草加の爺の親世代へ対するボヤキ

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2015年09月06日
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              第 七 回 目







 私はプロデューサーとして忙しく仕事をしていた或る時に、長崎県の福江島に行った折に、家族に是非とも見せてあ

げたいものと心底願った風景があり、今でも忘れられません。人っ子一人姿が見えない海岸の景色でありますが、砂は

飽くまでも白く、海の水はどこまでも透明そのもの。まるでお伽噺の世界にでも紛れ込んだ様な、不思議な錯覚に陥り

ました。そして、大昔には日本全国、到たる所の海辺で見ることのできた原風景なのだと、即座に思ったのでした。と

同時に、仕事中は全く念頭に無かった子供達や、家内の事を頭に思い浮かべていたのでした。いつの日にか、この場所

に家族ぐるみでやって来たい。その願いが叶うならもう何もいらない―、そんな風にも考えていました。しかし、考え

てみるまでもなく、大昔の日本人はあのような美しい海に囲まれて、夢のような楽しい、平和な生活を送っていたの



た!有無を言わさぬ強烈な説得力で、あの一幅の絵のような海岸風景が、突如、天からの福音の如くに眼前に出現した

のであります、正に。





 思えば、この様な天来の 啓示 は私の人生の色々なシーンに、何の前触れもなく度々降されていた。そうハッキリ

と自覚されるのです、明瞭な形で。


四五歳頃のことでしょうか、草むらに虫やバッタなどが蠢いていた野原が、突然の驟雨で忽ちのうちに一面の湖の様

に変化して、小魚や水中小動物が泳ぎ回る別世界に早変わり―。私は自分が 神様か魔法使い にでもなった気分に襲

われて、しばし恍惚となる。自分のいるこの世界は、斯も不思議と驚きに満ち満ちたワンダーランドなのだ!しかも、

この素晴らしい楽園の中心に、この自分が居る、なんて素晴らしい、なんて喜びに溢れていることか…。


 この頃に続く、何故か強く印象に残っているシーンがあります― 近所の庭の中でのこと、小父さんが一人で出刃包

丁を手にして、大きな鯉のウロコを削いでいる。ガリガリと、一心に鯉のウロコを削ぎ落としている。幼児の私は門の

外側に立って、たまたま近くを通りかかって、この場面を目撃することになった。「痛い!痛い、痛い…」鯉が悲鳴を



の 叫び を発しているのが、手に取るように解る。だから、私はその場に釘付けになって立ち竦んでいるほかは無

い。―― これ、大人になってから反省する度に思うのですが、ちょっとばかり可笑しい。理屈に合わずに変だ、と考

える。何故って当時の私は毎日のようにカエルを殺していた。しかも、地面に叩きつける方法で、とても残酷な仕方

で、虐殺し続けていた。同じ生き物に対して、幼児とは言え、こうも反応が違うというのは理屈に合わない…、でも、

事実私自身が体験したことだから仕方がない。それに関連してショッキングなシーンが目に焼きついている―、これは



込まれていた。カエルは両眼を閉じて、恐らく気絶してしまっているのであろう、ただ、蛇が更にカエルの体を喉の奥

に飲み込もうとする度に、微かに「ゲエ」と声にならない音を発するように想像された。この強烈な思い出も忘れられ

ずにいる。










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最終更新日  2015年09月06日 05時28分41秒
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