三角猫の巣窟

三角猫の巣窟

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

サイド自由欄

コメント新着

三角猫@ Re[1]:戦争反対について考える(04/02) 四角いハムスターさんへ 四角いハムスタ…
四角いハムスター@ Re:戦争反対について考える(04/02) お久しぶりです。 コメントはしておりま…
三角猫 @ Re[1]:善本位制について考える(08/02) 四角いハムスターさんへ 善本位制がうま…
四角いハムスター@ Re:善本位制について考える(08/02) 三角猫さんへ 中国は国家安全ために自国…
三角猫 @ Re[1]:善本位制について考える(08/02) 四角いハムスターさんへ 私は宗教国家の…
2020.03.21
XML

『100日後に死ぬワニ』というTwitterの4コマ漫画でワニが死んで話が終わったとたんに書籍化、映画化、Loftのグッズ販売、クレーンゲーム用のグッズ販売、ガチャのグッズ販売、いきものがかりとコラボとかが一挙に発表されて、電通のステルスマーケティングだと批判されて炎上していて、「電通案件」がTwitterのトレンドになっている。これについて考えることにした。

・死は面白いのか、不謹慎なのか

私は『100日後に死ぬワニ』を全部見たわけでもないけれど、内容は擬人化されたワニが友人と遊んだりする日常系の話のようである。ではもしワニが100日後に死ななくて単なる『100日分のワニの日記』だったらこの話は面白くなかったのだろうかと考えると、たいして面白くもないし話題にならなかったかもしれない。死はフィクションの見どころの一つと言える。
あらゆる生物は〇日後には死ぬし、フィクションに慣れた人は架空の人物が死んだからと言ってどうとも思わないけれど、フィクションに慣れていないナイーブな層がけっこういる。そういう人たちにはお涙頂戴系の話が売れる。いたいけな少女が難病で死ぬ『世界の中心で愛を叫ぶ』や『四月は君の嘘』のようなのが典型的である。需要があるから売れるわけで、そういう分野をあざとく狙うのも商業作品としては別に悪いことではない。芥川賞作家の三田誠広の『いちご同盟』はお涙頂戴物を狙って書いたそうで、狙い通りに売れて映画化された。『100日後に死ぬワニ』の作者のきくちゆうきは事故死した友人をテーマにしたようで、死を金儲けにしてよいのかという倫理面の批判もあるようである。現実のあらゆる出来事はフィクションのテーマになって当然だし、プロならそれで金を稼ぐのも当然で、友人の死をテーマにして金儲けをしても『100日後に死ぬワニ』はその死んだ友人が特定できない形になっているので、倫理的な問題はないと思う。
死ならそこら中にありふれているので、死を物語として売るならひとつひとつの存在の生と死に何を見出してどういう価値を持たせるかで作者の思想が読者に問われる。商業作品としての価値と芸術作品としての価値は違うので、芸術作品としては誰かが死んでかわいそうだねで終わらないような内容が必要になる。『100日後に死ぬワニ』の内容の良し悪しは人によって評価が違うだろうけれど、ネットで無料公開された作品に高い付加価値を期待するようなものでもないだろう。

・何が悪かったのか

『100日後に死ぬワニ』の毎日が大切な日だというテーマは別に悪いものでもないし、これを書籍化しただけなら批判はされなかっただろう。キャラクターグッズを作るのも別に悪いことでもない。しかし最終回が出ると同時に作者個人では仕掛けられないような大規模な商品化やコラボ企画が出たので、作品の内容で勝負するというよりグッズで儲けようとする姿勢のほうが目立って作品自体は商品販売のためのカウントダウン広告のような扱いになってしまって、作者が主体の企画でなくて広告会社主体で100日かけて用意周到に物を売りつけようとしたマーケティングとしてとらえられてしまったことがだめだった。個人が趣味で始めた漫画を商品化して複数の大手企業との商談をまとめてコラボカフェを開くのを100日以内にやるのは無理で、たまたま漫画が人気になったから商品化したのでなく、商品化する前提で仕込んで芸能人やテレビを使って話題作りしたと考えるのが普通である。
テレビや新聞などのメディアが一丸になって流行を作っていた昭和と違って、マスコミの偏向報道を嫌って反権力で真実を求めたインターネットのユーザーは他人の手のひらで踊らされて金儲けに利用されることにうんざりして、マスコミや広告会社が作る人為的な流行を嫌っている。芸能事務所にごり押しされたモデルやタレントが嫌われたりするのもタレント個人の容姿や性格に問題があるのではなくて人為的に作られた人気を嫌うからで、SNSから人気になってモデルやタレントに転向した人たちは好かれている。ネットに真実を求めるネットユーザーは消費者を騙すようなステルスマーケティングも嫌っていて、広告会社が人気を捏造してステルスマーケティングを仕掛けたとなったら憎さは倍増する。
『100日後に死ぬワニ』は好きだけど電通は嫌いだという場合には認知的不協和が起きて、不協和を解消しようとする心理が働いて、『100日後に死ぬワニ』も電通もどちらも好きという状態になろうとするか、『100日後に死ぬワニ』も電通もどちらも嫌いという状態になろうとする。心理学を知っている人は自分の認知不協和を察知して作品はべつに悪くないと認識できるだろうけれど、たいていの人は心理学を知らないので、好きか嫌いかはっきりさせたくなる。電通が嫌いな人は作品が好きだからといって電通を好きになることはないので、電通が嫌いであるがゆえに作品まで嫌いになってしまう。
『100日後に死ぬワニ』の作者やいきものががりは電通案件ではないと否定しているけれど、最終回を見る前にコラボしはじめるのは不自然だし、結果的に電通の人が関わって利益を得ようとしているようだし、Twitterで大量のbotみたいなアカウントが似た文面のツイートをしているのも不可解である(​ https://i.imgur.com/RDJYkUR.jpg ​)。最初から電通が関わっていたのか、途中から電通が関わったのかはたいして違いがなくて、結果を見ればマスコミを嫌うネットユーザーの拠点のSNS上で、ネットユーザーが嫌いな広告会社がユーザーを騙すようなステルスマーケティングを仕掛けた形になって、企業がコミュニティに土足で踏み込んで荒らした感じがネットユーザーを怒らせることになった。ネットのコミュニティで人気の作品を金儲けに利用して炎上した点では2ちゃんねらーを怒らせたエイベックスののまネコ問題と似ていて、『100日後に死ぬワニ』は作者が企業と組んだところが違うけれど、ネットユーザーからの嫌われ方は似ている。マーケティングの対象が『100日後に死ぬワニ』でなくて違うTwitter上の作品だったとしても、電通が金儲けのためにごり押ししたとばれたら同様に批判されていたと思う。2007年頃に『セカンドライフ』というゲームを電通が流行らせようとして失敗したのを知っている人も多いだろうけれど、電通案件だとばれると金で人気を水増ししたとみなされて作品が嘲笑の対象になって、ブームに乗っかった人も情報弱者とみなされて嘲笑の対象になってしまう。つまり全部電通が悪い。電通の過去の行いも悪いし、マーケティングの仕方も悪い。

