全23件 (23件中 1-23件目)
1
題名「間違えて、謝って、また笑う。」――道の駅常総で学んだ伎芸の一日とは??9月27日、日曜日。道の駅常総にて、コロッケのキッチンカーを出店しました。午前中の打ち合わせを終え、私は午後1時頃から5時30分頃まで、キッチンカーの前に立ち、伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道の実践です。この日は、本当にたくさんのお客様でした。サッカー、バレーボール、剣道、柔道などのスポーツチーム。マイクロバスでやって来る中学生、高校生。そして、ママさんたちのハワイアンダンスチームまで。気がつけば、ほぼずっと行列でした、コロッケを売るだけではありません。学生さんたちを見つけると、「お父さん、お母さんの手伝いをするんだぞ」「じいちゃん、ばあちゃんを大切にな」そんな話までしてしまいます。これも私なりの「しゃべるコロッケ」です。ところが、この日は大失敗もありました。50歳代前半くらいのご夫婦と、一緒にいた女性のお客様。私はてっきり親子だと思い、その女性を18歳、19歳くらいのお嬢様だと思い込んでしまいました。そこで調子に乗って、「筑波大学を目指してください。下宿先は我が家の2階でどうですか? ご飯食べ放題、スイカも食べ放題ですよ!」さらに、「大学生活を楽しんでくださいね!」すると、お嬢様だと思っていた女性が、クスクス笑いながら一言。「おじさん、私、だいたいダブルです」「ダブル?」「私、39歳です」うひゃー!やってしまいました。「申し訳ございません!」何度も何度も謝りました。コロッケをご購入いただいたあとも途中までお見送りし、また陳謝。別のお客様でも、大学生くらいの男性だと思って話していたら、なんとご主人様だったことも。人を見た目だけで決めてはいけません。伎芸型おもてなし商売道では「先入観を持たず、お客様を見る」と言っている本人が、見事に先入観にやられました。大反省です。しかし、失敗したからこそ学べることがあります。夕方になると、中学校、高校のスポーツクラブの学生さんたちが、監督さん、コーチさん、親御さんと一緒にやって来ました。私は学生さんたちに、トイレ掃除やお風呂掃除の大切さ、そして地域のために動くことの意味を話しました。すると、監督さんやコーチさん、親御さんから拍手が。「ありがとうございます」そんな言葉までいただきました。クタクタになった一日でした。でも、考えてみれば商いとは、こういうものなのかもしれません。売る人と買う人だけの関係ではない。笑って、間違えて、謝って、また笑う。そして時には、人生の先輩として若い人たちに一言伝える。完璧なおもてなしより、人間くさいおもてなし。今日の私は失敗だらけでした。でも、その失敗をごまかさず、きちんと謝ることも「伎芸」の鍛錬だと思います。コロッケを何個売ったかも大切です。しかし、それ以上に、今日、何人の人と笑い、何人の人と心が触れ合ったのか。そこに、私が続けている伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道の面白さがあります。今日も道の駅常総には、たくさんの「快輪(かいわ)」が生まれました。そして私はまた一つ、お客様から商いを教えていただきました。失敗もまた、立派な教材です。顔晴れ、67歳目前。まだまだ修行中です。
2026.09.27
コメント(0)
題名茨城弁と名古屋弁――私が持っている「見えない名札」とは??私は、二つの方言を話します。生まれ育った愛知県の「名古屋弁」。18年間名古屋市内で育ちました。そして、40年の長年暮らし、商いを続けてきた茨城県の「茨城弁」。自分では、ごく自然に使い分けています。だから私は時々、笑いながらこう言います。「私はバイリンガルなんです」もちろん、英語と日本語ではありません。名古屋弁と茨城弁のバイリンガルです。ところが、道の駅常総でキッチンカーに立ち、多くのお客様とお話しするようになって、あることに気づきました。方言や訛りは、立派な「事業資源」になる。ということです。方言には、その土地で暮らしてきた人の歴史があります。名古屋弁を聞けば、愛知県のお客様との距離が一気に縮まります。「三河地区?尾張地区?のどちらですか?」そこから懐かしい話が始まります。一方、茨城県のお客様と話していると、いつの間にか私の言葉も茨城弁に寄っていきます。方言とは、胸につける名札ではありません。「私はあなたの土地を知っていますよ」「あなたの言葉が分かりますよ」と伝える「見えない名札」なのかもしれません。ただし、一つだけ困ったことがあります。道の駅常総やつくばわんわん🐶ランドで、愛知県から来られたお客様と茨城県のお客様から、同時に話しかけられた時です。頭の中で、「名古屋弁にするのか? 茨城弁にするのか?」チューニングが合わなくなります。ラジオの周波数が二つ同時に入ってきたような状態です。すると不思議なことに、どちらの方言も出てこない。一瞬、言葉が止まってしまうのです。そんな時は、どうぞお許しください。(笑)しかし、これも私にとっては大切な「伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道」の鍛錬です。上手に話すことより、相手に合わせて心の周波数を合わせること。方言も、訛りも、笑いも、商売の道具ではなく、人と人をつなぐための財産です。茨城弁と名古屋弁。私はこれからも、この二つの「見えない名札」を胸につけて、キッチンカーの前に立っています。そして、お客様との「快輪(かいわ)」を楽しみながら、これからも私なりのバイリンガルに磨きをかけていきたいと思います。いかがでしょうか?参考になれば幸いです。羽富 都史彰
2026.09.27
コメント(0)
題名「小さなボランティアから始まった、私のローカル型CSV経営」とは??もう10年以上前になります。私は、マイケル・ポーター博士とマーク・クラマー氏が提唱した「CSV(Creating Shared Value=共通価値の創造)」という考え方に出会いました。CSVとは、単なる寄付や社会貢献ではなく、地域や社会の課題を解決することと、企業が経済的な価値を生み出すことを両立させるという考え方です。2011年に発表されたこの考え方を、私は何度も、何度も読み返しました。 なぜ、これほど心を動かされたのか。それは、「商売」と「社会貢献」を別々に考えなくてもいい、と気づかされたからです。大企業には大企業のCSVがあります。しかし、私たちのような地域に根を張る小さな会社には、小さな会社だからこそできるCSVがあるのではないか。そこで私は、自分なりに地域密着型へアレンジして、「ローカル型CSV経営」として考え始めました。そして、その考えを経営計画に落とし込み、茨城県の経営革新計画の認証へとつなげていきました。ただ、私が大切にしたかったのは、難しい経営理論ではありません。地域の清掃をする。困っている人がいたら声をかける。地域行事に参加する。災害があれば、自分にできるボランティアをする。一つひとつは、本当に小さな活動です。しかし、その小さな活動を続けていると、不思議なことが起こります。「羽富さん、ありがとう」「また会いに来たよ」そんな言葉が少しずつ増えていくのです。そこで私は気づきました。地域貢献の先に商売があるのではない。人との信頼関係の中に、自然と商いが生まれてくるのだと。そして、この考え方は現在、私が実践している「伎芸(ぎげい)型おもてなし商売道」へとつながっています。商品を売る前に、人と向き合う。「いらっしゃいませ」から始めるのではなく、「ありがとうございます」から始める。売上だけを追いかけるのではなく、一人のお客様との「快輪(かいわ)」を大切にする。振り返れば、ポーター博士のCSVに感動したことが、一つの種だったのかもしれません。その種を茨城県という地域の土に植え、私なりに育ててきたものが「ローカル型CSV経営」であり、さらに現場で磨いてきたものが「伎芸型おもてなし商売道」なのだと思います。そして今回、小阪裕司先生の『新書版 顧客の数だけ、見ればいい』を手にしました。本書は「売上」や「前年比」だけではなく、「顧客の数」を重要な経営指標として考える一冊です。 その本の230ページに、私たちの取り組みが掲載されています。なんとも感慨深いものがあります。十数年前、何度も読み返したCSVという経営思想。それを地方の小さな会社なりに考え、地域で実践し、人とのご縁を積み重ねてきました。結局、商売とは何でしょうか。私は今、こう思っています。大きなことをする必要はありません。地域の小さな「ありがとう」を一つずつ増やしていく。その「ありがとう」が顧客とのご縁になり、やがて商いになる。これこそが、私の考えるローカル型CSV経営であり、伎芸型おもてなし商売道なのです。いかがでしょうか?参考になれば幸いです。羽富 都史彰
2026.09.26
コメント(0)
題名ツボにハマるトークとは?? 笑いが止まらないお客様から学んだことは??9月に入ってから、私なりにアンテナを高くして観察していることがあります。道の駅常総にて、コロッケのキッチンカーで伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道を実践していると、あることに気づきました。それは、私のトークが、お客様の笑いのツボにハマる瞬間です。私なりの観察では、女性のお客様が約7割。年代はさまざまです。特に、口が比較的大きく、お化粧が少し濃いめの女性のお客様が、私のトークに大笑いされる場面が目立ちます。もちろん、外見だけで笑いのツボが決まるわけではありません。あくまでも私自身の現場での気づきです。さてさて、いったん笑いのツボにハマると、もう大変です!笑う、笑う!コロッケを食べながら、さらに笑う!隣にいる旦那様から、「もう笑うなよ!おじさんも困っているから!」と言われても、笑いが止まりません。中には、涙を流しながら笑い続けるお客様もいらっしゃいます。私もつられて笑ってしまいます。そして、お別れの際には、「久しぶりに、こんなに大笑いしました!」「ありがとうございます!」とうれしいお言葉をいただきます。9月に入ってから、約15人のお客様に「笑いが止まらないよ!」と言われました。いやぁ、ありがたいですねぇ。一方で、時にはお叱りのお言葉をいただくこともあります。そんな時には、深々と頭を下げて謝ります。笑いは、相手が愉しんでくださってこそ成り立つものです。自分だけが面白いと思っていても、お客様が不快に感じられたら、おもてなしにはなりません。だからこそ、表情を見て、声を聴き、相手との距離感を大切にしています。笑わせようとするのではなく、お客様と一緒に笑う。ここに、伎芸型おもてなし商売道の大切な学びがあるのかもしれません。コロッケは、お腹を満たす商品です。しかし、会話から生まれる笑いは、心まで満たしてくれることがあります。「コロッケがおいしかった!」だけでなく、「あのおじさんと話して、久しぶりに大笑いした!」そんな思い出を持ち帰っていただけたら、何よりの喜びです。ヒットよりフィット。お客様一人ひとりの笑いのツボを探しながら、今日も一笑賢明、顔晴ります!ありがとうございます。羽富 都史彰
