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2006/08/18
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『CRONOUS』~眠らない大陸の物語~


「やっと動いたか…」

焔はそうつぶやいてチラッと藁人形の方を見る
藁人形はうなずいて深呼吸を一回し

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

と雄叫びを上げて自分にライオンハートをかける
その場の全員が一斉に藁人形を見る

「な、なんですか!」



「い、いや…ちょっと興奮してね…スマン…」

藁人形は恥ずかしそうに指をいじりながらそう答える

「ちょっと…こっちが恥ずかしいってば!」

アルテミスは藁人形にそう言って睨みつける
ジャルデウと焔がその光景を見て思わず吹きだす
アイナのペースが徐々に上がる
みんなの注目が藁人形にいったため、誰もがアイナの変化に気が付いていなかった

アイナの動きは回避主体から…攻撃主体に
本来ならば…ハイネとの差が一気に開くはずなのにハイネが10体目を倒した時には
アイナも10体目を沈めそうな勢いになっている

「いいペース展開だね…」



「確かに…差がつまってきてるけど…これも予定通り?」

アルテミスがそう焔に聞く
焔とジャルデウは無言でうなずく
焔達がチラッとマギックの方を見ると
かなりイラついてるようだった


「まだ動かないか…」

焔はそうつぶやき藁人形の方を見て数回うなずく
藁人形はそれを見てまた大きく深呼吸する

「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

今度は2度連続でライオンハートを自分にかける
さすがに2度目という事もあり…
周りの視線がかなり痛く藁人形に突き刺さる

「す、スマン…」

藁人形は小さな声でそう言う
その時…

「あ…」

アルテミスがフィールドに視線を移し思わずそう言葉を漏らす
フィールド内でアイナが素早く動きデッドリーをアンテクラに浴びせている
今度はアイナのペースが逆転してハイネに対し1匹以上の差をつけ始める
ハイネが17体目を倒した時にはアイナは19体目を撃沈させようとしていた
さすがにこの状態に耐え兼ねたのであろう
マッドピエロ側も新たな動きを見せる
なんとマギックは18冊目と19冊目を同時にフィールドに投げ込んだ
ハイネはうまく立ち回りながら2体同時に戦う…

「なるほど…そう来ましたか♪」

焔は感心したようにそうつぶやく
すると…マギックはハイネが2匹を倒しきらないうちにもう1冊投げ込む
ハイネはそれに驚く事もなくポジションを移動させつつショックウェブをアンテクラ達に浴びせる
アイナが20体目を撃沈させた時ハイネも18体目と19体目をほぼ同時に沈める
そしてマギックはフィールドにまた2冊投げ入れる

「これやと…またすぐに逆転されるんちゃう?」

ジャルデウがそう焔に言う

「さすがにショックが相手だとデッドリーは不利か…」

焔も状況を見てそうつぶやく
そして…ハイネとアイナがほぼ同時に21体目を撃沈させる

「ココで差を開かせるのは面白くないな…」

焔はそう言うと藁人形の方を見る
藁人形は…思わずうつむく
そして意を決したのかライオンハートの咆哮を3回上げる
マギックが藁人形のライオンハートが何らかの合図であると気がついた時には
フィールド内のアイナのスピードは全開になっていて
アンテクラはほとんど攻撃をする事なく防御に徹するしかない状況だった
ハイネの方は複数を相手にする事の疲労もあるのだろう
ペースが若干落ち始めアイナに追いつく事しか出来ない

「アイナちゃんすごいよ♪これなら一気にケリがつくんじゃないの?」

アルテミスが近くに来ていたガード役の悲魔に言う
しかし…悲魔は何かがひっかかるのだろう…その言葉にはうなずく事すらしなかった

「向こうの切り札がまだなんだよな…」

焔がそうつぶやく
悲魔もそれと同感だったのか数回うなずいた
アイナとハイネがほぼ同時に22体目を撃沈した時
突然ハイネがショックウェブを乱射し始める
その1発が悲魔たちの近くをかすめる

