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白发 Princess Silver第12話「替え玉公主の婿選び」容楽(ヨウラク)と攏月(ロウゲツ)は尚書府に潜入し、ついに密室を発見した。密室には書物だけでなく様々な品が保管されていたが、容楽はふと壁に飾られた画に目を留める。画には母と2人の娘らしき3人の後ろ姿が…。すると容楽の脳裏に突然、次々と情景が浮かんで来た。書物を音読する2人の娘たち、2人は中庭のぶらんこに乗ったり、木馬にまたがり遊んでいる。中庭に響く風鈴の音や、娘が手で振っている鈴の音…。「うっ!」容楽はまた激しい頭痛に襲われたが、記憶の中で机の上に詩経(シキョウ)があったと気づく。そこで慌てて書物を探してみると″詩経 大雅″を発見、その後ろにへばり付いていた″山河志(サンガシ)″を発見した。密室を脱出した容楽と攏月だったが、冷炎(レイエン)たちに見つかった。そこで攏月は自分がおとりとなり、容楽を先に逃がす。一方、黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)は灯籠で美しく飾られた街で漫夭(マンヨウ)を待っていた。するとようやく漫夭が現れる。「ここに来るのは承諾の意味だ」「殿下…」「もう殿下とは呼ぶな」「…ウーヨォ」無憂は灯籠の短冊に気づき、一緒に願掛けしようと誘った。これまで願いは自分で叶えるものだと思って来たが、漫夭と出会って失うのが怖くなり、天の加護を信じる気持ちになったという。そこで2人はそれぞれ短冊に筆を入れ、灯籠に下げることにした。「漫夭、願い事は?」「言わない」「そうか、私は堂々と言えるぞ?″子孫繁栄″だ」容楽は嘘だと失笑し、短冊を見せろと迫った。無憂は素直に短冊を差し出したが、容楽が見る前に風に飛ばされ、水路に落ちてしまう。すると容楽はいきなり水路に飛び込み、姿が見えなくなった。驚いた無憂も迷わず後を追って潜ったが、漫夭をなかなか見つけられない。しかしふいに後ろから漫夭が現れ、誰もいない水の中で無憂の頰に口づけし、満面の笑みを浮かべた。( ๑≧ꇴ≦)水路、深っ!西啓(セイケイ)帝・容斉(ヨウセイ)が公主府に戻ると容楽はいなかった。卓の上には″漫夭″と書かれた手作りの灯籠がある。激情に駆られた容斉は思わず灯籠を壊そうとしたが、思いとどまって箱に戻した。↓ 怒りのホァンション…でも割らな〜いw尚書府から無事に戻った攏月は茶楼の灯りを消して回っていた。するとちょうど公主と黎王が戻って来る。そこで攏月は使用人たちとそっと屋敷へ戻り、2人きりにした。無憂は漫夭が泳ぎも達者だとは意外だったと感心した。すると驚いたことに漫夭は拾った短冊を差し出す。「ふっ、でももう読めないけど…」2人は思わず失笑すると、無憂が白い碁石を漫夭に渡した。「あの時のね…」容楽は無憂と対局中に刺客に襲われ、うっかり無憂に触れてしまった時の碁石だと気づく。「これを見たら私を思い出して欲しいんだ…私もこれを見てそなたのことを想う」無憂は自分が持っている黒い石を見せた。「無憂…大切にするわ」「ありがとう、あ、早く着替えた方がいい、濡れたままでは風邪を引く」「見送るわ」「また明日、訪ねる…再見」容楽は無憂の背中を見つめながら、そっと別れを告げた。「無憂…再見」容楽は沈魚(チンギョ)と小唯(ショウイ)を呼び、別の場所で商売を始めることにしたと嘘をついた。2人はお供したいと申し出たが、容楽はこの店を頼みたいという。しかし他の場所へ行くのも自由だと伝えて2人を下げた。攏月は公主に山河志を差し出したが、容楽は受け取らなかった。仕方なく攏月は卓に置くと、山河志を手に入れたなら公主の使命は果たしたはず、愛する黎王と暮らしてはどうかと勧める。しかし容楽は無憂にすまないと言った。「これしか道はない、国のため山河志を手に入れるのが私の目的だった 無憂とは縁がなかったのよ…」その時、突然、北臨(ホクリン)帝の禁衛軍が乗り込んで来た。攏月は慌てて山河志を袂に隠すと、容楽だけ連行されてしまう。攏月楼を出た無憂は尚書府に戻った。すると先に帰っていた陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)が刺客が侵入したと報告、冷炎が追いかけたものの逃げられてしまったという。しかしそこへ兵士がやって来た。実は攏月楼の若店主が禁衛軍に捕まったという。北臨帝は無憂と西啓公主の婚姻を阻む原因が漫夭であると知り、宮中に召し出した。容楽は黎王とは何の関係もないと嘘をついたが、そこに無憂が駆けつける。そこで北臨帝は公主と婚礼を挙げるなら漫夭を側室として迎えることを許すと懐柔した。しかし無憂は漫夭以外の女子を娶る気はないと拒否、半年以内に山河志を見つければ婚姻の自由と養民変法(ヨウミンヘンホウ)を許すと約束したはずだと訴える。北臨帝は仕方なく山河志が見つかるまで漫夭を預かると言い出した。「そなたが約束を果たせば生きて帰してやろう、果たせなければその者の命を取る」無憂は父の言葉を無視して漫夭を連れて帰ることにしたが、禁衛軍が立ちふさがった。「もう一度聞く、公主と婚礼を挙げるか?その者を渡すか?」父の脅しに無憂は猛反発、自分の選択肢は2つに1つだと言い放った。「イー、漫夭を連れてここを離れる、アー、2人ともここで死ぬ」有無を言わせぬ息子の態度に激昂する北臨帝、その時、陳(チン)太監が慌てて飛び込んで来た。「容楽公主と大臣らが大殿でお待ちです!」( ゚д゚)oO(へ?容楽公主?無憂と容楽が乾臨(ケンリン)宮に到着すると、北臨帝と一緒になぜか西啓帝が現れた。兄の姿に驚く容楽、すると着席するよう促され、容楽は何が何だか分からぬまま無憂と一緒に席に着いた。一体、何が始まるというのか。その時、偽の容楽公主が蕭煞(ショウサツ)を連れて入って来た。…泠月(レイゲツ)なの?違う、泠月じゃない、では誰?…姿はもちろん、声も私にそっくりだわ容楽は無憂になぜ公主を娶らないのか聞いた。すると無憂は自分の妻になる女子は漫夭しかいないという。「山河志を見つける約束だったのね?見つからなければどうする気? 公主を娶らされるだけでなく、変法も諦めなければならないのよ?」しかし無憂は心配せずとも山河志を見つけ出して漫夭を娶ると約束した。「どんな犠牲を払おうとそなたの身は守る、生涯そなたを危険な目には遭わせぬ」実は西啓帝は帰国前に妹の婚儀を挙げたいと希望していた。北臨帝は公主と半年の猶予を約束していたが、ここで取り急ぎ公主に婿を選んでもらいたいという。寝耳に水の容楽だったが、容斉は妹が選んだ相手なら身分の上下を問わず、反対しないと言った。すると偽の公主は噂にならい、陳王に一献ささげる。無郁は当然拒否したが、その時、容斉が衛国(エイコク)大将軍・傅筹(フチュウ)に目配せしていた。見かねた傅筹は公主の元へ向かうと、自ら公主の酒を受け取って飲み干した。北臨帝は当代きっての英雄である傅筹なら確かに公主にふさわしいと喜ぶと、容斉も妹の希望を叶えると認める。偽の公主は将軍との婚姻を受け入れ感謝し、婚儀は3日後に執り行うと決まった。↓この帽子がちょっとね…容楽は無罪放免、攏月楼へ戻ると言って急いで宮中を出た。一方、父に呼ばれた無憂は明日から朝議に出ると約束し、漫夭のことには口出し無用だと釘を刺す。北臨帝はやっと無憂が目を覚ましてくれたと喜んだが、無憂は自分を朝堂に向かわせたのは漫夭だと教えた。「それでも反対するなら、父上に私の志は永遠に理解できないでしょう」「そなたの才は高く評価している 変法に関しては尉(イ)国討伐に反対せぬなら、そなたの好きにさせよう」喜んだ無憂は山河志を必ず探し出すと誓い、ようやく不和だった父との関係が雪解けに向かうと思われた。公主府へ戻った容楽は急いで兄の部屋へ向かった。しかし回廊で偶然、容斉と傅筹の話が聞こえてしまう。「私がわずか数年で衛国大将軍になれたのも陛下のお力添えのおかげ、お約束は必ず果たします」「容楽を嫁がせる計画は順調に運んだ、あとは将軍の腕次第だな」容楽は容斉が偽の公主を傅筹に嫁がせ、自分を西啓に連れて帰ってくれるのだと喜んだが、話には続きがあった。「将軍なら北臨を掌中に収める日も遠くはない」「漫夭姑娘(グゥニャン)も他の計画も私にお任せを… 漫夭姑娘との婚儀の後もどうかお力添えを頼みます」「安心せよ、多くは申すな、聞かれてはまずい」そこへいきなり容楽が入って来た。気まずそうな傅筹、それもそのはず、初めから自分の身分を知っていたのだろう。すると容斉は無礼だと妹を叱り、蕭煞に将軍を見送るよう命じた。↓厳しめフォンション容斉は大殿で言った通り、西啓の容楽公主は北臨の衛国大将軍・傅筹に嫁ぐと命じた。婚儀は3日後、これは芝居などではないという。「皇兄、なぜこんなことを…だったらどうして山河志を探させたの?!他にも隠し事が?」容楽に責められた容斉は思わず卓を叩いた。「山河志だと?!そなたこそ秘密はないか?!なぜ黎王とあいまいな関係を続ける?!」そこへ将軍を送った蕭煞が戻って来た。容楽は蕭煞が自分の護衛と称して全て兄に報告していたのだと気づく。「あなたね?…答えなさい!」すると容斉は己の使命を忘れたのかと容楽を咎めた。黎王に近づけばいつ容楽の身分が露見するか分からない。そうなれば山河志を得るどころか、西啓の間者すべての身が危うくなってしまう。容斉は黎王が漫夭を疑い始めた今、容楽のために計画を変えたと訴えた。しかし傅筹の話では兄が何年も前から進めて来た計画のはず、容楽は今日の婿選びも知らされず、身代わりの存在すら知らなかったと嘆く。「姿も声も私にそっくりだった…早くから用意していたのよ!それもすべて私のためだと言うの?!」「黎王の情の罠は計画にとって予定外だった、憂うべき事態だ、容楽…」容斉は妹の手を取ろうとしたが、容楽は思わず避けた。仕方なく容斉は山河志を渡すなら、婚儀から1年で西啓に連れて戻ると約束する。しかし今さら容楽がそんな話を信じるはずもなかった。「今ではもう私には皇兄の言葉の真偽が分からない 私を嫁がせないと言ったのも芝居だったのね?…もう2度と信じない」容楽は部屋を飛び出して行ってしまう。泠月はお茶を運んできたが、急に走って来た公主とぶつかって盆を落とした。「公主!」すると容斉が部屋から出て来る。「泠月?話を聞いたのか?」「陛下、私は何も…公主が出て行かれたので驚いて…」蕭煞はすぐ公主を連れ戻すと言ったが、容斉は必要ないと止めた。「戻って来る…」容楽は大街へ出たものの行くあてもなく、やがて呆然と立ちすくんだ。…偽りだった、すべて嘘だったわ…そこへ攏月の馬車が駆けつけた。実は蕭煞が慌てた様子で攏月楼に公主を探しに来たという。攏月はともかく戻ろうとなだめ、容楽を唯品閣へ連れて帰った。「攏月、傅筹との婚儀を知っていたの?」「知っていたなら、あらかじめお伝えしました」驚いた攏月はひざまずいて否定した。「信じるわ…でも皇兄のことは…もう信じられないの」「公主、私は公主の人柄もよく存じています、私にとって公主は実の姉妹以上の存在です 公主は受けた恩には必ず恩をもって報いる方、陛下にもそうでは?」しかし容楽の心は揺れていた。容斉は記憶を失って目覚めてから最初に信じた人、その容斉がまさか自分を欺くなど考えもしなかったという。今となっては恨むべきか、信じるべきか、自分でも分からなくなっていた。すると攏月は西啓皇帝にも何か事情があるのではないかと告げ…。つづく( ๑≧ꇴ≦)フォンション!さてシーズン1(違うけどw)も佳境、盛り上がってまいりました!
2020.06.30
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白发 Princess Silver第11話「花灯祭への誘い」北臨(ホクリン)は騎馬民族の国で、遠方からの大切な友は狩りでもてなす慣わしだった。西啓(セイケイ)も馬術と弓術が得意なお国柄、そこで両国で腕比べを兼ねて狩猟大会が開催される。北臨帝・宗政允赫(ソウセイインカク)と狩り場に出た西啓帝・容斉(ヨウセイ)は、妹の婚姻をまとめることも北臨に来た目的の1つだと話した。まさか黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)が拒絶しているとも言えず、北臨帝は他にも皇子がいるとはぐらかし、この機会に見極めてはどうかと提案する。容斉は確かによく見て相手を選んでやりたいと答え、ふと後ろに目をやった。すると北臨帝は皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)が気に入ったと誤解し、実は皇太子はすでに正妃を娶っていると教える。しかし容斉と目が合ったのは皇太子の隣にいた衛国(エイコク)大将軍・傅筹(フチュウ)だった。一方、容楽(ヨウラク)は唯品(ユイヒン)閣で攏月と密室探しに余念がなかった。その時、″凧″から緊急の知らせが届く。攏月が密書を開けてみると、結盟に反対する北臨の勢力が皇帝を狙っていると分かった。「皇兄は今日、北臨帝と郊外へ狩りに行っている…ハッ!」驚いた容楽は狩り場には人目が多いため、1人で兄を助けに行くと決める。攏月は危険だと反対したが、容楽はいざとなったら身分を明かすと覚悟した。皇太子と傅筹は西啓帝を護衛していた。すると傅筹はこの先から猛獣が出るため危険だと止める。皇太子は武術の心得はないが弓術は得意だと自信を見せ、ちょうど姿を現した鹿を狙った。しかし容斉は鹿が子を宿していると気づき、咄嗟に止める。「せっかく宿った命を殺すのは忍びない…」皇太子は慈悲深い西啓帝に敬服したが、突然、どこからともなく鹿の足元に矢が刺さった。鹿は驚いて逃げて行くと、そこに黎王と陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)が現れる。「拝謁します、啓皇陛下」「七弟よ、あの鹿は身ごもっておる、矢が当たっていれば悲劇を生んだぞ?」その時、兵士が大蛇を持ち上げた。「おめでとうございます、殿下!一発必中です!」実は無憂が射抜いたのは鹿の近くに潜んでいた大蛇で、鹿を本当に救ったのは外でもない無憂だった。「さすが黎王殿下、非凡の才がある」「啓皇陛下、″悪をくじき弱きを助ける″と言いますが、唱えるだけなら誰にでもできます」七弟の暴言に呆れた皇太子は代わりに西啓帝へ謝罪し、実は公主との縁談まで蔑ろにしていると告げ口する。無憂は臆することなく、不満があれば自分を追求して構わないと言い放った。「啓皇陛下は妹君を溺愛しているそうですが… 可愛い妹を取引の駒にするのも愛情からだとすればお笑い種だ」「今は各地で戦乱が絶えず、誰もが運命に翻弄されている」「私はそう簡単に翻弄されたりしません」「朕は黎王を翻弄するつもりなどない、朕の妹は特別だからこそ黎王殿下にふさわしい この機会を逃し、殿下が将来、後悔せぬよう願う」「あははは~後悔したことなどありません」容斉は何も知らない無憂の余裕の表情に思わず不敵な笑みを浮かべた。すると無憂の鷹が上空を旋回しながら鳴き声を響かせる。無憂は獲物が見つかったと知り、一足先に走り去って行った。容楽は兄が刺客に狙われていると知り、狩り場へやって来た。すると無憂の鷹が容楽の匂いを嗅ぎ分け、ずっと付いてくる。仕方なく容楽はひとまず草むらに身を隠すことにしたが、鷹を追って来た無憂たちが現れた。無憂は無郁に右へ行くよう指示して馬を降り、左側を探しに向かう。息を潜める容楽、その時、無憂が剣を抜いて飛び出して来たのを見て、慌てて立ち上がった。しかし無憂はそのまま容楽を通り過ぎ、後ろにいた虎に襲いかかる。容楽は呆然としたまま虎と無憂の戦いを見守ったが、やがて無憂に剣の柄で顔を突かれた虎は逃げて行った。♪トラトラトラ~古っw無憂は漫夭が西啓の間者だと疑い、嘘の情報を流して罠を仕掛けた。まんまと引っかかった容楽、しかしどうしても使命を果たさねばならず、やむを得なかったという。「別の者に捕まれば終わりだった、私だから見逃してやれるのだ!」「賭けたのです!殿下の私への想いが本物かどうかを…」「よく聞け…本物だ」「でもお忘れなく、私たちには身分の差だけでなく、それぞれの責任がある」「漫夭、私たちは同類だ、責任も共有する、私は重責に耐えられず絶望しかけていた だが漫夭、そなたと出会い、不屈の精神で前に進むことを教わった だからいかなる代償を払おうと、そなたを手放したくないのだ…絶対に」「でも…時には諦めも必要です」「いいや、それは違う、簡単に諦めるな、そなたの過去や目的が何であろうと気にしない そばにいてくれ、漫夭…我愛你(ウォアイニー)」無憂は愛を告白、漫夭を抱きしめた。北臨と西啓は盟書を交わし、同盟を締結した。北臨帝は両国の結盟を祝して今日より3日間、夜の外出を許可すると決める。その夜、容斉は公務を終えてようやく公主府に戻った。「容楽、″凧″の知らせは受け取った、災難だったな?私のために危ない真似をするな」すると容楽は嫁ぐ時に皇兄からもらった玉を見せる。「このお守りがあれば大丈夫よ」しかし黎王は漫夭を西啓の間者だと確信していると報告した。容斉は宗政無憂が腹黒く、公主との婚儀を拒み、狩り場では自分を侮辱したと憤慨する。「かくも傲慢な男が容楽の正体を知れば何をしでかすか… 明日、北臨帝に申し出て婚姻の約束は白紙にしよう」驚いた容楽は黎王を誤解しているとなだめた。「同盟は結んだし、西啓も北臨の力を必要としている こちらから約束を反故にできない、皇兄に苦労をかけたくないの」「容楽、なぜそこまで我慢を…」「だって皇兄は大切な家族で、一番信用しているからよ♪」(*´꒳`*人<よ♪容斉は思わず妹を抱きしめ、その信頼を裏切らないと約束した。容楽も皇兄の期待に応え、山河志を入手して西啓に帰ると安心させる。しかし無憂からの愛の告白を思い出し、容楽はなぜか心がざわついていた。一方、北臨帝は西啓帝が帰国する前に縁談をまとめなければならないと焦っていた。婚姻を結べなければ公主が北臨に留まっていても盟書はただの紙切れに過ぎず、いつでも破棄できる。実は無憂が庶民の女子と親しくしているという噂は皇帝の耳にも届いていた。蕭煞(ショウサツ)は何やら嬉しそうな泠月(レイゲツ)を見つけた。すると泠月は皇帝が来てから公主の笑顔が増えたと教える。「陛下と一緒に西啓へ帰れるかもしれないそうよ?」「公主は帰りたいと?」「そうよ、ここにいれば危険がつきまとう、西啓に戻れば誰にもいじめられない」泠月は公主のいる所が我が家だと話し、北臨でも助け合って来たせいか、公主と蕭煞は身内のように感じると言った。「身内には元気で幸せに生きて欲しいわ」「何があろうと公主を頼むぞ、私も君たちを守る」容楽は攏月楼で物思いにふけっていた。琴を弾いていた沈魚(チンギョ)は漫夭に悩みがあると気づき、良ければ自分に話して欲しいという。すると容楽は最近、よく奇妙な感覚に陥ると言った。「心が何かに満たされているような、暖かくて甘いものに… 息が苦しくなり、あの人以上に大切なものはないと感じてしまう」「そういう感覚は時として苦みを伴い、重くのしかかる… だから他にも大切なことがたくさんあるのです」容楽は無憂への想いを確信しながらも、容斉からもらった玉佩(ギョクハイ)を握りしめる。そこへ小唯(ショウイ)が黎王からの贈り物を届けに来た。箱の中には″漫夭″と書かれた小さな灯籠が入っている。沈魚の話では、手作りの灯籠を贈るのは花灯(カトウ)祭への誘いだった。北臨の風習では灯籠をともし、男女が永遠の愛を誓い合うのだという。「小姐、どんな決断をしようと応援します」「…自分の心に従い、正しいと思うことをやって行くわ」皇后は寵愛している孫雅璃(ソンアリ)を呼んだ。美しく聡明な雅璃には引っ切りなしに縁談が舞い込むが、雅璃が全て断っていると聞く。皇后は雅璃が黎王の誘いを待っているのだと勝手に思い込んでいた。「私が取り持ってあげる、黎王に嫁ぎなさい」驚いた雅璃はひざまずいて辞退したが、そこへ皇太子が現れる。「母后、雅璃姑娘を困らせぬよう、七弟を庇ってはっきり言えぬだけです」すると皇太子は七弟には思い人がいると教え、しかも商人の娘だと告げ口した。北臨帝は奏状に目を通していたが、皇后の来訪を知ると途端に居眠りを始めた。久しぶりに皇帝の顔を見た皇后は、侍医から体調がすぐれないと聞いていると心配する。仕方なく北臨帝は目を覚ますと、皇后も黎王の婚儀の件で不穏な噂を聞いたのかと探った。しかし皇后はすでに皇帝の耳に入っていると知り、口を出すのをやめる。「どんなことでしょう?最近、中書監(チュウショカン)の娘と会いましたが、実は残念に思っています あの子は黎王とお似合いなのに…」「知らぬなら結構、無憂はわがままな子だ、気にかけてやってくれ」公主府では容斉が琴を弾き、容楽が茶を入れた。すると容斉はまるで容楽と一緒に西啓の皇宮へ戻り、穏やかな日々を過ごしているかのようだと喜ぶ。容楽はこの世に戦や争い事がなければ皇兄と一緒にいられると言った。そこで容斉は今夜の皇宮の宴に一緒に行こうと誘ったが、容楽は自分が行っては憶測を呼ぶと断る。「今夜はどこにも出かけないわ」「それもいい、容楽?心配事があるようだが、皇兄に何か隠していないか?」「別に何もないわ…″山河志″を手に入れたら兄上と共に帰国する」容斉は嬉しそうに笑って部屋に戻ることにするが、その時、激しく咳き込んだ。驚いた容楽は小荀子(ショウジュンシ)を呼ぼうとしたが、容斉は血がついた手巾を隠して大丈夫だという。「容楽、そなたの頭痛を治療するために手を尽くし、神医を探させている そなたが元気になれば私の病も消えてなくなるだろう…」花灯祭の夜、容楽は攏月と尚書府に忍び込むことにした。2人は門を見張っていたが、その時、黎王たちが現れる。無憂は冷炎(レイエン)に入り口をしっかり見張れと命じ、無郁に尚書府を任せた。しかし無憂が出かけた途端、無郁は冷炎に密告するなと釘を刺して出かけてしまう。無憂は祭で賑わう街で無郁を見つけた。焦った無郁は冷炎に見張りを頼んで少し遊びに来たと言い訳し、一緒に香魂(コウコン)楼へ行こうと懐柔する。しかし無憂は約束があるのでひとりで行けと許した。その頃、尚書府では冷炎が刺客が潜入したと知りながら、兵士たちと酒盛りしている。一方、無憂は美しい灯籠を眺めながら、愛しい人を待つことにした。…漫夭、必ず来てくれ…容楽と臘月は屋敷に潜入、以前、無憂が案内してくれた時に見つけた石板の仕掛けを動かした。するとからくりの壁が開き、2人はついに密室を発見する。しかし密室に保管された品々を見た容楽は…。つづく( ̄▽ ̄;)アイヤ〜大事な愛の告白シーンなのに、2人のやり取りが意味不明だったあれ、何?!そして肝心なhugは皇兄との画像というオチw
2020.06.29
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白发 Princess Silver第10話「危機一髪」中書監(チュウショカン)・孫継周(ソンケイシュウ)の娘・孫雅璃(ソンアリ)は、皇后や父から黎(レイ)王との縁談を勧められ困惑していた。そんな折、父から城西まで使いを頼まれる。逸品が揃っていると聞いた攏月(ロウゲツ)楼の唯品(ユイヒン)閣で黎王への贈り物を選んできて欲しいというのだ。一方、宗政無憂(ソウセイムユウ)は漫夭(マンヨウ)への疑惑を深めていた。茶楼の若店主、武芸の心得、西啓(セイケイ)の女子…。そこで無憂は昭蕓(ショウウン)郡主に陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)を連れて容楽(ヨウラク)公主を訪ねさせることにした。皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)は腹心だった余世海(ヨセイカイ)を失い、新たな支持者が必要だった。そんなある日、思いがけず傅筹(フチュウ)が東宮へ挨拶にやって来る。皇太子は歓迎し、自ら将軍に酒を注いでもてなした。「将軍、近頃、病を理由に朝議に出ぬのはなぜだ?」「陛下は来年、尉(イ)国を討つおつもりです 私は一介の武将で政については門外漢ですから、療養して戦に備える方が得策かと」「将軍ほどの人物が謹慎を命じられた私の所へ来てくれるとは恐悦至極だ 今後は至らぬ点があれば是非、ご指摘いただきたい」「太子殿下、忠義を尽くすのは私の名誉であり、職責でもあります」翌日、傅筹は攏月楼に立ち寄った。漫夭の入れた茶を楽しむ傅筹、実は同じ頃、唯品閣には孫雅璃の姿があった。父に頼まれて黎王への贈り物を探しに来たものの上の空の雅璃、そこで対応していた小唯(ショウイ)が対の酒器はどうかと勧める。この酒器は別々の玉から作られながら、2つの紋理が全く同じだった。「縁ある男女が運命の相手に出会ったような品です」雅璃は小唯の言葉に思わず微笑むと、侍女・春泥(シュンデイ)はこの酒器を譲ってもらうことにした。「では下の茶室で少々、お待ちください」春泥は攏月楼で茶葉を購入し、茶室にいた雅璃にそろそろ戻ろうと声をかけた。その時、偶然にも無憂がやって来る。春泥は思わず自分から黎王に挨拶に向かった。驚いた雅璃は慌てて駆けつけ、侍女の無礼を詫びて帰ることにする。すると黎王に気づいた小唯が現れ、実は若店主が接客中だと止めた。「大事な客か?」「衛国(エイコク)大将軍です」雅璃は傅筹が攏月楼にいると知り、思わず振り返る。「ならば構わぬ、将軍と茶を飲む約束だ」無憂は咄嗟に嘘をつき、雅璃も一緒にどうかと誘った。小唯は急いで漫夭に知らせに向かった。「若店主、黎王殿下です」「いないと言って…」「何だと?また逃げる気か?」容楽は余家の屋敷を訪ねて以来、無憂を避けていた。そこで傅筹も拝礼して先に帰ろうとしたが、無憂に引き止められてしまう。雅璃は思いがけず傅筹の隣に座ることになり、満面の笑みを浮かべた。仕方なく容楽は3人に茶を入れ、自分が下がることにする。しかし無憂に同席を強要され、その場は何とも気まずい雰囲気になった。無憂は今日の漫夭の茶はいつもと違うと言った。「私にも出さぬ茶を出すとは、将軍は上客のようだ」「茶道は素人ですが、この茶は苦味の後の甘さが味わい深いですね」「そのように茶を評せるとは素人というのは謙遜らしい」「私は卑しい出自で名門の子弟とは違います、飲む物と言えば水だけの生活でした 茶の味など知り得ません」すると漫夭は苦労を経て今があるからこそ、この味わいを解せたのだと将軍の肩を持った。「名茶ばかり飲んでいても、味を知らぬ人とは大違いです」傅筹は黎王と漫夭にわだかまりがあると気づいた。面白くない無憂は自分が感じた味わいは将軍と違うと反発した。そこで雅璃にも意見を聞くことにする。驚いた雅璃はよく分からないと困惑し、どの茶も苦く渋いだけだと言った。「なぜかは知らぬが、今日の茶は塩辛く感じる…それもいい、今の私の気分にぴったりだ」無憂は皮肉を言うと、傅筹もすかさず言い返す。「私もそんな気分です、戦場でも息が合いそうですね」「先見の明と冷徹さを持つ将軍なら、私と組まずとも戦場で圧勝できる 朝堂で私と組むかどうかに関しては、よく考えたほうがいい、もうひとつ言おう 将軍が私と同じものを好きになっても、手出しは慎んだ方がいい…」「ふっ、肝に命じます…しかし手に入るかどうかは意思ではなく縁では?」牽制し合う無憂と傅筹、雅璃は将軍の目当てが漫夭だと気づき、動揺を隠せなかった。板挟みの容楽は緊迫した空気に耐えきれず、思わず茶器に手をかける。その時、同時に無憂と傅筹が自分の茶碗を差し出した。雅璃は漫夭が困っている様子を察して自分の茶碗を差し出すと、容楽は雅璃の茶碗に茶を注ぐ。しかし雅璃はうっかり茶をこぼし、指にかかった。容楽は咄嗟に手巾を差し出すと、雅璃はその手巾で指を押さえ、不作法を詫びてここで帰ってしまう。「1人で帰すのですか?」「構わぬ…先ほど帰ると言ったな?ついでに送ってやってくれ」無憂はなかば強引に傅筹を追い払った。無憂は漫夭に傅筹に近づかないよう警告した。「傅筹は意図が知れぬ男だ」「意図が知れぬのは殿下です」「漫夭、私に喧嘩を売る気か?」「殿下、失礼します」「傅筹を想うゆえに私に腹を立てたのか?」「いいえ」一方、雅璃は門へ向かう道すがら、傅筹に自分のことを思い出してもらうことにした。実は2年前、南境で暴動に巻き込まれた雅璃は傅筹に助けてもらったという。当時、将軍はすぐに立ち去ってしまったため、礼も言えなかったことがずっと気がかりだった。しかし傅筹はむしろ些細なことを気にかけてくれたと恐縮し、門まで送るという。雅璃は将軍のあっさりした対応にいささか落胆したが、仕方なく帰って行った。その頃、公主の替え玉となった泠月(レイゲツ)は陳王と昭蕓郡主の相手をしていた。泠月は具合が悪そうに何度も咳き込んでいたが、2人が帰る様子はない。すると無郁と昭蕓はお茶が不味いと驚き、一緒に攏月楼へ行こうと誘った。蕭煞(ショウサツ)は病が癒えないため今日のところは帰って欲しいと頼んだが、無郁と昭蕓に強引に連れ出されてしまう。容楽は無憂と碁を打っていた。「負けました…もうそろそろお戻りになられては?」「せっかく来たのだ、もう1局」そこへ無郁と昭蕓が現れ、公主に扮した泠月を連れて来た。蕭煞の目配せに気づいた容楽はひざまづいて拝礼すると、その様子を無憂がまじまじと見ている。すると昭蕓は黎王の元へ行かせようと急に公主の背中を押し、泠月はうっかり足を滑らせた。無郁は無憂の合図で公主の仮面の紐を解き、仮面を剥ごうと画策する。しかし泠月は危ないところで仮面を手で押さえ、容楽が紐を縛ることに成功した。「陳王殿下?私を娶るおつもりで?この面を外す行為は私を娶る意思表示ですよ?」「無郁、無礼な真似をするな」無憂は弟の無礼を謝罪して茶を勧めたが、公主は憤慨して拒否した。そこで容楽は冷月を帰すためにわざと間に入る。「公主と茶を飲まれるならお邪魔ですから失礼を…」無憂は思わず漫夭の腕をつかんで止めたが、公主の手前、慌てて手を離した。その時、蕭煞が公主は今も体調がすぐれないと伝え、連れて帰ってくれる。居たたまれなくなった無郁はさっさと逃げ出し、昭蕓もあと追って帰って行った。容楽は肝を冷やしたが危機を乗り切り、無憂にも帰るよう勧める。「そこまで私が嫌いなのか?」「殿下のためです」「私を思うなら避けないでくれ」無憂は思わず漫夭の肩に手を置いたが、容楽は黙ってその手を見た。すると無憂はそれが容楽の返事だと気づく。「もう良い…長居した、日を改めよう」無憂は容楽公主と漫夭が同一人物だと疑ったが、別人だった。すると協力した無郁は、賢い七兄さえ例外なく愛は人を愚かにすると揶揄する。そもそも高慢で気が強く醜いと言われる公主と、愛想が良くて物分かりが良い漫夭では違い過ぎるというものだ。一方、容楽は攏月から兄の手紙を受け取っていた。…会えぬ日々に思いは募る、北臨を訪問することにした、10日後には顔が見られる…「信じられない!皇兄が来てくださるなんて!」キャア~!‹‹\(´ω` )/››‹‹\( ´)/››‹‹\( ´ω`)/›› ←喜びの舞は管理人w北臨(ホクリン)帝・宗政允赫(ソウセイインカク)の元にも西啓(セイケイ)から皇帝自ら同盟の調印に来ると国書が届いていた。すると皇弟で范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)は婚儀の遅れが障りにならないかと心配する。北臨帝は范陽王に無憂の説得を頼み、もし駄目でも公主が気に入っている無郁がいると期待した。将軍府に東宮から名剣が届いた。皇太子は黎王と結託させまいと傅筹に贈ったのだろう。すると傅筹は項影(コウエイ)に西啓帝がいつ北臨に到着するか確認した。「3日以内に着くはずです…」傅筹は項影を下げると、生け簀の亀を愛でた。范陽王は早速、黎王府を訪ねた。しかし予想通り無憂は和親の件を断固、拒絶するという。そんな2人の話を無郁が盗み聞きしていた。そこで范陽王は皇兄が同盟にまつわる心労で弱っていると心配し、無憂が嫌なら無郁がいるという。案の定、驚いた無郁は慌てて飛び出して来た。無憂は自分も無郁も断ると言ったが、范陽王は無憂に思い人がいるのではと勘ぐる。すると無郁はうっかり口を滑らせそうになり、無憂ににらまれて慌てて逃げ出した。范陽王は図星だったと気づき、皇帝にも考えがあると教える。「尉(イ)国討伐が失敗すればお前たちは南境に行け、西啓との同盟後は中書監も南境に戻る 孫家は南境では力を持つ家柄だ、南境で足場を築く助けとなる」「父上のお身体の具合は?」「お前がそう聞いたと知れば元気になるだろう」臨安(リンアン)門に西啓帝・容斉(ヨウセイ)の一行が到着した。その頃、公主府には容楽の咳を心配した昭蕓郡主が薬の差し入れにやって来る。すると容楽が木彫りの人形作りに没頭していた。昭蕓はいつになく嬉しそうな公主の姿に驚き、それほど仲のいい兄妹なのかと尋ねる。「そうよ、2人きりの兄妹だから、お互いが頼りなの♪」(*´꒳`*人<そうなの!容楽は昔は兄が自分に人形を彫ってくれたと教えると、家族がいない昭蕓は羨ましいと言った。「でも無憂哥哥と無郁哥哥がいるでしょう?」「無憂哥哥は怖いし、無郁は私をいじめるし…公主姐姐(ジェジェ)が本当の姐姐だったらいいのに~ あ、無憂哥哥に嫁げば嫂嫂(兄嫁)だわ!」しかし無憂の名前を聞いた途端、容楽は元気がなくなってしまう。昭蕓は慌てて黎王はああ見えても優しいと安心させ、無郁のことは好きにならないよう頼んだ。「女心が分からないバカですから!」容楽は昭蕓がそんな馬鹿を好きなのだと以前から気づいていた。その時、昭蕓は容楽が彫っていた人形を見て困惑する。「それは本当に姐姐の皇兄ですか?無憂哥哥にそっくりだわ」「( ̄▽ ̄;)ぁ…」その夜、容楽は兄との再会を待ちきれず、中庭に出ていた。泠月は宮中での歓迎の宴が終わってからだと笑ったが、容楽はどうにも落ち着かない。「見て?顔色は悪くない?」「はいはい、上々です、衣もお似合いですよ」そしてついに蕭煞が皇帝を連れて現れた。「皇兄~っ!会いたかったっ!」( ๑≧ꇴ≦)ホァンション!!!容楽は思わず兄に抱きついて喜んだが、ふと兄の顔色が悪いと気づく。しかし容斉は長旅のせいだとごまかし、西啓にとって重要な同盟のために来たと説明した。「そなたが冷遇されておらぬか、それも心配だった」「私なら大丈夫よ、あ、そうだ!″山河志(サンガシ)″が見つかりそうなの!」すると容斉は容楽の手を取り、容楽の無事が何にも勝ると言った。「もうしばらくの辛抱だ、今に何でも好きなことをさせてやる、好きな男にも嫁がせよう」「皇兄の気持ちは嬉しいわ、でも私を信じて、必ずやり遂げてみせる!(*•̀ᴗ•́*)و ̑̑ ガシッ」つづく( ๑≧ꇴ≦)ホァンション!≡≡≡≡≡≡ギュッ(((/ ̄ー(・・。)/
2020.06.29
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白发 Princess Silver第9話「密室探し」吏部尚書・余世海(ヨセイカイ)の祝宴に黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)がやって来た。恐らく李志遠(リシエン)を始末され、黎王は自分たちを懐柔せざるを得なくなったのだろう。余世海と息子・余文杰(ヨブンケツ)は上機嫌で宴を始め、攏月(ロウゲツ)楼の沈魚(チンギョ)が美しい琴の音で興を添えた。琴を聞いていた皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)は、沈魚が七弟を怒らせたので評判の″琴の舞″が見られなくなったと嫌味を言った。傅筹(フチュウ)は雅な音色と華麗な舞は分けても見事だと反論したが、皇太子は天下の事物は合すれば共に利し、争えば共に散ると当てこするすると余文杰がさも意味ありげに、何事も追求しない方が良いと言った。ドンッ!!!その時、突然、黎王が卓を叩き、沈魚は驚いて思わず手を止める。「どこが良いのか教えて欲しい、官吏が癒着し、邪魔者を排除するのに都合が良いだけだろう?」無憂は余文杰の言葉に憤慨し、席を立って前に出た。驚いた余世海が慌てて駆け寄りなだめたが、無憂はいきなり剣を抜いて余世海の首に突きつける。皇太子は私兵を呼ぶと、公衆の面前で朝臣を脅すなど謀反を起こす気かと非難した。「謀反人はどっちだ?」実は無憂が余世海の誕生祝いとして贈った名書10巻とは、官職売買に関わる証人の名簿だった。確かに李志遠は殺されたが、千百名も存在する証人を全て殺すことなど不可能、無憂はそこを逆手に取った。すると余文杰は言いがかりだと反発、父を助けるため剣を抜く。黎王の挑発だと分かっていた余世海は息子を止めたが、余文杰が思わぬ切り札を出した。「殿下はご自身の危険など顧みぬでしょう、でも攏月楼の若店主はどうでしょうか?」驚いた無憂は侍衛・冷炎(レイエン)に目配せした。漫夭(マンヨウ)を探しに向かった冷炎。すると傅筹の配下・項影(コウエイ)が漫夭の監禁場所を記した地図を冷炎の手につかませ、一瞬のうちに姿を消した。冷炎は何が起こったのか分からなかったが、ともかく無事に漫夭を解放し、黎王に合図する。すると時間稼ぎをしていた無憂は余文杰に襲い掛かり、左腕を切り落とした。これには余世海も激怒、直ちに門を閉めろと叫んだが、その時、禁衛軍がなだれ込んで来る。実は無憂はすでに手を回していた。統領・向誠(コウセイ)は皇帝の勅旨を持参し、陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)と共に現れる。「″ここに命ずる、余家父子は官職を売買し君主を欺いた 官位と財産は没収し、大理寺に送れ、屋敷は黎王が処置せよ、ちんつー″」こうして無憂は7日以内に解決するという約束を無事に果たした。投獄された余父子だったが、余世海はこんなこともあろうかと皇太子に贈った金品を細かく記録していた。