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久しぶりに神楽坂を歩いてきた。ちょっと歩くだけでミストサウナ状態の夕方だってのに。ここがなんで好きかって、がんばって江戸えどしなくってもごく自然に「江戸」してるとこだ。お風呂屋さんもオーガニックレストランも並列。間口の狭いスーパーも活気があるし、お肉やさんのコロッケもでっかい。山になったスコッチエッグのでかいこと、丸いこと。その近くに切子のグラスを並べる店、ショットバーにはんこやさんに。脈絡なくバランスがとれている。何かがあってひとつだけ「浮く」ということがない、ファミレスでさえここにはある。コンビニだって。でもちょっと道の奥に一本入れば二階で三味線弾く音がしたりね。もちろん入れ替わりはあるけれど、チェーンのお店どもに占領されきったりしない。そういうとこもいいのだ。いつものぞいてみるけど、たった一回しか開いてるの見たことがない幻のジャズ喫茶「コルトレーン・タイムとモンクス・ドリーム(現代ジャズ少々、という中見出しつき)」。コーヒー、ていねいに入れてておいしかった。狭いとこがまたいいの。10人入れるかどうかっていう。ここの背中側が空き地だったんだが、でかいマンションができた。心配だったのよねえ。「コルトレーン・・」が消滅してたらどうしようって。大丈夫。巨大瀟洒なマンシオンを背負って堂々ありました。よかった、よかった。そのお向かいには「本日の材料で料理を出す」OGGIっていう小さなイタリアン。もうちょっと神楽坂に戻ってフィンランドサウナの看板もあるお風呂やさん。東西線・神楽坂駅まで歩く。まだまだ、お店は続く。また内側に入る。小さな画廊、出し桁造りの木造住宅を横目にぐるっと回るとよさげなケーキ屋さん、それからチーズ屋さん。おお、ここまでハイカラなのね、一本内側。元のとおりに戻れば履物やさんに佃煮やさん、それから昔っからあるテーラー「ヒツジヤ」もいい。ここにいたらいくらあっても足りないな。下駄で闊歩しつつチーズ買いに出て、途中で鼻緒が切れても帰りに修理に出せる。そういうとこなのね。「いえのまわりになんにもなくってあたりまえ。」そういう生活をずっとしているから、こういう密集したとこって、異文化なのかもしれない、わたしにとっては。コンビニ行くにも(もとからたいして用事がないが)はがき一枚出しにいくにも山をおりる決心がいるからねー。異文化は異文化だからいいのでした。さーて、おうちにかえろっと。今日もきっと庭の桜のアブラゼミが夜までやかましいだろうな。
Jul 29, 2004
なにせでっかいんだよね!まあ、部屋のなかに部屋ができるくらいだから、そりゃそうなんだがでっかい。裁断するのがたいへんです。でも、試してみましたよ。「藍ぼかし染め蚊帳生地の枕カバー」。適当に切ってだああと縫っておんなじサイズのを二枚作って表・裏に張り合わせてちょっと縫いしろを残す。それをひっくりかえせばフタエになってできあがり。所要時間30minなり。一枚だけだとなんとなくこころもとないので二重にした。きっちりアイロンしておわり。これは一緒に骨董市に行ってついでにくそ重かった蚊帳を一緒に持ってくれた相棒のリクエストだから、一枚目はまずモニターになってもらうのであげる。わたし用はこれから。じぶんには長いまま細く切って端を縫ってひっくりかえしただけの真夏用マフラー?をつくってあげた。でっかいまま生地を羽織ってみたら、半分透けて見える。冷房対策にはなるかもしれない。これでゆかたを作ったらかなり過剰にセクシー、というか往来には出られなそう(笑)。かぶって着るラクな形のpulloverならできそうだ。襟に芯も入れられないし、向こうが透けて見えるから糸の色なんかも気にしなきゃいけなそう。まあ、夏は長そうだから。ゆっくり楽しむつもり。