2026.09.24
コメント(0)
「羽富さん、待っていたんですよ!」ありがとうシールがつないだシルバーウィーク最終日の出会い9月23日、水曜日。祝日㊗️。シルバーウィーク最終日を迎えました。私は早朝からアパレル店舗の仕事や段取りを済ませ、正午頃、コロッケのキッチンカーを出店している道の駅常総に到着しました。連休最終日ということもあり、今日も朝から数多くのお客様にご利用いただきました。ありがとうございます。さてさて、今日もドラマのような出会いが待っていました。キッチンカーに到着すると、突然、お客様から声をかけられました。「羽富さん、待っていたんですよ!」埼玉県からお越しになった、50歳ぐらいのお母様と25歳ぐらいの娘さん。かわいらしい子犬も一緒です。お話を伺うと、「羽富さんから、ありがとうシールをもらいたくて!」とのこと。いやぁ、うれしいですねぇ。コロッケを買うことだけが目的ではなく、私に会うことを楽しみにしてくださっていたのです。商品を通じて人と人がつながり、また会いたいと思っていただける。これこそ、私が実践している伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道の醍醐味なのかもしれません。しばらくすると、千葉県柏市から中学生の野球クラブの皆さんがお見えになりました。茨城県で練習試合をしてきたそうです。試合結果を尋ねると、「2勝2敗です!」元気な返事が返ってきました。そこで私は、野球の名将・野村克也さんの言葉として知られる一節を伝えました。「勝ちに不思議な勝ちあり。負けに不思議な負けなし」すると、「良いことを言われますネ!」とうれしい反応をいただきました。勝った試合から学ぶこともあります。しかし、負けた試合には、次につながる気づきがたくさん隠れています。なぜ負けたのか。どうすれば良かったのか。次は何を変えればよいのか。これは野球も商売も同じです。そして、子どもたちには、もう一つ伝えました。「まずは、親に感謝ですよ!」野球ができること。遠くまで練習試合に行けること。仲間と一緒に挑戦できること。その陰には、家族をはじめ、支えてくださる数多くの方々がいらっしゃいます。感謝を忘れず、負けから学び、次の挑戦につなげてほしいと願いました。この日も、埼玉県、千葉県、神奈川県、栃木県、群馬県、東京都など、さまざまな地域からお客様がお見えになりました。3歳ぐらいの小さなお子様から18歳ぐらいの若者まで、握手をしたり、指切りをしたり。お孫さんやお子様との出会いに、私自身が元気をいただきました。また、70歳代のお客様には、茨城県常総市へのふるさと納税もお願いしました。せっかく常総市にお越しいただいたのですから、コロッケのおいしさだけでなく、この地域の魅力も知っていただきたいのです。今回のシルバーウィークでは、本当に数えきれないほどのお客様との出会いがありました。お客様がどちらからお越しになり、何を楽しみにされ、どのような感想を持たれたのか。そのお声を週末までに整理し、常総市長、そして茨城県知事にもご報告する予定です。私にとって、キッチンカーは単にコロッケを販売する場所ではありません。人と出会い、感謝を伝え、地域の魅力を発見する学びの場でもあります。「コロッケを買いに来た」が、「羽富さんに会いに来た」に変わる。そして、いつの日か、「また常総市に来たい!」そう思っていただけることが、何よりの喜びです。シルバーウィーク最終日。今日もたくさんのご縁をいただきました。ありがとうございます。これからも、一笑賢明、顔晴ります!いかがでしょうか?参考になれば幸いです。羽富 都史彰
2026.09.23
コメント(0)
題名「羽富さん、待っていたんですよ!」ありがとうシールがつないだシルバーウィーク最終日の出会いとは??9月23日、水曜日。祝日㊗️。シルバーウィーク最終日を迎えました。私は早朝からアパレル店舗の仕事や段取りを済ませ、正午頃、コロッケのキッチンカーを出店している道の駅常総に到着しました。連休最終日ということもあり、今日も朝から数多くのお客様にご利用いただきました。ありがとうございます。さてさて、今日もドラマのような出会いが待っていました。キッチンカーに到着すると、突然、お客様から声をかけられました。「羽富さん、待っていたんですよ!」埼玉県からお越しになった、50歳ぐらいのお母様と25歳ぐらいの娘さん。かわいらしい子犬も一緒です。お話を伺うと、「羽富さんから、ありがとうシールをもらいたくて!」とのこと。いやぁ、うれしいですねぇ。コロッケを買うことだけが目的ではなく、私に会うことを楽しみにしてくださっていたのです。商品を通じて人と人がつながり、また会いたいと思っていただける。これこそ、私が実践している伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道の醍醐味なのかもしれません。しばらくすると、千葉県柏市から中学生の野球クラブの皆さんがお見えになりました。茨城県で練習試合をしてきたそうです。試合結果を尋ねると、「2勝2敗です!」元気な返事が返ってきました。そこで私は、野球の名将・野村克也さんの言葉として知られる一節を伝えました。「勝ちに不思議な勝ちあり。負けに不思議な負けなし」すると、「良いことを言われますネ!」とうれしい反応をいただきました。勝った試合から学ぶこともあります。しかし、負けた試合には、次につながる気づきがたくさん隠れています。なぜ負けたのか。どうすれば良かったのか。次は何を変えればよいのか。これは野球も商売も同じです。そして、子どもたちには、もう一つ伝えました。「まずは、親に感謝ですよ!」野球ができること。遠くまで練習試合に行けること。仲間と一緒に挑戦できること。その陰には、家族をはじめ、支えてくださる数多くの方々がいらっしゃいます。感謝を忘れず、負けから学び、次の挑戦につなげてほしいと願いました。この日も、埼玉県、千葉県、神奈川県、栃木県、群馬県、東京都など、さまざまな地域からお客様がお見えになりました。3歳ぐらいの小さなお子様から18歳ぐらいの若者まで、握手をしたり、指切りをしたり。お孫さんやお子様との出会いに、私自身が元気をいただきました。また、70歳代のお客様には、茨城県常総市へのふるさと納税もお願いしました。せっかく常総市にお越しいただいたのですから、コロッケのおいしさだけでなく、この地域の魅力も知っていただきたいのです。今回のシルバーウィークでは、本当に数えきれないほどのお客様との出会いがありました。お客様がどちらからお越しになり、何を楽しみにされ、どのような感想を持たれたのか。そのお声を週末までに整理し、常総市長、そして茨城県知事にもご報告する予定です。私にとって、キッチンカーは単にコロッケを販売する場所ではありません。人と出会い、感謝を伝え、地域の魅力を発見する学びの場でもあります。「コロッケを買いに来た」が、「羽富さんに会いに来た」に変わる。そして、いつの日か、「また常総市に来たい!」そう思っていただけることが、何よりの喜びです。シルバーウィーク最終日。今日もたくさんのご縁をいただきました。ありがとうございます。これからも、一笑賢明、顔晴ります!いかがでしょうか?参考になれば幸いです。羽富 都史彰
2026.09.23
コメント(0)
題名 雨の日こそ、商売が「笑倍」に変わる⁇―道の駅常総で生まれた、笑顔と感謝の快輪―9月20日日曜日。シルバーウィークの道の駅常総にて!台風が近づき、時折、大雨になる一日でした。午前中は、アパレル店舗の秋品揃えの準備を行い、午後1時前から、コロッケのキッチンカー前で、伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道の鍛錬を始めました。雨にもかかわらず、またまたドラマのような出来事がありました。私は、お客様に、出来るだけ「今日は、どちら方面からお越しですか?」と、お聴きするようにしています。すると、博多、広島、大阪の岸和田、神戸、名古屋、山梨県甲府市、新潟市、宮城県仙台市などなど。もちろん、埼玉県や千葉県からも、数多くのお客様がご来場されていました。茨城県外が約60から65%ぐらいです。ありがとうございます。午後2時30分頃のことです。突然、栃木県からお越しの6人ご家族様に声をかけられました。「インスタで羽富さんを知って、会いたくなりました!」推定60歳代半ばの団体職員さんでした。町のPRをしながら、キッチンカー前でパフォーマンスをしている私に興味を持ったそうです。最初は「はねとみさん」と呼ばれ、「大変失礼しました!」と、笑いながらお話しされました。たくさんのご質問にお答えし、最後はご家族全員で記念撮影。コロッケを買いに来られたのではなく、私に会いたくて来られた。とありがたいことです。続いて、埼玉県からお越しの公務員さん。以前、勤務時間中に道の駅常総を視察されたそうですが、今回は公休日を利用して、地元の生の声を聴きに来られたとのこと。私は、2015年の鬼怒川氾濫による被災経験も踏まえ、「水害で全国的に知られるようになった常総市ですが、これからは地域住民とともに、防災都市日本一を目指したいですね」と、お伝えしました。そして夕方。新潟市から3世代、7人のご家族様がご来場されました。私が独身時代、新潟の女性に恋心を抱き、見事にフラれた話をすると、家族の皆さんから根掘り葉掘り質問攻めに!最後には奥様から、「でも、今の奥様と結婚して、4人のお孫さんに恵まれたんですよね。奥様には感謝ですよね!」と、笑いながら言われてしまいました。近くにいた若いカップルまで大笑い。私の失恋話が、いつの間にか皆さんを笑顔にする材料になっていたのです。近頃、少しずつ変化を感じています。「羽富さんに会いたい!」「おじさんを、いじりに来たよ!」そんなご家族様が増えてきました。特に雨の日は、「おじさん、ヒマしていると思ったから遊びに来たよ!」と、笑いを求めて立ち寄ってくださる方もいらっしゃいます。私は、こうした出来事こそ、伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道の鍛錬の成果ではないかと感じています。商品を売ることだけが、商いではありません。お客様と会話を楽しみ、失敗談も笑いに変え、お互いに元気をいただく。そして、また会いたくなる関係を育んでいく。雨の日だからこそ生まれる出会いもあるのです。売上げの数字だけでは見えない価値。それは、お客様からいただく笑顔であり、感謝であり、人と人とのつながりです。これこそ、私が目指している、商売=笑倍なのかもしれません。今日も、お客様からたくさんの笑顔と元気をいただきました。ありがとうございます。いかがでしょうか?参考になれば幸いです。羽富 都史彰