皇太子と何とか接触し、これを盾に命を保証してもらうつもりだ。するとまさに渡りに船、皇太子からの使いが面会に現れた。「状況を見て太子殿下があなたたちを助け出します」北臨(ホクリン)帝・宗政允赫(ソウセイインカク)は余父子に激怒し、関与していた皇太子にも辛辣だった。「戦に負けたうえ、不正にも手を染めるとは!」「父皇!私は無実です!その名簿も初めて見ました!」しかし黎王から証拠を引き継いだ范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)は、陳王から趙(チョウ)大人(ダーレン)が残した密書を皇太子に渡したと聞いたと訴える。追い詰められる皇太子、するとその時、陳(チン)太監が駆けつけた。余家の父子が牢で首を吊ったという。これで余父子の供述は取れなくなり、皇太子は結局、謹慎処分となった。余父子の牢を訪ねた皇太子の使いは天仇門(テンキュウモン)の刺客だった。宦官になりすまして東宮を訪ねた刺客は余父子を始末したと報告、また皇太子から頼まれていた帳面を渡す。皇太子は帳面が確かに余世海の自筆だと確認して安堵し、すぐその場で燃やした。しかしまさか余世海が念のため2部、作成していたとは知る由もない。すると刺客は余世海亡き今、黎王を倒すには更に有力な支持者が必要だと進言した。無憂は余家の屋敷で、早速、秦永(シンエイ)の密室探しを始めた。しかし七兄が連れて来た辛(シン)師匠の捜索に2日も付き合った無郁は、見つけられたのは武器や刑具だけだと嘆く。一方、公主府では蓮心(レンシン)の件で泠月(レイゲツ)が蕭煞(ショウサツ)を避けるようになっていた。蕭煞は仲直りしたいと厨房にいる泠月を訪ね、そもそも蓮心が公主を裏切ったせいだと訴える。「君は公主に忠実だろう?」すると泠月は茶碗を落とし、割ってしまう。その夜、容楽(ヨウラク)は攏月と2人で余家の屋敷に忍び込んだ。するとちょうど陳王が仕掛けの達人だという辛師匠に山河志(サンガシ)はいつ見つかるのか聞いている。「陳王も山河志の捜索を…」「難航しているようですね、やはり秦永は巧妙な仕掛けを作っていたようです」容楽たちは物陰に隠れて巡回中の兵士たちをやり過ごしていた。その時、中庭に飾られたいくつもの鈴が風に揺れて音を鳴らす。容楽はその音を聞いているうち、急に記憶の断片が蘇った。…風鈴の音が鳴り響く夜、戸を開けると部屋には縊死(イシ)した夫人の姿が…容楽は激しい頭痛に襲われ、立ちくらみを起こしてうっかり物音を立ててしまう。「誰だ!」無郁はすぐ兵に追跡させた。しかし辛師匠が向こうへ逃げたのなら心配無用だという。実は刺客たちが逃げた方向には余家の罠が仕掛けられていた。屋敷の中を逃げ回る容楽と攏月、すると容楽の脳裏にこの庭で遊んでいた幼い頃の記憶が蘇った。「あっちよ!」容楽と攏月は庭石が並んだ死角に逃げ込んで難を逃れる。「公主、随分お詳しいですね」「来て」容楽は庭石の裏から脱出すると、祝宴の時に通った不安定な飛び石がある細い通路に出た。そこで目をつぶって記憶を手繰り、飛び石を踏む順番があったことを思い出す。…右…左…左…右…右…「(はっ!)攏月、私と同じように踏んで!」しかし攏月は過って別の石も一緒に踏んでしまい、仕掛けが動いて落とし穴に吸い込まれて行った。容楽は咄嗟に屋根に向かって鉤縄(カギナワ)を放ち、穴に飛び込んだ。危ないところで攏月を抱きとめた容楽、しかし揺れた拍子に攏月は側面から飛び出した矢じりに背中を突き刺してしまう。「うっ!」「攏月!」「大丈夫です、公主、それより早く逃げましょう」翌朝、容楽は攏月楼を訪ねた。攏月は唯品閣の密室で療養していたが、再度、侵入することは難しいと告げる。すると容楽はなぜかあの屋敷で既視感を覚えたと漏らした。「昨夜、気がついたけど、門扉の構造は八卦(ハッケ)に基づいていた、草花や石の配置もそうよ」それにしてもなぜ公主はわざわざ忍び込んだのだろうか。攏月は思わず、公主が直接、黎王に頼めば屋敷を簡単に見せてもらえるという。しかし容楽には拭えぬ不安があった。「知っての通り私は記憶を失っている、全ての人が私にとっては初対面よ 親切にされれば仲間だと思うけれど、不親切なら敵だと考えてしまう でも分かってきたの、人の心はそんなに単純ではない 私が北臨に来たのは正しいことだと思うわ、でも時々、不安になる いつか忘れられ、ここに1人で取り残されやしないかと…」山河志のためだと分かってはいるが、容楽は漠然と感じていた。真心を捧げられない相手とは距離を置けと…。「攏月…その人のことが本当に好きなら、何の見返りも求めず、相手の幸せを願うべき?」「好きな人への想いは人それぞれです、全て捧げたり、利用したり… 何を求めるかは心にお尋ねください」「ありがとう…気が楽になったわ」そんな中、攏月楼に男装した昭蕓(ショウウン)郡主が現れた。昭蕓は黎王と漫夭の中を引き裂こうと誘惑するが、漫夭にあっさり見破られてしまう。仕方なく昭蕓は黎王をたぶらかすなと釘を刺し、帰って行った。無憂は昨夜の刺客の話を聞いた。身体つきから女子だと思われるが、例の天仇門の可能性もある。近年、頭角を現し始めた天仇門は高い報酬で盗みや殺しを請け負っていた。趙大人など官吏や余家父子を殺したのも天仇門の仕業だったとか…。しかし趙大人の時といい、李志遠の時といい、あまりに間が良すぎる。痕跡も残さないのは朝廷と連携しているからこそだろう。無郁はこれを機に皇太子を倒すべきだと先走ったが、無憂は自分に策があると話し、本音を隠せと戒めた。すると辛師匠が思わぬ証拠を持ってやって来る。それは西啓(セイケイ)の武器だった。「ありふれた鉤縄だが、縄の結び方が独特だ 西啓は砂嵐がひどい、だから縄の摩擦を防ぐため、特殊な方法で結んでいる しかもほどけぬよう定期的に結び直すのだ」そこへ黎王に攏月楼の若店主が来たと知らせが届いた。容楽は中庭で黎王に茶を入れた。実は新茶を入手したため、真っ先に茶道に精通する黎王に献上したかったという。すると無憂は茶受けにも詳しいと言って干し棗(ナツメ)を出した。容楽は確かに棗の香りと甘みがお茶とよく合うと気に入った様子、そこで無憂は好みなら漫夭だけに贈るという。しかし容楽は黙ったまま、何も答えなかった。「落ち着いたら招く予定だったが、そなたから先に来るとは…」「ご迷惑でしたか?」「見学したければ案内しよう、ただし気をつけよ、むやみに歩き回れば仕掛けに触れ、怪我をする」「ふふふ、殿下から離れません」容楽は余計な仕掛けがなければため息が出るほど美しい屋敷だと褒めた。すると無憂は漫音(マンイン)閣を贈った時より楽しそうだという。「かくもここに興味が?」「…黎王府は警備が厳しく、すべてが殿下に属します、安易に触れられない いきなり離れを贈られても戸惑います」「そなたを警戒などせぬ、黎王府の主にしても良いくらいだ」「そのお言葉は誤解を招きます!私など殿下とは釣り合いません」「身分の違いを気にしたことは一度もない、そなたも同じかと…」「(ハァ~)当然、気にします、殿下のお考えがどうあれご期待には沿えません」「ではなぜ会いに?屋敷への興味だけか?それとも…他に目的が?」←(^ꇴ^)そりゃそうだwそこで無憂は思わず後ろから漫夭の肩をつかんだ。驚いた容楽は咄嗟に右手を上げそうになったが、竹林でのことを思い出し、左手で黎王の手を払う。「急に何です?」「身に覚えがあるだろう?」「何の話でしょう?殿下が不愉快なら2度と来ません」容楽は慌てて帰ることにしたが、無憂が行く手を阻み、漫夭の手を取る。「永遠に変わらぬものはない、身分や立場は選べるものだ 今の信念は将来、そなたの心を刺すやもしれぬ、不可能なことが明日には可能になることもある 恩師の秦永とて信じていた、養民変法(ヨウミンヘンホウ)は失敗せぬと… 余世海がここを改修した時も、一族が滅びるとは思わなかったはず 漫夭、何事も変わる、小さな火でこの屋敷を消すことも可能だ、人は忘れやすい 一族の栄光も瞬く間に消失する、記憶にとどめるのは難しい だから目の前にあれば、私は全力でつかみ取る、何物にも邪魔はさせぬ」その時、急に雨が降り出した。2人は咄嗟に近くの軒下で雨宿りした。すると容楽は偶然、足場の石板が沈み込み、別の石板が浮き上がっていると気づく。「どうかしたか?」黎王に急に話しかけられた容楽は慌てて石板から離れると、うっかり足を滑らせた。無憂は咄嗟に漫夭を抱きとめ、2人はそのまま見つめ合う。その様子を偶然、無郁が目撃していた。「抱きしめろ!さすが七哥だ!」しかし容楽は無憂を突き放し、雨が降りしきる中を帰ってしまう。無郁は七兄のもとに駆けつけ、こんな時は帰らせては駄目だと諌めた。どうやら2人は相思相愛、すぐに心をつかんで口づけできるだろう。すると無憂は急に不機嫌になった。「(はっ)七哥、本気で惚れたのですね?あ~やっぱり!照れてる!」「うるさいっ!」つづく(^ꇴ^)また足を滑らせる容楽…そしてまたしてもうざい陳王(笑
2020.06.28
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大明风华 Ming Dynasty第14話「消えた妃」永楽帝の命で徐浜(ジョヒン)・聶興(ジョウキョウ)・孫愚(ソング)を鶏鳴(ケイメイ)寺まで護送した趙(チョウ)王・朱高燧(シュコウスイ)。しかし門には皇帝のお達しを告げるべく甥の朱瞻基(シュセンキ)が待っていた。「″高燧に告ぐ、連れて来た罪人の徐浜・聶興・孫愚を御前に…高燧は外で待て″」「私が捕縛したのだぞ!なぜ会えぬ!」「三叔、お達しの途中ですよ〜? ″高燧と同じ愚か者と朕を欺く方法をよく話し合ってから会いに来い!″と…」こうして朱瞻基は3人の奪還に成功、朱高燧は狐につままれたような顔で今度は自分が石段に腰をかけた。そこへ漢(カン)王・朱高煦(シュコウク)が到着する。「何をしている?」「皇上のお達しです、二哥と話し合ってから来いと…」2人は互いに相手が何かしでかしたと疑って口論となったが、そこへ太監がやって来た。「皇上は碁を打つので用がなければお帰りください」「待て!3人の処分について皇上にお伺いを…」「…?3人とは?」何も知らない太監はさっさと引き上げ、門を閉めてしまう。宮中では朴(ボク)妃の世話を任された胡善祥(コゼンショウ)が今日も朴妃の食事を見張っていた。苛立った朴妃は食事を止めて席を立ち、胡善祥の帳面を取り上げる。実は皇帝の寵愛を受けた妃は1ヶ月の間、飲食から排泄、睡眠に至るまで日常を克明に記し、懐妊していた場合は侍医が参考にすることになっていた。めでたく子を産めば東宮のそばに殿舎を設け、皇太子妃と尚儀が面倒を見ることになる。また称号も変わり貴妃に封じられ、身の回りの物はもちろん、俸禄も変わるはずだ。「安貴妃と同じになるの?」「お子のいない安貴妃とは当然、違います」「私は籠の鳥になってしまうの…?」すると朴妃は最近、妙な噂を聞いたという。「こう言ってたわ、″朴妃が子を授からなければ皇上まで笑い物になるだろう″と… 太子、漢王、趙王、皆がそれを望んでいる」胡善祥は咄嗟に平伏し、噂をした者は罰すると約束した。しかし朴妃は誰が言ったのか教えないという。「所詮あなたも同類よ、誠実そうな顔をして陰で何をしているか分からない」朴妃は帳面を持って出て行こうとしが、胡善祥はすかさず記録の返却を求めた。これに朴妃の怒りが爆発、思わず帳面で胡善祥を叩いてしまう。「何よ!蓮根だの、豆腐だの…余計なお世話よ!下がりなさい!ちっ!」胡善祥はすぐ侍女たちを自分の部屋に集めた。「誰かが朴妃の前でこんなことを言ったそうです、″ご懐妊されなければ皇上の恥″だと…」驚いた侍女たちは一斉にひざまずいて否定したが、胡善祥は火のないところに煙は立たないはずだと疑う。「正直に言いなさいっ! 皆さんは宮中に来て長いはず、何を語ればどうなるか十分に知っているはずです! でも追求はやめるわ、全員に累が及びかねないっ!」胡尚儀はきつく注意をして侍女たちを恐縮させると、今度は下手に出た。「さあ皆さん、お立ちになって~ 姑姑の命令なので厳しく言わないと私が怒られてしまうのです ひどい言い方をして失礼しました」胡善祥は拝礼し、噂の出どころが太監かもしれないと矛先を変えて侍女たちを安心させた。すると侍女たちにも笑顔が戻る。「皆さん、もっとこちらへ…朴妃のことはもう少しの辛抱です あと数日もすれば脈診が行われます、ご懐妊の兆候がなければ元の場所へ帰される でも万一ご懐妊ということになれば、それは皆さんのお手柄になります 私のこともお引き立てを(ニッコリ)」胡善祥は皆で力を合わせて乗り切ろうと訴え、漢王妃や趙王妃以外にも訪ねて来る人がいるか聞いた。侍女の話では漢王や趙王の太監が何度も探りに来ているという。「やっぱり噂は太監たちの仕業ね!それより皆さんの見立てを聞かせて?懐妊の兆候は?」しかし侍女たちは一様に首を横に振った。「だとするとこれは大変よ~私たちはいいとしても、本当に皇上が恥をかくことになる」ちょうどその話を朴妃が立ち聞きしていた。「王府の太監たちが噂していたように、漢王と趙王は大いに喜ぶでしょうね~」すると侍女たちは失笑した。「この話は内密にね、外に漏れたら大変だわ~」どっ!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<あははは~!朱瞻基は徐浜、聶興、孫愚を鶏鳴寺でかくまった。そこで徐浜は朱瞻基を回廊に連れ出し、若微から″3万の遺児を解放してくれるなら私怨を水に流し、命令に従う″と聞いたと確認する。すると朱瞻基はまず永楽帝と建文(ケンブン)を引き合わせることが条件だと迫った。徐浜は朱棣(シュテイ)の目的を聞いてみたが、朱瞻基はあくまで叔父と甥の再会に過ぎないという。果たして本当に朱瞻基を信じていいのか…。徐浜はまだどこか納得できない様子だった。しかし朱瞻基は皇帝が己の名を汚すような真似はしないと断言する。「私は本気でやり遂げる、そして責任も全て負う」骨董店での襲撃で足を怪我した聶興は高熱を出していたせいで一体、何があったのか分からずにいた。孫若微(ソンジャクビ)は言わなくていいと止めたが、孫愚は自分たちが趙王に捕まり、その後、朱瞻基に助けられ、取引を持ちかけられたと話してしまう。驚いた聶興は罠に決まっていると猛反発した。しかし若微は信じるという。復讐を誓って都に来たが、結局、駒として操られ、兄弟たちの多くは市中で命を落とし、負傷した者たちも結局は助からなかった。若微は遺児たちを助けられるなら両親の叱責も受け入れると覚悟し、無駄死にするより生きている人の役に立ちたいという。その夜、若微は出て行くと暴れる聶興を縄で縛って拘束した。「どこへ行くつもりよ?」「分からない、どこかで療養したら…多分また皇帝を殺しに戻る! 俺がここを出たら、お前とは永遠に敵同士ということだ」「じゃあ、戻ってきた時は…私も殺すの?」「…ああ」翌朝、安貴妃はまた侍医を連れて朴妃を訪ねた。「妹妹(メイメイ)は?」「食後の休憩を…」安貴妃は朴妃の様子を確認すると言って寝殿に入ったが、朴妃の姿はなかった。安貴妃は一族の希望となる朴妃が消えたと大騒ぎした。知らせを受けた胡尚儀は東宮へ駆けつけ、動揺する安貴妃をなだめる。しかし安貴妃は誰かが皇帝の寵愛を受けた朴妃を陥れたに違いないと訴えた。「もし皇上に皇子が生まれたら(ふっ)太子・漢王・趙王は都合が悪いものね?」皇太子妃・張妍(チョウケン)はあらぬ疑いをかけられ激怒、皇子3人は誰も皇帝の意向に反対などしていないと言い返した。「鶏鳴寺へ行って皇上に確かめたら?」「望むところよ!」いきり立つ2人はすぐ出かけると言いだしたが、胡尚儀が皇太子妃を止めた。「規則によると寵愛を受けた妃は1ヶ月の間ひとりで暮らし、侍医が脈診をして懐妊を確かめる その間どなたの面会もお断りします 安貴妃だけは日頃のよしみを考慮して度々の訪問も目をつぶっておりました そのようにお騒ぎになると、掟破りを見逃したことが明るみに出て太子妃にも累が及びます 安貴妃、皇上に問い詰められたら何と申し開きを?」すると安貴妃は仕方なく皇帝への嘆願を諦め、胡尚儀に任せることにした。後宮の長として張妍は胡尚儀と共に朴妃の捜索を見守ることにした。そこへ胡善祥が駆けつけ、胡尚儀の耳元で何か言おうとする。すると胡尚儀はいきなり胡善祥をひっぱたいた。「太子妃の前で内緒話とは無礼なっっっ!!!…話して」「…衛兵の話によれば、外へ出た者はいないそうです」朴妃は一体、どこへ消えたのか。一方、鶏鳴寺では徐浜がついに永楽帝に謁見していた。永楽帝はこの件が叶えば徐浜に官位を与えると決め、徐浜を立たせる。「先に段取りを聞こう」「無錫(ムシャク)の霊山寺にてお会いいただきます、山頂に塔がありますので、そこが良いかと… 建文帝は先に9階へ上がりますので、皇上は1階へ、顔を合わせることはできません」「なぜだ?」「建文帝は再会を望んでおりません、しかし本人である証しは示すとのこと、それが精一杯です」建文は出家していた。この件に応じたのは3万人の遺児のためだという。永楽帝は確かに自分も顔を合わせるのは辛いと話し、ただ本人であることは確かめると言った。2人が会う刻限は15日後の日没、永楽帝には夜明けまでに帰ってもらう。永楽帝はできれば建文に殿舎を建ててやりたいと言ったが、徐浜は仏門に入った身の建文帝は殿舎など望んでいないだろうと諌めた。永楽帝は徐浜を下げ、朱瞻基に自信があるか確認した。すると朱瞻基は自分の首を懸けていると答える。「建文の身に何かあれば大変です…どうかお願いします」「あははは~馬鹿者、お前を犠牲にするものか」永楽帝は良くやったと褒め、実は褒美を決めてあると言った。しかし朱瞻基はひざまずいて辞退し、その代わり願いがあるという。「3万人の遺児たちを赦免し、都へお戻しください…」「遺児たちを苦役から解放し、必要な物を与え、医者を派遣し、親の弔いをさせ、都に戻すのだな? …爺爺はやらぬ、己の行いに悔いはない、信念を変える皇帝にはならぬ 生涯かけて異民族を平定し、遷都を果たし、運河を開き、″永楽大典″を編纂し、天下の名君となる 建文に会う目的は皇帝としての謝罪ではなく、叔父としての謝罪だ、分かるか? 遺児を救うことはお前たちに任せる、私がやるべきは遷都と異民族の平定だ それで思い残すことはない」永楽帝は遺児の解放を次の世代に託した。「君主の重責を肝に銘じ、私も励みます」若微は聶興の様子を見に行ったが、すでに聶興は出て行った後だった。孫愚は一晩かけて説得したが、死んでも出て行くと言い張ったという。「止めてよ!」「死ぬまで縛っておけと言うのか?」聶興は血の気が多く、思い込んだら意地でも突き進む。孫愚はそんな聶興を止めることなどできないと言った。「お前は目覚めたが、聶興はまだ夢の中だ…」一方、宮中では朴妃の大捜索が続いていた。ついには井戸や堀まで調べたが、手がかりすらない。「尚儀…終わったわ…」妃が消えたなど前代未聞、張妍は2皇子や3皇子につけ込まれると分かっていた。しかし胡尚儀は朴妃の生活を担当していたのは尚儀局だと話し、すべての責任は自分にあるとひざまずく。「法に従い、私が刑に服すだけです、たとえ骸の状態でも朴妃を探し出します」「だけど、その骸さえなかったら?」すると控えていた胡善祥が入ってきた。「簡単です、骸は用意できます」張妍は胡善祥と一緒に尚儀局を出た。すると途中で人払いし、胡善祥の忠誠心を褒める。胡善祥はその場にひざまずき、皇太子に命を救われた恩があると言った。「なので太子妃と姑姑にも恩返しを…」実は胡善祥は朴妃の身代わりの骸として自分の身を捧げるという。「この命をもってお役に立てるなら本望です、夜明け前に毒を飲みます」しかし張妍は生きてこそ、その忠誠心が役に立つと言って止めた。胡善祥は報告のため安貴妃の寝殿を訪ねた。しかし新しい情報は何もなく、徹夜で捜索を続けていると告げる。安貴妃は自分も寝ずに待つと圧力をかけ、見つからねば皇帝に話すと脅した。すると胡善祥は思わず朴妃が子を宿さねば元の生活に戻るだけだが、もし子を宿していながら勝手に出歩いたとなれば罪は大きいと言い返してしまう。「よくもっ!」「娘娘(ニャンニャン)、お静まりを…太子妃は″生死はともかく必ず見つける″と…」胡善祥はさすがに疲れきって尚儀局に戻った。すると胡尚儀は胡善祥をたれ布で覆った部屋に案内する。そこには椅子が1つしかなかった。「縊死(イシ)、服毒、それとも私に任せる?」「姑姑、いきなり何です?」すると胡尚儀は胡善祥を椅子に座らせ、胸ぐらをつかむ。「誰が責任を取れと?!」「姑姑のためです!」「責任を取るのは私よ?」つづく(^ꇴ^)さすが尚儀が育てただけあって、胡善祥もなかなかですなwそれにしても朴妃の話って…早送りしたいです( ̄▽ ̄;)
