「源義経黄金伝説」 飛鳥京香・山田企画事務所           (山田企画事務所)

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義経黄金伝説 イメージイラストラフ 本田トヨタ作

『YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようと』 山田企画事務所・YG源義経黄金伝説■ ●源義経黄金伝説全編にリンクシテマス。

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義経黄金伝説ーー作者独白ーー


海からの歴史●発行者独白●


プロローグ■西行、崇徳上皇の霊に会う!


プロローグ02■3つの都市と3人の騎士 


第1回■静、頼朝の前で舞う!


第2回■静、鎌倉戦場で勝つ!


第3回■静を取り巻く鎌倉の暗闘!


第4回■後白河法皇の跳梁と深謀は?


第5回■黒田の悪党がたくらむ!


第6回■西行、重源に頼まれる!


第7回■頼朝、西行を驚かす!


第8回■西行、文覚と争う!


第9回■西行、東大寺闇法師重蔵と出会う!


第10回■大江広元、磯禅師とたくらむ!


第11回■義経、奥州平泉にて安堵する!


第12回■磯禅師、過去を思いいやる


第13回■吉次、昔を思いやる!


義経黄金伝説■第14回


「義経黄金伝説」 第15回


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「染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説」第1回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

 僕達2人は、乗りごこちの悪いローカル線に乗っている。

列車は。僕の故郷に向かっていた。

故郷といってもあまり記憶はない。親戚もいない。

僕は都会の中で一人、孤独で何年も住んでいた。

あるきっかけで故郷へ帰ろうと思った。

 奈良県、和歌山県、三重県の3県の県境にあるふるさと。

ふるさとといっても本当に伺のとりえもない山間の小さな村だ。

それこそ、一日に三本あるかないかの鉄道、駅からパスに、パスの終点から山道、そま道を歩み、やっと、その土地、 頭屋村 とうやむら へたどりつくことができる。        

 帰ったところで、誰も僕を喜んでむかえてくれるわけではない。

 僕、 日待明 ひまちめい は頭屋封へ、何年もの町中の生活で得た悲しみ、体の中にたまりすぎた汚れを、洗いおとすために帰る。

苦しみは僕の体をむしばんでいるのだ。

なみだ岩に、行き着き、そこで涙を流すことで、僕は幸せになれるだろう。いや少なくとも、過去の傷を、いくぱくかいやすことができるだろう、と僕は考えていた。

僕の生まれた頭屋村は、「神立山」と呼ばれる深山の中にある。

奥深い、あまり人も、森林伐採でしか入れない「神立山」の森の中に「なみだ岩」と呼ばれる岩がある。

「なみだ岩」のまわりは、不思議と草が刈りとられたような芝の多い草原になっている。

その草原を深い森がかこんでいる。

「なみだ岩」はわかりにくい場所にあり、頭屋村出身でない者はたどりつくことができがタイ。

涙岩は高さおよそ15mくらい。頂上はとんがっていて、底に向かって広がっている。

土の中に岩の半分ほどが、うまっている感じだ。

全体は緑がかった乳白色で、表面は人が毎日みがいていると錯覚するほど光り輝いている。

遠くから見ると、涙のしずくが空からかちてきて、地球につきささったようなのだ。

、、、と詳しく知っているようだが、僕は父が亡くなったあと、すぐ頭屋村を出て、遠い親戚をたより、東京にでていった。

5才の頃の話だったから、なみだ岩についてくわしく覚えているわけではないのだ。

この「なみだ岩」にのぼり、その上で涙を流し、「なみだ岩」に、涙がしみこんでいくなら、その人は幸せになるという伝説がある。

この「なみだ岩」伝説を知ったのは、ふとしたきっかけだった。

親戚から東京に送られてき、父の形見を整理していた時、父の日記を見つける。

古ぼけたページを,めくっているうちに、こんな記述にであったのだ。

「涙岩は 何百年かに一度、必ず崩壊する。

そして、その跡には、指でつまめるほどの小さなかけらが残る。人はこれを原石

と呼ぶがたま、そのあとに残ることがある。

なみだ石のほとんどは夜空に舞いあがってい

く。そしてなみだ岩はきれいになくなっていて、あとには大き々穴があいている。まわりの草原も焼けただれている。

この話は、先祖代々に渡り、頭屋村に住んでいる者のみに語りつがれている。」

と、、、

 僕は子供の頃見たことのある「なみだ岩」を、もう一度、はっきりとこの眼にしたい。

涙を流したいと思う。あれほど美しい原岩がこわれぱ、どれほどの「なみだ石」ができるのだろう。涙岩の美しくくずれる瞬間、それをながめたい。

 さいわい、「なみだ岩」についてはあまり知られていない。

もし旅行維誌がとりあげれば、一たちまち大勢の人でうめられてしまうだろう。

 しかし、神立山は観光ルートからはなれた辺境で、訪れる人はほどんどない。

「なみだ岩」は、ごくわずかの人しか知られていない。

たとえ、「なみだ岩」のことを土地以外の人が知っでも、「なみだ岩」で悲しみ

をとりのぞいてもらい、本当に幸福になりたいと思う人にしか「なみだ岩」の場所を教えてはならないのだ。

僕の行動は、あらゆることを投げすて、その「涙岩」に行きつけたい。

と思った時から始まっていた。

(続く)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所






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最終更新日  2018.07.15 11:20:45


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