Jul 28, 2004
昨日1000円で購入した(半ば”買ってあげた”という感じではある)藍ぼかしの蚊帳。白木屋謹製だそうだ。しろきや、って居酒屋じゃないぜ。今では私鉄系デパートメントストアだからして。で、なんだって白木屋で蚊帳なのかって、なんと江戸時代に白木屋は蚊帳の行商をしていたとか、なんとか。近江商人なんですねぇ。蚊帳について検索していたら、いろいろおりこうになりそうです。昔の蚊帳は本麻織りで、ノリはりしてあったって。そのとーり。昨日洗濯機で洗ったら、槽の底に藍の色した糊がてろんてろんと排水溝に吸い込まれていったもんね。今朝の大雨があったから、まだ干してない。きょうはちょっとばらしてみよう。しっかし、昔のものらしく造りが頑丈でしたね。粉緑色の絹の組みひも(太い・・)が縁と角に縫い付けられてるんだけど、これをはずすのにもかなり手がかかりました。デッドストックの蚊帳で手作業の深さを知る。蚊帳の世界は奥深いもんです。各国の蚊帳、どこでだって安眠したいもんね。http://www.anmin.com/kaya/hakubutukan/
Jul 26, 2004
だめっすねーやっぱり冬生まれ。季節が正反対のとこにきてるとやっぱちょっとナンでございますです。首都の気温が40度前後でござんすからまたてーへんなこって。いえね、あたしんとこのクマもハチももうやってらんねえってんですよ。だから何するってもう、怠けるのが本業だってんで。いつもとやってるこたぁ変わりゃしねんですけどね。よくわからぬが、長屋のおかみさんが降りてきたみたい。暑いとよくわからないひとになりますね。おっと、近況だけね。HASSELBLAD500ELXなかなかええ感じです。巻き上げレバーなんぞもくっついてないとこがいさぎよく。これ、夏休みにはもっと遊びたいカッコイイ道具です。仙台&日本海方面の関係者諸氏には来月このくっそやかましか音をお聞かせできることでしょう。なんとか、お会いしたいですね(若干私信)。そうそう。「中南米マガジン」15号が世の中にそっと放たれております。みつけたいかたは捕獲してやってください。ラクしたいかた、都内におられるかたは神保町「新世界レコード」でどうぞ。おっと、「書肆アクセス」でもね。どっちの近所にもおいしい中華やさんやブラジル料理屋さんがあります。コーヒーやさんは多数、選び放題ですからお買い上げのあとはそこらでゆっくりと。(わたしの気に入りは向かい側のとおりにある”李白”です。その近所にさいきんできた”音叉”ってとこも気になります)・・・・以上、業務連絡。多摩西部の某神社で毎月行われる骨董市に本日いってきました。風通しのよい参道に並んだ骨董やさんと暑いねえとおしゃべりしながら物色。藍染のグラデーションが入った麻の蚊帳を買いました。田舎の家で使ってもいいんだけど、年に数回しか使えないのはもったいない。バラして洗っていろんなことに使おうと画策中。当面、ばりばりと硬くて涼しい枕カバーと帽子になる予定。今の枕カバーもフランス軍用の傷病兵用枕カバー(硬い生成りの麻)だったりする。ふちに緑のグログランのリボンがついていて、持ち運びできます。ま、寝床から動いたためしはないんだけど・・・。てなとこですね。ちょっと電池切れ~。プライヴェートの充実につとめますので、chao!みなさんもご自愛めされましてよ?!