2026.09.21
コメント(0)
題名売れ筋商品が「死に筋商品」に変わるとき⁇〜アパレル業界45年の経験から学ぶ、52週間MDと展開マップの大切さ 〜私はアパレル業界に携わり、まもなく45年になります。これまで、取引先や同業者の方々から、よく尋ねられることがあります。「地域によって、人気商品や売れ筋商品は違うのでしょうか?」私の答えは、「状況によります」です。確かに、地域によって気候や生活習慣、お客様の年齢層などは異なります。しかし、それだけで売れ筋商品が決まるわけではありません。一方、人気のない商品は、全国的に共通する傾向があるとも、問屋や取引先からよく聞きます。私がかつて勤務していたアパレルメーカー、株式会社東京スタイルでも、同じような傾向を感じていました。では、売れ筋商品を生み出すものは何でしょうか?私は、販売スタッフさんの存在が非常に大きいと考えています。スタッフさん自身が商品を気に入り、商品の良さを心から理解し、腹落ちすると、お客様にお勧めする機会が増えていきます。その熱意がお客様にも伝わり、やがて売上げが伸びていくのです。さらに、優れた販売スタッフさんは、売って終わりにはしません。お客様の声を丁寧に集め、「ここの丈を少し短くしてほしい」「この素材で、別の色も欲しい」「来年も、ぜひ商品化してほしい」といった提案を、メーカーやバイヤーに届けてくれます。これこそ、商いの現場から生まれる商品開発なのです。さてさて、ここからが大切です。売れ筋商品が生まれると、バイヤーは追加発注を始めます。「売れているぞ!追加だ、追加だ!」特に、売上数字を重視する男性バイヤーが、勢いに乗って追加発注を重ねる姿も、私は数多く見てきました。ところが、ある時季を過ぎた途端、あれほど売れていた商品が動かなくなるのです。昨日までの売れ筋商品が、今日から死に筋商品に変わってしまう。なぜでしょうか?それは、売れる理由だけを見て、売れなくなる時季を見落としているからです。アパレル業界は、気温、湿度、天候によって売上げが大きく左右されます。しかし、私が最も大切にしているのは、「歳時記」です。お客様の暮らしには、入学式、卒業式、旅行、母の日、夏祭り、お盆、敬老の日、年末年始など、季節ごとの行事があります。その暮らしの変化を先読みし、商品カレンダーに基づいて、何を、いつ、どれだけ展開するのかを描く。それが「展開マップ」なのです。ある取引先の営業部長さんから、こんなお言葉を頂いたことがあります。「羽富さんは展開マップが描けますが、今、デパートや専門店のオーナーさんで、展開マップを描ける人は、日本全国に10人もいないでしょう!」ありがたいお言葉でしたが、私は特別なことをしているつもりはありません。お客様の一年間の暮らしを想像し、商品と売場を結びつけているだけなのです。実際に、茨城県つくば市の「つくばわんわんランド」のギフトショップでMD(マーチャンダイジング・商品計画)を組む際にも、まず展開マップを描きました。そして、月別、部門別に整理し、52週間のMDを提出しました。大切なのは、売れてから考えるのではなく、売れる前から準備すること。そして、売れなくなる時季まで見通すことです。商いとは、売れ筋商品を追いかけることではなく、お客様の暮らしの一歩先を描くこと。これからも私は、45年の経験を生かしながら、現場で得た気づきを次の世代に伝えていきたいと思います。それが、私の実践する伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道でもあるのです。いかがでしょうか?参考になれば幸いです。羽富 都史彰
2026.09.20
コメント(0)
9月19日土曜日。道の駅常総にて、朝9時過ぎからコロッケのキッチンカーをオープンしました。私は午前中、アパレルの仕事を行い、午後1時ごろに道の駅常総へ向かいました。翌日は台風の上陸が心配されていましたが、シルバーウィークということもあり、道の駅は多くのお客様でにぎわっていました。この日、最初に仲良くなったのは、20歳代半ばのカップルです。彼女は京都から、彼氏は埼玉県から来たそうです。車で茨城県、栃木県を通り、宮城県までドライブに行くと楽しそうに話してくれました。すると彼女が突然、「おじさん、一緒に写真に入って!」と声をかけてくれました。さらに冗談交じりに、「芸能事務所に所属しているなら、写真に入るのに事務所の了解がいるかな?」と言われました。私は笑いながら、「私は素人ですよ」と答えました。もうすぐ67歳になると伝えると、「うちのおじいちゃんは71歳です。おじさん、若いですね!」と言ってくれました。年齢は変えられません。しかし、出会った人からかけていただく温かいひと言で、心の年齢は若返ることがあります。私はその言葉から、大きな元気をいただきました。続いて出会ったのは、40歳代前半のご夫婦と、二人のお子様のご家族です。男の子が、「ボク、ママよりパパが好き。ママはいつもガミガミ言うから、パパとお風呂に入るの」と教えてくれました。そこで私は、「ママ、大好きと言ってくれたら、ありがとうシールをあげるよ」と声をかけました。それでも男の子は、「ママは嫌いだ」と譲りません。しかし、帰る時には、しっかりとママの手を握っていました。私は、その後ろ姿を見ながら考えました。人の本当の気持ちは、言葉だけでは分からないものです。口では反対のことを言っていても、ママと手をつないで帰る姿には、安心や信頼、そして親子の深い愛情が表れていました。商いの現場では、お客様の言葉を聞くだけでなく、表情やしぐさ、行動まで丁寧に見ることが大切です。「見えないものを、見えるようにする」。これも、伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道の学びです。さらに、60歳代半ばのご夫婦とも仲良くなりました。ご主人から、「あなたは、人を惹きつける話術を持っているね。営業トークが上手だから、ついついコロッケを買ってしまったよ」と言っていただきました。私は、「ありがとうございます。奥様を大切にしてくださいませ」とお伝えしました。すると、すぐに奥様から、「あなたもネ」と返されました。思わず笑ってしまいましたが、私の心に残る言葉でした。こちらが相手を思いやる言葉を届けると、その言葉が自分にも返ってくる。まさしく、言葉のキャッチボールです。私たちは、コロッケを販売しています。しかし、単に商品とお金を交換しているのではありません。年齢も、生まれた場所も、暮らしている地域も違う人たちが、キッチンカーの前で言葉を交わし、笑い合い、お互いに元気を分け合っています。「会話」が「快い輪」へと変わっていく。私は、このような出会いを「快輪」と呼んでいます。人を惹きつける話術とは、上手に商品を売るための技術ではありません。まず相手に関心を持ち、その人の言葉を聴き、一緒に笑い、心を通わせることです。その結果として、「この人から買いたい」という気持ちが生まれるのではないでしょうか。コロッケを売っているように見えて、実は私のほうがお客様から、笑顔や元気、人生のヒントをいただいています。この日も、コロッケの向こう側に生まれた数々の「快輪」から、伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道の原点を、改めて教えていただきました。いかがでしょうか。参考になれば幸いです。羽富 都史彰
2026.09.19
コメント(0)
題名 徳を貯め、喜びを届ける商いとは??竹田和平さんの『人とお金に好かれる「貯徳」体質になる!』と、小川雅弘さん監修の『幸せを呼ぶ純金家宝―竹田和平の金言』を読み、伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道と重なるものを感じました。和平さんの教えの中心には、「貯徳」という考え方があります。貯徳とは、お金を貯めることではありません。人を喜ばせる。感謝を伝える。約束を守る。困っている人に手を差し伸べる。そのような小さな善い行いを、心の中に少しずつ貯めていくことです。和平さんは、お金を自分のところへ抱え込むものではなく、人を幸せにするために循環させるものだと考えました。「自分だけが儲かりたい」という我欲を手放し、先に相手を喜ばせる。すると信頼が生まれ、人が集まり、仕事やお金も後からついてくるのです。これは、伎芸型おもてなし商売道とよく似ています。私たちは「いらっしゃいませ」ではなく、「ありがとうございます」から始めます。買っていただいたから感謝するのではありません。目の前に来てくださったこと、そのご縁そのものに感謝するのです。キッチンカーの現場でも、「コロッケを買いに来ました」ではなく、「羽富さんに会いに来ました」と言ってくださるお客様がいます。商品を売った結果ではなく、これまで積み重ねてきた快輪や笑顔、感謝の心が、ご縁となって返ってきたのかもしれません。一方で、異なる点もあります。和平さんの教えは、人生、お金、強運、社会貢献までを包み込む、大きな人生哲学です。伎芸型は、その心を商いの現場で、どのように行動へ変えるかを考えます。お客様の表情や歩く速さを観察し、年代やご家族に合わせて言葉を変え、実践しては修正する。まさに、商いの現場を小さな研究室にしているのです。和平さんは、純金家宝に徳や祈りを込めました。私は、伎芸型おもてなし商売道に、商いで学んだ知恵と感謝を込めたいと思います。お金や商品だけを残すのではありません。人を喜ばせる心と、相手を大切にする商いの知恵を次の世代へ残す。貯徳を心に蓄え、伎芸によって目の前の人へ届ける。それこそが、長く人から愛される「笑倍商い」につながるのではないでしょうか。