2020.06.27
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大明风华 Ming Dynasty第13話「交換条件」趙(チョウ)王府に漢(カン)王・朱高煦(シュコウク)が現れた。朱高燧(シュコウスイ)は話をそらすため、実は二兄が喜ぶ話があるという。実は朱瞻基(シュセンキ)が金令牌(キンレイハイ)を没収されたというのだ。しかし到底、そんな話で朱高煦が納得するはずもない。「老三…あの靖難(セイナン)の遺児たちを瞻基に渡したのか?」「二哥の行動に皇上は疑念を抱いています、だから瞻基は挑発しに来たのです、断れませぬ」「老三!私を陥れる魂胆か!」朱高煦はしびれを切らし、3人をすぐ引き渡せと迫った。すると朱高燧はあの3人が自分の護身符も同然だと牽制する。「感心しませんな、密かに遺児を手駒にし、こたび騒動を引き起こした、どう釈明するので?」朱高煦は保身に走った弟に愛想を尽かし、帰って行った。鶏鳴(ケイメイ)寺では永楽帝・朱棣(シュテイ)が老和尚・姚広孝(ヨウコウコウ)に江南(コウナン)の文句を言っていた。実は江南の蔵書家たちが寄贈した宋代の書に偽物が混ざっているとか、″永楽大典(エイラクタイテン)″の編纂(ヘンサン)に際しても、骨董商たちを集めて古書を偽造させたという噂がある。永楽帝は以前から江南が気に入らなかったが、靖難の役で援護してくれた恩があった。その時、外から朱瞻基と侍衛がもめている声が聞こえて来る。永楽帝は仕方なく朱瞻基を通せと許した。姚広孝は半ば強引に皇帝に謁見した朱瞻基を無礼だと叱った。朱瞻基は確かに自分の行いは幼稚だと開き直ったが、建文(ケンブン)を躍起になって探す爺爺(イェイェ)も子供じみているとやり返す。しかし父から″靖難で使った武器は燕(エン)王府の地下で作った″と聞いてひらめいたのだ。「表立った行動を取っても勝てるとは限らぬ、隠密な行動こそ成果を得られる…」そこで永楽帝は黙って金令牌を投げ渡した。朱瞻基は目の前にある金令牌を拾ったが、黙って卓の上に戻し、自力で得ると辞退する。「…ようやく気がついたか、父からよく学ぶのだ」「え?父上から?」すると永楽帝は銀票を差し出し、賭けで勝ったとでも言って皇太子・朱高熾(シュコウシ)に渡すよう指示した。「ふっ、悪知恵が働くな、まあよい、二叔に渡しておだてておけ」「おだてるのはお断りします」朱瞻基は資金不足を兄弟3人で負担すると決め、父を追い詰めた二叔を恨んでいた。「どこまでも幼稚だな~皇族が金を出すのに官吏が傍観できるか?」永楽帝は官吏たちに長年、懐に入れてきた賂(マイナイ)を献上させるための二叔父の妙策だと教え、これからは急用でない限り入って来るなと命じた。「規則を破ればお前を守ってやれぬ」回復した孫若微(ソンジャクビ)が庭を散策していると、朱瞻基が駆けつけた。しかし珍しく朱瞻基はどこか上の空、若微は何かあったと気づく。「あなたもそんな表情をするのね?」「…爺爺に賜った金令牌を没収された」今や若微は皇帝の命の恩人、片や自分は役に立たない無能な孫だという。若微は義父たちがどこにいるのか尋ねたが、実は何者かに連れ去られていた。しかし朱瞻基は必ず探し出すと約束する。「功を立てようと焦った報いだ、父上は太子だが気弱で頼りない 爺爺は年老いているし本心も明かさぬ、父上が失脚すれば私も命の保証はない 意外かもしれないが、実は綱渡りの状態だったのだ…君を連行して悪かった」「今さら遅いわ…」「朱家の状況が変わったゆえ早く帰す、恨まれたくないからな それに君がそばにいると…胸がざわつくっ!」( ゚ェ゚)ハイ?←ピントこないルォウェイ鶏鳴寺に朱高煦がやって来た。朱高煦は父にそろそろ宮中へ戻って欲しいと訴え、自分では何も決められないという。「任務に疲れたのか?」「まさか、父上も弱音を吐きません」「お前とは事情が違う、私は得意なことのみ行い、官吏との交渉などはやっておらぬ 高熾が適任だ、だが高熾より有能なのだろう?お前がやれ」「父上!いつ私がそんな事を…私がそんな事は言わないとご存知のはずです」「強気なのは悪いことではない… 20年かけて異民族を一掃するつもりだ、そのうち内政について教えてやる」朱高煦は心外だった。野心家と思われぬよう父に言われた通り兄を尊重しているつもりだ。「私には戦ができても、他は何もできません」朱瞻基は孫若微を連れて梅(バイ)山まで遠出した。実は孫愚(ソング)たちを捜し出すと約束したものの、頼みの金令牌を没収され、監国は二叔父となり、調査が難航しているという。それでも朱瞻基は″靖難(セイナン)の役″の間違いを正してやると明言した。「だから君も生きると約束してくれ、大明や3万人の仲間と己のためにな 生きてさえいれば希望はあるのだ」「…建文帝に会いたいなら父上を探して」一方、朱高煦は父に皇太子が1万両を届けに来たと報告していた。しかし家具も売れていない皇太子がどう工面したのか心配だという。まさか父が援助したとは知らない朱高煦は、官吏から巻き上げた金ではないかと疑った。「解縉(カイシン)がよく大哥と面会を…皇上の寵臣で太子派だと豪語しているゆえ、何も言えませぬ」朱高煦は皇太子が規則に背いて官吏と親交を深めていると告げ口し、父から忠告して欲しいと訴えた。「ウム…で高燧は?」「老三?最も理解できませぬ!刺客の黒幕も捕縛できず、毎日こそこそと怪しい行動を!」すると永楽帝は何事も中途半端な高燧を鍛えるよう指示し、自分は歳を取ったので身体が利かないと弱音を吐いた。その頃、朱瞻基のもとに急報が届く。やはり3人は趙王のもとにいた。宮中では王妃たちが永楽帝の寵愛を受けた朴(ボク)妃が懐妊しているか否かを探っていた。中でも同郷の安(アン)貴妃は必死、自ら侍医を連れて寝殿に乗り込み調べようとする。しかし朴妃はうんざりし、疲れていると断って侍医を追い返した。若微は鶏鳴寺に戻ると、ちょうど裏山で綱渡りをしている老和尚を見つけた。何でもこうして鳥のように高い場所で歩いていると悟りが開けるのだとか。姚広孝は先代の門主である師匠から学んだと教えていると、そこへ永楽帝がやって来た。「瞻基と散歩に出掛けたのではないのか?」「用があると…皇上の心の病を治すとのことです」すると永楽帝は若微を連れて殿内へ戻った。若微は皇太孫が皇帝の悩みを除くと伝え、ひざまずいた。「何でも与えてやるとおっしゃいました…遺児である3万人に代わりお願いがあります かつての恩讐を解き、血を洗い流して太平の世を築いてください」そこで永楽帝は交換条件を出した。「私は誰の願いも聞かぬ、だが建文を連れて来られたら過去のことは水に流してやる その3万人を無事に都へ戻そう」永楽帝は天地の神が証人だと言った。「今のお言葉は太孫に直接、お伝えください」「呼んで来い」すると若微は痺れた足を崩し、金令牌がないので会えないそうだと伝える。永楽帝は思わず失笑し、冗談を真に受けたのかと呆れた。馬車で移動中の皇甫雲和(コウホウンワ)はいきなり何者かに拘束された。すると朱瞻基が現れ、若微と面会させる。若微はすでに漢王が″皇爺″だと知っていた。自分たちが何者かの手駒として都に入ったと気づいていたが、まさか尊敬していた皇甫だったとは…。そこで朱瞻基は皇甫に自分と手を組まないかと誘った。皇甫は到底、朱瞻基を信用できず、若微のように敵討ちを忘れることもできないと揶揄する。そこで若微は鶏鳴寺で療養中に立ち聞きした興味深い話を教えた。…あの夜、若微は偶然、永楽帝が趙王が連行した罪人を尋問している様子を見かけた。『大明には何人で来た?』『5人、2人は商人に扮装を…あの弓矢は明の都の職人が作り、他の武器は自国から持ち込んだ』『宮中に内通者は?』刺客は否定したが、永楽帝は信じられないという。そこで白状すれば助けてやると言ったが、刺客は首を横に振るだけだった。永楽帝は仕方なく園遊会の暗殺未遂事件を趙王に任せると決め、そこで罪人を下げる。『で、あやつだと思うか?』『二哥は確かに野心家ですが、アデン国と結託はしていないかと…』『高煦と靖難の遺児とはどんな関係だ?』『ひた隠しにしており、詳細は不明です』『己の息子に裏切られていたとはな…』『漢王府に皇甫という官吏がおり、二哥は信頼を… 調べたところ、名も経歴も詐称しています、その者が遺児との橋渡しを… 最近、失態を犯したようです、捕らえて尋問しますか?』…すでに永楽帝は漢王と皇甫雲和の関係を知っていた。皇甫はそんな話で自分を脅せると思うかと強気に出たが、朱瞻基は失笑する。「思い上がっている者は実に滑稽だ~ 率直に言おう、私に協力すれば命は助けてやる、答えを焦るな、まずは話を聞け」朴妃の世話を任されている胡尚儀は、今日も寝殿に食事を届けに向かった。すると宮道で漢王妃と趙王妃と出くわす。2人の目的は当然、朴妃が懐妊しているかどうかを知ることだった。漢王妃は見舞いと称して一緒に行きたいと訴えたが、胡尚儀は大事な時期のため訪問は控えて欲しいと告げる。「断ることも私の責務なのです、懐妊の知らせを受けましたらすぐお二人にお伝えします」胡尚儀はやんわり断ったが、趙王妃が探りを入れた。「…であなたは懐妊していると思う?」すると胡尚儀は突然、控えていた胡善祥(コゼンショウ)を叱りつける。「何をしているの!料理が冷めるわ!朴妃が体調を崩したらどうするの?!」胡善祥は両手に大きな岡持ちを下げて歩き出すと、背中に姑姑の罵声を浴びながらほくそ笑む。「皇上がご不在とは言え、規則を破れば私が罰を与えるわよっ!」漢王妃はそれが自分たちへの戒めだと気づき、仕方なく引き下がった。皇甫雲和は尚書房の漢王を訪ね、例の3人を見つけたと報告した。「ですが問題が…今ここでお伝えしても?」その頃、朱高燧は自ら刺客に尋問していた。「名を申せ…申すのだ…」しかし拷問でぼろぼろになった刺客は意識がない。「寝るな、起きろ!よく考えよ、漢王なのか?答えるのだ…」すると誰かの咳払いが聞こえた。「誰だっ!!!誰も入れるなと言ったはずだぞっ!!!」激昂した朱高燧だったが、振り返った途端に表情が一変する。「(はっ!)二哥?どうしてこんな場所に?汚れますよ~外へ行きましょう」朱高燧は慌てて二兄を連れ出そうとしたが、もはや朱高煦を内通者に仕立て上げようとしていたことは明らかだった。憤慨した朱高煦は思い切り朱高燧の腹に一発、食らわせると、父の歓心を買おうなど考えが甘いと釘を刺す。「二哥…私が二哥派なのは誰でも知っています…ゥッ…濡れ衣ですよ」「例の者たちをすぐ私に引き渡せ、お前に機会は与えたぞ」朱高燧は仕方なく3人の牢へやって来た。聶興(ジョウキョウ)は抵抗した際に怪我を負ったが、どうやらまだ生きている。そこで朱高燧は建文の旧臣だった徐浜(ジョヒン)に声をかけた。「建文はどこにいる?拷問にかけられ命を落とせば、吐く機会はなくなるぞ」「ふっ、いずれは天罰を受ける身だ」「二哥より倍の報酬を与える…官吏になりたいか?私が推挙してやる」「王爺(ワンイェ)、初めて会った時のことを覚えているか?」「もちろんだ、皇上に仕える者だと言ったな?私が騙されたと思ったか?」「真実かもしれぬぞ?…ふっ」2人の駆け引きは徐浜が勝った。朱高燧が牢を出た時、ちょうど皇帝からの勅命が通告される。「″趙王は罪人を御前に連れて来い″」すると苛立った朱高燧は廊下に置いてあった刑具を思い切り蹴り飛ばした。朱高燧が3人を連れて鶏鳴寺に到着すると、門の石段で朱瞻基がうなだれて座っていた。てっきり皇帝に会えずしょげていると思ったが、三叔に気づいた朱瞻基は眠そうに目をこすり、祖父からお達しだと告げる。驚いた朱高燧はその場にひざまずいた。「″高燧に告ぐ、連れて来た罪人の徐浜・聶興・孫愚を御前に…高燧は外で待て″」工エエェェ(;╹⌓╹)ェェエエ工つづく(^ꇴ^)朱瞻基の衣装の裾が広がって素敵♡安貴妃、美人なのに必死すぎて怖いw
2020.06.26
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白发 Princess Silver第8話「恩人との再会」吏部尚書・余世海(ヨセイカイ)は李志遠(リシエン)に逃げられと知って息子・余文杰(ヨブンケツ)に激怒した。黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)も李志遠の存在を知って探し始めている。北臨(ホクリン)帝の皇太子への信頼が揺らぎ始めた今、知り過ぎている李志遠を一刻も早く始末せねばならない。そこで余文杰は李家に残っていた使用人を捕らえ、李志遠の居場所を追及することにした。一方、黎王府に戻った侍衛・冷炎(レイエン)もちょうど中庭に出ていた黎王に報告していた。「無相子(ムソウシ)の調べによると秦(シン)丞相の幕僚は全員、処刑されました 李志遠のみ余世海に抱き込まれましたが、臆病者ゆえ自害はあり得ぬと…」「ん…下がれ」そこへ漫夭(マンヨウ)がやって来た。「殿下、なぜ荷物の移動を?」「そなたが留まるなら片付ける必要がある」「とんでもない…暇乞いに参りました」「やはり帰ると?」すると黎王に珍しい客人が現れた。「…黎王に拝謁します」容楽(ヨウラク)はその客人を見て目を丸くする。その男は刺客に襲われた時に容楽を助け、医者まで呼んでくれた恩人だった。傅筹(フチュウ)はあの晩の娘だと思い出し、確か桐花巷(トウカコウ)でぶつかりそうになったと嘘をついた。容楽は前庭(ゼンテイ)街だったはずだと困惑したが、恩人に話を合わせる。しかし無憂は凱旋したばかりなのに早くも知人がいるのかと怪しんだ。傅筹は道で偶然、会っただけで、名乗り合ってもいないという。( ゚д゚)ポカーン@容楽「知らぬのか?南境を平定し、天下に名を轟かせた傅将軍だ」「褒め過ぎです」傅筹は今回の戦功も黎王の妙計のおかげだと謙遜し、この恩は決して忘れないと言った。すると無憂も自分こそ将軍の献策のおかげで汚職の調査が認められたと感謝する。「状況に迫られ、やむなく提案したのです でも考えてみると7日という条件は厳し過ぎたかもしれません そこで私も手がかりを探しました、助けになれば幸いです」驚いたことに傅筹も李志遠の潜伏先を突き止めていた。密書には″林家(リンカ)村、李志遠″と書いてある。「どこでこの情報を?」「それは明かせません、ご勘弁ください」牽制し合う無憂と傅筹、そこで容楽が間に入り、険悪な雰囲気を打開した。「(*ᴗˬᴗ)⁾⁾⁾ペコリ 将軍とは存じ上げず先日は失礼しました、ひとつお願いが… 私は攏月(ロウゲツ)楼の若店主です、実は面倒に巻き込まれて黎王府でかくまわれておりました 今日、帰るので馬車に同乗させていただけませんか?」驚いた無憂は思わず将軍府と攏月楼では方向が違うと指摘したが、漫夭は途中で降りればいいという。しかし傅筹は攏月楼の銘茶が評判だと聞いており、この機会に味わわせてもらうと言った。2人は早速、出て行こうとしたが、無憂が漫夭の行く手を阻む。「本当に帰ると?」「長い間、お世話になりました」「決心したのなら引き止めぬ」無憂はそう言ったものの2人を見送るのが嫌で、先に出かけて行った。傅筹は話を合わせてくれた漫夭に感謝した。実はあの晩はまだ城外にいるべきだったという。容楽は何か事情があったのだろうと理解を示し、命の恩人の秘密を守ると約束した。やがて馬車は攏月楼に到着、容楽は番頭の攏月に将軍を紹介する。すると傅筹は実は公務があるため、改めて訪ねると断って帰って行った。蕭煞(ショウサツ)も攏月楼に駆けつけた。容楽は″山河志(サンガシ)″が見つかりそうだと話し、攏月には傅将軍を調べて欲しいと頼む。「蕭煞、助っ人を呼んで、黎王を尾行するわ」人里離れた山奥に潜伏していた李志遠、すると突然、顔を隠した余文杰たちに襲撃された。しかし危ないところで無憂が兵を率いて駆けつけ、李志遠を守ってくれる。出遅れた容楽たちは黎王と刺客の争いを見守っていたが、騒ぎに乗じて李志遠が逃げ出すのが見えた。そこで容楽は蕭煞に援護を頼み、ひとりで李志遠を追いかける。蕭煞たちは李志遠を追う者を次々と矢で射抜き、おかげで容楽だけが李志遠に追いついた。無憂は冷炎に刺客を任せ、李志遠を追いかけた。すると竹林の奥で別の賊が李志遠を詰問しているところを見つける。その賊の目当ては無憂と同じく″山河志″だった。「秦(シン)家の密室に隠されているかもしれぬ…あの屋敷には密室があった」「密室?」容楽はついに手がかりを得たが、その時、突然、後ろから無憂に剣を突きつけられてしまう。無憂は賊の正体を暴くべく面紗(メンシャ)に手を掛けようとした。絶体絶命の容楽、するとそこへ黒い鬼面の刺客たちが駆けつけ、矢を放つ。武術の心得がない李志遠は矢の直撃を受けて絶命、無憂まで咄嗟に容楽をかばって手に毒矢を受けてしまう。意識が遠のいて来る無憂、その時、ようやく蕭煞が現れ、加勢した。その間に容楽は無憂を連れて岩陰に隠れ、手から毒を吸い出してやる。「命を救ってくれたお返しよ…借りは返したわ」容楽と蕭煞は冷炎たちが黎王を探しに来たところで撤収し、公主府へ帰った。容楽は早速、皇兄に文を書いた。一方、無憂は黎王府でようやく目を覚ましたが、李志遠が殺されと知る。冷炎は余文杰に伏兵がいたとはうかつだったと後悔した。