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2024.12.29
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カテゴリ: 現場日記

​​​(社内誌投稿分)​
​​​‘80年代の記憶 ⑷ 完 ​ ​​


​​
​ ​ ​ 北の演歌と、新聞づくり ​ ​​ ​  ​風雪​

​​​​ ⼊社以来、先輩記者が飲むと、よく聞かされた歌がある。若⼿歌⼿の流⾏歌もあったが、⽿に残る のは盛り場でよく聞こえてくるような演歌だ。 ​​

思い浮かぶのは、北⽅の地を三味線で流し歩く歌詞の「⾵雪ながれ旅」。 1980 年代から宴会など でよく歌われた。古くて暗い感じもしたが、「破れひとえ…雪が降る」など強烈で味のある⾔葉の力に、少しずつ 惹かれるようにもなった。 ​

北国の情念がこもる「北の螢」は、少し後の歌だった。馴染の店で、かつての任地をしのぶように 歌う上司をよく⾒かけた。総じては「北の演歌」か。東北などに赴任した記者が歌うと、持ち歌のよ うに聞こえた。 ​

こうした歌は、なんでも東京中⼼に考えがちな⽇本⼈の、表⾯的な「北」志向 = ⾮⽇常願望の産物 にも思える。だが背景には、地域独⾃の⾵⼟や⽂化の⼒を感じるのも確かだ。 ​

​ 振り返ると、当時の紙⾯制作はこうした事情に適した体制だったのではないか。東京の印刷所か らの距離に応じた新聞づくりだ。 時間の制約で、当時は最も遠い北東北に 10~12 版が届けられた。最終版とは別の新聞のようだっ たが、編集次第で現地の地域性も反映する新聞となり、しばしば地元紙を圧倒した。 ​

​ しかしその後、速報性向上を名⽬に仙台、弘前などで現地印刷が拡充。その結果、最終版に近い 13 版地域が拡⼤し管内の北限 ( ⻘森 ) から南限 ( 静岡 ) まで、ほぼ同⼀の新聞と化した。
​
地域性重視の紙⾯が展開される余地は狭まり、それが取材網の効率化 = 縮⼩にもつながったよう に思える。紙⾯づくりの枠組みが画⼀化される⼀⽅で、肝⼼の速報性はネット社会の中で、今は埋没 が懸念される状況だ。 ​

「新聞社とは印刷所だ」と⾔えば時代錯誤とされそうだが、ハードの物理的な制約から⽣じる多様 性もまた、貴重な資源だったのではないか。少なくとも効率化やネットの向こうに期待できるもの ではなさそうだ。 ​

​ それが犠牲になる新聞は、未来への⼒が削ぎ落とされるのが⾃然の流れではないか。そう思うの
は、遅れた⼈間の単なる感傷〜郷愁か。 ​​

​ 
​​ 4️⃣ ​→​ 1️⃣ ​​ 2️⃣ ​​ 3️⃣ ​​

​

止め

​​






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最終更新日  2025.01.05 21:47:59
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