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ことりさん主宰の愛知の落語会、「りらっくご」。4回目となる今回も、県境を超え、1000円高速で馳せ参じました!受付で記念写真。スタッフのmayさんトモさん、私、席主のことりさん、一緒に聴きに行ったえりすけちゃん&あとむちゃんと。(撮影はわが家の夫。運転もお疲れさまでした)次回からは会場の規模がバージョンアップされるそうで、毎度の楽しみだったこの構図での記念写真は、これが最後となります。産声をあげたばかりの落語会のスタートに立ち会えたことは、大きな喜びでした。客席がたくさんの笑い声で包まれる温かい雰囲気は、高座に上がる噺家さんたちにとっても、大いに「ノセてくれる」ものではないでしょうか?…という訳で、大熱演の出演陣と演目。笑福亭鉄瓶 「狸の賽」 桂 紅雀 「花色木綿」桂こごろう 「茶の湯」3人によるトークコーナー鶴瓶師匠のお弟子さんだとわかっていたのに、どうしてもその名を「…てつびん」と読みたくなってしまう(笑)鉄瓶(てっぺい)さん。マクラで、一門の強烈なお兄さん達の話を披露されて、のっけからお腹を抱えて笑いました。師匠ではなく、桂九雀さんから教わったという「狸の賽」。何度か聴いたことがありますが、オチには2つのパターンがあるようで…あ、今日はこちらか!という楽しみ方も出来るのですね。丁半博打のように、こっそり自分だけで賭けてみるのも面白いかもしれません。「花色木綿」は、着付けを習い始めた頃に始めて聴いて、着物の用語が色々出てくるのでとても印象に残った噺でした。笑いどころは、泥棒に入られて、盗られてもいない家財を口から出まかせで列挙するやもめ男の図々しさなのでしょうが、紅雀さんの高座では、泥棒が盗みに入る冒頭の場面から熱演で、そうか、泥棒に入るときはこんな風にやればいいのか…と感心してしまったくらいです(笑)そして私は、紅雀さんのマクラが大のお気に入り。今回も、古いガス湯沸かしのお風呂の話が本当に笑えました。(詳細は、文章ではあのおかしさが再現しきれないので省略)そして、トリのこごろうさん「茶の湯」。実はこの噺、高座でじっくり聴いたことがなかったのでうれしかった!佐藤多佳子さんの小説「しゃべれどもしゃべれども」では、主人公の噺家さんが挑戦する師匠の十八番として、この「茶の湯」が登場します(映画版では「火炎太鼓」でした)。我流のおぞましい茶の湯にハマって、どんどんエスカレートしていくご隠居さん。客席の笑いのボルテージも、こごろうさんの熱演ぶりも、一緒に上昇気流に乗っていくようでした。この日の深夜、日曜恒例の「ちりとてちん」再放送(NHKハイビジョン)を見ていたら、ちょうど喜代美ちゃんが落語家修業を始めたところ。草若師匠の「落語は一人だけのもんやない。皆のもんや」というセリフが、大いに笑った一日のしめくくりに、深く心に響いたのでした。ことりさん、スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした!結城紬の単衣に更紗模様の袋帯で。
2010.05.30
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世界の貿易と愛と嘘と欲望渦巻く街魅惑が手招く亜細亜の真珠さ世界のブランドが今夜もまた甘味なワナにおちる世界の欲望が渦のようにトンネル潜り抜ける…というのは、香港を歌ったクレイジーケンバンドの名曲「スージー・ウォンの世界」の一節。人の気が醸し出すパワーに溢れた香港、その魅力を象徴するものの一つが、きらめく夜景です。私たちも、事前にネットでナイトクルーズと夜景巡りのオープントップバスを予約して、連日、違った角度からたっぷりと鑑賞してきました。ヴィクトリア湾をクルーズする赤い帆船「アクアルナ」。19:30出航の便は、九龍サイド・香港島サイド双方のライトアップショーが見られるので人気です。(でも、ちょっと甲板の自分たちが密航者みたいに思えてしまいました…笑)船上から見る夜景は、水面に映る灯の美しさも楽しめます。こちらはバスからの眺め。海底トンネルにこれから突入!というところ。香港島に到着すると、間近に摩天楼を見上げながら走ります。大迫力!温暖化対策、という概念が果たしてここには存在するのだろうか…??という思いも、チラリと頭をかすめましたが。(ちなみにクールビズという概念は絶対ないと思う…と言い切りたいほど、どこも冷房はガンガンでした)人工の美に溢れ、人造の快楽に満ちた街。誰もが例外なく、経済活動の一部分として存在している街。そのあり方のゆるぎなさ、もうあっぱれ!と唸るしかありませんでした。一度の人生、よく働きよく遊びなさい!と、香港の街に気合いを入れてもらった感じです。