2026.09.19
コメント(0)
題名技を見せる人から、心を動かす人へ―いっこく堂さんと伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道の共通点と違い―【完成された芸の奥にあるもの】いっこく堂さんの腹話術を見ていると、最初に驚かされるのは、口をほとんど動かさずに声を出す高度な技術です。人形ごとに声や性格を変え、声が遅れて聞こえるような「時間差」の表現など、従来の腹話術の枠を広げてきました。しかし、本当に学ぶべきなのは、珍しい技術そのものだけではありません。長年の稽古によって身につけた技術を、お客様の驚きや笑い、感動に変えていることです。伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道も、単なる接客方法ではありません。「ありがとうございます」という最初のひと言、笑顔、立ち位置、声の大きさ、商品の渡し方、会話の「間」まで磨きながら、目の前のお客様に合わせて表現を変えていきます。両者に共通するのは、技術を自分のために使うのではなく、相手の心を動かすために使っていることです。【五つの共通点】共通点 いっこく堂さん 伎芸型おもてなし商売道見えない稽古 発声、呼吸、口元、声色、間を磨く 笑顔、声かけ、観察、商品説明、受け渡しを磨く相手の観察 客席の反応を見て間や展開を調整する 表情、年齢、家族構成、歩く速さから接し方を変える個性の演出 人形ごとに声と人格を与える 商品や店に物語と個性を与える間の活用 沈黙や声の遅れによって笑いを生む 話し過ぎず、お客様が話せる余白をつくる基本とアドリブ 完成された技を土台に、その場で反応する 接客の基本を守りながら、一人ひとりに合わせる第一の共通点は、「基本の反復」です。いっこく堂さんの自由自在に見える舞台も、基本技術の積み重ねがあるから成り立ちます。商いでも同じです。アドリブとは、思いつきで話すことではありません。基本が体に染み込んでいるからこそ、予想外の出来事にも柔軟に対応できます。第二は、「観察する力」です。お客様が笑ったのか、少し戸惑ったのか、もっと見たいと思っているのか。その小さな変化を感じ取り、次の表現を変えます。伎芸型でも、若いカップル、三世代のご家族、車椅子のお客様では、ふさわしい言葉も距離感も異なります。第三は、「命を吹き込む力」です。いっこく堂さんは、人形に声と人格を与えます。私たちは、コロッケや婦人服に物語を与えます。「人気商品です」と説明するだけなら、商品は黙ったままです。しかし、素材への思いや誕生した背景、お客様からいただいた言葉を伝えれば、商品は「しゃべるコロッケ」「しゃべる洋服」になります。第四は、「間」です。接客では沈黙を怖がり、つい話し過ぎてしまいます。しかし、間がなければ、お客様は考えることも質問することもできません。伎芸型の「快輪」は、販売員が一人で回すものではありません。お客様の言葉を待ち、受け止めてから返すことで、会話の輪が回り始めます。第五は、「ヒットよりフィット」です。全員を同じ方法で笑わせるのではなく、その日の客席に合わせる。全員に同じ商品を勧めるのではなく、目の前の人に合った商品や言葉を選ぶ。ここにも、大きな共通点があります。【大切な違い】一方で、いっこく堂さんの腹話術と伎芸型おもてなし商売道は、目的と関係性が異なります。腹話術は、舞台上で完成された非日常の世界を届ける「観賞型の芸」です。一定の時間の中で、お客様を驚かせ、笑わせ、感動させます。それに対して伎芸型は、生活の中でお客様と一緒につくる「参加型の商い」です。商品を販売して終わるのではなく、再来店、口コミ、地域とのつながりへと関係が続いていきます。また、腹話術では演者が物語の流れをつくりますが、商いの主役は販売する側ではありません。主役はお客様です。店側がどれほど上手に話しても、お客様が疲れてしまえば、それは伎芸型とはいえません。接客する人は、自分の技術を見せるのではなく、お客様が気持ちよく話せる舞台を整える必要があります。さらに、腹話術には驚かせるための「錯覚」がありますが、商いには誠実さが欠かせません。商品の長所だけでなく、注意点や合わない場合も正直に伝える。技術で買わせるのではなく、納得して選んでいただく。ここは、はっきり区別しなければなりません。【究極の伎芸とは、技を感じさせないこと】いっこく堂さんから学ぶ最大の教えは、「高度な技術ほど、自然に見える」ということではないでしょうか。伎芸型おもてなし商売道も、決まり文句を覚えるだけでは完成しません。「ありがとうございます」と言いながら売ろうとする気持ちが前に出れば、お客様には伝わります。反対に、相手をよく観察し、その人に合った言葉を選び、必要なときには黙って待つことができれば、接客は自然な「快輪」になります。いっこく堂さんは、自分の存在を少し消すことで、人形を生かします。私たちも、売り手の都合を少し引くことで、お客様と商品を生かすことができます。「私の技術を見てください」ではなく、「あなたに喜んでいただくために、この技術を使います」。この姿勢こそ、いっこく堂さんと伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道を結ぶ、最も大切な共通点です。そして、その先にあるのは、技術を超えた人間力です。技を磨き、相手を観察し、心に合う形へ変え、笑顔としてお返しする。いっこく堂さんが人形に命を吹き込むように、私たちは商品と商いの場に命を吹き込む。それが、伎芸型おもてなし商売道の目指す「技から心へ、心からご縁へ」という商いなのだと思います。いかがでしょうか?参考になれば幸いです。羽富 都史彰
2026.09.18
コメント(0)
題名常総きぬ川花火大会から⁇9月12日土曜日。第59回常総きぬ川花火大会が開催されました。前日まで気になっていた雨も止み、風もほとんどありません。そして夜空に大輪の花火が打ち上がるたび、「うわぁー!」「すごい!」「きれい!」マス席のあちらこちらから歓声と拍手が湧き上がりました。私は今年も会場で、ご来場者の皆様をご案内させていただきながら、伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道を実践しました。花火の見どころをお伝えしたり、観覧マナーをお願いしたり、「車のカギ、自宅のカギ、お財布など、忘れ物には十分お気をつけください!」と声をかけたり。そして、「花火も綺麗、街も綺麗、あなたの心も綺麗!」と話すと、「上手い!上手い!」と大きな拍手👏👏👏。思わず私も笑顔になりました。今年は不思議なくらい、たくさんのプレゼントもいただきました。ビール、ペットボトル飲料、おつまみ、飴……。おそらく過去最高の量です。中には、お酒を召し上がった女性から突然ハグをされる場面まで!びっくりしていると、ご主人らしき男性が、「おいおい、ママ。嫌がっているからやめなさい!」会場は笑いに包まれました。これもまた、花火大会ならではの光景かもしれません!お客様との「快輪(かいわ)」の中で、どこから来られたのかも尋ねました。千葉県、埼玉県が数多く,水海道駅🚉も大混雑。東京都、神奈川県。さらに大阪、東北、外国から、この日に合わせて友人に会いに来た女子学生さんまで。また「有給休暇を取って、家族全員で来ました」とか,「毎年、あなたに会うのも楽しみなんですよ」そんな言葉までいただきました。ありがとう😊ございます。私が以前話した内容を覚えていて、逆に私をいじってくるご家族もいます。おじさんもお風呂に入れよ!歯を磨いてから寝ろよ!頭を下げてお礼を申し上げました。年に一度しか会わなくても、ちゃんと「関係」が続いている。これは商売にも通じる大切なことだと思います。そして花火大会終了後。お客様をお見送りしていると、東京都港区から来られた二家族の方々が声をかけてくださいました。「全国の花火大会を10回くらい見てきたけれど、マス席であなたのようなパフォーマンスをする人を見たことがない」さらに、「地元の商工会の役員さんであるあなたが、自分の街のふるさと納税を勧めたり、『常総市に引っ越して家を建ててください』『明日は道の駅常総にも来てください』なんて話している。街を愛している姿に感動したよ」そう言って、皆さんが何度も何度も握手🤝を求めてくださいました。「トークショーをあと15分、いや30分やってほしかった!」そんな言葉までいただき、最後には、「来年は第60回ですね。また来ます!」と言ってくださいました。胸が熱くなりました。中には、「感動したよ」と涙を浮かべながら話してくださった方もいました。しかし、この感動は決して私一人がつくったものではありません。花火師の皆様、実行委員会、警備、交通整理、清掃、案内、地域の皆様、そして見えないところで支えてくださった数多くのスタッフ。その一人ひとりの力が重なって、常総きぬ川花火大会という大輪の花が咲いているのです。そして私は改めて気づきました。花火は夜空に咲くだけではない。人と人との間にも、花は咲く。声をかける。笑っていただく。話を聴く。拍手をいただく。握手をする。そこから生まれる「快輪」こそ、伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道なのかもしれません。もちろん、反省も気づきもたくさんいただきました。その一つひとつを来年、第60回の常総きぬ川花火大会へ届けていきたいと思います。ご来場いただいた皆様。運営に携わってくださったすべての皆様。感謝の気持ちを込めて。ありがとうございます。ありがとうございます。また来年、常総の夜空の下でお会いしましょう。引き続きよろしくお願い致します。羽富 都史彰
2026.09.13
コメント(0)