・なぜステルスマーケティングをしてはだめなのか

インターネットに意見を書き込む一人一人の個人がいるという前提で口コミや掲示板などのインターネットの信用が成り立っている。しかしステルスマーケティングは消費者の認知をゆがめる詐欺的な行為で、インターネットや口コミサイトの信用を毀損する。そのうえ企業の商品開発の努力や正当な競争を阻害することになって、サクラが高評価をつけた粗悪な商品やサービスが社会に出回ることになって、一部の企業が儲けるために社会全体に不利益をもたらすことになる。もし家や車のような高額な商品や、食品やダイエットのような健康に関する商品でステマによる粗悪品が出回るようになれば、騙された消費者の被害はいっそう大きくなる。
ステルスマーケティングの手口はいろいろあって、掲示板やSNSで複数のアカウントを使って自社商品を褒めたり他社の商品をけなしたりしたり、さらにそれを偏向的にまとめサイトにまとめて世論操作をしようとしたり、外国で大量生産されたSNSアカウントを使ってフォロー数やいいね数を増やして人気を水増ししたり、サクラに金を払って好意的な口コミを書かせたりする。ステルスマーケティングの問題点はステルスという名前の通りスポンサーが表に出てこなくて不正の証拠を見つけづらいことで、好意的な口コミを書いている人がサクラかどうかは第三者にはわからないし、匿名掲示板やSNSは誰が書きこんでいるのかわからない。たまにIPアドレスを知らない人が掲示板に書き込んで複数アカウントでステマしていたことがばれたり、SNSのアカウントの切り替えをミスしてばれたり、amazonで中華業者が同じ文面でずさんなサクラレビューを投稿してステマがばれたりするけれど、ステマしている側がミスしない限りばれない。
なぜステマがばれたときに炎上するのかと言えば、アメリカやイギリスではステマは違法だけれど日本では法整備が不十分で逮捕者が出なくて不正に対する怒りの感情のやり場がないのである。もしステマを仕掛けた企業や担当者が逮捕されて、裁判で誰がステマを仕掛けたのか真相が判明して罰せられればそれで話が終わって風化するけれど、日本だとステマをやったもん勝ちで野放しで真相が不明なままなので、個々のネットユーザーが自分で相手を罰しなければ気が済まなくなる。しかしステマを仕掛けるようなモラルのない企業は炎上対策の火消し部隊も雇って論点そらしとか掲示板荒らしとかの露骨な工作をしはじめるので、それがネットユーザーの怒りを増幅させることになって、真相究明や過去の言動の粗さがしが始まって炎上が加速する。
テレビではさっそく芸人たちが『100日後に死ぬワニ』は問題ない、批判するほうがおかしいと足並みをそろえて擁護しはじめたけれど、ステルスマーケティングを問題ないと認識しているなら消費者を騙すことに加担している消費者の敵というべきだろう。テレビ関係者がスポンサーばかり気にして誰も消費者に沿った意見を言えないところがテレビ離れにつながっているという自覚がないのだろうけれど、こういうところでテレビは信用をなくしていく。ワニを擁護する芸人たちはステマ疑惑を晴らしたいのなら論点そらしの擁護をせずに、最短何日で中国の工場に発注してグッズを商品化したりnanacoカードを作ったりコラボカフェを開店したりできるのか検証すればよいではないか。100日以内にやれると実証したらきくちゆうきが一人で始めたと言ったのが嘘でないと証明できてステマ疑惑が晴れて堂々とキャラクタービジネスをやれるだろう。

●私の意見のまとめ

・死をフィクションのテーマにして金儲けをすることに倫理的な問題はない。
・無料公開した作品を書籍化したりキャラクターグッズを作ったりして金儲けをすることに倫理的な問題はない。
・ステルスマーケティングは倫理的に問題がある。
・『100日後に死ぬワニ』は業者がグッズを売るために仕込んで話題作りしたステルスマーケティングの疑いがある。
・『100日後に死ぬワニ』の内容に悪い所はないが、作品の売上で勝負せずにグッズを売るためのカウントダウン広告のような扱いにしたマーケティングの仕方がだめだった。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021.09.28 20:56:44
コメント(0) | コメントを書く
[その他・考えたこと] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: