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ここ数日、鶏の唐揚げが頭から離れない。最初は確か、テレビで特集やっていたのを見かけてしまったんだったか。そこらあたりから頭を唐揚げが徐々に浸食しはじめた。続いて土日にやって来た級友ポストマンと、追い討ちをかけて唐揚げ話に花を咲かせてしまったら、それが致命傷になった。やつは何でも、最近地元の駅近くで、口に合う鶏の唐揚げ屋を見つけたんだと、ヨダレの出そうな話をして、いっそう僕の頭を唐揚げ色に染めて帰っていった。そう、思えば僕も以前はおつきあいをしていた可愛い彼女、もとい唐揚げがいたんだ。彼女は庶民的な、地元のうらぶれた中華料理屋の出前のたびにやってくる唐揚げだった。そうなのだ、あの中華屋、他のメニューはどれも月並み以下のくせに、不意に注文して現れた彼女だけが、桁違いに輝いてた、つまりは美味かった、そして恋に落ちた。彼女、一人前で6百円程度で、とても一人じゃ食べきれないほどグラマーで、さらに素晴らしくジューシーだった。カーネルサンダースが参りましたと道を譲り、ミシュラン☆☆☆に匹敵する、そんな天使だった。だからあの頃暇を見つけては、彼女との情事にあけくれた。そうノンアルコールビールと彼女さえいればそこが楽園だった、まさに常夏の楽園ベイベー、ココナッツとサンシャイン・クレイジー、僕たちはいつも肉汁をほとばしらせて愛し合ったさ。しかし、別れは突然やってくる。ある日、いつもと同じように彼女を指名したらば、彼女とは似て非なる鶏唐が我が家にやって来たのだ。「何?ナニゴト?」まったくもって何が起こったのか理解できない僕に、ちょっとコレもんのバイトの兄ちゃんが説明してくれたことと言うのが「あっ、経営者が変わったんス、これからも御ひいきに!」なんと、知らされたのは代替わりという社会の現実。会いたくなった時にぃ~きみはここにいない 夢は返らないぃ~♪涙を一滴落としながら僕は、思わずサザンを口ずさんでしまった。そしてあの夏の日から、もう二度と会えない彼女を今も待ち続け、大人になれないままの僕がいる。 今日の一曲 『愛と欲望の日々』 サザンオールスターズ
2013.08.28
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十数年ぶりに青切符を切られた。車がないと動きのとれない体なので、普段から安全運転に徹している僕なのだが。娘を関空に拾いに行った帰りに、地元まで戻って来て、よりにもよって走り慣れている道で、右折禁止の標識をどうやら見落とし、網を張ってた若い警官の兄ちゃんに御用となった。おいでおいでと呼ばれた時点で、まだ僕は違反したととの自覚はなく「何ですかね?」とにこやかに窓を開けて、そこで初めてその事実を知らされ「ナヌッ!」となった。警官に当たるのは筋違いだが、ややカチンと来た僕は「ここ解りにくくないっすかね?」などと、彼に詰め寄ったりしていたら、二分と待たず同じく交差点を一台の車が右折してやって来たので「ほら、解りにくいんですって、で、兄ちゃんあれも捕まえてもらわんとアカンわ!」とさらにけしかけた。若い警官は「チョット待ってて下さい」と言い残して、同じようにやって来た車も止め、あわてて応援を要請していた。そうなのだ、とにかく解りづらい場所だったのだ。こう書くと、なんだか言い訳がましく器の小さい男みたいだわ、ま悪いのは僕なんだけどね。そして久しぶりに胸に渦巻く、この何処へぶつけていいのか迷ってしまうモヤモヤの処理に手こずりながら、くつがえることなどないのは分かっているのに、さらにしつこく若い警官の兄ちゃんに突っかかってしまった、そんな大人げない僕でした。そのせいかどーかは知らないが、数日後、寝込むほどではないもののいつまでたってもスッキリしない夏風邪をひきそえ、さらには家のパソコンが見事にウィルス感染し、もう踏んだり蹴ったり、いや違うな、踏まれたり蹴られたりムチ打たれたりの、さんざんな八月でありました。