題名社長業は率先垂範か?「おい長嶋! てめえも走ってみやがれ!!」1979年、巨人の「地獄の伊東キャンプ」で、限界まで追い込まれた若き篠塚利夫選手が、長嶋茂雄監督に向かって、そう言ったという逸話があります。選手たちは、何度も坂を走らされていました。息は上がり、足は重く、もう一歩も動きたくない。そんな極限の中で、目の前にいる監督へ、思わず言葉が飛び出したのでしょう。普通の監督なら、「監督に向かって何を言うんだ!」と怒っても不思議ではありません。ところが、長嶋監督は違いました。「よーし、お前ら、よく見ておけ!」そう言うと、選手たちの前で、自ら坂を走り始めたのです。43歳の監督が、若いプロ野球選手たちと同じ坂を、同じように駆け上がる。息を切らし、足をもつれさせ、それでも前へ進む。やがて長嶋監督の足もガクガクになったそうです。選手たちは、そんな監督の姿を見て、笑ったそうです。しかし、その笑いの中には、きっと別の感情もあったはずです。「監督は、口だけではない」その姿が、選手たちの心に刻まれたのではないでしょうか?いかがでしょうか?私は、この話が大好きです。ドラゴンズファンですが、長嶋茂雄監督は別格です。なぜなら、そこには、人を動かすリーダーの本質があると思うからです。人は、正しいことを言われたから動くのではありません。その人が、自分たちと同じ場所に立ち、同じ汗をかき、同じ苦しさを引き受けたとき、初めて心を動かされるのです。そして私は、この長嶋監督の姿に、私が考える伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道にも通じるものを感じています。私はキッチンカーの前に立つと、自分からお客様に声を掛けます。時には赤いメガネをかけ、地声でお客様と会話をし、笑っていただく。スタッフやお客様から見れば、「社長が何をやっているんだ」と思われるかもしれません。スタッフからも笑われています。でも、私はそれでいいと思っています。むしろ私は、「社長はスタッフたちに笑われても構わない」と思っています。社長だからといって、後ろで腕を組み、「もっとお客様を楽しませなさい」「もっと笑顔で接客しなさい」と言うだけでは、私は伎芸ではないと思うのです。まず、自分がやってみる。お客様の前に立つ。声を掛ける。反応を受け止める。失敗してみる。時にはスベる。お客様から注意を受けることもある。そしてスタッフから、「社長、今日はちょっとやり過ぎですよ」と笑われる。それでいいのです。長嶋監督が、選手たちの前で坂を走ったように、社長もまた、スタッフの前で商いの坂を走らなければならない。汗をかくのも、息を切らすのも、失敗するのも、まずは自分から。その姿を見て、スタッフが笑う。その笑いが、やがて安心に変わる。「社長も一緒にやってくれる」「失敗しても、また挑戦していい」「自分たちだけが頑張るのではない」そんな気持ちが生まれていくのだと思います。先日、小阪裕司先生がYouTubeの中で、ロコレディのキッチンカーについて触れ、私がキッチンカーの前で行っているパフォーマンスについてお話しされていることを知りました。私は全く知りませんでしたので、驚きました。同時に、うれしく思いました。なぜなら、私にとってキッチンカーの前は、「売る場所」だけではないからです。そこは、私自身が実践する「商いの道場」なのです。お客様に声を掛ける。反応を見る。会話=「快輪」をつくる。失敗すれば修正する。そして、またやってみる。マニュアル通りではありません。ケースバイケース、アドリブです。その場のお客様の表情を見て、声の大きさを変え、言葉を選び、空気をつくる。時には、こちらの思いが届かないこともあります。それでも、もう一度やってみる。その積み重ねの中でしか身につかないものがあります。これが、私の考える伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道です。社長が一番格好よくなくてもいい。社長が一番失敗してもいい。社長が一番笑われてもいい。ただし、一つだけ大切なことがあります。「やってみなさい」と言う前に、自分がやってみることです。「お客様を楽しませなさい」と言う前に、自分がお客様の前で笑わせてみることです。「失敗を恐れるな」と言う前に、自分が失敗する姿を見せることです。長嶋監督が坂を走ったように、私は今日もキッチンカーの前に立ちます。お客様に笑っていただき、時には自分が笑われる。声が裏返ることもあります。思ったように場が盛り上がらないこともあります。スタッフに、「社長、また始まった」と笑われることもあります。それでも、私は地声で社長らしくない行動をします。なぜなら、商いは、格好よく見せることではなく、目の前の人と心を通わせることだからです。そんな社長が一人くらいいても、いいのではないでしょうか。私はこれからも、「教える社長」より、「一緒にやってみる社長」でありたい。スタッフの後ろから指示を出すのではなく、スタッフの隣に立つ。スタッフが困っているときには、同じ場所に立って考える。スタッフが挑戦するときには、自分も一緒に挑戦する。そして、スタッフと一緒に失敗し、一緒に笑い、一緒に考える。その繰り返しの中から、マニュアルでは教えられない「伎芸」が育っていく。私は、そう信じています。長嶋監督が走った坂は、選手たちにとって、ただのトレーニングコースではなかったのだと思います。そこは、監督の言葉が本物かどうかを確かめる場所でした。そして長嶋監督は、言葉ではなく、自分の足で答えを示した。私にとって、キッチンカーの前も同じです。そこは、私の商いに対する覚悟を示す場所です。社長が自ら立ち、声を出し、笑われ、失敗する。その姿を見て、スタッフが笑う。その笑いの中に、信頼が生まれる。笑われることを恐れない。社長自身が商いを愉しむ。もしかすると、それが人を動かすリーダーの姿なのかもしれません。社長は、いつも立派でなくていい。いつも正しくなくていい。いつも格好よくなくていい。ただ、スタッフに「やってみなさい」と言うのなら、まず自分が走ること。お客様に「笑顔を届けなさい」と言うのなら、まず自分が笑われること。その一歩が、誰かの一歩を生み出すのです。長嶋監督が坂を走ったように、私も今日、キッチンカーの前に立ちます。赤いメガネをかけ、地声でお客様に声を掛ける。お客様に笑っていただく。スタッフに笑われる。そして、また次の一歩を踏み出す。笑われる社長は、弱い社長ではない。自分だけが笑われるのではなく、スタッフと一緒に笑える社長なのだ。その笑いの中に、挑戦する勇気が生まれる。その笑いの中に、人と人との距離が近づく。その笑いの中に、商いの未来が開いていく。これもまた、私の「笑倍(しょうばい)」なのです。一緒に一緒に汗をかいて、笑われても構わない世界にご案内したいのです。いかがでしょうか?羽富 都史彰小阪先生がロコレディのキッチンカーの事例を6分前後付近から話しをしています。私は全く知りませんでした。https://youtu.be/uP_WqYX7Umc?si=gAHDGabLf58mZv2j
2026.09.12
コメント(0)
題名はみ出す勇気 ―「頭がいい」の、その先とは⁇書店で一冊の本に目が留まった。池田貴将さんの『ユニークな行動を取れる人がいつも考えていること』。帯にはこうある。「はみ出せる」は「頭がいい」を超える武器。この言葉が、しばらく頭から離れなかった。私たちは長いあいだ、「頭がいい」ことを目指してきた。学校でもそのような教育が主軸であったかと思います。速く正確に答えを出し、失敗せず、期待に応える。それが優秀さの証だった。しかしAIが登場した今、その土俵は静かに揺らいでいる。正解を導く速さと正確さなら、もう人間はAIに敵わない。だからこそ本書は問いかけている。人間にしか出せない価値とは何か、と。著者の答えはシンプル。ユニークな人とは、奇抜な人ではなく「ズレることに耐性がある人」だという。無個性な人はズレることを不安に感じ、周りに合わせて自分を削っていく。一方でユニークな人は、多少ズレても平気でいられる。その小さなズレの積み重ねが「らしさ」になり、やがて「この件ならあの人しかいない」と言われる存在をつくる。いかがでしょうか?読んでいて気づいたのは、「頭がいい人」と「ユニークな人」には共通点も多いということだ。どちらもよく観察し、深く考え、学び続けている。行動の前に思考があるという点では、まったく同じ地平に立っているように感じます。違うのは、その思考の向かう先です。頭がいい人は「正解」に向かって考える。前例を調べ、リスクを避け、確実な道を選ぶ。対してユニークな人は「面白さ」に向かって考える。うまくいくかどうかより、そこから何を持ち帰れるかを見ている。失敗すら素材にしてしまう。つまり、正しさで勝負するか、違いで勝負するか?同じ「考える人」でも、羅針盤の指す方角がまるで違うように感じています。そしてこの違いこそ、AI時代の分岐点なのだと思います。最適解はAIが出してくれる。ならば人間の仕事は、あえて最適から少しズレてみることかもしれないと考えました。思えば過去の私自身、「間違えたくない」を優先して、面白そうな選択肢を何度も手放してきたと思う。だが本書を閉じた今、心に決めたことがある。次に迷ったときは、正しいほうではなく、面白いほうを選んでみよう。はみ出すことは、恥ではなくセンスなのだから。いかがでしょうか?参考になれば幸いです。羽富 都史彰
2026.09.11
コメント(0)