Jul 25, 2004
HASSELBLAD ELX。モードラ部分とボディとマガジン。ついでに元オーナーが作ったバッテリーケース。でっかいおまけで充電池。ムフフ。夏休みはこれで遊ぶんだもん。
Jul 20, 2004
生業とするところのカイシャにて社葬をやった。とむらわれたのは初代会長、わたしももちろん知っている。納骨の儀あたりはさすがにぐっと来ましたね。何って、このカイシャですごしてきた時間に起こったことやら何やらの凝縮された記憶の断面がかなりの面積で脳内によみがえったから。この会長と会わなかったら、わたしは今どこで何をしてんだろ。現在してることのなかには、前からしてることもあるけれど、ここでの出会いだの経験てものからの発展形であるものもたくさんある。きっかけなんて簡単なものなのに、あとはどれもややこしく根を張っていく。愛憎半ばという言葉が適当だろうか。自分とその環境に対して。社を去った人、仕事を一緒にしたフリーランスの人。いろんなひとがいちどーにかいする。違う時間枠でかかわった人たちが、同じ時間・場所にあつまる。記憶がごちゃごちゃになる。去来する記憶も様々だ。これはちょっと面白い「思い出し」かた。くっそ暑い中に5cmヒールをはきっぱなしで数時間。でも、頭のなかではいろんなことが巡った。しんどかったけど、なんだかすっきりしたな。
Jul 16, 2004
マヤでもマチュピチュでもアステカでもなんでもいいんだが。3年にわたって進行中の西神田再開発地域最後の砦?三丁目一番地の一区画、解体中。クリーニング屋さんと徽章の工場(コウジョウではなくコウバって読んでね。そういうサイズだから。いや、活版やさんだったのか?)と「配ぜん人紹介所」の木造建築が壊されている。コウバのおばあちゃんはお向かいの西神田三丁目5番地あたりが壊されてるとき、心配そうによく見に来てた。わたしも立ち入り禁止寸前までここを撮影していたのでよく見かけたのだ。紺色の柄入り割烹着でちょっと背中を丸めながら「○月×日よりここは廃道になり、通行できなくなります」などと事務的に黒の細ゴシック体で書かれた看板に見入っていた。先週末ここを通ったとき、すでに足場が組まれていた。あっという間に覆いがかけられ、解体の音がする。さっき夕方もう一回通ったら、これまた取り壊されるはずの二階建て駐車場にそこの家から出てきたらしい、うすぼた青色の古い小さなローラーボード(昔は何と呼んだのだろう)がそっと置いてあった。駐車場の最後の仕事。ここにもロープが張られ、誰も入れない。いつもここでだらけている猫さえいない。隠れられる家が壊されてるから。ここの猫は裏手にある児童書の版元さんからえさをもらっているのだけど、食い残したえさを時々カラスにとられ、ついでにどこからか来たセグロセキレイにまでついばまれている始末。時折、(いっちょやってみっか)と気まぐれを起こしてセグロセキレイを狙ってみたりする。当然セキレイのほうがすばやくて(・・・ちっ。またか)って顔してまた寝てる。そういう場所だったのだ。巨大な石の神殿を築きながらそれを「放置」して消滅していったマヤだのアステカの人々の「事情」って何だったのだろうか。現代の「事情」はちっと異なる。疫病でも戦でもない。金だけだ。マヤ・アステカでは人間は消滅し、建造物は残った。2004年の今では人間が建築を消滅させていく。「コウバ」の家は石造りだ。木造よりも手こずるに違いない。いつかここにどかっと溶岩なんかが押し寄せて消滅し、誰からそれを発見したらいいのだ。そのときには西神田文明の存在は誰にもわからぬものになっているかもしれないけれど。メキシコシティのめちゃくちゃな建造物の混在を見ていると、せこいとこだなここは、了見せまいよな。とブツブツいいたくもなるってもんよ。chega de saudade!!!
Jul 12, 2004
