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4月の読了は10冊でした。おお、昨年7月以来の大台。感想を書いた9冊はこちら。 4/3 アンソロジー 『夏休み。』 ピュアフル文庫 4/7 谷原秋桜子 『砂の城の殺人』 創元推理文庫 4/11 谷川流 『涼宮ハルヒの憂鬱』 角川スニーカー文庫 4/14 谷川流 『涼宮ハルヒの溜息』 角川スニーカー文庫 4/17 谷川流 『涼宮ハルヒの退屈』 角川スニーカー文庫 4/19 恩田陸 『図書室の海』 新潮文庫 4/24 恩田陸 『黄昏の百合の骨』 講談社文庫 4/26 鷹野祐希 『秋津島 斎なる神のしもべ』 GA文庫 4/28 新井輝 『私の愛馬は凶悪です』 ファミ通文庫
2007.04.30
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毎晩違う女の子と遊んでいるという噂の射水位里。実際彼の予定は数日先まで埋まっているようで、他校の生徒が教室まで「予約」にやってくる。その目に余る現状が堪忍ならない高岡霧理は彼に説教するが、しかし「予約」をすべてキャンセルする代わりに、霧理はある条件を突きつけられてしまった。なぜなら、彼にはそうせざるを得ない理由があったから。 新井さんの新作は、恋や友情や家族のことで悩む女の子の青春物語です。ごく普通の女の子である霧理と、天然かつ並外れた金銭感覚を持つ射水との感覚のズレが楽しい作品に仕上がっています。 霧理は本当に普通のいい子で、ただ自分がはたからどんな風に見られているのか気が付かない点と、「戦うと決めたら徹底的に戦う」というこだわりがちょっと不自然な感じもするけれど、でもまあ普通です。いや、まわりの人が変わっているからかもそう見えるのかも知れないけど。 対する射水の設定はちょっと突飛な印象。確かにその設定の根拠付けはされているけれど、こんな子どもじみた男はちょっといないでしょ。 本当は、手に取ったときには「説教する霧理とそれに反発する射水」という構図を想像していたんです。きっとそんなドタバタしたコメディだろうと。でも、そんな想像をきれいに裏切ってくれます。ここまでのところは。 驚かされたのは巻末で明らかになる衝撃の事実。これとあれがこんな風につながるなんて、まさに不意打ちです。よく考えるとわかりやすいほどはっきりと伏線が引かれていたのですが、全く予想していなかったので無警戒でした。 ということで、これは新シリーズの1巻です。非常に中途半端なところで終わってくれていて、気になって仕方ありません。こちらも無警戒に1巻完結だと思っていました。おもしろかったのでいいのですが、あんまり続くと追いかけるのが大変だなあ。2007年4月28日読了
2007.04.30
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鹿島神古流道場の娘として育ち、武芸一筋で奥手だった少女・佐唯。やっと始まった秋人との恋はゆっくりで、手を繋ぐことすら慣れない。しかし、そんな幸福な日々は唐突に終わりを告げる。佐唯の身に降りかかる惨劇は、彼女から日常というものを奪い去った。妹のようにかわいがってきた祥姫に襲われ、秋人を喪ったのは戦いの幕開けに過ぎなかった。 「巫女武侠」というコードネームで書かれたという鷹野さんの新シリーズは、神話の時代から続く対立をモチーフとしたジャパネスク伝奇ロマンです。 さて、読んでみるととにかく頭に入ってこないのが天孫と地祗の対立。古事記だとか日本書紀だとか、そういった方面の知識や素養が皆無な人間なので、国譲りとか言われても全くピンとこない、チンプンカンプンなのです。 普段ならこういうわかりにくい専門的な話は読み飛ばすこともできるのですが、今回ばかりはこれが作中で重要な知識であろうことは明白なので読み飛ばすこともできません。しかし、幸いなことに主人公の佐唯も全く知識を持ち合わせておらず、話が進むにつれ徐々に知識を吸収していくという設定。まるで初心者や子ども向けの専門書を読むような要領で、後半はわりと飲み込みやすくなりました。 とはいえ、扱っているモチーフの大きさから考えると、壮大な物語になることは明白。これから先、どんな風に展開していくのか、期待と不安がいっぱいです。シリーズものの1巻目というのはいつも評価しにくいのですが、今回はいつにも増してそんな気がします。微妙です。とりあえず、次は読むと思います。だって、気になりますもん。2007年4月26日読了
