眠によって、被験者は前世で使っていた言葉をしゃべったり書いたりことがあるそうで、それをノーベル賞受賞者であるフランスの生理学者シャルル・リシェの命名によって異言(ゼノグロッシー(しゃべり言葉)/ゼノグラフィー(書き言葉))」と言うそうですが、ホイットン博士の患者にも、古代ヴァイキングの言葉をしゃべった人がいるそうですから、ますます、前世の存在は証明された、と言っていい・・・のかもしれません。 

 ちなみに、退行催眠によって明らかにされる中間生の在り様は、臨死体験者が報告するものとほとんど同じで、とっても明るくて居心地のいいところらしいです。その意味では、退行催眠と臨死体験の双方によって、「人間、死んだらどうなる?」ということは証明されちゃうわけですな。まあ、それを証明とするかどうかは人によるとは思いますが。しかし、興味深い一致であるということは確実に言えるでありましょう。

 で?

 まあ、この本はそういうものであるとして、ここから先どう考えればいいのか。そこが難しいところですよね。

 前世の記憶を辿り、中間生で自分が自身のカルマを果たすためにどういう今生を計画したかを知ると、今生でのQOLがアップする、つまり自己啓発として効果がある、というのは分かった。だから? だから前世はある、中間生はある、この人生はすべてカルマを果たすためにあらかじめ自分が計画した通りである、ということを事実として認めるべきなの? それとも「有効な仮説」としておけばいいの? 

 どうなんだろうね。わからんけどね。

 でも、まあ、個人的には「そうであって欲しい」とは思いますね。そして、自分の前世を知りたいし、自分が直近の中間生の時に何を計画したのかも知りたい。それで、今生の謎が解けるのであれば。

 というわけで、なかなか面白く、説得力のある――説得力というのは、前世や中間生があることを説得する、という意味ではなく、そういう仮定の上に立つと色々なことの説明がつき、かつ、自己啓発思想の一つの在り方として効果的である、という意味ですが――本ではありました。



 以下、本書で学んだこまごまとした事実関係について、向後のために忘備録をつけておきます。



〇ルドルフ・シュタイナーは透視能力を持っていて、その透視によって中間生について言及しているが、彼は「死と再生のあいだの生は、この世の生活の続きである」と述べている。シュタイナーにとって死は単に復活して元気を取り戻すための手段でしかなかった(28)。

〇1960年代、魂の旅ともいうべきヒッピー・カルチャーは、肉体を超越する体験、すなわち中間生の状態を一心に求めたことの顕れと考えられ、近年のバルドゥの謎に迫ろうとする疑似科学的な試みも、ヒッピー・カルチャーに接続されるものであると考えられる(29)。

〇本書の著者の一人であるホイットン博士は、各人の転生の経歴を辿っていくと、一見それぞれの人生がまったく脈絡がないように見えても、実はちゃんとした理由や意味があってのことであって、ある人生での行動や態度が、現在あるいは将来の人生での環境や挑戦目標を決定することを発見した。古い経典でいう「悟り」とは、転生を重ねて遅々とした浄化の旅をつづけた後にのみ手にすることが出来る宝であるということを見出した(33-34)。

〇ホイットン博士が上のような認識をし始めたのは1973年の秋ごろで、この頃、退行催眠が盛んになり始めた。

〇そもそも退行催眠が話題になったのは、1950年代半ばのこと。コロラド州の主婦ヴァージニア・タイが、トランス状態で19世紀のアイルランドの娘ブライディ・マーフィーの生涯を語ったことに端を発する。それが有名になって以来、続々と前世再訪の報告が出始め、これに伴って先駆的な臨床心理学者や精神科医が前世療法を行い始めた(34)。イアン・スティーヴンソン博士が子供の前世記憶を実際に確認する、という内容の『前世を記憶する子供たち』を出したのもこの頃(34)。