しかし無憂はあの賊が余家の私兵とは思えないという。冷炎も確かに黎王の腕から毒を吸い出した者がいたと話し、そのおかげで命拾いしたと教えた。薄れ行く意識の中、わずかに記憶に残る賊の姿…。「顔を見たか?」「すでに姿を消していました…」余文杰は皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)と父に李志遠を始末したと報告した。皇太子はこれも余世海が機転を利かせ、天仇門(テンキュウモン)を遣わせたおかげだという。「それにしても宗政無憂を殺せなかったのは残念だ…」西啓(セイケイ)では皇帝・容斉(ヨウセイ)が容楽からの密書を読んでいた。…皇兄へ…皇兄が元気と聞いて喜んでいます…奇書は手がかりを得られ、じきに見つかるかと…宗政無憂という人は噂とは違うようです…傲慢だけど心が広く、冷徹だけど思いやりがある…皇兄も将来、黎王を敵に回さぬ方が賢明でしょう…身体を大切に、妹・容楽「宗政無憂、そんなに気に入ったのか」↓ (Ŏ艸Ŏ)ファンシォン怒ってる…そこへ密偵が現れ、蕭煞からの報告を伝えた。実は黎王が公主を牢から救って王府で数日ほど軟禁し、それ以来、2人は親密になったという。容斉は思わず手紙をつかむ手に力が入ったが、話を変えた。「もうよい…それより神医の行方は?」「まだ分かりません、ただ最後の弟子が存在するそうです」その時、太監・小荀子(ショウジュンシ)が止めるのも聞かず、皇太后が無理やり入ってくる。密偵は慌てて姿を消すと、皇太后は自分を阻んだ太監を拘束して現れた。「お静まりを、古傷が痛むので休んでいました、だから誰も通すなと小荀子に命じたのです」しかし皇太后は近頃、何かと自分に楯突く容斉を牽制するため、奴婢など庇う必要はないと言った。「身分に関係なく命は等しく価値がある… いかに尊い命でも、天が定めた運命から逃れられません…皆、同じです」すると容斉の言葉を聞いた皇太后は小荀子を解放し、卓にある文に目をやった。「北臨から届く文は哀家(アイジャ)も全て読ませてもらいました」「母后(ムーホゥ)…なぜ私を苦しめるのです?!」「私がお願いした大事なことをどうかお忘れなきよう… 残された時間は多くありません、ご自身で動かれては?」その夜、容楽は久しぶりに公主府でのんびり沐浴していた。しかしなぜか蓮心(レンシン)の姿がない。泠月(レイゲツ)は厨房で薬を煎じているのではと言ったが、毎月の頭痛の時期にはまだ日がある。実はその時、蓮心は逢い引きしていた。蓮心は想い人に文を渡したが、蕭煞に現場を押さえられてしまう。翌朝、蕭煞は蓮心を公主の前に引っ立てた。「蓮心から押収しました、相手の男も尋問済みです」容楽は蓮心が自分で押収物が何か正直に言えば許すという。すると蓮心は想い人に宛てた文だと証言した。蕭煞が確認すると、確かにただの恋文だったが、水につけてみたところ、赤い文字が浮かび上がる。驚いた蓮心は身に覚えがないと訴え、泠月にも助けを求めた。しかし泠月は蓮心が外部に情報を漏らしていたと知り呆然、庇いようがなくなる。「公主!私は間者ではありません!信じてください!」蓮心が必死に訴えると、泠月は実は逢い引きのため外出を手助けしたことがあったと認めた。蕭煞は公主が箱の中身をすり替えたため、秘密が漏れず幸いだったと安堵した。すると今度は蓮心の部屋にあった鍼の袋を出す。蓮心は想い人が医者なので勧められて鍼の勉強をしていたと釈明したが、男はただの商人だと自白していた。これなら以前、昭蕓(ショウウン)郡主が点穴されて気絶したのも合点が行く。そこで容楽は蓮心を呼び、指を水につけるよう命じた。蓮心は何の疑いもなく指を入れたが、指先がなぜか青くなってしまう。それを見た容楽は箱に触ったのが蓮心だと知り、深く失望した。実は蓮心は掃除中に無意識に箱に触れていただけだったが、もはや言い逃れできない。容楽は考えた末、宮中を出て北臨からも離れるよう命じ、想い人に嫁がせてやることにした。「蕭煞、手配を」↓蓮心は本当に何も知らないように見えたけど…元気でね~(TㅅT)ค無憂は李志遠の骸を王府に運ばせた。やはり手がかりは何もないようだったが、無憂はふとまげを止めるくしに目を留める。するとくしの先が外れ、中から質札が出てきた。無憂は冷炎に質屋を探すよう命じ、骸を片付けさせる。そこへ使用人が招待状を持って来た。余世海が3日後に50歳の誕生祝いを開くという。「3日後?李志遠を排除できたゆえ、解決できぬと踏んで私に圧力をかける気か?」一方、容楽は攏月楼にいた。攏月は西啓帝からの文を渡し、頼まれていた傅将軍についての調査を報告する。「戦功が多いゆえに昇進も早く、派閥には属さず寛容で善良な人だとか… 顔も広く、人望もあります、目下、不審な点はありません」しかし容楽は欠点がない人ほど恐ろしいと警戒、攏月は引き続き調べることにした。そこで容楽は山河志が秦家の旧宅にあるかもしれないと教える。確かに余家が住み始めて何年も経つが、奇才と名高い秦永(シンエイ)のこと、簡単には見つけられないはずだ。問題は警備が厳重な世家にどう忍び込むか…。その時、沈魚(チンギョ)が戸を叩いた。沈魚は吏部尚書府から使いの者が来たと報告した。何でも余尚書の誕生日に芸を披露して欲しいという。まさに渡りに船、容楽は是非とも参加すると喜んだ。沈魚は恨みのある余尚書の招きになぜ応じるのか分からず、戸惑うが…。余尚書の祝宴当日、容楽は沈魚と一緒に尚書府へ入った。そこで沈魚は急に腹が痛いと嘘をつき、侍女に手洗いへ案内してもらうことにする。「ご用心を…」「うん」独りになった容楽は屋敷を散策し、密室の手がかりを探った。すると脇道にある飛び石の中に不安定な石があったが、特に問題はない。やがて容楽は門が少し開いている離れを見つけた。 早速、中に入って調べてみると、からくりの壁の奥に隠し部屋を発見する。そこには沢山の財宝が隠されていた。しかし容楽が隠し部屋に入った途端、柵が飛び出し、閉じ込められてしまう。「おや?漫夭姑娘(グーニィャン)?閉じ込められたのか?」その声は余文杰だった。余文杰は漫夭が屋敷を調べていると知り、この部屋へおびき寄せることに成功した。「今度は黎王でもそなたを助けることはできぬ」すると余文杰は使用人に見張りを任せ、宴に向かう。つづく(  ̄꒳ ̄)切れ者の女主、なぜこんな分かりやすい罠にハマるのか…w
2020.06.25
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白发 Princess Silver第7話「胸に秘めた志」その夜、中山(チュウザン)は激しい雨になった。黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)は漫夭(マンヨウ)を馬に乗せて舟遊びから戻ったが、大街で皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)の馬車とかち合ってしまう。「陛下の馬車以外は東宮に道を譲るべし!皇太子の馬車である!」しかし最近の目に余る皇太子の横暴さを思い出した無憂は掟を無視、道を譲らないことにした。「落ちるなよ…」無憂は漫夭にそう囁き、馬を駆けて行く。すると驚いた御者が操作を誤り車が横転、皇太子は自力で脱出し、激怒しながら帰った。( ๑≧ꇴ≦)太子がwww無憂はずぶ濡れになった漫夭を連れて黎王府に戻ると、有無を言わせず泊まらせた。そして翌朝、容楽(ヨウラク)は早々に帰ることにしたが、無憂はこのまま黎王府に留まるのが身のためだという。「昨夜は太子の馬車に無礼を働いた、私には手を出せぬが、そなたに罪を着せるのは簡単なことだ」「でも攏月(ロウゲツ)楼が心配なので戻らなくては…太子の手が回るかも」「それなら任せよ」無憂は配下を呼び、攏月楼を警護するよう命じた。「私も兵たちと失礼します」容楽はどさくさに紛れ帰ろうとしたが、無憂が行く手を阻む。「そなたを帰さぬため兵を遣わした」「でも…」「しーっ」すると無憂は漫夭の口を指でふさいだ。↓( ๑≧ꇴ≦)ヤメロー!w実は陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は、漫夭の気持ちが知りたいなら薬を使って聞き出せと七兄を煽っていた。無憂は下劣だとあしらったが、無郁は女子の口と心は別だと教唆する。『″帰る″と言えば帰らせず、″帰らない″と言えば追い返す 東に向かえば″西へ行け″と命じ、話そうとすれば口をふさぐ… 従うようになれば心は七哥のものですよ』無憂は漫夭に気がなくとも自分にはあると迫った。しばし見つめ合う2人…。すると侍衛・冷炎(レイエン)が駆けつけ、思いがけず邪魔が入ってしまう。「殿下!清水(セイスイ)河に…( ゚д゚)あ…報告は後にします」冷炎は慌てて引き返したが、容楽はこの機に乗じて帰ることにした。しかし無憂は漫夭の腕をつかんで離さない。「ここではそなた以上に大事な要件などない…案内したい場所がある」無憂は漫夭のために準備していた離れを見せた。「好みに合うか?」「ぅん…趣味が良くて素敵な離れだわ」「気に入ったなら″漫音(マンイン)閣″と名付けよう…贈り物だ」じりじりと漫夭に迫る無憂、容楽は困惑して後ずさりしながら、うっかり足を踏み外した。「ぁ…」容楽は咄嗟に無憂の肩につかまり、結局、2人は一緒に池に落ちてしまう。そしてまた見つめ合う2人…( ๑≧ꇴ≦)ド●えもーん←意味はないwすると冷炎が止めるのも聞かず、昭蕓(ショウウン)郡主が飛び込んで来た。容楽は慌てて無憂から離れ、背を向ける。「どこが公務なのよ(ボソッ)…無憂哥哥、お礼を言いに来たのよ!」実はあの鼻持ちならない清河(セイカ)王の世子が昭蕓郡主に求婚、叔父は承諾しそうになったが、無憂が止めていた。昭蕓は感謝したが、公主という許嫁がいながら他の女子を王府に連れて来たと抗議する。しかし無憂に追い返されてしまう。無憂から執拗に引き止められる容楽、そこで無憂を碁に誘い、打つだけでは退屈なので賭けはどうかと言った。「負けたら殿下の要求を聞きます、私が勝てば帰らせてください」「…そこまで帰りたいとは、そんなに王府が嫌いか?」「立派なお屋敷ですが、一介の庶民が暮らす場所ではありません」しかし再び邪魔が入る。陳王が火急の用で来たというのだ。無郁は昨夜の船の沈没で亡くなった吏部の馬(バ)侍郎(ジロウ)の骸を運んできた。実は馬侍郎は余世海(ヨセイカイ)の腹心、つまり汚職の証人ひとりを消すために他の客まで巻き添えにしたという。証拠を持っていた趙(チョウ)大人(ダーレン)が暗殺され、他にも張(チョウ)侍郎は屋敷の火事で焼死、崔(サイ)将軍は謎の急死、死んだのは官職売買の関係者ばかりだった。「七哥、これは事故じゃない、口封じの殺人だ!」無郁は七兄なら公正に裁けると期待したが、無憂は冷静だった。容楽が回廊から様子をうかがうと、無憂は飼いならされた鷹に餌を与えようとしていた。「北臨(ホクリン)の朝廷に清廉な高官が何人いる?」「何人でもいい!七哥は秦(シン)丞相が志を託した唯一の人ですよ?!」しかし無憂は我関せず、無郁は七兄の態度に落胆し、自分で何とかすると言って帰ってしまう。「…お前まで私を責めるのか?」鷹は意地でも餌を食べなかった。「秦家が皆殺しとなった時、朝廷には先師をかばう者が何人いた?皆、石を投げたくせに 母妃は逝き、民は顧みられぬ…」無憂は朝廷に何も期待していなかった。「朝廷の基盤は揺らぎ、腐り切って行く運命なのだ、運命に抗しても破滅への定めは変えられぬ…」すると無憂は冷炎に無郁を見張るよう命じた。しびれを切らした無郁は無謀にも東宮に乗り込み、宗政筱仁(ソウセイショウジン)に狼藉を働いた。「ここにはお前の悪事が書かれている…公にすればお前は終わりだ!」無郁は証拠の写しをちらつかせて脅したが、あっさり侍衛に捕らえられ、皇太子に花瓶で頭を殴られてしまう。すると筱仁は皇太子暗殺の罪で無郁を収監し、奪った証拠を燃やした。無憂は漫夭と碁の続きを始めたが、どこか上の空だった。すでに3局目だが、容楽はまた勝利する。「殿下、約束通り帰らせてください」「…私がいつ賭けると言った?」「殿下?今になって言い逃れするのですか?」しかし容楽は無憂が幼なじみの昭蕓を気遣う様子を見て、本来は勝敗や損得にこだわらぬ人だと見抜いていた。そこで碁にたとえ、対局での敗北にこだわり続ければ上達も望めないと話し、自分なら努力して技を磨き、前に進みたいと告げる。「その結果、負けたとしても、自分の志に恥じずに済みます」「″志に恥じぬよう、前進しろ″か…」無憂は漫夭が無郁から責められた自分を慰めているのだと分かった。「では前進するにはどうすればいい?」「…境地を求める道のりは長く果てしない、でも今の一手を軽んじては到達できません」「つまり私に汚職を暴けと?」「無辜の被害者をこれ以上、増やすおつもりですか?」すると冷炎が慌てて駆け込んできた。「殿下!陳王が大変です!」無憂は漫夭に触発され、無郁を助けるためにもついに朝議に顔を出した。先師の秦永(シンエイ)が謀反の罪で一族皆殺しとなった無念、自分に公正な裁きを求めて殺された趙大人、口封じに巻き込まれて死んだ無辜の民、愛する漫夭に手を伸ばした皇太子…。無憂はついに最初の一歩を踏み出したが、皇帝が寵愛する黎王が動き出したことで、朝廷はにわかに騒がしくなった。朝議の議題は陳王の件だった。余世海(ヨセイカイ)は馬侍郎を暗殺したのは船を作った工部を管轄していた陳王だと報告、沈んだ船から製造した職人と担当官吏が発覚したという。恐らく陳王は証拠が消えたと踏んで皇太子と自分の誣告(ブコク)を企て、密書を偽造したと言うのだ。すると楊惟(ヨウイ)尚書が馬侍郎の死はさておき、密書に書かれた汚職は事が重大、詳しい調査が必要だと進言する。しかし皇太子が馬侍郎と陳王が妓女を取り合っていたことは香魂(コウコン)楼の女将が証言しているため、密書を偽造してまで自分たちの汚職を誣告したのだと訴えた。そこで無憂は船の沈没については調査が必要だと上奏し、汚職が誣告かどうかは自分が調べたいと嘆願する。「7日の猶予が頂ければ必ず明らかにします」「陛下、陳王と親しい黎王が調査するのでは皆が納得しますまい」余世海は反対したが、傅筹(フチュウ)が思いがけず口をはさんだ。「黎王が7日で解決すると仰せなら、軍法に従っては? 7日後に証拠が揃えば罪人は法に基づいて処罰を、 証拠が揃わぬ時は黎王に軍棍(グンコン)と爵位剥奪の罰を…」「…結構です」無憂が了承すると、北臨帝も認めた。昭蕓郡主が陳王に面会に来た。常々、感情に任せて軽率な行動を取るなと諌めてきた昭蕓は激怒し、そのせいで黎王が解決を確約させられることになったと嘆く。無郁は結局、七兄の心配かとふてくされたが、昭蕓は自分の気持ちを察してくれない陳王に苛立って泣き出した。「おいおい、泣くなよ~私が悪かった」「ともかく私から皇后娘娘にとりなしをお願いするから…元気でいてね」無憂は尚書房にこもって機密文書に目を通していた。冷炎は人手を増やすことにしたが、無憂は人手が多ければ情報が漏れやすいと止める。「この者の行方は無相子(ムソウシ)に探させる」冷炎は黎王からある扇子を受け取り出かけて行った。すると入れ違いで漫夭がやって来る。「殿下は冷たい方だと思っていましたが違いました、昭蕓郡主にも陳王にもお優しいです 冷淡に見えて実は情が深い方なのですね?」容楽は政を避けて身を守ってきた黎王が事件の解決を宣言したことにより、危険も増すことになると懸念した。「私の心配を?…ならばなぜ立ち去ろうとする?」「住む世界が違います…私には使命が…(はっ)」うっかり口を滑らせた容楽は咄嗟に茶楼の商いを広げ、他国にまで店を開くことが使命だと取り繕う。「天下の民を思う殿下の志にはかないません」容楽は雲(ウン)貴妃と秦丞相の偉大な事績を多少なりとも知っていると話し、尚書房にある名も無い位牌が秦永の物だと察しはついていた。「20年が過ぎても忘れられないのですね…殿下のお心には先人の遺志があるはず」「もしそなたでなければ、その先は話させぬ…」「悪意はありません」容楽は黎王が実は朝廷に無関心ではないため、事件の真相も分かっていると気づいていた。「だから陳王を止めなかったのでしょう?勝算があるからでは?」「どうやらそなたを侮っていたようだ…」無憂は漫夭が例の密書を見たと分かった。すると容楽は店で拾った物なら内容を確かめなければ対処できないという。無憂は急に漫夭に近づき、まじまじと見つめた。「そなたの目は誠に鋭いな」「目ではなく心で見ていますから…それでこそ人の心が見て取れます」「ではそなたを想う心も見えるはず…」2人はしばし見つめあった。「…深過ぎて見えません、私が見ているのは殿下が見せているものでは?」無憂は普段は本音を見せない漫夭がいつになく饒舌だと揶揄する。まるで自分に近づくと危険だと警告しているように…。容楽は考えすぎだと笑い、本音を見せぬ生き方は苦しいと思わないかと尋ねた。「1人の理解者もいない人生は寂し過ぎます」すると無憂は漫夭から離れ、黙って中庭を眺めた。その夜、漫音閣に蕭煞(ショウサツ)が現れた。公主の行方を捜していた蕭煞は調べを受けない車に紛れ、王府に潜入したという。「調べないって?」「宮中の機密文書を運ぶ車だと思います、一緒に脱出しましょう」しかし機密文書と聞いた容楽は、情報を探る絶好の機会だと気づいた。容楽と蕭煞は軽功を使って屋根伝いに尚書房に向かい、瓦を外して中をのぞいた。するとちょうど黎王が冷炎から密書を受け取っている様子が見える。…北郊、城外の林家(リンカ)村…無憂は追跡を命じ、冷炎にある竹簡を渡した。「覚えているか?先師・秦丞相が私のために人材を集めてくれたことを…」どうやら竹簡は名簿らしい。「16年前の話だ、李志遠(リシエン)は優秀な人材で三品を与えられた 当時の優秀な人材はいずれも幕僚として″山河志″の編纂(ヘンサン)に関わっていたはずだ 李志遠が握るのは官職売買の証拠だけではない、先師が殺された事情も知っているはず…」その時、山河志と聞いて身を乗り出していた容楽はうっかり音を立ててしまう。冷炎は屋根に賊がいると気づいて慌てて飛び出したが、すでに容楽と蕭煞は逃げたあとだった。漫音閣に無憂がやって来た。明かりがついていたので安神(アンシン)香を持って来たという。容楽が笑顔で香を受け取ると、無憂は黙って帰って行ったが…。隠れていた蕭煞が現れた。蕭煞は公主と黎王の距離が縮まっていることに気づき、不安を隠せない。「迷いは禁物です、どうかご決断を…あなたは西啓の公主です」「…ひとまず隠れて、王府を出る車に紛れてここを出なさい ″山河志″のことは私の考えに任せて」つづく
2020.06.24
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白发 Princess Silver第6話「水上の逢瀬」皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)の魔の手から漫夭(マンヨウ)を救い出した黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)。やはり漫夭だけには触れることができると確信し、自分の感情に戸惑う。気を失った漫夭の顔にそっと手を伸ばす無憂…。漫夭は寝たふりをしていたが、その時、急に馬車が揺れて目を覚ますしかなくなった。「助けていただき感謝します…でも私のために皇太子に敵対しては…世間が知ったら何と思うか…」「世間など関係ない、そなたは私の…(ぁ)…得難い対局相手であるからして…」「殿下?私を助けたのは単に対局のためですか?」2人は急に照れ臭くなって口ごもると、ちょうど攏月楼(ロウゲツロウ)へ到着する。すると容楽は肩にかけていた外衣を黎王に返し、急いで馬車を降りた。攏月楼を見張っていた蕭煞(ショウサツ)は、公主の無事な姿を確認して安堵した。先に戻っていた攏月は慌てて駆けつけ謝罪し、今後は命をかけて守ると誓う。容楽は任務を果たすために助け合うのは当然だと話し、見捨てることはないと言った。ともかく新たな″凧″の拠点を見つけなければならない。しかし攏月は引き続き″凧″が使えるよう、すでに手配したと報告した。ただ秘密の通路はもう使えないため、別の通路を探しておくという。一方、西啓(セイケイ)では容斉(ヨウセイ)が妹へ文を書いていた。しかし急に激しく咳き込み、喀血してしまう。そこへ皇太后がやって来た。容斉は息苦しさをこらえて母を出迎えると、皇太后は2ヶ月も経つのに北臨(ホクリン)で進展はないのかと急かす。「事態を打開するには劇薬を投入すべきです」すると容斉はまた咳き込み始め、急いで太監が薬湯を運んできた。皇太后は仕方なくそこで帰ることにする。容斉は苦々しく思いながらも薬湯を一気に飲み干し、再び筆を走らせた。…私は元気だ、心配はいらぬ…奇書を探す時は身の安全を優先に、決して慌てぬよう…北臨(ホクリン)での暮らしが順調と知り、安堵している(TㅅT)<ファンシォン〜公主府へ戻った容楽は兄の文を読み終えると、蕭煞を呼んだ。昨夜の恩人を探るよう頼んであったが、東郊(トウコウ)客桟(キャクサン)に変わった点はなく、店主の話では公子は1泊しかせず、宿帳にも名前がないという。どうやら純粋に自分を介抱するため、近くの宿を利用しただけのようだ。蕭煞は縁があればまた会えると話し、それより報告があると切り出した。すると容楽は泠月(レイゲツ)と蓮心(レンシン)の件だと気づく。実は2人が自分の倒した刺客を縄で縛って薪部屋に隠したと聞いた時から妙だと思っていた。侍女にしてはあまりに手際よく刺客を片付けている。また密書を隠している箱には錠が付いていたが、どうも誰かが触った形跡があった。「だから仕掛けを作っておいたわ」中身を知っているのは蕭煞だけだったが蕭煞は触っていないと否定、容楽は信じることにする。そこで蕭煞は自分も最近、あることに気づいたと話した。昭蕓(ショウウン)郡主が見舞いに来た時のこと、倒れた郡主の脈を診たが、香ではなく点穴で気絶していたという。話を聞いた容楽はこの件を内密にするよう頼んだ。無憂は漫夭を訪ねて攏月楼に足を運ぶが、3度も棒に振った。陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は商人なら七兄の富が分かるはずなのに、なぜ漫夭が避けているのか分からない。すると無憂が漫夭はそんな欲深い者ではないとかばった。「茶道に必要なのは忍耐と心持ちだ 毅然とした心を持たず、欲深いだけなら、茶道の真髄など分からぬ そんな者が金の亡者だとでも?」「でも商人は利益を追求するものです…あっ、思わせぶりな態度で気を引きたいのでは?」「妄想で決めるな」「あ~やっぱり好きなんですね~!」無憂は図星だったが、そこへ突然、父皇の来訪を知らせる前触れが響いた。北臨帝・宗政允赫(ソウセイインカク)が突然、尚書房に現れ、無憂と話があるため、陳王を帰らせた。何事かと思えば、西啓の公主を娶りたくないなら、皇后から勧められた中書監(チュウショカン)の娘・孫雅璃(ソンアリ)との縁談も悪くないという。無憂は父が今度は南境に根を張る孫家の勢力が気に入ったのかと呆れた。すると皇帝は公主を拒むのは無憂が入れ込んでいると噂の女商人のせいかと疑う。無憂は無関係だと否定し、なぜ自分が公主を拒むかを誰よりも分かっているのは父だと指摘した。皇帝は苛立ちを隠せず、閉じていた壁一面の地図を広げ、親征の必要性を訴える。「分からんのか?北臨が今どんな状況に置かれているか… 太子が尉(イ)国に大敗し、数十万の兵が犠牲になった その恨みを晴らし、禍根を除くために、西啓と共に尉国を倒す!(๑•̀ㅂ•́)و✧」無憂は冷ややかだった。尉国に負けたのは皇太子だけが原因ではなく、長引く戦で民が困窮し、国力が低下したからだろう。自分が高貴な娘を娶ったところで、何の役にも立たない。天下統一より、まずは民を富ませ国を強くするのが先決だ。無憂は師だった秦永(シンエイ)が提唱した″養民変法(ヨウミンヘンホウ)″を持ち出し、皇帝を怒らせてしまう。「いまだに秦永という逆賊のたわ言に執着を?!逆賊が雲児(ウンジ)を殺し…」「逆賊ではないっ!あなたに先師や母妃のことを語る資格はありません! 母妃を殺したのは陛下です…北臨が短い間にかくも大きくなれたのは養民変法のおかげだ!」息子との確執に頭を悩ませた皇帝は、自分も半年だけ待つと条件を出した。その間に秦家の奇書″山河志″を見つければ″養民変法″の復活を認め、誰を娶っても良いという。「だが見つけられねば西啓の公主を娶り、朕を助け、尉国を攻めよ!」「…たとえ見つけても、陛下は母妃と先師に申し開きができないのでは?」すると皇帝は憤慨し、帰ってしまう。無憂は父が広げた地図を再び畳むと、名前のない位牌に献杯した。公主府に昭蕓(ショウウン)郡主と孫雅璃が遊びに来た。孫雅璃は今度、黎王や陳王と一緒に郊外へ遊びに行くため、公主を誘いに来たという。実は皇后が黎王と孫雅璃、陳王と公主の縁談をまとめようと画策したのだった。すると昭蕓はなぜか容楽に陳王の悪口ばかり吹き込み、黎王がいかに優しいか訴える。その時、蓮心(レンシン)が攏月楼から届いた新茶を持って来た。「番頭によると今日は貴賓が来られ、囲碁や剣舞を楽しんだそうです ぜひ公主もお越し頂きたいと…」容楽は攏月楼で何かあったと気づき、急に咳き込んで見せた。あの攏月が使いを寄越したのなら、よほどの理由があるのだろう。孫雅璃たちは公主がまだ全快していないと気遣い、そこで帰ってくれた。無郁は七兄の気持ちを察し、今日こそ漫夭の茶を飲ませろと攏月を剣で脅した。誤魔化しきれなくなった攏月は使いを出して公主を呼んだが、陳王が何か企んでいると心配する。一方、ようやく漫夭をつかまえることに成功した無郁は、酒が入った竹筒を持参していた。容楽は酒が飲めないと断ったが、陳王はならば酒は1人楽しむと言って半ば強引に漫夭を同席させる。「誰か、酒を温める物を持ってこい!」容楽は茶を入れながら無郁の相手をしていたが、温まった酒の匂いで酔ったようだった。そこで無郁は中山(チュウザン)に来る前はどこにいたのかと探りを入れる。容楽は急に断片的な記憶が脳裏に浮かび、兄と一緒に茶室にいたことを思い出した。「茶室に…」しかし何かおかしいと気づき、容楽はふらふらしながら立ち上がる。そこへ偶然にも無憂が現れ、倒れそうになった漫夭をその手に抱いて助けた。卓には無郁が黎王府から勝手に持ち出した十里香(ジュウリコウ)酒がある。「警戒心を解かせたくて…気を失うとは思いませんでした」無郁は自分だけ薬を飲んで酒香にあたらないようにしていた。呆れた無憂は漫夭を抱き上げて出て行くと、様子を見ていた沈魚(チンギョ)が咄嗟にめまいを起こし、後を追おうとした陳王を阻む。「うぉ!よく利く酒だな〜沈魚?!大丈夫か?」意識が戻った容楽は、なぜか筏(イカダ)で川を下っていた。すると無憂が酔い覚ましをくれる。容楽は仕方なく薬を飲み干し、すぐ帰りたいと立ち上がったが、うっかり足を滑らせた。咄嗟に無憂は漫夭を抱きとめ、もう少し休んで行けという。しかし容楽にそんな時間などあるはずもない。「茶楼に戻らねば…」「1日の稼ぎはいくらだ?私が出そう」「では1日、銀100両で(ふふ)」「よかろう」「…私は殿下のように悠々自適に暮らせないのです」「私の前で拝金的に振る舞うのは、真心を捧げる相手と見なさぬからか?」「滅相もない、殿下は高貴なお方、私のように見識の浅い小者ではない、だから…」「もうよい、強要はしない」無憂は好きにしろと突き放し、茶を飲み始めた。そこで容楽は船頭に岸につけて欲しいと頼んだが、船頭は聞いてくれない。容楽は筏を降りることも叶わず、素直に美しい景色を堪能しながら川下りを楽しむことにした。「…陳王の餌はお酒でした、黎王はどんな餌を?」すると無憂は土笛を披露した。↓はいっ!回った〜!w一方、泠月と蓮心は公主の留守を良いことに、2人でこっそり出かけていた。そんな2人の後を蕭煞がつけている。「泠月姐姐、やっぱり戻りましょう?」「公主が留守の夜なんて滅多にないのよ?本当にいいの?」「…そうね、行きましょう」2人は念のため途中で別れると、蕭煞は泠月を追うことにした。すっかり日も暮れた頃、無憂はようやく筏を岸へつけることにした。すると桟橋の近くで官兵たちが川に上がった骸を引き上げている。「何があった?」「船が沈んだのです」無憂は漫夭を連れて岸に上がると、驚いたことに吏部の馬(バ)侍郎(ジロウ)の骸を発見した。骸の中にはまだ幼い子供まで…。容楽は胸が痛み、事故かと尋ねた。確かに事故にしては偶然過ぎるが、無憂はともかく城門が閉まる前に帰ろうという。あまりにそっけない黎王の態度に容楽は憤り、思わず悲しくないのかと迫った。「理不尽です、無実の民が巻き込まれるなんて…」しかしやはりお節介だったと気づく。結局、自分も乱世に翻弄される民の1人でしかないのだ。「私とて、いつか犠牲になる日が来るかも知れません…」無憂は官兵の馬を借りてまたがると、漫夭の手を取って前に乗せた。「そなたは犠牲にさせぬ…ジィァ(駕)ッ!」つづく( ˘ω˘ )陳王ってちょっとうざい?そして化粧崩れもひどいw
2020.06.23
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白发 Princess Silver第5話「英雄の凱旋」容楽(ヨウラク)は攏月(ロウゲツ)楼から密道を抜けて公主府に向かう途中、黒い鬼面の刺客に襲われた。その時、偶然、水路を舟で行く男が加勢してくれる。しかし容楽は腹を打たれ、その衝撃でかんざしを落とし、激しく喀血した。すると男が最後の刺客を排除し、危ないところで容楽を抱き留めてくれる。「…助けていただき感謝します」容楽はそこで意識を失った。男は怪我を負った娘を旅籠(ハタゴ)で休ませ、医者に診せることにした。すると娘が拳を握りしめてうなされている。男は娘に自分の手を握らせてやると、やがて娘は落ち着いて眠った。一方、黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)は漫夭(マンヨウ)のことが頭から離れずにいた。沐浴しながらもまだ漫夭に触れた感触が残っている。すると陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)がやって来た。無郁は七兄が本当に女子に触れられるようになったか試したいと話し、美しい妓女を招き入れる。早速、妖艶な妓女は無憂の肩に湯をかけながら、そっと腕を触り始めた。しかしその時、無憂は過去の恐ろしい記憶が蘇り、娘を投げ飛ばしてしまう。…母妃!…あの時、まだ幼かった無憂は母が父に殺されるのを目撃していた。「失せろっ!」余文杰(ヨブンケツ)は黎王の暗殺に失敗し、皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)に謝罪していた。すると攏月楼で黎王が刺客に襲われたと聞いた吏部尚書・余世海(ヨセイカイ)が慌てて駆けつける。てっきり皇太子の仕業だと思っていたが、そこには息子の姿があった。「前回の失策に懲りず、軽率な真似を!そう簡単に暗殺できる人物ではない!」「…父上、ご安心を、天仇門(テンキュウモン)は失敗しても手がかりを残しません」天仇門とは近年、台頭した手だれの刺客を有する門派だった。暗殺から情報収集まで、その手際は鮮やかで足がつくことはないという。しかし余世海は結果がどうあれ暗殺未遂が皇帝の耳に入れば、皇太子が疑われると危惧した。「証拠がなければ太子殿下の疑いは強まる!」「…では証拠があれば?」皇太子の言葉で余世海はすぐ思いついた。「文杰、すぐ手配を!攏月楼の者を捕らえ、証拠を作れ!」翌朝、容楽は見知らぬ部屋で目を覚ました。すると外から琴の音が聞こえて来る。容楽はその音を頼りに庭へ出ると、どうやら昨夜、助けてくれた恩人らしき男が琴を弾いていた。「お見事ですね」「お目覚めか?」容楽は賊から救ってくれただけでなく、こうして宿に運んで手当てまでしてくれたことに心から感謝した。「先ほど弾いていらした曲は味わい深いですね~清らかな響きに悠久の時を感じました でも優雅で澄んだ音色の奥に、深い愁いを感じます」「ふっ、この曲の背後にある愁いを感じ取るとは…琴を熟知しているようだ ″前塵(ゼンジン)″という曲で、私が7年前に作った」「あなたは20歳そこそこですよね?7年前なら子供なのに…こんな深い愁いを? ぁ…立ち入ったことを、お許しください」容楽はこの恩を必ず返すと約束し、急いで帰ることにした。その頃、無憂は無郁と連れ立って師である孫継周(ソンケイシュウ)の見舞いにやって来た。無憂は孫継周を才も知識もある本物の君子だと尊敬してやまない。すると孫継周は黎王が西啓(セイケイ)との縁組を拒んだと聞き及び、どうするつもりなのか尋ねた。無憂は権力争いの駒など御免だと答えたが、まだ考えはないという。孫継周は信念を貫き通す立派な姿勢だと感心し、ただ過去を手放すよう進言した。「世は花盛りですので外を歩かれてはいかがですか?娘の雅璃(アリ)も連れて行ってください」無郁は花見が好きなのでお供すると喜んだが、そこへ侍衛・冷炎(レイエン)が駆けつけた。「殿下、傅筹(フチュウ)将軍が帰還されるのでお戻りを…」傅筹が凱旋したと聞いた雅璃は思わず顔をほころばせる。実はこの傅筹こそ、容楽を刺客から助けた恩人だった。傅筹は早速、皇帝に謁見し、南境の反乱を平定して首謀者を処刑したと報告した。北臨(ホクリン)帝・宗政允赫(ソウセイインカク)は連戦連勝の傅将軍を称え、大勝を博した功により衛国(エイコク)大将軍に封じ、1等侯の爵位と1000両を与えると決める。しかし傅筹は黎王の妙計による大勝だったと謙遜し、1人だけ褒美はもらえないと言った。すると北臨帝は遠慮せずとも黎王にも別に褒美を用意しているという。「南境の3州を無憂に治めさせるつもりだ」上機嫌の北臨帝は初めて傅筹に会った時、自分にそっくりだと思ったと話す。そんな皇帝を傅筹は人知れず冷ややかに見ていた。退朝した皇太子は傅筹を呼び止め、東宮の宴に誘った。父のお気に入りの将軍を味方に引き入れたい皇太子、しかし傅筹は戦場での傷があるため、治ったら改めて訪ねるとつれない。一方、無郁は一目散に黎王府へ駆けつけた。「父皇が七哥に南境3州を任せるそうです!領土として下さるおつもりですよ! これで軍隊も持てる、太子が即位しても迫害されずに済みます」無郁は傅筹が大将軍に封じられても謙虚に兄を立てたと報告した。傅筹は朝廷に後ろ盾もなく、七兄のおかげで2階級も昇進できたのだという。容楽は傅筹の従者・項影(コウエイ)に送ってもらい、攏月楼へ戻った。しかしなぜか閑散としている茶楼、その時、突然、官兵が現れ、包囲されてしまう。「若店主だな?昨夜、黎王が茶楼で刺客に襲われた、陛下の命で関係者を捕らえて詮議する!」その様子をちょうど公主を探していた蕭煞(ショウサツ)が目撃していた。蕭煞は公主府に戻り、泠月(レイゲツ)と蓮心(レンシン)に事情を話していた。しかし運悪く、頭痛が治らない公主を心配した皇后が見舞いに来るという。そこでいつもは追い返している昭蕓(ショウウン)郡主を部屋に通すことにした。蓮心は公主が奇病を患って寝たきりだと説明し、泠月も感染してしまったと嘘をつく。驚いた昭蕓は医者を呼んだ方が良いと寝所に駆けつけたが、公主に扮した泠月と蓮心に肩をつかまれた途端、気絶した。蓮心は蕭煞からもらった香の効き目に驚いてすぐ火を消し、人を呼ぶ。蕭煞は早速、郡主が感染したと噂を流し、これで皇后も見舞いに来ないはずだと安堵した。刑部に連行された容楽は牢獄で攏月、沈魚(チンギョ)と再会した。沈魚は具合が悪く、眠っている。攏月の話では昨夜、容楽が去った後、店を調べてみると皆が薬を盛られていた。どうやら刺客は周到に準備していたらしい。しかし活動の証拠などはすべて処理し、店には事情を知らない者だけを残したと安心させた。攏月は背後にかなりの大物がいると推察したが、容楽は趙(チョウ)大人(ダーレン)の事件に巻き込まれたせいだと気づく。あの密書を見た時点でこの結果を予測すべきだった。皇太子は黎王暗殺を企てるも失敗、そこで自分たちに暗殺の濡れ衣を着せるつもりだろう。驚いた攏月はいざという時は身分を明かすよう進言したが、容楽は西啓を巻き込むことはできないと拒否した。「私より国が大事よ、皇兄の力になれぬ上、国に迷惑をかけたくないの」その頃、西啓では容斉(ヨウセイ)が密偵から急報を聞いていた。「神医の身に何か?」「いいえ、ただ黎王が攏月楼で襲われ、攏月たちが行方を消しています …ご心配なく、公主府に異変はありません」容斉は念のため必ず公主の無事を確かめるよう指示、一刻も早く攏月たちを探し出せと命じた。「ロンルア…」余文杰は牢獄から漫夭(マンヨウ)たちを連行し、大人しく罪状に拇印を押せば苦しまずに済むと脅した。呆れた容楽は一介の商人が皇族を殺す理由などないと反発したが、聞けば自分たちは尉(イ)国の間者なのだという。茶楼は世間の目を欺く隠れ蓑、漫夭たちは内乱を誘発して戦わずして滅ぼすつもりだったとう筋書きだった。すると余文杰は攏月と沈魚を縛り、認めるまで打つという。容楽は無実の罪をかぶることもできず、2人が鞭打ちされる姿を前になす術ない。そこへせっかちな皇太子が現れた。急かされた余文杰は拘束された漫夭の手をつかみ、罪状に無理やり拇印を押してしまう。一方、無憂は冷炎から攏月楼の者が官兵に連行されたと聞いていた。無郁は早速、身代わり工作だと呆れたが、七兄は弓術の稽古に余念がない。「七哥?!助けないおつもりですか?」「なぜ助ける?」「だって好きなんでしょう?…ぁ、こうなるのは予測済みですか~?」無憂はつがえていた矢を放ったが、珍しく的を外した。罪状を手に入れた皇太子は後始末を余文杰に任せた。「攏月楼の者は自供した後、全員、拷問で獄中死ということで…」余文杰は早速、その場で漫夭の首を締め始めたが、皇太子はようやく漫夭の美しい顔に気づく。「攏月楼の若店主がこれほどの美女とは!」そこで皇太子はこのまま殺すのは惜しいと欲を出した。容楽は激昂したが、身分を明かすわけにはいかない。「私に無礼を働けば、必ず何千倍にして返してやる!」皇太子は漫夭がまさか容楽とは知らず、ただの気の強い娘だと高をくくっていた。皇太子はその場で漫夭の外衣に手をかけ、辱めようとした。その時、無憂がいきなり後ろから皇太子に蹴りを入れ、漫夭を助ける。「そいつはお前を殺そうとした女だぞ!すでに罪を認めた!連れ出してどうする?!」皇太子は慌てて無憂を引き止めたが、その間に冷炎が罪状を燃やしてしまう。「私の命を狙う者は1人だ…」「七弟!含みがあるな?はっきり言え!」「太子自らが詮議するほどの大事か? …母妃の遺言が生涯、有効だと思うな、これが最後の警告だ 心を入れ替えぬなら決して容赦せぬ」無郁が天牢の門で待っていると、無憂が漫夭を抱いて出てきた。「七哥!また女子を抱いてますけど…何ともないと?」しかし無憂は何も答えず、攏月と沈魚から事情を聞いて大理寺や刑部、皇帝に報告するよう頼んだ。無郁はわけ知り顔で、急に厄介ごとに首を突っ込んだのは恋心のためかと揶揄する。漫夭だけに七兄の拒絶反応が起きないのは特別な存在だからだ。無憂は自分にも分からないと困惑し、漫夭を連れて先に帰ってしまう。皇太子は屋敷に戻って荒れていた。心配した皇太子妃は諌めに来たが、かえって八つ当たりされてしまう。「そなたを娶ったのは貧乏くじだった、西啓の公主を娶っていれば奴など目ではなかったのに…」皇太子は落ちぶれた一族の娘など何の後ろ盾にもならないと言い捨てた。つづく( ๑≧ꇴ≦)無憂の蹴りが見事に入りましたね~