2007.04.27
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「自分が死んでも、水野理瀬が半年以上ここに住まない限り家は処分してはならない」祖母の遺言に従い、かつて暮らした白百合荘に戻って2人の叔母との生活を始めた理瀬。「魔女の家」とも呼ばれる洋館での生活で、理瀬はいくつもの怪事件に巻き込まれてしまう。行方知れずになった少年はどこへ? 祖母の死の真相は? そしてジュピターとは? 『麦の海に沈む果実』の続編にあたる恩田ミステリ。高校生になった理瀬はすっかり「あっち側」の世界にスタンスを移し、悪女と呼んで差し支えない雰囲気を身にまとっています。しかし、時折見せる子どもらしい面があり、未だ少女から大人への移行期にあるのかなとも思いました。その辺の微妙なバランスがなんとも興味深いです。「睡蓮」で登場する幼少期の理瀬や、『麦の海に沈む果実』の学園での理瀬と比較してしまったり。 こういった物語の場合、大概は「この人が死んでしまって、こっちの人が犯人」なんて感じで、登場したときになんとなく想像がつくことが多いのですが、今回はちょっとびっくり。おそらく死んでしまうだろうと思った人は案の定死んでしまったのですが、思いもよらない人があんな風になったり、こんなふうに変貌したりと中盤からは全く驚きの連続でした。 でも、この物語はきっとそういうことに主眼を置いていないですよね。ミステリ的なことよりも、この作品の世界を構築すること、そして水野理瀬という一人の女性を描くことに力が注がれているようでした。理瀬の変化と成長、そして「こっち側」との決別の物語ですね。 作品全体に耽美的というか幻想的な雰囲気が漂い、それだけで作品世界にどっぷりと浸かってしまったかのよう。シリーズ続編にあたると思われる『薔薇のなかの蛇』も「メフィスト」誌上で連載が開始され、ちょっと読んでみましたがまたまた違った舞台のようです。単行本としてまとまるのはまだまだ先のことですが、こちらも楽しみです。関連作:『三月は深き紅の淵を』『麦の海に沈む果実』『図書室の海』『殺人鬼の放課後』2007年4月24日読了
2007.04.27
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第60回日本推理作家協会賞の候補も発表になっています。[長編および連作短編集部門候補作] 桜庭一樹 『赤朽葉家の伝説』 東京創元社 辻村深月 『ぼくのメジャースプーン』 講談社 樋口有介 『ピース』 中央公論新社 森谷明子 『七姫幻想』 双葉社 柳広司 『トーキョー・プリズン』 角川書店[短編部門候補作] 石持浅海 「未来へ踏み出す足」 ジャーロ夏号 春口裕子 「ホームシックシアター」 Jノベル2月号 三上洸 「スペインの靴」 小説宝石12月号 薬丸岳 「オムライス」 小説現代12月号 米澤穂信 「心あたりのある者は」 野性時代12月号[評論その他の部門候補作] 上島春彦 『レッドパージ・ハリウッド』 作品社 小鷹信光 『私のハードボイルド 固茹で玉子の戦後史』 早川書房 滝本誠 『渋く、薄汚れ。ノワール・ジャンルの快楽』 フィルムアート社 巽昌章 『論理の蜘蛛の巣の中で』 講談社 安井俊夫 『犯行現場の作り方』 メディアファクトリー 選考委員会は5月14日とのこと。長編は『赤朽葉家の伝説』の評判がよかったけれど、『七姫幻想』も捨てがたい。ただ、連作短編集という点でどうでしょう。気になるのは『ピース』。短編は全く未読なだけに・・・評論は『論理の蜘蛛の巣の中で』の評判がよいように聞いています。
2007.04.24
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第20回山本周五郎賞候補作が発表になっています。恒川光太郎 『雷の季節の終わりに』 角川書店森見登美彦 『夜は短し歩けよ乙女』 角川書店恩田陸 『中庭の出来事』 新潮社伊坂幸太郎 『フィッシュストーリー』 新潮社楡周平 『陪審法廷』 講談社 選考会は5月15日だそうです。楽しみ。ここはぜひ『夜は短し歩けよ乙女』に。
2007.04.24