さてさて。住宅地内の隠れ家的(ほんとにわからんとこにある)パスタ屋さんでのお昼のあと、いきなり「羽黒山へいくぜ」ってな展開だ。ちゃんとした山はひさしぶり。まあ、ふだんも山に住んでるんだけど深さが違うっす。建物が減って、緑の割合が増えて、音がしなくなってくる。文化遺産にもう指定されてるんだっけ?木造の五重塔がある場所まで来た。鳥居をくぐるととつぜん気圧が変わる。気圧だけじゃなくて全部。雑音が吸音されてしまう。すれ違う人々はたくさんいるのに。山道らしく声かけながらすれ違いあう。「結界」ですね。そこにもともとあったものしかそこに留まることを許されないというか。ちょっと入れていただいてるというか。もちろん写真機も持参したのだけど、何か出してはいけない力が働いてるように感じる。友人に「おぅ、撮らないのかよ」と促されたけど「いやその」だとか生返事してしまう。せっかく来たから、とかそういう動機だけじゃできないや。それよりもすることがあるような気がしたので。何って、ここの空気を覚えて帰るってことだけなんだが。絵にして保存したりしなくたっていいのだ。(もう土門さんなんぞが立派にやってるしさぁ。あたしなんざ、いいわけよ。)こういうカミサマとの「同調」を必要とする場所はほかにもある。五日市の奥。その場所は神社の敷地内にある。御用があってそこの建築を撮らねばならなかったんだけど、いつも調子いいはずの写真機がそこで使うとシャッター切れなかったり何も映ってないことがあって・・・以来、そこの神社にあいさつして波長を合わせてから何か始めることにしている・・・うまくいくときは何か頭にすっと入ってくる気がするし。そういうシンクロ手続きは重要だなぁと思っている。で、羽黒山。木の枝には時々尺取虫が垂れ下がったりしていて8歳女児を喜ばせる。「つれて帰るぅ」と主張する娘に「ここの神様のもんだから返してあげなさい」と説得する友人・父。民俗学な生活。山んなかにいるといい顔してる友人であった。清々しい表情をしている。石の階段に落ちてる俗界のゴミなんかを非常に気にして拾っている。前から、そういうとこに敬虔な良識のある人なのだった。娑婆との折り合いはどうやってつけているのかは不明なんだが。結界のこちら側に戻ってくる。なんだかせいせいした。空気のせいだけじゃないよね。それからご当地・藤沢修平原作の映画のオープン・セットなどもに立ち寄り、(ここには電線が見えない・・”オイ、その電信柱邪魔だから撤去してくれ”って言った巨匠もいましたっけ)どこまがセットでどっからが現役の納屋なんだかわからないような場所。ここでまたもや「つれてかえるぅ」と8歳女児が大主張。今度は引かないぞ。あったかいてのひらににぎりしめられた蛙。(う、辛そう)こういうことはよくあるらしく、友人・父はPETボトルの空き瓶を用意しているらしい。空気穴をナイフでぐりぐりと開けたあと、小さな青蛙がビンに入れられた。蛙と8歳女児と友人、それからわたしはそのまま自宅へ戻った。
Jul 8, 2004
うだうだ書き始めて1年がたった。読み返すと、我ながら食うか移動するかばっかりだ。疲れるなあ。そうでなきゃ古本やにいるか。でも、そういう生活なんだもん。
Jul 7, 2004
さて、いいかげん「ひすい」の収穫もあったしお昼にするかあ、とまた移動。「ひすい」についての説明がなかったね。8歳女児の彼女が「ひすい」って呼んでるのはガラスのかけらが丸くなったやつ。友人・父と娘、砂浜に着くなりそれぞれの場所でしゃがんで「きれいないろのいし」さがしに没頭しだしたのを見た日にゃ(あぁ、この娘の8割は父の遺伝子じゃん・・)と感じ入ったもんだった。あまりに面白い相似形(比率は多少異なる)だったので、ここも被写体になってもらった。しかし、二人は気付いてないようだなぁ。わたしもあとから「ひすい」さがしに参加。「きれいなガラスだねぇ」などとわたしが言おうもんなら「いいんだよ、娘にとってはこれは”ひすい”なんだから」あくまで娘のファンタジーに徹底する父・友人。いかにもそういうとこが彼らしくて(ああ、なるほど。こういう人が親になるとこーなるのかぁ)となんだか納得。青くて小さいまるいのを発見したから、彼女の手のひらに「献上」した。まだ青いのは見つけてなかったみたい。うふふ、なんだかうれしかったりして。ポケットに入れりゃあいいのに、だいじに何個も握りしめたまんま歩く。力こめすぎて大事な一個をドブに落としたりして。(あっはっは。)あとで拾ったとこで急に興味を失ったらしくそこらに投げてたが。他のはずっと、車の中でも握ってたっけ。