2020.06.22
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白发 Princess Silver第4話「皇太子の陰謀」容楽(ヨウラク)は香魂(コウコン)楼の名妓・沈魚(チンギョ)にわざと黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)に触れるよう指示した。案の定、黎王は烈火のごとく怒ったが、容楽は趙(チョウ)大人(ダーレン)が残した密書と交換に沈魚を攏月(ロウゲツ)楼で身請けしたいと申し出る。しかし無憂は自分にとって紙切れに過ぎないと一蹴、代わりに若店主・漫夭(マンヨウ)の手と交換だと迫った。容楽は仕方なく侍衛・冷炎(レイエン)の剣を自ら引き抜き、机の上に手を置いて振りかぶる。驚いた無憂は咄嗟に茶碗を投げて阻止し、結局、沈魚を見逃して帰って行った。秦(シン)女将は黎王を怒らせた沈魚をもはや香魂楼に置けなくなった。そこで容楽は100両で沈魚を身請けすることに成功、沈魚を琴の奏者として雇い、攏月楼に住まわせることにする。自由の身となった沈魚は漫夭に感謝し、何でも話すと約束した。「あなたのお父上は秦丞相の配下だったそうね?″山河志(サンガシ)″という書物を知っている?」「はい、父が編纂(ヘンサン)に関わっていました」しかし沈魚も山河志が今どこにあるかまでは知らないという。「官兵が家に押し入った時、父は幼い私を気絶させ、人に預けて逃がしたのです…」容楽は辛い過去を思い出させてしまったと謝ったが、沈魚はこれも運命だと言った。一方、陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は漫夭から密書を手に入れ、これで皇太子を倒して趙大人の無念も晴らせると意気込んだ。しかし無憂はそれ以上に漫夭という若店主が気にかかる。「あの女子は思ったより手ごわい、何食わぬ顔でその密書を見つけていたのだ 沈魚の件もしかり…私を煙に巻こうとした、大胆不敵な若店主だ」やがて日が暮れた。公主府では蓮心(レンシン)が公主の薬を準備していたが、なぜか外から錠をかけられ、閉じ込められてしまう。すると総管・秋怡(シュウイ)が回廊に置いてある藁に火を放った。こうして厨房から火の気が上がり、使用人たちが一斉に消火に向かう。騒ぎに気づいた侍衛・蕭煞(ショウサツ)は公主の身代わりの泠月(レイゲツ)を部屋に残し、急いで様子を見に行った。その時、吏部尚書の息子・余文杰(ヨブンケツ)が巡回中に煙が見えたと言って公主府にやって来る。秋怡は人手がなく困っていたと感謝し、目配せして中に入れた。火事で使用人が出払う中、公主の寝殿に黒衣の刺客が侵入した。しかし中庭で使用人を襲う刺客を見た秋怡は動揺を隠せない。…刺客が出るなんて聞いてないわ、追及されたら死罪になるやも…そこで自ら頭を打ち、気を失ってしまう。蕭煞は燃え盛る厨房へ飛び込み、倒れている蓮心を救出した。一方、刺客は公主の寝所に侵入し、逃げようとした泠月の首を突いて気を失わせてしまう。そこへ刺客を追うふりをして余文杰が現れた。刺客は剣をかんぬき代わりにして扉を閉めると、役目を終えて逃げ出して行く。しかしちょうど公主府に戻った容楽が回廊で刺客と出くわし、後ろから殴り倒した。容楽は異変を察し、急いでからくり窓から寝所に入った。すると驚いたことに余文杰が意識のない泠月の衣を脱がそうとしている。激怒した容楽は花瓶を手にし、いきなり余文杰の頭を殴りつけて気絶させた。「泠月!しっかりして?もう大丈夫よ、ひとまず隠れてちょうだい」容楽は泠月を逃がしてから衣を少しはだけ、助けを呼んだ。公主府の騒ぎは北臨(ホクリン)帝の知るところとなった。そこで翌朝、北臨帝は容楽を呼び、侍医に脈診させる。容楽はちょうど毎月の頭痛が始まっていたため、侍医は極度に驚いたせいだと診断した。面目を潰された北臨帝は激怒したが、余文杰はあくまで刺客を追っていただけだと釈明、公主に誘われたと見誤っただけだと訴える。そこに慌てて父の余世海(ヨセイカイ)が駆けつけた。するとすでに捕らえた刺客を連行し、晨(シン)国の間者で北臨と西啓の離間を狙ったと報告する。北臨帝は直ちに打ち首を命じたが、余将軍の処分は公主に任せることにした。容楽は激しくなる頭痛をこらえながら、穏便に済ませたいと申し出る。「私には北臨に嫁ぐという使命があります、大ごとになれば私の名節が傷つく それに兄が知ったら悲しみます、両国の関係にも影響が…」余世海は公主の寛大な対処に安堵し、さすが道理をわきまえていると称賛した。そこで蕭煞はこの機に乗じ、公主府の侍衛を信用できる西啓の侍衛と入れ替えて欲しいと嘆願する。北臨帝は止むを得ず了承し、どちらにしても無礼を働いた余文杰に杖刑(ジョウケイ)50回と2階級の降格を言い渡した。公主府の侍衛は全員、交代になり、何より目障りだった秋怡も追い出した。しかし余尚書が刺客の身代わりを使ったことから、この件は追求できなくなってしまう。実は容楽が気絶させた刺客は泠月と蓮心が2人で縄で縛って薪部屋に運んでおいたが、蕭煞が始末していた。泠月は元気そうに振舞っていたが、やはり心の傷は癒えていなかった。蕭煞はそんな泠月に気づき、自分がうかつだったと謝罪する。「余という奴は絶対に許さん!」泠月はそんな蕭煞の言葉に心をときめかせた。北臨帝は公主の刺客の件が皇太子と余尚書の企みだったと気づいていた。しかしおおっぴらにすれば北臨の恥をさらすことになる。このまま皇太子に北臨を継がせてよいものか…。皇兄の嘆きを聞いた范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)は、本当は無憂を後継者にしたいのだと分かっていた。「でも無憂は皇兄を誤解しています…」「…また雲児(ウンジ)の忌日が巡ってきた、生前、朕は約束した、裏切るわけにはいかぬ」実は雲貴妃は無憂が権力争いに巻き込まれないよう、爵位を与えるだけにして欲しいと遺言を残していた。皇太子は父の機嫌を取るため、思雲(シウン)陵で待っていた。やがて北臨帝が来たと気づくと陵墓に向かって丁重に拝跪し、雲貴妃は自分にとっても実の母同然だと告げる。しかし父が陵墓に入ると、途端に面倒臭そうな顔になった。無憂は美しいまま保存されている雲貴妃の棺に寄り添っていた。「母妃…会いに来ました、いつも謙虚で耐えてばかりでしたね? 生涯をかけて得たのは悔恨のみ…私は同じ轍は踏みません、自由に生きます 誰にも邪魔はさせません」北臨帝は思いがけず息子の嘆きを聞いた。「雲児、朕が会いに来たぞ?」「…あなたのせいで母は死んだ、お帰りください」「符鴛(フエン)が朕の酒に薬を盛ったから…雲児が被害に…」「誰が符鴛を北臨へ?権勢を得て成り上がるため、あなたは母を裏切り、他の妃を娶った 母を傷つけ、死なせたのです」「致し方なかったのだ、すべては北臨のため、宗政一族の大業のためだ!」「陛下は強欲な方です…自分に有利と計算したからでしょう? 他の女子を娶ると分かっていながら、母の心をつかむために嘘の約束をした、だましたのです」「愛したのは雲児だけだ、なぜ分かってくれぬ?」しかし無憂は父の嘘や裏切りのせいで母が生涯、苦しんだと責め、父を一生、許さないと断言する。北臨帝は何も言い返せず、深く傷つきながら陵墓をあとにした。容楽は唯品(ユイヒン)閣で攏月から報告を聞いていた。公主府の火事はやはり余家父子の策略で、追い出された秋怡は郊外の屋敷で骸が見つかったという。恐らく余家に金銭で買収され、口封じされたのだ。余家の勢力は根強く、皇太子と癒着して利益を得ていた。「ところで余家は山河志とつながりがあります 余家の屋敷はかつての秦家、秦永が設計したのです 秦家が誅滅されたあと、余世海に下賜されました」しかし用心深い余世海は屋敷を大幅に改修し、もはや要塞のようだという。そこで容楽は兄にも報告するよう頼み、一緒に文を託した。すると日も暮れたというのに黎王が来たと報告が来る。「お母上の忌日なのになぜでしょう?」無憂は攏月楼で何度か茶を飲んだが、月並みだったと言った。しかし容楽は茶道の神髄は味ではなく、飲む人の心持ちだと諭し、自ら黎王に御点前を披露する。すると無憂は茶を飲んで少し口角を上げた。「ふっ…茶の神髄は心持ちだと言ったな?私の今の心境はどのように見える?」「恐らく何かにお困りなのでは?」「どうやら心も読めるようだな?」「殿下、″往者不可諫 来者猶可追″…わだかまりを捨ててお茶を楽しんでは?」「…そなたのような女子は初めてだ、聡明で弁も立つ ただ時々、大胆不敵で一筋縄ではいかない」「芝蘭(シラン)は深林に生えていても香りを放つ…殿下も同じです」「私を褒めたのか?それとも自画自賛か?」容楽は失笑すると、無憂は碁盤がある卓に気づいて対局しようと誘った。無憂は碁を打ちながら漫夭を探った。「そなたは最初はぎこちなかった、でもここ何局かは勝てるのにわざと負けている そしてうわの空だ」「碁は久しぶりなのです、殿下は気晴らしに来たのでしょう? 単なる遊びです、真剣になる必要はない」「漫夭か、″桃の夭々たる灼々たり其の華、其の室家に宜しからん″…そなたの名も同じ意味か?」「では殿下の名には″憂い無き人生″という意味が?」「厳密には″無有″だ、何も持っていない、何も得られず、何も残せぬ人生だ」容楽はまた失笑したが、その時、黒い鬼面の刺客が現れた。黎王の侍衛・冷炎(レイエン)が飛び出し、刺客に応戦した。しかし無憂は我関せず、そのまま碁を続ける。容楽はなぜか安心して一緒に碁を打っていたが、思いがけず刺客が次々と現れた。やがて刺客が背後から容楽に迫り、無憂は咄嗟に飛び出して刺客を始末する。すると今度は前から刺客が襲いかかり、無憂は思わず漫夭の腕をつかんで助けた。無憂は漫夭を腕に抱いたまま刺客を退け、全て片付けた。我ながら女子の身体に触れられたことに驚く無憂、そこへ攏月が陳王を案内して来る。「七哥?!平気になったので?女子に触れるように?禁忌を破るなんてどうしたのです?!」すると無憂はばつが悪そうに足早に帰って行った。容楽は攏月に後始末を任せ、ひとり公主府へ向かった。しかし途中で再び黒い鬼面の刺客たちに襲われてしまう。そこへ水路を進む舟がやって来た。舟の男は女が襲われていると気づいたが、孤軍奮闘の容楽を尻目に優雅に茶をたしなんでいる。やがて多勢に無勢、容楽はついに腕を斬りつけられた。するとそこで舟の男が加勢し、容楽は危ないところで救われる。つづく※往者不可諫 来者猶可追=(論語)往者は諫むべからず、来者はなお追うべし(過ぎ去ったことは取り返しがつかないが、未来のことは自分次第でどうにでもなるという意)( ー̀ωー́ )<そなたのような女子は初めてだ…もう常套句ですなw
2020.06.21
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白发 Princess Silver第3話「後宮の宴」西啓(サイケイ)の諜報機関となる攏月(ロウゲツ)楼を訪ねた容楽(ヨウラク)。しかし思いがけず地方官吏の趙(チョウ)が刺客に殺される事件に巻き込まれてしまう。黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)は目の前にいるのが許嫁の容楽だと知る由もなく、何者かと聞いた。「茶楼の若店主・漫夭(マンヨウ)と申します」容楽は気がついた時には争いに巻き込まれていたと説明し、趙大人(ダーレン)の小箱も知らないとごまかす。すると無憂は黙って引き上げて行った。公主の迎えに来た蕭煞(ショウサツ)は騒ぎが収まってから姿を見せた。容楽は攏月に蕭煞を紹介、そして攏月から趙大人が落とした密書を受け取ると、秘密の地下道から帰って行く。一方、攏月楼を出た無憂は若店主の素性を怪しみ、陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)に漫夭を調べるよう命じていた。無郁は七兄が女子に興味を持ったことに驚くが、呆れた無憂は無視して馬にまたがってしまう。その夜、無郁が黎王府を訪ねると、七兄が中庭で土笛を吹いていた。土笛は亡き雲(ウン)貴妃がよく吹いていた思い出がある。実は無郁は4歳の時に生母を亡くし、それ以来、雲貴妃に育てられた。「雲貴妃は私にとって実の母も同然です 七哥はあの頃、私が目障りだったはず、私に母親を奪われていたから… でも私が誰かに虐げられると、率先して守ってくれた」すると無憂は笛を止めた。「例の件を調べさせるためにそんな話を?」「七哥、雲貴妃の顔に免じて一緒に…(ゥッ)失言でした」「私が嫌がる話は分かっているはず、今の言葉を撤回しろ」「…申し訳ありません」無郁は仕方なく帰って行った。容楽は趙大人の密書を確認、どうやら皇太子と吏部(リブ)尚書の不正を暴いている文だった。蕭煞の話では皇太子は無能で腹黒く、心の狭い人物だという。どうやら要注意人物らしい。すると容楽はまだ記憶が戻らないことから、蕭煞に探りを入れた。「あなたも私の過去を知っているわよね?初対面はいつ?」「陛下が公主を冷宮から出した時かと…」「私と皇兄もその時が初対面?」「いいえ」「初対面はどこで?」「それは…存じません、護衛とは言え陛下から離れる時もあります」そんなある日、容楽は皇后が主催する宴に招待された。招待客には独り身の王子たちが名を連ね、万が一のために容楽と見合させようという魂胆らしい。容楽は何やら思いつき、仮面を着けて出かけることにした。容楽と侍女・泠月(レイゲツ)は後宮へ到着して早々、中庭でもめている清河(セイカ)王の世子と昭蕓(ショウウン)郡主の姿を見かけた。昭蕓は幼い頃から親や兄弟がおらず、叔父の元で育ったという。どうやら世子が嫌がる昭蕓郡主を追いかけ回しているようだ。すると逃げて来た昭蕓郡主が咄嗟に容楽に助けを求め、思いがけず巻き込まれてしまう。「西啓から来た醜い公主か?でしゃばるな、黎王に拒まれ、別の相手を探しているんだろう?ふん」「ふっ、黎王に負けず劣らず度胸があるようですね…」そんな2人のいざこざをちょうど後宮にやって来た無憂と無郁が見ていた。「仮面を取って醜い顔を見せろ!」世子は容楽の仮面に手を伸ばしたが、容楽はあっさり交わし、数手で世子を転ばせてしまう。その時、うっかり仮面の紐が緩んで外れそうになった。無憂は思わず顔を見ようとしたが、容楽は仮面を顔から離さず、そのまま泠月が紐を結んでしまう。( ゚д゚)あっ!←思わず一緒に焦ってしまうw世子は宮中で狼藉を働き、無憂に追い出された。何でも清河王が老いてからもうけた子のため、甘やかされているのだとか。「無憂哥哥たちが来てくれて助かったわ~」昭蕓郡主はどうやら2人の王と顔なじみらしい。すると無憂は容楽に武術の心得があるのかと声をかけた。容楽は黎王の禁忌を思い出し、わざと近づいて動揺させる。「予想外でしたか?もっと私を知れば他の特技も見つけられます」そこへ皇后が現れた。皇后は黎王にも参加するよう勧め、公主に孫雅璃(ソンアリ)を紹介した。孫雅璃の父は中書監(チュウショカン)で無憂の師だという。しかし無憂は用事があると断って帰って行った。無郁の話では間も無く忌日のため、雲貴妃の遺品を取りに来ただけだという。「毎年、親孝行だこと…では黎王の代わりに無郁が宴に参加しなさい」「ぁあ?」宴が始まると、皇后は容楽に公主府の暮らしに不便はないか聞いた。容楽は快適に過ごしていると答えたが、ただ外へ出る時に大勢の侍衛がついて来るため目立ってしまうと訴える。「私にも侍衛がいます、西啓の兄が特別に遣わした者です」「そうなの、では公主府に申し付けておくわ、今後は公主がでかける時、侍衛は同行せぬようにと」「感謝します、娘娘(ニャンニャン)」すると皇后が陳王にひとりで食べていないで公主に気を使うよう促した。容楽は陳王が風流で女子を大事にするともっぱらの噂だと褒め、陳王の世話になれるなら楽しく過ごせそうだという。喜んだ皇后は2人の中をとり持とうとしたが、陳王はわざと嫌われることにした。「私はお茶を飲むのが好きです、陳王の趣味は?」「私は…妓楼巡りが好きだ」「私も西啓で色々な所へ行きましたが妓楼だけはまだです、今度、連れて行ってくれませんか?」容楽は陳王への理解を深めるために、どんな娘が好みなのか知りたいという。失笑を買った無郁は憤慨、気分がすぐれないと断って帰って行った。余世海(ヨセイカイ)は息子の余文杰(ヨブンケツ)を連れて皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)を訪ねた。実は公主が皇后主催の宴の席で公然と陳王に好意を示したという。皇帝が黎王と近い陳王に公主を嫁がせれば、結局は黎王が娶るのと影響は変わらない。相変わらず皇太子は歯牙にも掛けなかったが、黎王が官職売買の件を調査中だと聞いて動揺した。「普段から自由気ままを装い、私の目を欺きながら裏で画策するとは…」そこで余世海は公主を自分たちの手に者に娶らせようと提案した。しかし皇太子は父皇が認めるはずないという。ならば既成事実を作って認めさせるしかない。一方、皇后は年頃になった孫雅璃を心配していた。