〇ホイットン博士は、偶然から「中間生」の存在に気づき、それが臨死体験で語られる「あの世」の在り様と似ていることに気が付いた(39)。また博士は『チベットの死者の書』を繙き、自分が知った中間生と、同書にある「バルドゥ」が似ていることにも気づいた(40)。

〇ホイットン博士が中間生の研究に着手したのは、1975年に出たレイモンド・ムーディの『かいまみた死後の世界』の影響でもある(41)。これを読んで博士は、ポーラが空中に浮かんでいた記憶を再検討すべきであると考えた。

〇ラルフ・ワルド―・トラインは1897年の著書『無限なる者の声をきく』の中で「すべてのものは、眼に見える世界に出現するまえに、まず見えざる世界のなかで作り上げられている。現実の世界にあらわれるまえにイデア界のうちに作られ、物質のうちにあらわれるまえに精神のうちに作られる。見えざる領域とは原因界であり、見えるものの領域とは結果の領域だ。結果がどんなものになるかは、つねにその原因がどのようなものだったかによって決定され支配されている」と述べ、この世で起こることの多くは既に中間生において下稽古が済んでいることを語っていた(72)。(ここにおいて、前世療法は、原因と結果の法則に接続する。)

〇中間生で下絵を描き、それを実人生で絵にするわけだが、中には下絵を無視して、カルマの台本通りに人生を生きない人もいる(そういう自由はある)。ただしそういう人は、いわば計画を逸脱した人であって、その人生は何事も意のままにはならない。台本を無視し、常にその場その場で即興芝居をしているようなもので、運命に翻弄されているように感じることになる(73)。

〇中間生にいる間に次の人生の計画を練るわけだが、その際、三人のガイド(裁判官)がアドバイスをしてくれる。彼らのアドバイスを無視することもできるし、都合の悪いアドバイスだけを無視することも自由。ただ、その場合は宿命に弄ばれるだけの人生になり、結果的には悔やむことになる(74)。

〇前の人生から次の人生までの中間生の期間は、最短で10カ月、長いと800年以上。平均的には40年ほど。ただし、近年ではその期間は短くなっている。昔は地球上・歴史上の変革がそれほどなかったのでのんびりしていたが、最近はそうした変革がせわしないので、それに伴って生まれ変わりまでの期間も短くなったらしい。近年、世界的な人口増加が激しいが、それも生まれ変わりまでの期間の短縮から説明が出来る。ホイットン博士の患者の中には、第二次世界大戦で死んで、ベビーブーマー世代として新たな生を得た人も居たという(75-6)。

〇中間生を訪れる機会を得た人たちが受ける共通のメッセージとは、「自分がどのような人間でどのような環境にいるかは、すべて自分の責任である。自分自身がそれを選んだ張本人なのだ」というもの(81)。

〇ヘンリー・デビッド・ソローは輪廻転生を「人間の天性」と表現した(84)。

〇1982年のギャラップ調査によると、アメリカ人の23%は生まれ変わりを信じている。1979年のロンドンのサンデー・テレグラフ紙の調査では、イギリス国民の28%が生まれ変わりを信じている。なおこの数字は10年間で10%の伸びを示している(84)。

〇プラトンは「想起説」において、「簡単に習得された知識は、すでにその知識を永遠の自己が前世で持っていたからで、そのため思い出すのも簡単なのだ」と述べている(87)。

〇19世紀後半に登場した神智学協会では、東洋の知識を導入して西洋人を教化しようとしたが、その後カール・マルクス、フロイト、バートランド・ラッセルなど霊的世界の存在を否定する思想家の台頭によって壊滅。神智学は、発展を続ける科学技術の圧力で下火に。1890年代、フランスのアルベール・ド・ロシャ大佐がメスメルの手法を真似、被験者を過去生へと退行させることに成功するも、トランス状態での証言に意味があるのかという反論を受け、やがて過去生の記憶は精神錯乱の結果であるとされてしまった(90-1)。