Jul 6, 2004
そうでした、そうでした。クラゲが目的だったのよ。でも、他のいきものも楽しい。いきなり暗い部屋に連れて行かれる。その切り替わり方はなんだか学園祭で急に暗幕張って暗くした部屋みたいなのだった。数種類のクラゲが勝手な形で好きなようにやってるところをガラスに顔くっつけてのぞかせていただく。相手からこちらはどのように見えるのだろう。そもそも彼らの眼はどこにあんのか。形が、いやぁ、なんだかすごいね。そもそもえら呼吸じゃないよね?小さいのから馬鹿に長いのまで形も様様好き勝手している。人間なんて彼らにくらべたらバリエーションの貧しいことこのうえなし。8歳女児もいっしょにのぞく。うひょー、うへえ、これってどーよ。まともな言葉が出ないなどうも。いちいち形や動きの違い方に眼が反応してしまう。わたしの身長170cmならいいんだが、8歳女児には少々高い位置に水槽がある。もうすこし、低いと彼女らももっと見やすくなると思うんだけど。あと、これだけケッタイなものを見せてくれるんならルーペかなんか置いといてほしいね。クラゲがほにゃらほにゃらと呼吸するとこなどをもっとアップで観察したい。よく見てよく驚く、そういう経験がカガクするココロを培養するもとになると思うのだが。成長しきって背伸びせずに水槽を覗けるようになってからじゃ、遅い。ちいさいころに何かを「見た」っていう経験は一生もんですぜ。うーむ、見ていてもあやしげな感嘆詞しかでてこないわたくし。おお、カツオノエボシ?!でろ~んとながい身体、いかにもやばそうな姿。あの足(?)でひとなでされただけで、ヒトの皮膚はでろんと腫れる。う、クラゲさされの症例写真の赤い水ぶくれ群が脳裏に・・くわばらくわばら。オロナイン軟膏でなおるかなぁ。無理だよなあ。小さいころに大好きだった「いきもの」図鑑の絵を思い出す。そんなのばっかりしょっしゅうながめていた。そうそう、傍らにいる8歳女児とおんなじような年頃だった。横であれこれ云って水槽のまわりをぐるぐるしている彼女を見てると、どーも昔の自分を見ているような気分になる。ひととおり見た後、明るい部屋に戻ってくる。なぜか水槽にケサランパサランがじっとしている。(そもそもあれって動くのか?)で、友人の弟君が語っていた「クラゲアイス」を試す。8種類ほどあるフレイバーはどれも渋好み、で庄内っぽいぞ。わたしは「えだまめ」味。ところどころにクラゲの食感が出てくる。これをなめながら外を見ると、さっきトドにホッケをあげてたお兄さんが今度はアシカ・ショウにアシカとともに出演している。忙しいねえ。おそらく他のラッコやアザラシも、彼がお世話してるのだろう。しばらく館内をぶらぶらして出る。次はどうしよう。8歳女児「すなはまに行きたい!」と主張。わたしも同意見。「行きたい行きたい~」といっしょに足をばたばたする。友人・父はあきれているであろう。まぁ、なあにかまうものか。なんせ久しぶりの海。1月の能代~男鹿~八森以来だ。もっとも、あのときは立ってるのがやっとという状態であったが。広くはないがいい感じの浜辺に降りる。今度はカメラ持参だ。おおお、クラゲがまだ打ち上げられて間もない姿でのっぺりと垂れている。水がないとこではなさけないねー。8歳女児、これを漂着した木の枝ですくいあげている。そこでカメラ目線をくれる。いいお顔じゃないか。(のちにこれは今回の自己ベスト・ショットに決定した)よく見ればいろんな状態のクラゲがいるじゃないの。新鮮なのからすでにダメになって見た目がゲロっぽいのまで。まだ新しそうなのを見つけて、ピントを合わせる。身体が透けて下の黒い石が見える。不思議なやつだねぇ。それでいて身体にはちゃんと模様があるのだ。海はいい。陸地だけでは考えてないものが撮れる。いくら金属に潮風がよろしくなくっても、海とカメラはセットにしたい。T-max ASA100、曇りすぎずはれすぎず。海の撮影には理想的な空。
Jul 5, 2004
加茂水族館。ずいぶんなつかしい造りの建物だ。駐車場は8割埋まってる。まだ11時前なのに。きっと海へ行くひとたちが車おいてるんだろうなんて考えてたがそうでもないみたい。混んでるのよ、水族館。ガラスに顔をくっつけておじさんやおばあちゃんがでっかい魚をながめてる。その姿を見てるのもけっこう楽しいぞ。なんだか、おいしそうなのも泳いでるし。「これ、さばいて!」などと誰かに頼みそうだ。一般の魚部を見てから外へ。これからトドのごはん時間なんだとか。3人で見物する。バケツに青魚を入れたのを、職員のにいさんが持ってくる。トド三名、何事か即座に理解しにいさんの真下に顔を並べる。青魚(ホッケかと思われる)3匹を、同時に投げ入れる。するとトド三名が実にうまく口で受け止める。うひょ、丸呑みしてる。とりあえず胃袋に入れておくのか、この投げる→受ける動作を三回ばかり繰り返したのち、にいさんは空の青バケツ下げて戻る。トド三名、しばらく泳いだりしているが一名がコンクリートの島に寝そべりごえぇごえぇと声を出し始める。ついでにごえっぷ!と甚だブチョウホウなるゲップを繰り返す。そのあとどうするのか見守ってたら後ろ足で腹をぼりぼり掻きだした。スゲーおやじっぽい動作だ。すばらしい!誰がいようが見てまいが、好きなように振舞うその姿がいっそ清々しいというものだ。このわかりやすいヤツのことをわたしはとても好きになった。「いいじゃーん、オヤジっぽいぜ!」大爆笑しつつ8歳女児と飽きずにそのオヤジ動作に見入ってしまう。彼女もトドの振舞い方がお気に召した御様子。友人・父はちょっと呆れ気味。移動して海亀の鼻をつまんで口開けさせたりして遊んでる。8歳女児もやってみるんだが、指がちいさくて亀の鼻の穴がふさげない。友人、昔から妙な特技を持ってる男であるからまぁわたしは驚かないけどさ。そのあとさらに水族館らしいアザラシだのぺんぎんも見るのだが、8歳女児はどうもトドが気に入ったらしい。「また見に行こうよー」「え、トド」手を引かれてずるずる連れて行かれるわたくし。トドはあいかわらず腹をぼりぼりやってる。鰭の先に長い爪がついてるのね。そこでぼりぼりできるの。痒い場所と掻ける場所というのは微妙に違うものらしい。もうちょっと・・・という場所の手前で届かず、いっつも同じ場所をかきむしってるみたい。そこだけ毛が薄くなってる。かわりにかいてやりたいね。飽かずに眺める8歳女児。ま、わたしもそのへんいい勝負だけど。「ああいうふうに足で腹かけたら楽しいかもねぇ」「やってみるー、わたし」と彼女はかゆくないけど足で腹を掻けるかどうかトドに習ってやってみていた。ガハハ。上手い。爆笑。なんだかこの8歳女児とノリが近くなっていく。夕べはまだちょっと遠慮がちだったのだが。いつまでもトドにはりついてるわたしたちに呆れた友人・父が「おーい、クラゲ見ないのかよ」とやってきた。はいはい、そうでした。メインはクラゲだったんだもんね。再び8歳女児に手を引かれて連れて行かれるのだった。
Jul 4, 2004
早起きしなきゃ、なんて言わなくなって勝手に目がさめてしまうのだった。一応、朝風呂の野望とともに目覚ましをAM6:00にセットしておいた。しかし、今回もわたしのほうが先回り。コーヒー用のお湯をわかしてる最中にRED GARLAND のSATINDOLLがふいに鳴った、有線放送モダンジャズチャンネルで目覚ましになるかどうかは謎なんだがそういう設定ができるのだった。Ellingtonの超有名なこのテーマをききながら、「・・・・そーゆーことなら、黙って何もしないで帰るわけにゃいかないな!」と超個人的な決心をする。AM10:00に友人が迎えにくるので、それまでにあれこれ済ませておかねばならない。コーヒーのみつつあと240分どうして使うか考える。朝飯して手荷物送る準備してうだうだして。そうすると、やっぱり朝風呂は削除やむなしとなる。うーむ、残念なり。昨日となりにある薬局の酒売り場で見付けた秋田のコメ焼酎BLACKSTONEが気になっていたのだった。ついでに、フロントで買った梱包用ダンボール箱があまりに大きくて、本と酒と服だけではスカスカなのだ。どうしましょ。じゃあ、もう一本買おう。それだけの理由。