題名「徹底して人を見る」ことから始まる⁇レッツゴーよしまささんもコロッケさんも、土台にあるのは観察力です。声だけではなく、表情、姿勢、話す間、語尾、視線、ちょっとした癖まで観察する。つまり、モノマネは「見る芸」から始まっています。これは商いも同じだと思いました。お客様が商品を見ているのか?こちらを見ているのか?急いでいるのか?会話を楽しみたいのか?子どもさんなのか?ご夫婦なのか?まず相手を見る。そこから伎芸が始まります。違いは「再現」と「創造」私なりに整理すると、レッツゴーよしまささんは、「本人らしさを発見し、精密に再現する芸」の色合いが強いと思います。例えば志村けんさん。単に声が似ているだけではなく、話すテンポや間合い、何気ない仕草まで、「そうそう、こんな感じだった」と思わせる。観客の記憶を呼び起こすようなモノマネです。一方のコロッケさんは、観察した特徴をそのまま再現するだけではありません。特徴を大きくしたり、崩したり、身体全体を使ったりして、「本人を素材に、新しい笑いを創造する芸」へ発展させます。ですから私は、レッツゴーよしまささん=観察→発見→再現。コロッケさん=観察→発見→誇張→創造。という違いがあるように感じます。もちろん、実際にはきれいに二分できません。優劣を付けるのでは無く、違う世界観を愉しむのです。コロッケさんにも非常に細かな観察がありますし、レッツゴーよしまささんにも独自の笑いがあります。これを「伎芸」に置き換えるとここが一番面白いところです。伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道でも、最初から「面白いことをやろう」と考えるのではありません。まず、お客様を見る。これはレッツゴーよしまささん型です。そして、お客様の反応が分かったら、声の掛け方や言葉、表情、動きを変えていく。ここからがコロッケさん型です。例えばキッチンカーの前で、小さなお子さんには少し大きな動きをしてみる。ご年配のご夫婦なら、ゆっくり話す。若いカップルなら、ちょっとした冗談を交える。同じ「コロッケを売る」という仕事でも、相手によって表現を変えるわけです。だから伎芸は、「接客のモノマネ」ではありません。基本を覚えたうえで、目の前のお客様を観察し、その場に合った自分なりの表現を生み出すことなのです。そして、お二人からもう一つ学びたいのが、自分が目立つことを目的にしていないという点です。モノマネ芸人が主役に見えて、本当の主役は「観客の笑顔」なのではないでしょうか?いかがでしょうか?商いも同じです。私が赤いメガネをかけ、キッチンカーの前でパフォーマンスをする。しかし、「羽富都史彰を見てください」ではない。お客様が笑ってくださったか?楽しい時間になったか?また来たいと思ってくださったか?そこが大切です。だから私は、レッツゴーよしまささんからは「よく見る伎芸」を、コロッケさんからは「面白く変える伎芸」を学べると思います。そして両方に共通するのが、観察して、感じて、表現して、反応を見て、また変える。この繰り返しです。まさしく、マニュアルではなくケースバイケース。私はこれを、「ヒットよりフィット」と考えたいのです。大勢を一度に笑わせようとする前に、まず目の前の一人にフィットする。その一人の笑顔から「快輪(かいわ)」が生まれる。レッツゴーよしまささんは「人を見る力」。コロッケさんは「人を見て、膨らませる力」。伎芸は、その二つを商いの現場で使う力。そんなふうに考えると、モノマネの世界からも、商いについて随分たくさんのことを学べるのではないでしょうか?ぜひぜひあなたにもこの世界観を一緒に愉しむ世界をご案内したいのです。羽富 都史彰
2026.09.10
コメント(0)
題名ファミレスでも観察を続ける⁇私は、ファミレスで食事をするときも、ついつい周りを観察してしまいます。「どんな人たちが来ているのか」「何人ぐらいのグループなのか」「どんな料理を注文しているのか」私にとっては、食事の時間も小さな「商いの研究時間」です。そんな中で、最近とても興味深く感じていることがあります。それは、男性だけのグループと、女性だけのグループでは、ランチの注文の仕方に違いが見られることです。もちろん、すべての人に当てはまるわけではありません。しかし、私が観察した範囲では、男性だけのグループの場合、「じゃあ、俺も同じので」「みんな、それでいいよね」という感じで、全員が同じランチメニューを注文する場面をよく見かけます。一方、女性だけのグループでは、「私はパスタ」「私はお魚」「私はハンバーグランチに食後はミニチーズケーキを」というように、それぞれ違う料理を選ぶ場面が目につきます。私は、ここに商いのヒントが隠れているように思います。男性グループには、「選びやすさ」「分かりやすさ」「決めやすさ」が大切なのかもしれません。一方、女性グループには、「私はこれが食べたい」という一人ひとりの好みに応えられる選択肢が喜ばれるのかもしれません。いかがでしょうか?ただし、これは「男性はこう、女性はこう」と決めつける話ではありません。大切なのは、現場を観察し、仮説を立て、さらに観察を続けることです。商いのデータは、売上表やPOSデータの中だけにあるものではありません。お客様が何を選び、誰と来店し、どんな会話をしながら注文を決めているのか?そこにも、生きたデータがあります。私はファミレスで食事をするときでさえ、「なぜ、この人たちは同じものを選んだのだろう?」と考えてしまいます。見る。気づく。仮説を立てる。そして、また現場で確かめる。これも私が考える、伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道の「行動をサイエンスする」一つの姿なのだと思っています。いかがでしょうか?参考になれば幸いです。羽富 都史彰
2026.09.09
コメント(2)
題名「買わせる」のではなく「買いたい」を支える商いとは??「『買いたい』の気持ちを行動につなげる支援。」という考え方が示されています。参考になります。特に大切なのは、お客様が商品に価値を感じていても、「本当に自分に合うのか」「どれを選べばいいのか」「買って後悔しないか」という小さな不安や迷いが、購入を止めてしまうという点です。これは、伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道にも通じています。共通点① お客様を観察するこのページから迷っているお客様の様子を観察し、「どこで止まっているのか」「何に迷っているのか」を把握することを大切にしています。伎芸型でも同じです。お客様の表情、歩く速さ、視線、立ち止まった場所、家族との会話などを見ながら、今、この方には何が必要なのだろうかと考えます。だから、決められた言葉を全員に同じように投げかける接客ではありません。共通点② 売ることより「迷い」を取り除く本の中では、説明不足や不安を先回りして解消する情報を提供するとあります。伎芸型も、商品を押し込むのではなく、まずお客様との「快輪(かいわ)」を通して、疑問や不安を見つけていきます。つまり、販売とは説得ではなく、お客様自身が納得して決められる環境をつくること。ここは、かなり共通しています。共通点③ 「買った後」まで考える購入がゴールではありません。「買って良かった」「この人から買って良かった」「また、この店に来たい」と思っていただいて初めて、次の商いにつながります。伎芸型が大切にする「ヒットよりフィット」も、まさにここです。たくさん売ること以上に、そのお客様にフィットする商いを探していきます。一方で、違いもあります。この本の考え方は、どちらかといえばお客様の購買行動を分析し、買いたい気持ちを購入という行動へ橋渡しする仕組みとして整理されています。それに対して伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道は、もう少し「人」に重心があります。お客様によって対応を変える。その日の状況によって変える。正解を一つに決めない。ケースバイケースで「最適解」を探す。そして、ときにはアドリブも使う。つまり、マニュアル通りの接客ではなく、現場で観察し、感じ、考え、自分で演じ分ける力まで育てようとしているところが、伎芸型の特徴だと思います。整理すると、この本=「買いたい」を「買う」へ橋渡しする。伎芸型=「買いたい」のさらに手前から、お客様との関係をつくり、その人に合った最適解を一緒に探す。という違いでしょう。ですから、両者は対立するものではありません。むしろ、この本の考え方を商いの現場で、より人間的に、ケースバイケースに、アドリブまで含めて実践する方法の一つが、伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道と捉えると、とても分かりやすいと思います。私はここに、伎芸型の大切な原点を感じます。「売る技術」ではなく、「お客様が自分で納得して買えるようにお手伝いする技芸」。まさしく、「売る人」から「買うへの橋渡しをする人」へ。この考え方は、伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道の基本と、かなり深いところで重なっています。いかがでしょうか?参考になれば幸いです。羽富 都史彰
2026.09.08
コメント(0)
題名プロ人材との出会いから生まれた「伎芸 笑倍商い塾」とは??株式会社ロコレディでは、地域企業が専門的な知識や経験を持つプロ人材と一緒に課題解決へ取り組む「プロフェッショナル人材活用」の制度を利用しました。私たちが取り組みたかったのは、単なる売上アップの方法ではありません。私自身が長年の商いの現場で身につけてきた、お客様との会話や距離感、声のかけ方、 場の空気の読み方といった接客手法を、次の世代へ残すことでした。しかし、ここに一つの壁がありました。長年の経験から自然に行っている接客は、本人には分かっていても、他の人にはなかなか伝えにくいものです。いわば「勘」や「経験」「アドリブ」の世界です。そこでプロ人材の力をお借りして、私の頭の中にあった接客の考え方を一つひとつ整理し、文字や画像などを使いながら「見える化」していきました。その過程で大切にしたのが、マニュアルではなく「ガイドライン」にすることです。商いの現場では、お客様の年齢も性格も、その日の気分も違います。同じ言葉を同じように使えば、必ず喜んでいただけるわけではありません。だから「こうしなさい」という正解を教えるのではなく、「こんな時には、こんな考え方がある」という判断の軸を示すことにしました。この取り組みが発展し、株式会社ロコレディでは、「伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道」として体系化し、さらに実践しながら学ぶ場として「伎芸 笑倍商い塾」を立ち上げました。私が目指しているのは、私の接客をそのまま真似する人を育てることではありません。基本となる「型」を学びながら、最後は自分で考え、お客様や場所、その時々の状況に合わせてケースバイケースで「最適解」を探せる人材を育てることです。プロ人材活用制度は、外部の専門家に答えを作ってもらう制度ではなく、自分たちの中に眠っている経験や知恵という財産を掘り起こし、次の世代へ渡せる形にする機会だったと思っています。「経験」を「型」へ、「型」を「学び」へ、そして「学び」を再び現場へ。それが、ロコレディが取り組む伎芸『ぎげい』笑倍商い塾の原点です。いかがでしょうか?参考になれば幸いです。羽富 都史彰