2010.05.28
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香港を訪れるのは、今回が3回目だった私。前回の旅は、中国への返還を目前に控えた96年。当時は気ままな独身生活、同期入社の友達と、ホテルのベッド一杯にショッピングの成果を広げて、記念写真を撮ったものでした。…時は流れて、久々の再訪となった香港。キッチュなタイガーバームガーデンも、遠目に眺めるだけでも「魔窟」の異様な雰囲気を醸し出していた九龍城砦も、今はもうありません。旅する私自身にも変化は訪れていて、旺盛な物欲は少し影をひそめ、残したいのはモノより思い出…という心境に達してきたようです。楽しかった旅行の中でも、特に今回は舌の記憶に残る、美味しいものをたくさんいただきました!普段、食事中は口数の少ないわが家の夫。この人、こんなに「うまい!」って言う人だったかしらん?と驚いたくらいです(笑)ホテルに荷物を置いた後、早速向かったのは、マンダリンオリエンタルホテルの「クリッパー・ラウンジ」。飛行機の疲れも吹き飛ぶアフタヌーンティー。スコーンに添えられたローズペタルのジャムは最高でした。この日は飲茶でブランチ。ワゴン係のおばさんが、セイロに入った熱々の小籠包を運んできてくれたところです。休日なので家族連れで大賑わい。こちらの「美都餐室」(MidoCafe)は、1950年開業の喫茶店。レトロな店構えが観光名所ともなっています。朝食を食べに訪れた私たち。モザイクタイルの内装が醸し出す雰囲気に、懐かしさをかき立てられました。ミルクティーと「パイナップルパン」と呼ばれるパンをいただきました。果物のパインが入っているわけではなく、ふわふわのほんのり甘いパン。温められて、がっつりバターがはさんであります。香港式の濃厚なミルクティーとの相性が抜群でした。(ソーサーにこぼれているのは、お店のおばさんの大らかさの表れ…?)お粥専門のチェーン店で朝粥を食べながら、これからマカオに行ってみようか、と思い立った日もありました。香港からフェリーで1時間。昼食は、ポルトガル領だったマカオならではのMIXカルチャーなお料理をいただきました。カレー味のポルトガルチキンも、バカリャウ(干しダラ)のコロッケも大変結構なお味でした。レストランは市内中心部にある「ソルマー」。ガイドブックで見つけたお店でしたが、重厚な店内の雰囲気は外の喧騒とは別世界。制服を着た年配のウェイターさん達が手際よく働く様子が印象的でした。マカオでもう一つ食べたかったのが、ポルトガルでも味わってきたエッグタルト。裏通りにある「マーガレット・カフェ・エ・ナタ」は、TV番組でも見たことのある有名店。サクサクのパイはかぶりついたらホロホロと崩れるほど軽くて、焦げ目のついたカスタードも甘さ控えめで大変結構でした。ちなみにこちらは、翌日香港で食べたエッグタルト。マカオ式と比べ、タルト生地とプリンのようなカスタードの組み合わせ。子どもの頃から中華街で食べてきたタルトはこちらの広東式なので、これはこれで外せない(笑)過去には英国総督もご贔屓だったという「泰昌餅家」でテイクアウトし、トラムに乗って車窓を眺めつついただきました。事前のプランニングで挙がった食べたいものを一つずつ制覇していったおかげで、朝から夜更けまでとにかく食べてた!という感じ。主婦にとっては、三食の支度と片付けから放免されるだけで、何という贅沢!と感激(笑)これも旅の幸せの一つですね。春先には体調を崩していたこともあり、美味しく食べられるってなんて幸せなんだろう、と実感した旅。思い出と共に、脂肪もしっかりつけて帰国して参りました…このお土産は余計だったなぁ(涙)
2010.05.26
