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2006/09/16
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『CRONOUS』~眠らない大陸の物語~


今アリーナの開催されているテラの街にあるユニオンホールの扉が勢いよく開く

「デンキチさん…ケンカです!」

そう言って1人の戦士が飛び込んでくる

「毎回毎回アホが多くて困るな…」

そう言って1人の男がイスから立ち上がり壁かかったかなり重そうな斧を手に取る
この男が現在教団内の全てのギルドを束ねるユニオンギルドのマスター…デンキチである

「で、収まりそうもないのか?」



「はい…普段から狩り場でもめている奴等で…ギルド同士の抗争になりかけてます」

戦士はそうデンキチに報告する

「わかった…仲裁には俺が行く、お前は引き続きアリーナの巡回を続けろ」

デンキチはそう言ってユニオンホールから出て行く
戦士はデンキチに対してマスキュラーのポーズを取る
どうやらこのマスキュラーのポーズがこのギルドの挨拶らしい

一方…アイナ達はアリーナで賑わうテラの町を店を見つつ歩いていた

「すごいです♪」

白狐は嬉しそうにアイナ達の周りを走り回る
その時…

「うん?揉め事かな…」


全員が悲魔の視線の先を見る

「うは…けっこうヤバい空気が漂ってるね^^;」

アルテミスがそう言う

「うむ、いつ始まってもおかしくない状況だな」

藁人形もそうつぶやく

対峙している2つのギルドの中心辺りに大きな斧が勢いよく飛んできて土煙を上げ地面に突き刺さる

「お前より俺のほうがつえぇ…」

そう言って対峙しているギルドの間に1人の男が現れる

「俺のほうがお前よりちっとつえぇ…」

そしてその男はそう言葉を続けながら地面に突き刺さった斧を引き抜く

「そんなくっだらねぇ背伸びっこをするために…てめぇらの拳はついてるのか?」

男はそう言って引き抜いた斧を肩に担ぎ双方のメンバーに睨みをきかす
対峙していたギルドの全員がその男をただ見つめる

「この神聖なるアリーナを汚す奴は…ユニオンマスターの名においてこの俺が叩き潰す!」

デンキチはそう叫びライオンハートの咆哮をあげる

「ユニオンマスター直々のご登場か…この揉め事もここまでかな…」

悲魔がそうつぶやく

「ちょっと残念…」

アルテミスがそうつぶやく

「ユニオンマスター?」

アイナが悲魔にそう聞く

「うちみたいな教団に属するギルドを束ねているギルドをユニオンギルドって言ってね…そのギルドのギルドマスターの事をユニオンマスターって言うのさ」

悲魔がそう説明する

「ふーん…じゃあ、あの人は偉い人なんだ…」

アイナがユニオンマスターと呼ばれた男を見ながらそうつぶやく

「偉いと一言で言えばそれまでだがよ…デンキチは強いぜ…信頼も厚いしな」

藁人形はアイナにそう言う

「デンキチさん…って言うんだ…」

アイナはデンキチの方を見てそう言う

「彼が出てきたならこれ以上はないだろうね…行こうか^^」

悲魔がそうアイナ達に言う

「えぇ…でも1人ですよ…」

白狐がデンキチの方を見てそう言う

「ちょっと前のアリーナで…今日と同じような揉め事があったんだ…総勢30人の大乱闘…」

悲魔がそう話し始める
アイナ達は黙ってその話を聞く

「彼はそこに1人で飛び込んで…あっという間に仲裁したのさ…だから大丈夫だよ」

悲魔がそう白狐の頭を撫でながらそう言って笑う

「仲裁って言うか…全員血祭りだったけど^^;」

アルテミスが苦笑いでそう言う

「そそ…で全員次の日にユニオンホールの前に吊るされてたなw」

藁人形もそう言って笑う

「それに…揉め事ってのはね…できる限り関わらないのがいいんだよ…それがこの大陸の掟、関わる事で関係のない人たちがさらに巻き込まれる」

悲魔はそうつぶやく
そして全員がうなずくとその場を離れた
どれくらい歩いた時だろうか

「いい匂い♪」

アイナが鼻をクンクンさせながらそう言う

「ホントです♪」

白狐も同じように鼻をクンクンさせながらそう言う

「パンの匂いね^^」

アルテミスがそう言う

「ちょっと行ってみますか」

藁人形はそう言って匂いのする方に歩いて行く
しばらく歩くと『メロンパン焼きあがりますた!』と看板の出た店があった

「メロンパン?」

アイナは看板を見てそう言う

「えぇ…もしかしてアイナちゃんメロンパン知らないの?」

アルテミスが驚いたようにアイナに聞く
アイナはうなずく

「僕もそんな高級なパンは食べたことないです」

白狐もそう言う

「高級か?」

悲魔がそうつぶやく

「パンは…たまに食パンを買うくらいで…いつもは耳をもらうです♪」

白狐はニコニコしながらそう言う

「不憫だ…」

藁人形は鼻をすすりながらそうつぶやく

「とにかく一度食べてみようよ♪カリカリモフモフで美味しいよ♪」

アルテミスはアイナ達にそう言う
アイナと白狐は大喜びで店に入って行く

「いまどきメロンパンでアレだけ喜ぶ姿も珍しいな…」

悲魔はアイナと白狐を見てそうつぶやく
トムチャも笑顔でうなずく
そしてアルテミスも後を追うように店内に入ろうとした時

「ちょっと…アル!」

そう言ってトムチャがアルテミスの腕を引き店の看板を指差す
アルテミスは何気に看板を見上げる

「Σ(´ロ`;)…さ、殺人ベーカリー…」

看板に書かれたその名前を見てアルテミスの動きが止まる

