美味しいワインと出会う旅

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2007/07/04
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カテゴリ: ワインについて

ワインの飲み頃

買ったワインを何時飲むか、これは簡単な様でいて実に難しい選択だ。恵まれた事に私は生まれ育った家に地下室があった、冬で10度真夏で18度の地下室はセラーには最適だった。そんな事でワインセラーとの付き合いは既に40年近くになる。生家を出た後もマンション暮らしが10年あったがその間も冷蔵庫タイプのセラーも併用して実家のセラーの管理は続いていたし、現在の家には完璧な地下セラーと冷蔵庫タイプのセラーを数台使っている。

先ず私の場合ボルドーワインはプリムールでインポーターから直接ケースで買う事が多い。色々なワインがケースで届く。そして直ぐにその中から数本飲んでみる。それでその年のヴィンテージとワインの特徴を覚える。そしてだいたいのワインの飲み頃も予測するのである。

1982年のように届いて直ぐに飲んでも美味しく、時を経て飲んでも美味しいヴィンテージなど20年に一回位しかない。1990年はそれに近いがその後はまだ出会っていない。少なくとも70年代以降の最高の年と言ってよいだろう。この様な年を除いてボルドーのワインは通常よい年ほど閉じている物が多い。外れ年と言われる年の方が最初から柔らかいのだ。届いた時で通常既に3年は経っているワインだがよいワインは最低でも後2~3年は寝かせたい。そして通常のボルドーワインは7年目ぐらいからオリが出始める。

当然第一のピークと第二のピークの間は何時でも美味しく楽しめる。

ワインのピークは3回あると思う。その何処でワインを飲むかは好みもあるし、出会いもある。実際何時セラーにあるワインを抜くか、またどのワインを抜くか悩む物だ、特に沢山あるワインの中からどれを選ぶか、難しい。セラーに入る前に考えていた事がセラーに入って実際に手に取ると変ってしまう事の方が多い。

ワインの一回目のピークは通常7~12年目だと思う。これは多少のオリが出て軽い熟成感が出始めた頃である。まだ十分な果実味があり、多少嫌味なタンニンが抜けてエグミが消えた頃だ。まだ色も褐色にはならず若々しさを保ち、熟成香も多少出て来た位でそのワイン本来の持っている良さが上手く出てくる頃でもある。通常レストランで楽しむのもこの頃が多い。
まだ瓶による個体差も少なく、商売でワインを売るレストランにとってもリスクが少なく扱いも簡単だ。

ワインの2回目のピークはそのワインが完熟する一歩手前だ。何時完熟するか予測するのはとても難しい。野球の打ち上げた球の用にワインも力が弱くなると一気に力を落としてしまう。最初は徐々に良くなるのだが、いったんピークを過ぎると意外と早く力が抜けてくる物だ。これは年やワインの格によってずいぶん変って来る。早い物で15年遅い物だと30年以上だと思う。以前書いたが1万円のワインなら15年以上、2万円のワインなら20年以上、3万円のワインなら30年以上待たないと完熟はしないと思ってよい。また当然瓶による差も多く瓶によって5年前後の違いが生ずる事はしょっちゅうだ。
私の様にケース買いして5年目、10年目、15年目と飲んでいれば自分のセラーの癖も含めてそのワインの完熟予想がたつのだが数本しか持っていない場合は、パーカーの飲み頃予想の最後位が完熟の5年位前だと思えばよいだろう。パーカーさんは決して完熟好みではなく古酒にも若さを求める人だと思う。健康な若さのある内が彼の薦める飲み頃だ。
この完熟の一歩手前は実に素晴らしいワインになる。本当に良いワインの良いヴィンテージのワインは人間が作った飲み物とは思えない、神の領域に入ってくる。何故一歩手前かと言えば株でも最高値で売り切るのは難しいし、最安値で買うのも難しいのと同じで完熟だと思ったら1~2年過ぎていて力が抜けている事が多い、何でも際を狙わない方がよいのだ。

そして最後のピークは古酒としてのピークだ、古酒が嫌いな人には理解されない世界だ。
いわゆる完熟を過ぎるとタンニンはやせ細り、良い酸味も減って酢酸の様な酸味になる。
色も褐色になり、エッジだけのレンガ色が中心に向かって広がって行く。ボディーや果実味も減ってくる、じゃあ飲んで美味しくないじゃないかといわれそうだが、そういわれればその通りである。しかし香りが凄いのだ、ボルドーでも味は水の様だが香水の如き溢れる香り、グラスの中に吸い込まれるような熟成香がでてくるのだ。これは危険な賭けだが一度この香りを知ってしまうと時々無性に恋しくなる。ブルゴーニュもこれまたもっと凄い香りを発する。一種のフェロモンの様な物で一度知ると時間と金を掛けても出会いたくなる。

とまあワインはかように変化する唯一の飲み物だ、この不思議な熟成が人をワインのとりこにする理由だと思う。

熟成を楽しむなら是非ボルドーなら1級かスーパーセカンド以上の程ほどのヴィンテージ(1998,1999、2002,2003,2004)を12本同じワインを未開封の木箱で買って3年おきに飲んでみて下さい。ブルゴーニュならニュイのグランクリュ(クロ・ド・ヴージョ、エシェゾー、シャンベルタンの各種グランクリュ等)をお気に入りのドメーヌの物で不作以外のヴィンテージを買ってみると良いでしょう。20万位の投資ですが貴方のワインライフを大きく変えると思います。ボルドーの良年は熟成に時間が掛かって完熟まで付き合う頃にはドクターストップでもう酒は飲めないと言う事になる可能性が大きいのでお勧めしません。






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Last updated  2007/07/04 07:25:25 AM
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