荷造りしといて10:00開店、それっと一瓶購入して通用口からホテルに戻って(店とホテルはつながっている)でりゃっと梱包してチェックアウト。それならよさそうだ。珍しくホテルの朝食などを試す気になった。よくある前払いのビュッフェ・スタイル。目の前で若いコックが作ってくれたばかりのプレーン・オムレツの皿を受け取ってその他あれこれも盛って着席。朝からたいへん立派な内容になった。(オムレツ実演つきビュッフェはハバナのHOTEL VEDADO以来。ただしハバナのはOPTIONALなメニュウらしくっていくらか払って焼いてもらうのだった。卵、貴重だからねぇ)大体ひとまわり食べてから、コーヒーで締めかな、とおかわりを取りにいったらやたらとうまそうなおにぎりまで並んでる。しまった、ここまで来てコメ食べてない。あろーことか、デザートはわかめのまぜごはんおにぎりになった。めしのあんばい★★★★★。(あ、ミシュラン的評価でね。)コメを腹に入れるとどうでもよく落ち着いてしまう、これは事実。部屋に戻ったらあとは時間の逆算だけ。時間になったら酒を買う、朝から。まるで中毒患者のようだが、その場であけるわけじゃないしさ。で、開店前の店にいったらもう待ってる人がたくさんいるの。いや、酒を買いたい人ってわけじゃないのだけど。そこは最近できたらしい大型量販店とちょっとした専門店が入った施設で、確かにひろびろとして気持ちがいい。冷房完備だし。でも、こういう「大きな入れ物」が町の商店街をさびしくするんだよね。量販店は雇用を生むけれど、その影に犠牲になってるものもあるわけで。地元の小売商店たちはやっぱりこういうお店にないものを打ち出してかなきゃ、共生は難しいんだろう。そう考えると「山王通り商店街」はがんばってるなぁ、と思う。そこでしか買えないもの、味わえないものって何だろうって真剣に考えてるんだろうな。よそもんのわたしがちょっと通りがかっただけでも誰かにしゃべりたくなるようなとこなら、きっと大丈夫(なはず)。10:00開店でドアがあいて、わらわらと人が吸い込まれていく。その一部になって件の酒の売り場に行き、一本買って部屋に戻り梱包して送り状書いてチェックアウトして・・・10:15。ホテルの前にはもう友人&8歳女児がクルマで待ってた。よく寝たのか、女児も元気そうだ。入り口をぐるっとまわるとき、ホテルの敷地内に小さな鳥居が見えた。彼女は「ちっちゃいねぇ」と。実は彼女のうちの近くには巨大かつ真っ赤な鳥居が聳え立っていて毎日それを眺めているのだった。ゆえに「ちっちゃいねぇ」発言。朝からわたしも調子づいて「そうだよぇ、この鳥居も毎日お水と肥料やってたらあんたんちの近くのみたいにおっきくなるんだよ」などと駄法螺を吹いてしまう。「・・・そうなんだぁ」と女児。つきあいがいいのか、まともにくれてるのか。「おいおい、また真に受けるからよしてくれぃ」友人・彼女の父の「指導」が入る。爆笑。そうか、後者だったのか。それはいい。これからの道中が楽しみになってきた。3人は加茂水族館へ向かう。晴れすぎずいい天気。
Jul 3, 2004
そのまま友人宅へ遊びに行く。初めて会う弟、彼んちの娘。ひさしぶりに会う(いやはや、12年ぶりくらいかな)彼んちの母君。それからこげ茶のウェルシュ・コーギー(メス)。ごあいさつ程度に吠えられ、いきなり馴染まれてとたんにわたしも泥足になる。頭ぐしゃぐしゃになでても尻尾振っているやつ。弟君にはまず会いたかった。なぜって昨年彼が北米~南米を移動中のグアテマラで「中南米マガジンを読んだ」って話を聞いてたから。もちろん、そのときはわたしがそこで何かしてるってことは知らない。南米大陸を移動中、何度かやりとりをした。で、今回が初対面なのだった。奇遇というか、いや当然といおうか。グアテマラのさる宿に小紙を送りつけているのは、わたしどもの仲間なのだけど。(これはあとから知った)本だの活字ってのはどこで一人歩きするかわからんもんだし、こういうことがあると「あー、あのとき不摂生してもがんばっといてよかったなぁ」としみじみ思うのだ。お茶を飲んだりしゃべったりして、それから酒田にある「大松庵」へ。