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ミスター・モーは手際よく封筒の裏に絵を描き、香港の「気」がどういうルートを通って調和しているかを説明した。それは風水占いの即席レッスンだった。そして説明が終わったとき、ジョージには、香港という場所がいろんな驚異に満ちているように思われた。九龍(カオルーン)の向こうにそびえる山々は、九匹の龍だった。大陸から切り離された美しい形の香港島は、龍たちがたわむれる球だった。 -ポール・セロー 「九龍塘の恋」-2週間遅れのゴールデンウィーク(?)で、夫と香港へ遊びに行ってきました。今回の旅行は久々に雨女ぶりを発揮。折りたたみ傘が手放せない毎日で、湿度はなんと90%超え…ストサウナの中を歩いているような、スパイシーな東南アジアの空気を久々に満喫してきました。少し落ち着いたら、街歩きの写真などご紹介したいと思います。◇◇◇機内の映画プログラムで、ウェス・アンダーソンの新作「ファンタスティック・ミスター・フォックス」が観られて大感激!「チャーリーとチョコレート工場」の作者、ロアルド・ダールの「すばらしき父さんぎつね」が原作の人形アニメ。今年のアカデミー賞にノミネートされていたのですが、主役のミスター・フォックスの声優はジョージ・クルーニーなのです(嬉)。アニメーションも音楽も素晴らしくて、あまりにも気に入って、帰りの機内でまた観てしまいました。ウェス・アンダーソンの映画の中では一番好きかも。ちなみに飛行機はキャセイパシフィックだったので、当然、字幕は中国語。題名は「超級狐狸先生」ですって。なるほど(笑)香港の街角では、DVD発売のポスターを発見しましたが、日本では公開されないのかなぁ…*ジョージ・クルーニーは「佐治古尼」、メリル・ストリープは「梅麗吏翠普」という表記になっていました。
2010.05.20
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近年、講談社から復刊された田辺聖子さんの著作群は、とにかく装丁が愛らしくて、書店に並んでいるのを見ると、コレクター魂に火がつきそうになる素敵な本ばかり。例えば、名作「乃里子三部作」の復刻判(単行本)は、こんな感じ。 講談社文庫で復刊された作品は、上楽藍さんが作られた手ぬぐいが表紙になっています。本棚に納めてしまうのがもったいなくなるほど、かわいい! 今回読んだ「春情蛸の足」は、美味しい食べものとオトナの恋ごころをモチーフにした短編集。「何たって、男女二人して、(これ、おいしいわ、ね、あなた)(うん。うまいなあ)というのが人生至福の境地なのだ」 -“慕情きつねうどん”- という一文が象徴するように、どの物語にも、全然高級ではないけれど、奥深い魅力のあるご馳走たちが登場して、空腹時には絶対に読んではいけない本です。おでんって、うどんって、お好み焼きって、こんなにも美味しそうで魅力のある食べものだったのか…と、頁をめくる都度、再発見させられました。(そしてすぐにでも食べに行きたくなりました・笑)おせいさんの小説の何が好きと言って、どの小説にも、ハッとさせられる、読む側の心のツボに鍼を打ち込むようなアフォリズムを見つけられること。そして何より、歳を重ねていくことって悪くない…と、心の底から思えることです。ままならないことの多い生活や、時に思わぬ不幸に足元をすくわれる人生を、淡々と受け入れて生きていく小説の登場人物たちは、みんなヒロイックな格好良さとは無縁だけれど、地に足の着いた魅力がある。そういうオトナたちを指す言葉は、「おじさん、おばさん」よりも、やっぱり関西弁の「おっっちゃん、おばちゃん」が似合うみたい。若さの持つキラキラ感とは別の種類の輝きが、確かにそこにはあるのです。解説の小川糸さん(食堂かたつむりの著者)も書いておられましたが、読後は心を満腹にして「ご馳走さま!」と言いたくなる一冊。男女を問わず、お奨めです。
2010.05.18
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「過去と現代、日本と台湾を繋ぐ、今はない住所『海角七号』宛の7通の古い手紙。懐かしくて、切ない感動の物語」…というキャッチコピーを読んで、ノスタルジックな恋の映画を想像して観たら、ストーリーの主軸になっていたのは、日本の敗戦によって引き裂かれた恋人たちではなく、ひょんなことからステージに立つことになった即席のバンドメンバーと、彼らを取り巻く人々の群像劇でした。海辺の小さな町で、日本からミュージシャン(中孝介さんが本人役で出演。あの癒しの歌声も披露しています)を招いてフェスティバルが行われることに。その日に向けて、ある成り行きから町民選抜のバンドが編成されることになるのですが、文字通りの「老若男女」からなるこのメンバー達の個性がとっても良かった。全員、本職の俳優ではなく、各方面のミュージシャンを起用したそうです。ホウ・シャオシェンやエドワード・ヤンなど、作家性の強い台湾映画のファンだった私にとっては、この作品の大衆向けな作りは、予想を裏切るものでした。台湾ではタイタニックに次ぐ記録的なヒットとなったのも納得の、万民受けするハートウォーミングな作品。全体的に昭和の香りが漂うというか、ひと昔前の邦画を思い出させる印象が。ところがラストの15分で、いきなり名作の風格が漂いだし、感動の波がジワジワと押し寄せてきてビックリでした。恐らくこの映画は台湾の人々にとっての「フラガール」的な作品なんだろうな、と想像。冒頭、80歳の郵便配達員(!)ポーさんが、手紙を乗せたバイクを運転しながら日本語で鼻歌を口ずさむ場面。学生時代に台湾を旅した時、街角でガイドブックを広げていたら、一度ならず現地のお年寄りたちに日本語で話しかけられ、道案内など親切にしていただいた思い出が甦りました。映画館を出た後、同行の友人が美味しいケーキショップへ連れていってくれました。小さなカフェスペースがあり、中国茶がオススメらしいので、ジャスミンとプーアル茶のブレンドを注文。 プーアル茶はガトーショコラとの相性◎だそうです。土瓶にたっぷり入ったお湯で何煎もお代わりを淹れましたが、最後まで美味しかった!
2010.05.12
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今日も五月晴れ!洗濯物もあっという間に乾いてくれてうれしい限り。実は、ゴールデンウィーク直前に洗濯機が突然に寿命を迎えてしまって(涙)難儀したので、今はフツーにお洗濯が出来るだけで幸せな気分…乾燥機がどんなに普及しても、私は日なたに干した洗濯物の匂いが好きです。ひと働きした後、近くのパン屋さん兼カフェでブランチ。私がいただいたのは、ひよこ豆とチキンのカレー。テーブルの奥に映っているのは夫が注文した特製ハンバーガーです。バンズはさすがのクオリティで、ボリュームたっぷりのハンバーグに負けていませんでした。小麦の食べ過ぎは身体によくないらしい…とわかってはいるものの、美味しいパンを目の前にすると自制心が吹き飛ぶ私。バスケットに入ったパンはお代わり自由。当然のようにお願いしてしまいました(笑)来月から仕事を変えることになって、今週からしばらくは忙しい日々になりそう。日曜日のブランチでエネルギーを補給して、がんばるぞ!と気合いを入れています。
2010.05.09
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連休後半は、NHK(BS1)で放映されていた「証言ドキュメント 日本サッカーの50年」を毎日楽しみに見ていました。その気になれば大河ドラマにも出来そうなドラマティックな歴史を、4回シリーズでふり返るという企画。メキシコ五輪の銅メダル、「ドーハの悲劇」、ワールドカップ初出場、そして現在へ…という構成で、一サッカーファンとして、それは自分たちが信じていた夢の跡をなぞるような時間でした。叶った夢もあり、届かなかった夢もあり。それでも、ある時はスタンドで、ある時はテレビの前で、無我夢中の時間を過ごしたことこそが幸せだったと…過去の映像を見ただけで高鳴る鼓動が教えてくれました。運動嫌いな私がスポーツ鑑賞に魅入られているのは、真剣勝負の場で生まれる劇的な高揚感がたまらなく好きだから。連休中、もう一つ夢中になっていたのが、大好きなフィギュアスケートについて書かれた、田村明子さんのドキュメンタリーでした。 特に、最新作の「パーフェクトプログラム~日本フィギュアスケート史上最大の挑戦」は、バンクーバー五輪を軸に据えた“とれたてホヤホヤ”の一冊。「フィギュアスケートは、世界で最も美しいスポーツの一つだ。だが同時に、多くの複合的な要素をその内側に宿した複雑なスポーツでもある。誰もが見て楽しむことができる。だがそのあまりにも多面的な内側を理解することは、長年このスポーツに関わってきた関係者でなくては難しい。」 (プロローグより抜粋)オリンピックの感動や様々な思いが新鮮なだけに、ある点では「我が意を得たり」と膝を打ち、一方で頭を冷やされるような気持ちで読んだ部分もあり、大変に面白かったです。人が人を採点する、という競技の持つ暗黒面。閉じられた人間関係が複雑に絡まりあう世界。取材によって明らかになった事実には、「えげつない」という表現がピッタリ来るような所業も数々あって、まさに「小説より奇なり」!(特に“氷上の光と影”には、サスペンスタッチの面白ささえ感じてしまいました…)冒頭で紹介したNHKの番組は、かつてスタジアムを埋めていた、そして今はスタンドに来なくなってしまった層へ向けて、もう一度日本代表への気持ちを思い出してください、と手紙を書いているかのような内容でした。そこには、作り手の紛れもないサッカーへの愛が感じられました。田村さんの著作も、フィギュアスケートという競技の魅力や、限界まで理想の演技を追求する選手たちへのリスペクトが行間から伝わってきます。同じ時間を生きるなら、1秒でも長く何かに夢中になれていた方がいい、という主義の私には、その“マニア魂”が何とも言えずまぶしくて、心の底から感動してしまったのでした。
2010.05.06
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映画の日に話題の映画を観に行ったら、いつも行くシネコンは普段では考えられないほどの賑わいぶりでした。連休に遠出をしないわが家と同様、映画の世界にお出かけすることに決めた人たちでしょうか。19歳になったアリスが、幼い頃に迷い込んだ不思議の国を再び訪れることになり…、という本作。登場するおかしなキャラクター達は「不思議の国のアリス」を忠実に踏襲していますが、この映画自体には、本家の「アリス」が持つ、不気味なほどナンセンスで少しダークな雰囲気は薄まっていました。むしろ、いかにもアメリカのメジャー作品らしい、正統派のアクション&アドベンチャームービー。インディ・ジョーンズを観ている気分で、2時間楽しませてもらいました。3D上映用のメガネの重さだけは、もう少し何とかならないのか?と思いましたが…(メガネをかけ慣れない私、最後の方では頭痛が。自分のメガネとW着用の夫の鼻にはすごい跡・笑)アリスを演じた女優さんは、ルックスも演技も私には今ひとつ魅力が感じられなかったけれど、彼女が映画の中で次々に纏う衣裳の数々はとても素敵でした。ティム・バートン映画の常連、ジョニー・デップとヘレナ・ボナム・カーターはもう、さすがの存在感と吹っ切れぶり(笑)CGアニメを駆使したキャラクター達の中で、何より心奪われたのはチェシャ猫。煙のように消えては現れる、その軽やかでやわらかい動きの素晴らしさ!原作を初めて読んだ時の、あの挿絵を見た時の気持ちが甦るくらい、あぁ、チェシャ猫ってこういう生きものだったのか…!と、感動を覚えました。それから、今ヒット中のアヴリル・ラヴィーンが歌う主題歌「ALICE」。初めて有線か何かで耳にした時から、曲調が持つガーリーな切なさがたまらなく気に入っていたので、実は一番気に入った場面は、この歌が流れるエンド・クレジットだったかも(3D画像の魅力が最も生かされていたシーンのようにも思えます)。「不思議の国のアリス」を題材にした映画は色々ありますが、私が一番好きなのは、高校生の頃に見た「ドリームチャイルド」という作品。作者のルイス・キャロルが少女に寄せる恋情を、彼がアリスに語る物語と絡めながら描いていて、冒頭の美しい海のシーンなど未だに眼に焼きついています。久しぶりに再見したくなりました(でもDVDはもう入手困難なようで…残念)。
2010.05.01
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