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表題作「図書室の海」を含む10編によるノンシリーズの短編集。ノンシリーズということで当然バラバラなのですが、中にはシリーズものの外伝的なものや、他の長編の予告編的なものもあって楽しめました。様々な形で恩田ワールドのエッセンスが満載といったところでしょうか。引き出しの数と深さに思わず感嘆。●「春よ、こい」 卒業式で聞いた短歌。その話、以前にどこかでした気が・・・繰り返されるシーンに誘われて、時の迷宮にたどり着いたかのよう。●「茶色の小壜」 事故現場で応急処置をする女性は、そつなく仕事をこなす同僚だったが・・・怖さこそあまり感じないのですが、ピリッと毒の効いた作品。●「イサオ・オサリバンを捜して」 イサオ・オサリバンとはどんな人物だったのか・・・戦場に散った小さな英雄伝、かと思いきや予想もしなかった展開に。これがどうつながっていくのか、興味があります。●「睡蓮」 「源氏物語を知っているか?」そう尋ねる兄とは本当の兄妹じゃない・・・幼き日の水野理瀬の物語。そうか、あの人なんですね。●「ある映画の記憶」 思い出した映画の一場面。海にとり残された母に促され陸に向かうが、振り向くとそこに母はいない・・・アンソロジー『大密室』で既読。確かに密室ものですが、それよりも作品全体が持つ雰囲気が印象的。●「ピクニックの準備」 高校生活最後のイベント「歩行祭」を明日に控え、準備をしながら考えること。貴子も融も、そして・・・全くの予告編。『夜のピクニック』を再読したくなります。●「国境の南」 あの喫茶店の常連達は次々と亡くなっていった。誰もが彼女目当てに通っていたのだが・・・心に秘めていたものは何だったのか。なかなかの怖さと同時に謎を感じます。●「オデュッセイア」 意思を持った大地ココロコ。そのすすむ先には何があるのか、どんな人がいるのか・・・ココロコの目線を通した人類と都市の変遷のような物語圧縮版。ぜひとも長編を読んでみたいけれど、短編のほうがいい題材かも。●「図書室の海」 夏は卒業した先輩が借りた本を片っ端から探した。だが、どの読書カードにも先輩の名とともにもう一人の名が書かれていた・・・『六番目の小夜子』の番外編。冒頭の読書カードからずっとあの曲が頭を離れませんでした。●「ノスタルジア」 集まった人々による告白。それは「最初の記憶」だった・・・恩田作品全般で感じる「懐かしさ」の固まりそのもの。これが原点というのも納得。 ホラーやファンタジー、ミステリ、SFなど幅広いジャンルをカバーした作品集。しかし、どれもがこれぞ恩田陸というような作品ばかりで、らしさがよく出ています。余韻を残すような終わり方をするものが多く、予告編あるいは番外編としての役割もキッチリ果たしています。恩田ファンには見逃せない1冊。収録作:「春よ、こい」「茶色の小壜」「イサオ・オサリバンを捜して」「睡蓮」「ある映画の記憶」「ピクニックの準備」「国境の南」「オデュッセイア」「図書室の海」「ノスタルジア」関連作:『麦の海に沈む果実』『夜のピクニック』2007年4月19日読了
2007.04.20
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昨日、東京創元社から第17回鮎川哲也賞の受賞作が発表になりました。 山口芳宏 『雲上都市の怪事件』 おめでとうございます。 選考経過の詳細は10月発売の「ミステリーズ!vol.25」に掲載されるそうです。
2007.04.19
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ハルヒの退屈はキョンたちSOS団に様々な事件をもたらす。それは草野球だったり、七夕だったり、人捜しだったり、合宿だったり。しかし、あらゆる手段を駆使してでも、ハルヒの精神状態を安定させなければ・・・ 4編が収録されたシリーズ初の短編集。●「涼宮ハルヒの退屈」 退屈しのぎにハルヒが試みたのは草野球大会への参加だった。SOS団は5人しかいないのに・・・『憂鬱』発売前に雑誌で発表された作品とのこと。『憂鬱』『溜息』と読んだあとの『退屈』に収録されているからいいものの、雑誌でいきなりこれを読んだらなかなか理解が難しかったのではないかと。●「笹の葉ラプソディ」 みくるとともにあの三年前にタイムスリップしたキョン。待っていたのは更に未来のみくるだった・・・おそらくシリーズ中でも重要な作品。ハルヒの過去が明らかになるとともに、ハルヒとキョンの関係も明らかに。今後(作中未来)の作品に向けての重要な伏線であり、同時に以前(これも作中未来)の作品の真相だったり。●「ミステリックサイン」 SOS団に初めての依頼者が現れた。捜してほしいのは、お隣コンピュータ研究部の部長だという・・・これはなかなか気持ちの悪い作品でした。