2026.09.07
コメント(0)
題名雨の日だから生まれた「快輪(かいわ)」⁇―道の駅常総、コロッケキッチンカーで感じたこと―雨の日には、雨の日の商いがある9月6日、日曜日。12時30分ごろ、私は道の駅常総のコロッケキッチンカーに向かいました。この日は雨。時折、かなり強く降ってきました。私はお帰りになるお客様に、「雨が強くなっています。足元に気をつけてお帰りください♪」と声をかけました。考えてみれば、この一言は商品を売るための言葉ではありません。コロッケを買っていただけるかどうかも関係ありません。ただ、「無事に帰っていただきたい」という気持ちから出てきた言葉です。私は、こういう何気ない一言も、伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道では大切だと思っています。晴れの日と雨の日では、お客様の気持ちも行動も違います。マニュアル通りではなく、その日、その時、その人に合わせて「今、自分に何ができるだろう」と考える。雨の日には、雨の日の最適解があるのです。高校生にいじられるのも商いの楽しさ午後になると、群馬県から高校ハンドボールの選抜チームが立ち寄ってくださいました。茨城県内で練習試合を終え、帰る途中で道の駅常総に寄られたそうです。監督さん、コーチさん、親御さん、そして女子高校生が15人ほど。約40分間の休憩でした。すると女子高校生たちが、年寄りの私を、いじる、いじる(笑)。私も一緒になって楽しませてもらいました。そして記念写真の撮影までお手伝いしました。監督さんから、「近いうちに茨城県内で本試合があります。また寄らせていただきます」とうれしい言葉をいただきました。私はここに、商いの原点があるように感じます。「売った、買った」で終わるのではなく、「また会いたい」「また寄りたい」と思っていただく。商品をきっかけに、人と人とのご縁がつながっていくことも立派な商いではないでしょうか。負けた時こそ「次はカツゾー!」その後、中学生のサッカーチームもご来場くださいました。雨の中で試合をして、「今日は負けちゃったんです」と話してくれました。そこで私は、「それならメンチカツ、コロッケを食べて、次回はカツゾー!」と声をかけました。ほんの小さなダジャレです。しかし、監督さんからお礼を言っていただきました。勝った時だけがスポーツではありません。負けた時に、次へ向かう気持ちを持てることも大切です。コロッケ一個で試合に勝てるわけではありません。それでも、コロッケ一個と一言の会話で、少しでも笑顔になってもらえるなら、それも私たちにできる「おもてなし」だと思います。笑い、お客様から教えていただく商いこの日は、30歳代のご夫婦、50歳代のご家族、70歳代のご夫婦など、本当に幅広い世代の方々と談笑しました。近くの温浴施設から帰る途中に立ち寄られた30歳代半ばくらいのご夫婦とは、特に笑いました。最後には、「笑いすぎて、腹が減ってきました。おじさん、もう笑わせないで〜」と言われました(笑)。私は思わず、「笑って、お腹が減って、コロッケを食べる。最高じゃないですか」そんな気持ちになりました。さらに、ご夫婦ともに理学療法士をされている4人家族とも出会いました。千葉県生まれで、現在は埼玉県にお住まいとのこと。今度は私がお客様から、健康な体づくりについてお知恵を拝借しました。ここが、私は大切だと思っています。お店側が一方的に「教える」「売る」「サービスする」のがおもてなしではありません。時には、お客様から教えていただく。笑わせるつもりが、こちらが笑わせてもらう。元気にするつもりが、こちらが元気をいただく。そこに上下関係はありません。だから私は「会話」を、あえて「快輪(かいわ)」と考えています。人と人との心が快く回り、その輪が次の人へつながっていく。これこそ、私が考える伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道です。売上げも大切です。利益も出さなければ商売は続きません。しかし、数字だけを追いかけていたら見えなくなるものがあります。「また来るね」「楽しかったよ」「次は勝つよ」そんな言葉は、決算書には載りません。けれど、その積み重ねが、やがてお店の信用やファンづくりにつながっていくのではないでしょうか。雨が降った9月6日の日曜日。決して商売に適した天気とは言えなかったかもしれません。しかし、雨だったからこそ生まれた会話があり、笑顔があり、ご縁がありました。晴れの日には晴れの日の商いがある。雨の日には雨の日の商いがある。その日の「最適解」を、お客様と一緒につくっていく。やっぱり商いは、面白い。そう感じさせていただいた、雨の日の道の駅常総でした。いかがでしょうか?参考になれば幸いです。羽富 都史彰
2026.09.06
コメント(0)
題名負けても、私は中日ドラゴンズファンです。気がつけば60年以上私は、中日ドラゴンズファンです。子どもの頃から応援していますので、気がつけば60年以上になります。これだけ長く応援していますと、単に「好きなプロ野球チーム」という存在ではなくなってきます。勝てば嬉しい。負ければ悔しい。連勝すれば、「今年はいけるぞ!」と期待する。ところが連敗すると、「どうしてなんだろうなぁ〜」と考えてしまう。それでも翌日になれば、また試合の結果が気になっています。優勝した時代も知っています。強かったドラゴンズも知っています。だからこそ、現在の長い低迷は、やはり寂しく感じます。もう一度、優勝争いをしてほしい。そして日本一になってほしい。これは60年以上応援してきた、一人のファンとしての素直な願いです。強い時だけ応援するのがファンなのか?しかし最近、ふと思いました。「勝つから応援する。それだけがファンなのだろうか?」強い時には応援して、弱くなったら離れていく。もちろん、それも一つの楽しみ方でしょう。でも私は、負けてもドラゴンズファンでいたいと思っています。考えてみれば、人生も商いも同じではないでしょうか。毎日、勝ち続けることなどありません。商いをしていても、売れる日もあれば売れない日もある。一生懸命考えた企画が、お客様にフィットしないこともある。失敗することもあります。そんな時に大切なのは、「なぜダメだったのか」と誰かを責めることではなく、「では、どうすれば良かったのか?」と次の最適解を探すことだと思っています。ドラゴンズについても同じです。負けたから見放すのではない。負けたからこそ、「次はどうすれば勝てるのだろう?」と考える。それもファンの楽しみ方なのです。私は次期監督に工藤公康氏を希望します。名古屋出身の工藤氏を!好きだからこそ、厳しくなるただし、「負けても応援する」ということは、「負けても構わない」という意味ではありません。ここは大きく違います。ファンだからこそ、勝ってほしい。時には、「もっと工夫できるでしょう」「なぜ、そこで一本が出ないの?」「もっと若い選手を育ててほしい」と言いたくなることもあります。でも、それは嫌いだからではありません。好きだから、悔しいのです。私は商いでも同じだと思っています。会社やスタッフを大切に思っているからこそ、改善してほしいところは伝える。お客様を大切に思っているからこそ、昨日と同じ接客で満足しない。「もっと喜んでいただくには、どうすればよいか?」と考える。長く続く関係とは、何でも褒めることではありません。良い時は一緒に喜び、悪い時には一緒に考える。それが本当の意味での「愛着」なのかもしれません。弱い時代も応援したからこそ60年以上を振り返ると、ドラゴンズは私の人生の横を一緒に歩いてきた存在のようにも感じます。強い時代もあった。苦しい時代もあった。そして今も、私は応援しています。人生も商いも、ずっと順風満帆ではありません。調子の悪い時、結果が出ない時、思うようにならない時があります。でも、そこで投げ出さない。顔晴る。そして次の一手を考える。だから私は、これからもドラゴンズファンでいたいと思います。勝っても、負けても。ただし、負けて満足はしません。いつの日か再び優勝し、日本一になった時、「待っていたぞ、ドラゴンズ!」と心から言いたい。その喜びは、強い時だけを見てきた人より、苦しい時代も応援し続けた人のほうが、きっと大きいでしょう。勝つから応援するのではない。応援しているから、勝ってほしい。これからも一喜一憂しながら、顔晴れ!中日ドラゴンズ。そんな気持ちで、私は応援を続けていきたいと思います。羽富 都史彰
2026.09.04
コメント(0)
題名商いの世界は、バランス感覚を磨く道場⁇学校で学ぶ「答え」と「型」から学びます。私は最近、学校と商いの違いについて考えることがあります。学校は、先生から多くのことを教えていただく場所です。国語には言葉の意味があり、算数には計算の答えがあり、歴史には過去の出来事があります。もちろん、学校は答えを暗記するだけの場所ではありません。自分で考える力や、人と協力する力も学びます。それでも、学びの入口には、まず「基本となる答え」や「型」があります。何も知らないまま自由に考えなさいと言われても、なかなか難しいものです。最初に基本を学ぶ。そして、その基本を使いながら考える。私は、それが学校教育の大切な役割の一つだと思っています。では、商いの世界はどうでしょうか。長年、商いの現場に立っていると、学校のテストのように「これが正解です」と言える場面は、意外と少ないことに気づきます。むしろ商いでは、「昨日の正解が、今日の不正解になる」ことさえあります。だから今の私は、商いの世界は答えを覚える場所というより、バランス感覚を磨く道場なのではないかと考えるようになりました。商いでは「ちょうどよさ」が問われる。いいあんばいが大切です。バランス感覚は日々実践から身につけます。例えば、お客様への声かけです。すぐに話しかける。これが喜ばれるお客様もいます。しかし、「今日は一人でゆっくり見たい」という方にとっては、声をかけられることが負担になることもあります。逆に、相談したそうにしているお客様に、ずっと声をかけなければ、それもまた不親切です。つまり、話しかけることが正解なのでもなく、話しかけないことが正解なのでもない。大切なのは、「今、このお客様には、どの距離感がちょうどよいのか」を考えることです。