「あ、あぶね!」

藁人形は思わずそう叫ぶ

「コレか…」

焔がそうつぶやき、ジャルデウがうなずいた時
一瞬ハイネの動きが止まる
ほんの一瞬で…並みの人間なら気付く事のないような一瞬…
ハイネはしっかりと踏み込みショックウェブを放つ
その先にはアイナがアンテクラと戦っている…完全にアイナからは死角になっている
悲魔と焔…そしてジャルデウがアイナに対して危険を知らせようとした時

「避けろ!」

ハイネがアイナに向かってそう叫んだ

「チッ!あのバカ!」

その言葉を聞いたマギックが思わずそうつぶやき舌打ちをする
アイナはハイネの叫び声に気付きギリギリの紙一重でショックウェブをかわす

「あ…あぶね~」

藁人形は思わずそう言葉を漏らす
ショックウェブの直撃は避けたものの、アイナは確実にバランスを崩していた
その瞬間をアンテクラが見過ごすわけもなく
バランスを崩したアイナに斧を叩き込む
包丁で斧の直撃を防ぎはしたものの
アイナはフィールドの境界線辺りまで吹き飛ばされる

「卑怯よ!」

アルテミスがマギックに対してそう叫ぶ

「ショックウェブの乱射には付き物の事故ですよ…事・故・♪」

マギックはそうアルテミスに言ってニヤッと笑う
それを聞いたジャルデウが思わず武器に手をかける
焔がすかさずそれを止める
たぶん…ハイネが叫んでなかったらもっと悲惨な事になっていたかもしれない
フィールド内ではアイナは何とか立ち上がろうとしていた
その時、右足首に激痛が走り…アイナはその場にまた膝をつく

「足をやったか…まずいな…」

焔がそう言う
動けないアイナに対しアンテクラは容赦なく斧を振り下ろす
アイナはその場を転がりつつ何とか攻撃だけはかわす
しかし…反撃に出れるような状態ではなかった
ハイネはアイナの状態が気になるのか
チラチラとアイナの方を見ながら23体目を撃沈させる

「コレは…イレギュラー?」

悲魔は焔にそう聞く

「まぁ…それに近い物はあるね…」

焔は苦笑いでそう答える
予測できなかった訳ではないが
詰めが甘かったというとこだろうか
アイナの方は転がりながらも懐に入れた時は何とかデットリーを叩き込み
ハイネが25体目を倒した時にやっと23体目を撃沈させる

「ここまでか…」

悲魔はそうつぶやく…
藁人形も本を投げ入れるかどうか悩んでいた

「いや…まだでしょ」

焔がそう言うと
フィールド内のアイナは足首を押さえつつ何とか立ち上がる

「だけど…あれじゃ無理だよ!」

アルテミスもアイナの方を指差してそう叫ぶ

「なんや…みんなえらく諦めが良いのね…彼女はまだやる気やで」

ジャルデウはアルテミスにそう言う
焔は悲魔を見てうなずく

「やめますか?ククククク…」

マギックが悲魔にそう言って笑う

「いや…もう少し…くそ!」

悲魔はそう言って藁人形にうなずいて合図する
藁人形も悲魔にうなずき返し本をフィールドに投げ入れる
ハイネはその光景を見て思わず持ってるセルキスソードを地面に叩き付ける

「ほぅ…」

そのハイネの姿を見た焔がそうつぶやく
その後もフィールド内のアイナの状況はどんどん悪くなっていく
攻撃はほとんど当たる事はなく…なんとか避ける事で精一杯といった感じだった
しかしハイネのペースも上がる事は無く常にアイナの状況を気にしているようである
でも確実に放っておいてもハイネの勝ちが見える状況は変わらなかった

「アイナさん…」

そうモネがつぶやいた時
アンテの斧がまたアイナにヒットする
糸の切れた人形のようにアイナは吹き飛ぶ
アイナの意識も薄れかかる
何とか立ち上がろうとするものの
体が思うように動かない
視界もぼやけて近づいてくるアンテクラが3匹くらいに見える…