かくして、捕まった翌日に早々に罰金は払い込み、徐々に体調も回復し、パソコンは苦心惨憺初期化して、一連の不幸の連鎖から僕は見事脱却し、なんとか事なきを得た。そして金曜日、仕事中にポストマンから「明日の神戸であるサザンのチケットが手に入ったんやけどオマエどーする?」とのメールが入り、死ぬほど行きたかったけどこの病上がりのカラダでは、興奮しすぎておそらく死んでしまうであろう自信と確信があったので、泣く泣くお断りした。可愛そうに思ったポストマンは、明けた日曜日に、お土産のサザン今回のツアーTシャツを持ってやって来てくれた。ありがとう。ここでやっとあざなえる縄の如き禍福の「福」さんチームが久々にお目見えしてくれたようで一安心。てなワケで、更新がながらくできませんでした、あいすいません。雷蔵は夏風邪は引きずっておりますが元気です。あと、不幸の団体さん及び個人様、各種グループの皆様さんにおかれましては、雷蔵すでに厄払いは終わりましたので、続いておみえにはならないようご注意願います。秋風恋し されどいまだ ツクツクボーシの声すら聴かず いと悲し
2013.08.21
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なんでもオーストラリアを出国する手荷物検査の際に、長女の友達モエちゃんは、係員からイングリッシュでこう問われたというのだ「君の荷物には危険物は入っていないかい?ハサミやカッターなんかもダメだよ!」しかしそこは二週間の語学留学を終了して今まさに帰路につかんとするモエちゃんである、慌てることなくきっぱりと「アイ・ハブ・ノー・シザーズ」と答えながら手荷物を渡し、係官にニッコリ微笑むことも忘れなかったんだと、やるねモエちゃん。しかしだ、その直後にモエちゃんは重大なミスを犯していたことにハタと気づいたんだと、ハタと。それというのが、うっかり手荷物の中に土産で買ったオーストラリア製の十得裁縫道具を入れたままだったことに。あのタコの足のように収納され必要とあらばシャキンと取り出せるアイテムの中に確か糸きりナイフとかハサミが入っていたはずだわ、ああ神様!しかし既にカバンは彼らの手の中、一通りの検査が始められていた。これは、黙って見過ごすべきなのか、いやそれとも、自己申告した方がいいのか、でもさっききっぱりとノー・シザーズと言い切っちゃったし・・・思案していたまさにその時、係員が見覚えのある塊を取り出しモエちゃんに視線を移す。パニくるモエちゃん、ヤバイ、バイヤー、このままではモエ、モエ、テロリストになってしまう!違うんです、それは違うんです、焦ったモエちゃんは係員に向かってこの二週間で培ったイングリッシュをフル活用し、大声で次の言葉を連呼したのだと「アイ・ドント・キル・ピープル! アイ・ドント・キル・ピープー! ピープーー!!」その場を目撃した添乗の先生は、モエちゃんのその必死さに爆笑した。係員もさすがにこの虫も殺しそうにないジャパニーズハイスクールガールがハイジャック犯だとははなから思ってなかったようで、オーライ オーライ と笑い、その代りこれは持ちこめないから没収ね!とかなんとか、その土産を取り上げて箱へと移し、モエちゃんは無罪方面になったんだと。まあ、そんなこんなであっと言う間の12日間、何事もなく能天気な長女もまた帰国の途につきました。楽しいばっかりのオーストラリアで、帰ってきて早々、また向こうの友達に会いに行くんだなどとほざいております。どーぞどーぞお好きになさい、でも、今度は自腹だからね、しっかりバイトでもしてくださいな。
2013.08.04
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