これは接客だけではありません。品揃えも同じです。商品が多ければよいわけでもなく、少なければよいわけでもありません。価格もそうです。安ければ喜ばれることもありますが、安くしすぎれば商品の価値を下げることがあります。人員配置も、品揃えも、イベントも同じです。攻めすぎてもいけない。守りすぎてもいけない。商いには、いつも両方の間にある「ちょうどよさ」があります。私は、そのちょうどよさを探す力こそ、商いに必要なバランス感覚だと思っています。失敗が、感覚を育ててくれるのです。だからこそ、商いの現場は道場なのだと思います。道場では、最初からうまくできる人はいません。基本の型を覚え、何度も繰り返し、失敗しながら身につけていきます。商いも同じです。接客で話しすぎてしまうこともあります。勧めるタイミングを間違えることもあります。イベントで思ったほどお客様が来ないこともあります。売れると思って仕入れた商品が、残ってしまうこともあります。しかし私は、失敗そのものが悪いとは思っていません。大切なのは、「なぜダメだったのか」で終わることではなく、「次は、どうすればもっと良くなるだろう」と考えることです。失敗したからこそ、次の接客で少し引いてみる。売れなかったからこそ、見せ方を変えてみる。お客様の反応が薄かったからこそ、言葉を変えてみる。その小さな修正の積み重ねが、やがて「感覚」になります。私は、この感覚こそが商いの財産だと思っています。だから、マニュアルだけでは足りません。マニュアルは基本を教えてくれます。しかし、現場では、お客様も天気も時間帯も、その日の空気も違います。そこで必要になるのが、細かな答えを全部決めるマニュアルではなく、判断の方向を示すガイドライン=指針です。型は持つ。しかし、型に縛られない。これが大切です。商いは、一生続く「稽古」私は、商いには卒業がないと思っています。何十年やっていても、「あの言い方は余計だったかな」「もう少し待った方がよかったかな」と反省することがあります。反対に、お客様の一言から、「なるほど、こういう接し方もあるのか」と教えていただくこともあります。つまり商いとは、こちらが一方的に教える仕事ではありません。お客様から教えていただきながら、自分自身を磨いていく仕事でもあります。学校では、基本となる答えや型を学ぶ。社会では、その型をどう使うかを考える。そして商いの現場では、その人、その時、その場所に合った最適解を探し続けます。私は、これが伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道の根っこにある考え方だと思っています。正解を覚えるのではない。ケースバイケースで考える。そして、その場に一番フィットする答えを探す。商いとは、商品を売るだけの仕事ではありません。人を見て、空気を感じ、失敗から学び、自分の感性と判断力を磨き続ける仕事です。だから私は、まとめとして「学校は型を学ぶ場所。商いは、バランス感覚を磨く道場。」そう考えています。そして、この道場での稽古は、一生続くのだと思います。いかがでしょうか?参考になれば幸いです。羽富 都史彰
2026.09.04
コメント(0)
題名地方創生2.0とは??―「ないもの探し」から「あるもの磨き」へ―地方創生は、誰がするものなのか?最近、「地方創生2.0」という言葉を耳にするようになりました。地方創生と聞くと、「国や県、市役所が考えることでしょう」と思われる方も少なくないかもしれません。しかし私は、そうではないと思っています。地方創生とは、行政だけが行うものではなく、その地域で暮らす人、働く人、商いをする人、一人ひとりが関わってつくっていくものではないでしょうか?いかがでしょうか?地方創生2.0では、人口が減少していく現実を受け止めながらも、「強く、豊かで、新しい・楽しい地方」をつくることが大きな方向性として示されています。私は、この「楽しい」という言葉に、とても興味を持ちました。地域には、すでに「宝」がある。常総市には歴史伝統文化が数多くあります。地方創生というと、「新しい観光施設をつくろう」「有名なお店を誘致しよう」「大きなイベントを開催しよう」と考えがちです。もちろん、それも一つの方法です。しかし私は、「今、この地域にあるものを、もっと面白くできないだろうか?」と考えることも大切だと思っています。地域のお祭り、商店、農産物、歴史、文化、道の駅。そして何より大切なのが、そこに暮らしている「人」です。実は地域の宝は、建物だけではありません。人の経験、技、知恵、会話、笑顔。目には見えにくいものの中にも、地方創生の種はたくさん眠っていると思うのです。伎芸型おもてなし商売道との共通点。ここで私は、自分が考えてきた「伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道」との共通点に気づきました。伎芸型には、一つの決まった正解はありません。お客様も違えば、場所も違う。天候も違えば、その日の雰囲気も違います。だから、「ケースバイケースで考える」そして、「正解ではなく、その場に合った最適解を探す」ことを大切にしています。例えばキッチンカーでも、コロッケやクレープを販売することだけが目的ではありません。会話が生まれる。笑顔が生まれる。「また、おじさんに会いに来たよ」と言っていただける。商品を買うことから、人とのご縁が生まれ、その場所そのものが楽しい思い出になっていく。私は、これも小さな地方創生ではないかと思うのです。「人を呼ぶ」前に「人が輝く」地方創生2.0が地域全体の方向性だとすれば、伎芸型おもてなし商売道は、それを商いの現場で実践する一つの方法になれるのではないでしょうか?大切なのは、「地方には何もない」と考えることではありません。ないものを探すより、あるものを磨く。そして、「人を集める地域づくり」だけではなく、「そこにいる人が愉しそうに働いている地域づくり」を目指す。愉しそうに働く人がいれば、人が寄ってきます。人が集まれば会話が生まれます。会話が生まれれば笑顔が生まれ、商いが生まれます。そして地域に少しずつ、お金と人とご縁が循環していく。私は、「ないもの探し」から「あるもの磨き」へ。これからの地方創生には、この考え方も必要だと思っています。伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道も、その小さな一歩です。地方創生は、大きな政策だけではありません。目の前のお客様を笑顔にすることから、地域は変わり始める。私は、そう思っています。「地方創生は行政だけの仕事ではない」と考え,官民連携だと考えています。いかがでしょうか?参考になれば幸いです。羽富 都史彰
2026.09.03
コメント(0)
題名マニュアルより「考える余白」を残す商いとは??マニュアルを作れば、人は育つのだろうか?私は長年、商いの現場に立ちながら、こんなことを考えるように6年ぐらい前から意識するようになりました。マニュアル書を作れば、作るほど、自分で考えないスタッフが増えてしまうのではないか?もちろん、私はマニュアルを否定しているわけではありません。アパレル店舗や食品を扱うフード店舗上での衛生管理、安全管理、金銭管理、開店準備や後片付けなど、「誰がやっても一定の水準を守らなければならない仕事」にはマニュアルが必要です。しかし、お客様への接客やおもてなしまで、すべてマニュアル化してしまってよいのでしょうか?私は、そこに少し疑問を持っています。お客様は「マニュアル通り」には動かない商いの面白さでもあり、難しさでもあるのは、目の前のお客様が一人ひとり違うことです。話しかけてほしい人もいれば、静かに商品を見たい人もいる。笑わせてほしい人もいれば、今日は少し疲れていて、そっとしておいてほしい人もいる。同じ人であっても、昨日と今日では気分が違います。ということは、「この場合は、この言葉を言えば正解です」という接客は、本当は存在しないのかもしれません。大切なのは、お客様の表情や声の調子、歩く速さ、その場の空気を感じながら、「今日は、どんな接し方が一番フィットするだろう?」と自分で考えることです。私はこれを、ケースバイケースで最適解を探す商いだと思っています。だから「マニュアル」ではなく「ガイドライン」そこで私が大切にしてきたのが、ガイドライン=指針書という考え方です。そして、この考えを形にしていったものが、私が提唱する伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道です。マニュアルは、「①をやって、次に②をやり、最後に③をやる」というように、行動の答えを教えてくれます。一方、ガイドラインは違います。「私たちは、何を大切にするのか」「お客様に、どんな気持ちで帰っていただきたいのか」という判断するための軸を示します。私は、スタッフに魚を与え続けるのではなく、魚の釣り方を一緒に考えるような人材育成をしたいのです。答えを全部教えてしまえば、その答えを超える発想は生まれにくくなります。しかし、基本となる指針だけを共有し、あとは現場で考えてもらう。そこには当然、失敗もあります。でも、その失敗から、「なぜダメだったのか」ではなく、「どうすれば、もっと良かったのか?」を考える。私は、この繰り返しが人を育てると思っています。「考える余白」が、伎芸を育てる伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道には、すべてのお客様に 通用する一つの正解はありません。あるのは、目の前の人に合わせて考えるという基本姿勢です。だから私は、マニュアルで人を動かすより、ガイドラインで人を育てたい。そう考えています。マニュアルは「間違えないための仕組み」。ガイドラインは「より良くするために考える仕組み」。この二つは、似ているようで少し違います。守るべきところは、しっかり守る。しかし、人と人との間には、あえて「考える余白」を残しておく。その余白があるから、観察する。考える。工夫する。そして、ときにはアドリブが生まれる。ケースバイケースで、その時、その場所、その人に一番フィットする最適解を探していく。私は、その積み重ねの中から生まれるものこそが、「伎芸」なのだと思っています。いかがでしょうか?参考になれば幸いです。羽富 都史彰
2026.09.02
コメント(0)
全23件 (23件中 1-23件目)
1