カマドウマが・・・●「孤島症候群」 夏休み、SOS団は古泉の親戚が所有しているという孤島の別荘で合宿を行うことになった。事件を期待するハルヒだったが・・・ミステリ仕立ての中編。なかなか興味深い作品で、ミステリとして読むと残念な真相だったのですが、このシリーズとしてはきわめて真っ当で、当然の帰結かと。普段の態度と異なるハルヒも見もの。 4編の中ではシリーズ中のキーポイントとなりうる「笹の葉ラプソディ」と、作者のミステリ好きが顕著に現れる「孤島症候群」は必読かと。『溜息』での古泉によるジャンル決めのセリフでも明らかでしたけどね。収録作:「涼宮ハルヒの退屈」「笹の葉ラプソディ」「ミステリックサイン」「孤島症候群」関連作:『涼宮ハルヒの憂鬱』『涼宮ハルヒの溜息』2007年4月17日読了
2007.04.18
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今日初めて知ったのですが、立風書房ってもともと学研の子会社で、学研に吸収合併されてたんですね。ずっと倒産したものだと思っていました。 すると、立風書房から刊行されていた樋口有介さんの『ろくでなし』あたりは学研から文庫化される可能性があるんでしょうか。もしそうなれば、学研M文庫? まさかメガミ文庫やもえぎ文庫じゃないと思うのですが。
2007.04.18
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文化祭という名の行事は、どんな学校にも付き物。SOS団もハルヒの一存でこの文化祭に参加することになった。しかも、文化祭までの短い期間で映画を撮影し、上映するという。「超監督」の腕章をつけたハルヒはいったいどんな映画を製作しようというのか。 シリーズ第2作。どうしても前作と比較すると、スケールダウンというしかありません。 別におもしろくないとか、期待はずれとか言う気はないのですが、前作が結構大きく風呂敷を広げた上で、それなりに後へ続けられる形をとりながら一定の結末を迎えるのに成功していただけに、ちょっと厳しく見て、辛い評価をつけざるを得ない感じですね。 やはり、シリーズ第2作としては前作を上回るものがほしかったのですが、映画撮影という内容では話のスケールとしても、インパクトとしても小さいですね。 もう少し後にこの話が出てきたのなら、またちょっとは違った見方になったのかも。 これだけエキセントリックな登場人物を扱っているのだから日常的なシーンもおもしろいはず、という考え方は当然成り立つだろうし、否定もしないのだけれど、もっとスリリングな物語を読ませてほしかったです。 それとも、これは僕が古泉の説明を理解できないことが原因ですか?関連作:『涼宮ハルヒの憂鬱』2007年4月14日読了
2007.04.16
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「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」。入学早々、自己紹介でそう言ってのけた美少女、涼宮ハルヒ。それは平凡な日常を送っていた俺にとって、想像もできなかった事態の幕開けを告げていた。 第8回角川スニーカー大賞受賞作。 もはや言い尽くされた感もある『涼宮ハルヒの憂鬱』。メディアミックスによって様々な分野で大ヒットしていますが、大本はここということで。 ライトなSFに分類できると思うのですが、理屈として「科学的にどうしてこうなるのか」とかいうものではなく、「こうなっているのだからつべこべ言わずに受け入れろ」的な感じ。語り手にあたるキョンが半ば観念したかのようにこれを受け入れるものだから、読み手も受け入れざるを得ず、かえってリーダビリティが高い快適な読書につながっているようです。僕個人としては、かなり短時間で読んだと思います。 既に様々なメディアでの露出が著しい作品だけに、登場人物たちのイラストもすっかり記憶済み。ゆえに登場人物たちはアニメを見ているかのように縦横無尽に動いてくれます。 ところで、作中世界はハルヒが神として望んだ世界であって、それゆえに宇宙人=長門有希、未来人=朝比奈みくる、超能力者=古泉一樹として存在するわけです。すると、おのずと異世界人(無自覚)=キョン、という式が成り立ちませんか。 では、異世界とは? 3年前にハルヒたちが存在する世界に異世界からキョンが舞い込んだということか、それとも何か全く違うことなのか、あるいは本を媒介としたメタな手法なのか・・・おそらくシリーズ完結まで明かされないのでしょうね。2007年4月11日読了