「限界…なのかな…」

途切れかける意識の中でアイナはそうつぶやく
自分の鼓動だけがアイナの頭の中で響き渡る
その時、天気が良いというのになんともいえない寒さがその場の全員を襲う

「なに?…この寒気は…」

アルテミスが思わずそう言う

「来たか…」

焔がそうつぶやく
何らかの異変に気がついたのはアンテクラも同じだった
警戒するように今にも崩れ落ちそうなアイナの周りをアンテクラが間合いを詰める事ができずにグルグルと回る

「なに?どうしたの?何が起こってるの?」

アルテミスはそうつぶやく

「ジャルちゃん…準備は?」

焔がジャルデウにそう聞く

「もう、ビンビンのギンギンだよ♪」

ジャルデウはそう言ってニヤッと笑う

「あ、アイナさんが…」

モネがそう言ってフィールド内を指差す
フィールド内のアイナがユラユラと揺れるように立ち上がったからだ
アンテクラは瞬時に身構えアイナとの距離を詰める
そして数回アイナに向かって斧を振り下ろす
が…まるで風に揺らぐ草木のようにアンテクラの攻撃をその場に立ったまま揺れながらかわす

「スゴイ…って言うか…アイナちゃんなんか怖い… ^^;」

アルテミスが思わずそうつぶやく
その後もアンテクラの攻撃はアイナにかすりもしない
その異常なアイナの状況に恐れをなしたのかアンテクラがジリジリと後退する

「さて…これでうちの勝ちは決まったんだが…ハッピーエンドで終わるか、それとも悲劇で終わるか…」

焔がフィールド内のアイナを見つめそんな意味不明な言葉をつぶやいた
当然、悲魔達にはその言葉の意味が理解できずただメンバーと顔を見合わせて首をかしげる

「悲魔ちゃん…アルにモネ…ちょっと聞いてくれ…」

焔はそう3人に声をかける
3人は焔の方を向く

「今から藁さんにライオンハートをやってもらう…彼女に反応がなければ、彼女への支援をやめて一旦後ろの岩陰に後退する」

焔はそう小声で言う
3人は意味が理解できないでいる

「たぶん…俺の予想が正しければ奴らは全滅する…」

焔はそう言ってあごでマッドピエロの方を指す

「で…その後、俺とジャルちゃんと藁さんを全力で支援…俺らが・・・・・彼女を倒す…」

焔は3人にそう告げる

「な、なんで?」

アルテミスが焔にそう聞く

「コレが…俺が言ってた…本当のイレギュラーだからさ…まぁ彼女の意識が戻れば…支援は続行で…一気に残り全部の本を投げ込んでも大丈夫だと思うけどね」

焔は含み笑いをしながらそう言う
そして焔は藁人形に向かって大きくうなずく
藁人形もそれを見てうなずき

(「頼む…届いてくれ…アイナ嬢…」)

そう心でつぶやきながら今まで以上に大きな声で雄叫びを上げてライオンハートを連続で自分にかけ始める

(「藁さんの…ライオンハート…そっか…私戦ってたんだ…でも…もう体が動かないの…」)

ターラの荒野に藁人形の咆哮が響き渡る
悲魔もモネもアルテミスも…そしてジャルデウと焔も心の中でエールを唱えその咆哮にのせる

(「みんな…バラバラになっちゃう…そんなのイヤ…もう少し…がんばらなきゃ…」)

そして…ハイネが26体目のアンテクラを沈めた時
アイナの体が一瞬光り輝いたように見えた

「え?…羽根?」

アルテミスが目を擦りながらそうつぶやく
一瞬…アイナの背中に色は黒かったものの天使の羽根のような物が見えた
アルテミスは目を擦る
しかし次の瞬間にはそれらしき物はまったく見えなかった

「目の錯覚?… ^^;」

アルテミスはそうつぶやく

『To Be Continued♪』





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Last updated  2006/08/18 04:56:02 PM
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