「物騒な名前だな…アイナ嬢達は大丈夫か?」

藁人形はそう言って店内に飛び込む

「あぁ…この店か…」

悲魔がそうつぶやく

「な、何?何か知ってるの?」

アルテミスとトムチャがそう悲魔に聞く

「いや…普通のパン屋だよ…ほらタロさんの居るダークフレイムのボブさんが出してる店だよ」

悲魔がそう説明する

「なんでこんな名前付けるかなぁ^^;」

アルテミスがそうつぶやく

「食べると死んでしまうくらい美味しいから…らしいが…^^;」

悲魔は苦笑いでそう言う
トムチャとアルテミスは顔を見合わせてただ苦笑いを浮べる
悲魔達が遅れて入ると…すでにアイナと白狐はメロンパンを食べていた

「カリカリ~♪」

アイナはウットリした顔でそうつぶやく

「モフモフです~」

白狐もアイナの横でそう言ってウットリする

「じゃあ…俺達も頂きますか」

藁人形はそう言って悲魔達にもメロンパンを配る

「美味しい…」

トムチャは一口食べてそうつぶやく

「メロンパンだけじゃなく…うちのパンはみんな美味いよ!って…悲魔さんじゃんw」

店員が出てきてそう言う

「やぁ」

悲魔はメロンパンをかじりながらそう挨拶する

「ほ、ホントにボブさんだし…しかも妙に似合ってる^^;」

アルテミスが出てきた店員を見てそうつぶやく

「しかし…こんなに美味いのにあまり盛ってないようだが…」

藁人形が店内を見ながらそう言う
確かにお客はアイナ達だけだし
パンもかなり売れ残っている

「うむ…入り口までは来るんだが…誰一人として入ってこないんだよな…なぜか…」

ボブは腕組みをしてそうつぶやく

「店の名前でしょ…^^;」

アルテミスは苦笑いを浮べて小声でそうつぶやく
トムチャも横で何回もうなずく

「ところで…なんでパン屋なんかやってるの?」

悲魔がメロンパンをモグモグしながらそうボブに聞く

「いやぁ…この前うちのギルドが巡回担当だった時あるでしょ?」

ボブがそう言う
悲魔と藁人形がうなずく

「その時にひと稼ぎしようと思ったら…根こそぎ狩られててさまったく儲けが出なくてね」

ボブはそう悲魔達に言う

「あぁ…あの時の話しか…」

悲魔はうなずきながらそうつぶやく

「ギルドの財政が困難になってね…で、会議の結果…今の巡回担当からエビルの権利を買い取ろうって話しになったんよ…」

ボブが身振り手振りで説明する

「なるほど…だが、権利となれば高いだろうに」

藁人形がそうボブに言う

「なけなしのお金だったさ…しかし結果はまたしても根こそぎ誰かに喰われまくってね…大赤字!…で、しかたなくパン屋を開いたってわけ」

ボブはそう言ってしょぼくれる
その話を聞いて全員が同情の視線を送る中…アルテミスだけがひきつった笑顔を浮べていた

「エビルに篭って狩りしてたのは…アルか…」

悲魔はアルテミスのひきつった笑顔に気付きそう言う

「ゴメン…まさか権利まで買って狩りをしようとしてた人たちが居るとは…^^;」

アルテミスは苦笑いでそうつぶやく

「あのぉ…このメロンパンって作り方難しいんですよね…」

アイナが突然そう言って会話に割り込む

「うん…まぁ難しいけど生地は慣れだね…さほど大変じゃない…材料も特殊な物は使わんしね」

ボブがそう説明する
それを聞いてアイナが目を輝かせる

「作りたいの?」

ボブがそうアイナに聞く
アイナは何度もうなずく

「今日はじめてのお客さんだし…悲魔さんのとこだしね…特別にタネのレシピは教えてあげないでもないが…」

ボブがそうアイナに言う
アイナと白狐はそれを聞いて手を取り合って大はしゃぎする

「でもね…タネまで作れても…そこから先は君達には無理なんだよ…」

ボブは残念そうな顔でそう言う

「無理なんですか?」

アイナがそうボブに聞く

「窯が必要でね…それもかなりの火力が維持できるやつがね…」

ボブが店内にある窯を指差してそう言う
『窯』という言葉を聞き…藁人形と悲魔の笑顔がひきつる

「うちらも…この店を出すにあたり窯を借りてきたんだが…このままだとレンタル代も出ないな…」

ボブはどこか遠くを見つめながらそう言う

「なんだ…窯なら大丈夫です♪」

アイナは満面の笑みでそうボブに言う

「なぁ…アイナ嬢が大丈夫って言ってる窯って…やっぱあの窯だよな…」

藁人形がそう悲魔にポソりと言う

「言わないでくれ…考えたくもない…」

悲魔がそうつぶやく
横でアルテミスも苦笑いでうなずく

「じゃあ…私達が呼び込みを手伝うんで…レシピ教えて下さい♪」

アイナはそうボブに言う

「おお!そいつは助かる!」

ボブはそう言って喜ぶ
そして…アイナと白狐は店の外で呼び込みをはじめた

「メロンパン…焼きたてですよ~♪」

アイナが笑顔でそう叫ぶ

「カリカリの…モフモフです♪」

白狐も負けじとそう叫ぶ
そして足を止めた人達にメロンパンの試食を配る
美味しいと噂が広まってきたのか
ポツリポツリと入り始めたお客がいつしか列を作り始める

「死ぬほど美味しい…殺人ベーカリーはこちらでーす♪」

日が傾きかけたアリーナにアイナと白狐の声がこだまする

…『To Be Continued♪』





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Last updated  2006/09/16 11:58:56 AM
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