2007.04.12
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随分遅くなっちゃいました。 発表当日(5日)は楽天で授賞式を中継するというので、なんとかその時間までに帰宅しようとしたのですが、家に着いたときには既に時計は8時を回り、中継は受賞された佐藤さんのサイン会、撮影会と化していました。 で、皆様ご存知の通り結果は佐藤多佳子さんの『一瞬の風になれ』が大賞、僅差の2位に森見登美彦さんの『夜は短し歩けよ乙女』、以下『風が強く吹いている』『終末のフール』『図書館戦争』・・・となりました。 まあ、大賞受賞作は世評でも本命でしたし、きっと素晴らしい作品なのでしょうね。森見派の僕としては残念な結果でした。「なむなむ」ってしたのに。 さて、気になったことが一つ。 前日までの本屋さんでの『一瞬の風になれ』の扱い方を見ると、結果は一目瞭然でした。 だって、『一瞬の風になれ』3冊(全3巻)のスペースと、『夜は短し歩けよ乙女』以下9冊のスペースが同じですから。あとは帯の付け替えだけ、って状態。もうまるわかりです。言い分はあるかもしれませんが、この辺の情報管理をきちっとしないとちょっと醒めてしまいますね。
2007.04.09
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昨日、選挙に行ってきました。 統一地方選挙の前半戦です。僕のところは市議選が無投票当選なので、市長選と県議選でした。 「どうしてこんなところに決めたのか」と言いたくなるほど狭い道を通り、狭い駐車場に停めて向かう投票所(公民館)。2つの投票を無事済ませ、靴を履いていると左斜め後ろから静かに近づいてくる影が・・・ 「すいません、お時間いただけませんか。出口調査にご協力いただきたいのですが・・・」 なんと、出口調査ですよ、出口調査。 これまで何回となく投票に行っていましたが、出口調査は初めてです。見たこともありません。地元民放テレビ局の調査でしたが、やり方はカンタン。性別、世代、市長選の投票した候補者、支持政党にそれぞれ○をつけるだけ。3分もかかりません。 何だか出口調査に協力しただけですごく社会的なことをした気分ですが、よく考えると選挙に行き投票すること自体が社会的な行為ですね。 ちなみに、僕は毎回開票速報を逐一チェックしているのですが、昨日見ていたのは出口調査で協力した某民放ではなく、天下のNHKでした。やっぱりこういうときはね。もちろん、受信料は払っていますよ。 母は「出口調査の結果どおりになるなら、出口調査だけで選挙なんてしなきゃいい」とか「開票結果で決めるなら出口調査なんて無意味」とか一晩中言っていました。もし、母と同じ考えでしたらこちら(Wikipedia:出口調査)をご覧下さい。
2007.04.09
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行方不明になった父を探しにスペインへ渡るため、バイトに精を出す倉西美波。今回武熊さんから紹介されたバイトは廃墟撮影のアシスタント。ところが、向かった先は廃墟となったカメラマンの生家、待ち受けるのはカメラマンの異母兄。しかも、そこではミイラ化した死体が。おまけに豪雨で橋は流され廃墟は陸の孤島に・・・ 富士見ミステリー文庫から創元推理文庫へと華麗なる(?)移籍を果たした谷原さんのシリーズ3作目は書き下ろしの新作です。 きっとこういう本格的な本格ミステリが書きたかったんだろうなあ、と思わされるような仕上がり。いろいろな要素を詰め込み、前2作よりも更に本格ミステリらしく、しかもちょっとだけ怪異方向へ傾きかけているようです。 相変わらず伏線はきれいにしっかり引かれ、どんでん返しもこれでもかとばかりに繰り返されます。そういう意味では、丁寧に作りこまれたオーソドックスな本格ミステリと言えるでしょう。 道具立てとしては、嵐で孤立した廃墟、移動するミイラ、密室殺人、10年前の失踪者、異母兄妹と怪しさ満点。これだけ揃っていると、富士見時代からのあまりミステリを読んでいないファンは、出した手をちょっと引っ込めかねない気さえします。 でも、すらすらと読むことができ、あまりおどろおどろしさは感じません。これもすべて美波の類まれなキャラクターのおかげでしょうか。登場人物はよくある定形フォーマットに当てはめたかのようでいささか残念なのですが、このシリーズの流れを考えれば仕方のないことでしょう。むしろ、その登場人物たちを巧みに使いこなしていると言えます。シリーズキャラクターとして美波と直海、そしてネコのケンゾウが出ずっぱりなのですが、ちゃんと修矢とかのこもおいしいところを持っていきます。それぞれに見合ったところを。ちゃんと使いどころを心得ていると言うべきでしょうか。 まあ、何にせよ創元推理文庫に移ったおかげでこのシリーズが読めるのですから万々歳です。次回作も期待。関連作:『天使が開けた密室』『龍の館の秘密』2007年4月7日読了