〇ド・ロシャ以降、退行催眠が一般に注目されるようになったのは、1954年、アマチュアの催眠家もレイ・バーンスタインによる、ブライディ・マーフィの件以来のこと。彼女が克明に語った19世紀のアイルランド人女性、ブライディの人生は大いに話題になり、前世の格好に身をやつす仮装パーティの流行などを引き起こす(91)。

〇一方、アメリカでは1920年代半ば、エドガー・ケイシーの登場によって輪廻転生の考え方はある程度支持を集めるように。ケイシーは長老派プロテスタントで、当初生まれ変わりを否定していたが、1923年8月10日に自己催眠のトランスから目覚めた時に輪廻転生を自らの口で明言。やがて輪廻転生はキリストの教えに反するものではないと理解するようになり、その考え方を受け容れた。以後21年間、2500件以上のライフ・リーディングを行い、多くの人の過去生を透視し続け、現在かかっている病気や弱点の原因は、過去に行った行為(行わなかった行為)に起因することを明らかにした。ある人がケイシーに「自分の遺伝形質は父方によるものか、母方によるものか」と訊ねられ、「自分自身から受け継ぐものがほとんどで、家族からではない! 家族は魂が流れる川にすぎない」と語気強く答えたという(92)。

〇先に挙げたド・ロシャ大佐の後継者としては、スウェーデンのヨーン・ビョルクヘムと、イギリス人のアレグザンダー・キャノンの二人。キャノンは1382人もの被験者の証言を得たが、その結果、ようやく輪廻の存在を認めた(=認めざるをえなかった)という(93)。キャノン曰く、前世の精神的外傷体験までさかのぼる輪廻の考え方の方が、フロイトの業績よりよほど進んでいると述べている(93-4)。

〇カリフォルニア州の臨床心理学者ヘレン・ウォムバック博士によると、紀元前二千年前までさかのぼって退行した時の性別を記録したところ、男性50.6%、女性49.4%で現在のそれと変わらず、被験者はすべて白人の中流アメリカ人であったのに、過去生における人種・性別とも、その時代の人種や性別の比率を正確に反映していた。ウォムバック博士は、そうした統計学的な事実を見て、輪廻の過程を信じるようになったという。彼女曰く、「道路わきのテントにいるあなたに、通りがかりの人千人がペンシルヴァニア州の端を渡った話をしたなら、あなたはペンシルヴァニア州に橋があると納得するでしょう」(94-5)

〇ホイットン博士によると、才能が人生から人生に引き継がれるという。今生での非凡な才能は、もとをたどればこれまでの天性で努力と専念を積み重ねてきた結果である。偉大な政治家・音楽家・哲学者などは、過去生で徐々にその能力を培い身につけていった(110)。

〇英国では1955年、アメリカでは1958年に、催眠を医療に使用することが医学界で正式に認められるようになり、またそうした治療の過程で、偶然被験者が前世に戻り、思わぬ身心の治療効果が上がるなどのケースが生じたことに着目した心理療法家の間で、この事実が広まっていった。1980年にはARPTという前世療法の研究協会が設立され、機関誌も発行されている(238)。


 こんなところかな。

ま、とにかく、一読に値する本ではありましたね・・・。


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Last updated  August 20, 2021 11:04:39 PM
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釈迦楽@ Re[1]:東陽一、長谷川和彦、そして田山力哉(02/03) 津田正さんへ  ええ゛ーーーー。そうだ…
津田正@ Re:東陽一、長谷川和彦、そして田山力哉(02/03) 田山力哉さんですが、私もその時代に授業…
釈迦楽@ Re:明けましておめでとうございます。(01/01) ゆりんいたりあさんへ  やあ、先日は楽…
ゆりんいたりあ @ 明けましておめでとうございます。 釈迦楽さん、いつも楽しいブログ記事あり…

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