昔の豪農の家をそのまま使ってるというところで、出てくるものが何でもうまくて、旨くて。いちいち叫びながらすすむ。友人一家は酒を飲まない。わたしだけ控えめにワインなんぞ舐める。(の、飲み足りない・・・しかしここで一人で酒盛りするのも気が引けるしなぁ・・)肉にはやっぱり藻塩でしょう。今年の初めに男鹿の入道崎で買った藻塩がそろそろ切れそうだったのを思い出す。もう、何はなくとも今回は買って帰る決心。(これでつくったかぶの浅漬けなんかもうまいのよー。)最後に出てくる十割(だと思うが)そばのコシがすばらしー。アルデンテだぁ。これに匹敵する歯ごたえは小淵沢の一駅前の長坂からけっこう歩いていくとこの・・・くらいかなぁ。ま、そばにはたいして詳しくないので。ひとえに「歯ごたえ」にこだわるのであった。もーひとつ、お品書きの「黒糖アイス」の字面にヤられてしまい全員これを食して締め。まあ再会とか初対面とかが入り乱れて席を囲むわけだけど、そういう機会っていつでもあるしね。日本以外の場所でも。こういうのはたのしいです。まあ、わたしはどこでもごはん食ってガハハってやってるような気がする・・・各所のおともだちには感謝、多謝。この場所まで来る途中に「クマ注意」の看板が。ほんとに遭遇しちゃうらしい。ある時期の通学路は全員スクールバスが走るんだって。今年はすでに三頭仕留めた、とか勇ましい話まで出てくる。帰りの雨道には蛙が蛙が蛙が蛙が数え切れないほどたくさん。何匹か申し訳ないことをしたに違いなく。弟君が「そうだ、加茂水族館には行ったことある?」と。なんでもクラゲの種類ではほかに例を見ない場所だとか。ついでにクラゲアイスもあるとか、なんとか。なんだかすごそう。そんなわけで、あくる日も遊んでもらうことになった。一人でできないことばっかりだから、こういうのはうれしい。ねむいのに寝るのをいやがりながら歯磨きする友人の娘にお休みを言って、わたしは自分の荷物おいた宿へ帰る。くー、やっぱり飲み足りなかったのよん。もう一本キープしてあるcidraを空けて寝る。明日も早起き。ともだちとクラゲに会いにいく。
Jul 2, 2004
ラーメンのおばちゃんじゃないけど、こっちも部屋に戻ってアクエリアスなどを飲み干す。これから、どうしましょ。あんた風呂上りでまた「ひるね」かい。なんだか湯治に来ているみたいね、これじゃあ。いーや、やめやめ。さすがにお出かけ前の昼寝はヤバイ。寝坊間違いなし。改めてひまなので、洗濯をする。荷物が少ないということは、洗濯しなくちゃいけないってことなのよね。特に夏場は。(あ、冬の移動時はしてないなぁ、そういえば)まだ雨は降ってるけど意を決して(おーげさなんだよ)外に出る。pick upの場所は件の「月の山」にして。途中、前日から気になっていた酒屋の「粕取り焼酎あります」の張り紙。思わず入ってしまう。「あのー、かすとりありますか」「え、かすとり。今あんのはこれだけども」で、出てきたのが東田川郡(だったよなぁ)の「樽平」の10年もの粕取焼酎、40度、3000円。一瞬どーしようかしらんと迷いしかし購入。100%酒粕発酵のち蒸留の焼酎だとのこと。米焼酎を混ぜるのもあるんだそう。最近某所にて「米のグラッパだなっす」などといいつつ飲まされた粕取り焼酎の旨さに惹かれてしまい、今回の移動は「庄内の古本と粕取り焼酎とあれやこれや+@でなりゆき」がテーマってことにした。って、移動中の電車で思いついただけなんだが。カストリ買って古本屋へ向かう。でもって古い友人に会う。どれも既知のようでいて再び出会えば既知以外・以上のものごとに出会うわけで、古い古いって単語を連呼しつつもどれも新しい出来事だらけなのだ。だからOLD&NEWっていってみてるんだが。ちなみに「樽平」の粕取りは10年もの。まだ時間があるから、きのう「安部久」でみつけておいた新本「ハッセルブラッドの時間」「お茶と写真の時間」を友人へのおみやげ用に買っておく。本は地域の特産品じゃないから、どこで買っても特別なものになるからいい。
Jul 1, 2004
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