2007.04.09
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午後から市内の動物園に行ってきました。市内、といってもクルマで片道45分くらいかかります。 さすがに平日だけあって、園内は快適すぎてさびしいほどに空いています。この動物園に最後に来たのはもう10年ほど前でしょうか。随分きれいになった感じです。 ちょうどアシカのエサやりの時間にぶつかって、上の娘はアシカが魚をキャッチする様をじっと見ていました。下の娘はどうだか・・・まだちょっとわからないかな。 定期的に周回してくるキリン、大きく腕を広げ天井につかまって移動するオランウータン、尾羽を広げたクジャクなど、閉園までの2時間という限られた時間でほとんどの動物を見てきました。時間的なものなのか、屋内に入っている動物が多かったのは残念でした。 上の娘はゾウが大好きで、以前他の動物園で撮ったゾウの写真を手に持ったまま、ずっとゾウ舎から離れてくれませんでした。 散り始めた桜もきれいで、楽しい半日を過ごしました。 でも、来週もまた遊びに行くんですよね。この動物園に。
2007.04.06
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夏休み。いい響きですね。僕がこの言葉から連想するのはお盆休みのことではなく、いまだに子どもの頃のあの幸福な季節だったりします。 本書はそんな季節の出来事を、6人の作家が切り取ったアンソロジーです。●梨屋アリエ「夏の階段」 空き地に残された8段だけの階段。その一番上から見えたものは・・・なかなか一筋縄では行かない作品。要所要所で登場する階段の使い方が巧みですね。●石崎洋司「Fragile―こわれもの」 数学とビー玉が好きな少女は、先生に勧められて夏休みに横浜にある数学の塾へ通いだす・・・ビー玉がなんとも涼しげで印象的。ただし、人物造詣がやや幼く感じられました。●石井睦美「もう森へなんか行かない」 幼馴染の美穂の友達の茉莉さんとのデートをすっぽかされたときから、なんだか美穂の様子がおかしい・・・十代のなんとも言い難い、説明のつかない感情がもどかしげに表現されています。●前川麻子「川に飛び込む」 母に勧められて、私は家出した友達と田舎の叔父さんの元へ出かけた・・・物語としてはともかく、ターゲットであろう年齢層から考えるとこんなこと書いていいのかと思ってしまうのです。みんなが手を出さないところへ直球がドスンと来た感じ。●川島誠「一人称単数」 東京から海に近い神奈川へ引っ越した僕は、少なからずカルチャーショックを受けたのです・・・なんとなく、やりたいことはわからないでもないけれど、必ずしも成功しているとは思えない私小説。●あさのあつこ「幻想夏」 ぼくは時々何かをめちゃめちゃにしてしまいたい衝動に駆られてしまう。あの時もそうだった。このまま幸せになっていいのだろうか・・・重く罪の意識を背負い続ける少年。いい話ではあるけれど、それ以上ではない感じ。 それぞれの作品がそれぞれのアプローチを試みていて、夏休みという統一されたテーマなのにその違いが興味深かったです。ただし、全体として夏を舞台としていても夏休みを扱っている印象が薄く、その点では期待はずれでした。6名とも初読だったので、その目新しさもおもしろかったですね。夏休みらしさという点で考えると、「夏の階段」がベスト。「もう森へなんか行かない」もよかったです。太陽の光が眩しく射し込む明るい季節なのに、暗いトーンの作品が多かったのが残念ですね。収録作:梨屋アリエ「夏の階段」/石崎洋司「Fragile―こわれもの」/石井睦美「もう森へなんか行かない」/前川麻子「川に飛び込む」/川島誠「一人称単数」/あさのあつこ「幻想夏」2007年4月3日読了
2007.04.04
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