実は幼なじみの黎王がお似合いだと思っていたが、今や西啓の公主という正式な許嫁がいる。皇后は孫雅璃の母と姉妹同然だったこともあり、何とか良い縁をと願っていた。皇后を利用して護衛を遠ざけることに成功した容楽はようやく堂々と外出することにした。しかし総管・秋怡(シュウイ)が自分も同行するという。「やっぱり出かけない、部屋へ…」仕方なく容楽はまた泠月に身代わりを頼み、公主府を抜け出した。無郁は黎王府の中庭で昭蕓を見つけた。「ここにいると思った!まだ世子に腹を立てているのか?」「いいのよ、あなたたちがいれば何も恐くないわ、それに公主という味方も増えたしね~」「何が公主だ!騙されるな?顔が醜くて、とんでもない変わり者だぞ?」「あんな優しい人が醜いわけない!初めて会った時から親しみを感じたの なぜ無憂哥哥は娶りたくないのかしら?」無郁は災いから離れるよう助言したが、かえって昭蕓に怒られてしまう。容楽は山河志(サンガシ)の手がかりを得るため、男装して香魂(コウコン)楼へやって来た。そこで攏月から聞いた名妓・沈魚(チンギョ)を指名したが、秦(シン)女将は先約が入っていると告げる。「あのお二人です」容楽が振り返ると、ちょうど黎王と陳王が2階へ案内されているところだった。…酒色は好まないはずでは?そこで容楽は1曲だけなら時間は取らないと提案し、金を積んだ。秦女将はまず容楽の部屋に沈魚を向かわせた。噂に違わぬ美しさに容楽は思わず″天下一の美女″だけあると感心する。そこで実は遊びに来たのではなく、取引したいと持ちかけた。「16年前、とある地方官吏が秦永(シンエイ)の反逆に関与し、一族79名が皆殺しとなった だが数えてみると骸が1体、足りない…官吏の娘がいなかったらしい」その官吏の姓は″于(ウ)″で、娘が明け方の卯(ウ)の刻に生まれたので″于晨(ウシン)″と名付けられたとか。「沈魚(チェンユー)、チェンユー…ユーチェン、于晨(ユーチェン)…?」沈魚は驚いて警戒したが、容楽はただ昔のことを聞きたいだけだと言った。「報酬も出す、言い値で…」「ここを離れたいと言ったら?叶えてくれる?でも強欲な女将が私を手放さないわ~ ただ後ろ盾を黙らせれば話は別だけど…陛下の次に偉い人よ?」容楽は皇太子だと気付いた。すると廊下から沈魚へ部屋を移るよう声がかかる。「姑娘?私を信じるか?今日、連れ出してやる」「本当に?」沈魚は黎王と陳王の部屋へ移動し、竪琴を弾きながら舞を披露した。そして容楽から指示された通り、舞の最中に青い衣の男に触れることにする。容楽は怪我はしても命の危険はない、あとは自分に任せろと指示したが…。無憂は激昂し、沈魚を廊下まで吹き飛ばした。「助けてーっ!」沈魚は慌てて階下へ逃げたが、追いかけて来た侍衛・冷炎(レイエン)に剣を突きつけられてしまう。「この子が一体、何をしたと言うのです?」秦女将は店一番の売れっ子を傷つけられてはたまらないと沈魚を守った。「不注意で黎王殿下に触れただけよ!」「黎王って…?!」秦女将は焦ってすぐその場にひざまずいた。「なぜ黎王だと分かった?」「風貌から高貴な身分だと察していましたが、″七哥″と呼ぶのを聞き黎王と確信しました」しかし無憂は無情にも冷炎に沈魚を始末しろと命じた。「待て!」容楽は危ないところで無憂を止めたが、あっさり攏月楼の店主だと無憂に見破られてしまう。一方、公主府では泠月が公主になりすまして時間を稼いでいた。蕭煞は機転を利かせて秋怡を追い払い、自然と泠月との距離も縮まって行く。すると泠月は公主が記憶を失ってから毎月、決まった時期に頭痛を起こすと思い出し、蓮心(レンシン)にそろそろ薬の準備をするよう頼む。「絶対、他の者に薬を触らせないで」無憂たちは容楽と部屋に入った。そこで容楽は趙大人が残した密書と交換に沈魚を助けて欲しいと訴える。実は死人が出た部屋は不吉なので改修したが、壁の中にこの紙が入っていたと嘘をついた。しかし無憂は紙切れに過ぎないと一蹴、代わりに漫夭の手と交換だと迫る。つづく
2020.06.21
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大明风华 Ming Dynasty第12話「皇帝の苦悩」永楽帝・朱棣(シュテイ)は意識が戻った孫若微(ソンジャクビ)を見舞った。「少し話をしないか?途中で寝ても構わない…出身はどこだ?」「山東(サントウ)の鄒平(スウヘイ)です」「暮らしぶりはどうだ?」「以前は良かった…」「以前は?どういう意味だ?ふっ、今は悪いのか?」「子供の頃、街で芸人が″鳳陽歌(ホウヨウカ)″を歌っていました 安徽(アンキ)から来た難民です、あの歌詞が今の状況を表しています…」「なるほど、では聞かせてみよ」「鳳陽というのはどんな所なの~?鳳陽は元々よいところだった~ でも朱という名前の皇帝が現れ~それから10年のうち9年は大飢饉~ 叔父と甥が~互いに争う~民はただ苦しみ続けるばかり~」「やめろ!」永楽帝は思わず声を荒げたが、何とか平静を装った。「ずい分と威勢のいい詞だな?″朱という名前の皇帝が現れた″か…朱家一族に対する侮辱だ 私の北伐は辺境の民を救うためだった!運河修復は南北の往来を促進するためだ! ″民が苦しむだ″と?…ふざけた話だ!公正な評価をしていない!」「それなら民はどうやって嘆けばいいと!」「いずれ明らかになる!私が国に尽くしたことは後世で正しく評価されるのだ! ぁ…ふっ、私としたことが小娘を相手に何を…ふっふふ」永楽帝は余裕を見せて話を続けるよう促したが、やはり耳が痛いのかやめろと言った。「率直に物を言う娘だ…」すると若微はふてくされて横になってしまう。監国を任された漢(カン)王で第2皇子・朱高煦(シュコウク)の決定で、軍需拡大の資金不足を兄弟3人が負担することになった。金欠の皇太子・朱高熾(シュコウシ)は皇太子妃・張妍(チョウケン)に無心したが断られ、悩んだあげく水西(スイセイ)門で太子府の家具を売り始める。噂を聞いた朱高煦は皇族の面汚しだと憤慨したが、このまま皇太子の評判を落とした方が得策だと気づき、見逃すことにした。孫愚(ソング)・徐浜(ジョヒン)・聶興(ジョウキョウ)は解放され、骨董店へ戻った。するとその夜、早速、朱瞻基(シュセンキ)が現れる。「ある朝廷の者がお前たちを駒にして皇上と太子を陥れようとしている 皇上は靖難(セイナン)の遺児にたいする処遇を改め、遺児を赦免(シャメン)しようと考えている もし仲介する者がいれば自ら建文(ケンブン)に会い、誤解を解きたいと思っている」聶興は虫の良い話に激昂、思わず朱瞻基の胸ぐらをつかんだ。「俺たちを赦免するだと?よくそんなことが言えたな!」「…ひとつ約束しよう 事が成就したら3万人いる靖難の遺児が都に帰れるようにし、家族も含めて名誉を回復する どうだ?」孫愚はそれより若微を返して欲しいと頼んだが、徐浜は若微が皇帝をかばって矢傷を負い、重症だと教えた。「若微は私たちを守ろうとしたのだ、お前が死ねば苦労が無駄になるぞ?」聶興は徐浜になだめられ、おとなしくなる。そこで朱瞻基は若微の恩に報いるためにも冷静に話し合いたいと訴え、その夜は帰ることにした。朱瞻基が店を出ると、徐浜が現れた。「三叔に何と言って仲間を解放させたのだ?」「″靖難の遺児とあなたは関係ない、だが皇上に追及されたら巻き込まれるやも″と…」「三叔が遺児と無関係だとなぜ判断した?」「推測だ…漢王と趙(チョウ)王が一心同体なのは周知の事実 ならばなぜ皇上は趙王に北鎮撫司(チンブシ)を? 2人を離反させ、謀反を防ぐためだ、皇上らしい策略だ」朱瞻基は洞察力のある徐浜を気に入った。「いつか剣の手合わせを…」しかし朱瞻基が帰った後、第3皇子・朱高燧(シュコウスイ)率いる北鎮撫司が骨董店を襲撃、3人は応戦したが多勢に無勢、捕らわれの身となってしまう。一方、鶏鳴(ライメイ)寺に戻った朱瞻基は、無事に床を離れた若微に琴を見せた。「これは貴重な琴だ 建文が在位していた頃、太学で方孝孺(ホウコウジュ)が弟子に六芸を教える際、使っていた 残念ながらこれを弾いていた人間は皆、この世を去った 唐(トウ)時代の名品なので師匠が目に留め、寺に置いたのだ 君にふさわしいと思い、持って来た…」「…何が聴きたい?」「君はどこから来て…どこへ行くのだ?」若微は琴弦を指で弾くと、死と背中合わせだった幼い頃を思い出した。「私は苦難の道を歩むと誓った…」…若微たちは流罪になった。多くの遺児たちが送られて来たが、若微のいた集団では年寄りが家事だけでなく易経(エキキョウ)も教えてくれたという。若微はそのおかげで本が読めるようになった。世界には憎しみだけでなく、美しいものもあると知ったが、むなしく思うこともあったという。「書物の世界と悲惨な現実はあまりに違っていた…」ある時、聶興は将軍だった孫愚を頼り、朱棣を殺すため逃げようと提案した。孫愚は相手にしなかったが、若微が興味を持つ。「聶興哥哥…」「若微も父さんと母さんの敵を討ちたいか?死ぬかもしれないが、こんな苦しみは終わる… 若微はどうしたい?言ってみろ」驚いた孫愚は聶興をつまみ出したが、若微は書物を置いて義父に言った。「私は行く…野たれ死には嫌よ…」朱瞻基はヌルガン都司で3万人が服役した話を祖父から聞いたことがあった。しかし服役者たちがその後、どうなったのかは知らない。今の朝廷では禁じられた話題だった。「これまで私が君にしてきたことは…ぁ… こうしよう、傷が治ったら君を解放する、2度と都へは戻るな」「…どうして?太孫殿下、建文帝に会いたくないの?」「爺爺の苦悩については父も2人の叔父も知っている 二叔は君たちの命運を握り、利用して爺爺を追い詰めている 三叔も陰険で何を考えているか分からない 私は…爺爺を守って戦死したい、そうすれば後世で廃位された太孫と言われずに済む はあ~…爺爺に報告して君を自由にしよう」「…手柄を立てないの?」「建文を見つけても殺すのは祖父の本意ではない、だが生かしてもおけぬ 確かに今までは手柄を立てたかった、二叔を弾劾するつもりだった だがつまらぬ争いをすれば私も二叔と同じだ」「(*゚▽゚)*。_。)*゚▽゚)*。_。)ウンウン」「ゆっくり休め…」すると朱瞻基は帰り際、ふと足を止めた。実は孫愚たちと″建文に会わせてくれるなら3万人の遺児を赦免する″と約束したという。驚いた若微は思わず席を立った。「…できるの?」「難しいな…」孫愚たちは骨董店からこつ然と姿を消した。朱瞻基は部下から恐らく掃討作戦だと報告を受ける。血痕はあるが死体はなく、護衛は殺され、多人数で襲撃した様子なのに兵馬司に動きがなかった。「常人にはできぬ所業です」一方、朱高燧は鶏鳴寺に父を訪ねていた。「例の者を捕らえ、囚人車で連れて来ております」そして証拠となる小さな武器を父に差し出す。「どこの物だ?」「調査中です」「共謀者を探し出せ、奴らの目的が何か、内通者がいないか調べろ」永楽帝は朱高煦との関係を心配していたが、朱高燧は関係ないと否定した。捕縛も秘密裏に行ったため朱高煦はもちろん誰も知らないという。「…高煦は自信家で、すべてが手中にあると思っている、そこが私とは違う」「二哥はやり過ぎる傾向がありますが、最近の瞻基の行動こそ目に余るのでは? 金令牌(キンレイハイ)を笠に威張っていることは都中の者が知っています」「中傷か?」「とんでもな〜い、かわいい甥ですよ〜とにかく私は父上の僕です」すると永楽帝は皇太子の店の様子を聞いた。朱高燧はあの計算高い皇太子妃のこと、売り物は不要な家具ばかりだろうと笑う。「恥知らずにも商売などして、二哥は苦々しくお思いです」朱高燧は父への報告を終えて帰ることにした。すると慌てて鶏鳴寺に戻って来た朱瞻基と出くわす。「何を慌てている?」「実は仲間が失踪しまして…」「失踪した仲間の名前は?私が探してやろう」「…どこを探すのです?北鎮撫司ですか?」「ふっ、天に誓うが、もし北鎮撫司に彼らがいたら私を殴ってもいいぞ?」どうやら本当に北鎮撫司にはいないらしい。「瞻基よ、二叔に楯つくな、父親に従うばかりでは後がないぞ? 市中で家具など売っている場合か?爺爺の不興を買っている、早く父親を連れ戻すがいい かわいい甥のためだから教えてやったのだぞ?」朱瞻基は慌てて祖父の元へ向かった。しかし侍衛に止められてしまう。「皇上はお会いになりません 伝言です、″金令牌を返却せよ、父親と家具を売るが良い″と…」朱瞻基は三叔父にやり込められ、祖父にも会えず、金令牌も奪われ、やり場のない怒りを抱えて鶏鳴寺を後にした。朱瞻基の怒りの矛先は市中で家具を売る父に向かった。激昂した朱瞻基は剣を抜いて客を追い散らし、父を東宮へ連れ帰る。「恥ずかしくないのですか!爺爺もお怒りです! なぜ父上は胸を張って生きようとしないのですか?!」しかし鬱憤を晴らしたくても父は暖簾に腕押し、頭を抱えた朱瞻基はお役御免になったと嘆いた。すると朱高熾は笑い飛ばし、悔しがる息子を尻目に、外へ行った方が良いと言って戸を開ける。朱瞻基は悶々とした気持ちをどこにぶつけたら良いのか分からず、長椅子に倒れ込んで涙をこらえた。そこで朱高熾は血気盛んな息子を戒める。「爺爺の寵愛さえあれば上りつめられると思わぬことだ 人から与えられるものは容易に取り上げられることもある …お前は爺爺に甘やかされた、私が注意しても馬耳東風だ 昨日まではその錦衣衛の服を着て意気揚々だった、調子に乗ると足をすくわれるぞ?」「…私が犬の世話をすれば(ゥッ…)満足ですか?」朱瞻基は涙声だった。朱高熾は仕方なく昔話を聞かせることにした。それはまだ朱瞻基の歳の頃、朱高熾は父が正気を失ったと思っていたという。しかし少し年を取ると、父の心中はとても計り知れないと思うようになった。実は靖難で使った武器は燕(エン)王府の地下で製造したという。父はアヒルやガチョウを飼い、その鳴き声で鉄を打つ音をかき消していたのだ。建文の部下は何も知らず、いつも武器庫の上を歩いていたという。「彼らは気づいていなかったが、その時、すでに彼らの命は閻魔大王に握られていたのだ 取られていなかっただけでな…」するとふてくされていた朱瞻基が起き上がった。「当時、私は燕王府の政務を執っていた、屋敷にいるのは正気を失った父と敵だけ 真相を知っているのは私ひとりだった、あの時、私は悟ったのだ 人間の心ほど、この世で恐ろしいものはないのだと… 今も父の心は何を考えているのか到底、計り知れない 叔父たちのことなら好きに騒がせておけばいい、私はお前とお前の娘(ニャン)の命を守る」朱高熾はしみじみ臆病でいるくらいがちょうどいいと言った。「年を取ると歯は抜けてしまう、だが舌は残るだろう? 引っ込めて生きている方が長生きできる」朱瞻基は父の胸中を知り、すっかり立ち直って出て行った。朱高煦は趙王府を訪ねた。何やら機嫌が悪い兄に困惑する朱高燧、実は何度も鶏鳴寺に足を運んでいると二兄にばれていた。「教えろ、父上は何を考えている?」「父上に怒られてばかりの私が二哥に何を教えろと?あははは~♪」その時、趙王妃が酒肴の準備ができたと声をかけ、運良く話は断ち切れとなった。一方、朱瞻基を追い返した永楽帝は若微と球遊びに興じていた。若微は永楽帝が転がした球が指した方位盤を見て尋ねる。「志なければ神を頼む必要なし、何か望みは?」「あるとも、100年後、200年後にお前たちの子孫は私をどう見るか?」永楽帝は領土を倍にしたと誇り、自分ほど功績を残した皇帝がいるかと聞く。「偉大な皇帝の武功には及ぶ者なし… でもあなたのその偉業の裏で何人が白骨に化したと?何人の涙が流れたの?」今度は若微が球を投げたが、永楽帝が転がってきた球を止めた。「怖くないのか?」「私は一度、死んだ身…怖くないです 昨夜、夢を見ました、母に会ったの…母を亡くして分かったわ 母のそばにいた時が人生で一番、幸せでした…だけど2度と戻れない」「そんな話を聞いたら、私は黄泉で何と言えばいいのか…靖難のことは?」「…知っています」「私は大きな過ちを犯した、償いをしたいと心から思っている…はあ~ やめよう、興がさめた」若微は思いがけず永楽帝の苦悩を知った。一方、趙王府では王妃が漢王に秀女に誰を推薦するのか聞いていた。「太子の長子の婚儀は一大事です 皇上が太子だけでなく私たちにも推薦しろと命じたのですから、無視できません 私の推薦した娘が嫁げば、半分は姑になれるかも…」朱高燧はバカな話をするなと王妃を下げ、実は二兄が喜ぶ話があると切り出した。つづく(  ̄꒳ ̄)半分は姑?漢王がピコーン!となっていそうw朱瞻基のパパだけあって、皇太子はやはり只者ではありませんでしたね〜
2020.06.20
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大明风华 Ming Dynasty第11話「死のふち」園遊会で刺客に襲われた永楽帝・朱棣(シュテイ)。その翌朝、皇太子・朱高熾(シュコウシ)が関わっていたとして東宮から官吏を引き上げてしまう。朱瞻基(シュセンキ)はなぜこれほど早く断罪されたのか戸惑っていたが、ひとまず急いで孫若微(ソンジャクビ)を連れて皇宮を出た。永楽帝は第2皇子・朱高煦(シュコウク) を呼び出した。「高煦よ、恨むでないぞ?…私に似ていてもお前は長子ではない、こらえてくれ」朱高煦はいよいよ雲南(ウンナン)行きを命じられると誤解し、泣き出してしまう。「父上、兵権などいりません、王の座も捨てる…そばを離れません…うっ…」すると永楽帝は皇太子が謀反を働くとは驚いたとぼやき、監国の地位を引き継ぐよう命じた。一方、朱瞻基は意識が戻らない若微を鶏鳴(ライメイ)寺へ連れて来た。老和尚・姚広孝(ヨウコウコウ)はまだ脈が弱いものの落ち着いていると話し、苦労が伴っても生きて欲しいかと問う。朱瞻基それでも構わないと答えると、姚広孝は心を込め、信じて呼びかけるよう助言した。朱高煦は監国の地位を引き継ぐため早速、東宮を訪ねた。中庭でのん気に犬と戯れていた朱高熾はすでに御前司の者が来たと話し、六部の文書や毎年の朝廷の予算、土地と民の記録も全て渡すという。朱高煦は父が長兄の謝罪を待っていると探りを入れたが、朱高熾は我関せず、早く文書を運ぶよう急かした。朱瞻基は若微に付き添い、これまで誰にも明かしたことがない胸中を吐露した。…初めて君を見た時、自分の姿と重なった…うろたえたあの表情、何が起こるのかと怯えていた…私は単に経験を積んだおかげで平静を装えるだけ、不安に怯える夜にも慣れた…暇ができると天牢で過ごしたいと思う…人生が止まったような感覚になれるからだ…いつ刀や槍に襲われ、皇太子である父が殺されるか分からない、もちろん息子の私も…そういう運命なのだ…今の君よりずっと幼い頃、人に言われた、お前は逆賊の孫なのだと…足をすくわれれば一族皆殺し、だからこの私が君より幸せだとは思わない…君の過去は問わない、それは君の問題だ…もしここで死ねば、後悔するぞ?私のような男には2度と会えないのだからしかし若微はなかなか意識が戻らず、不安を募らせる朱瞻基も憔悴して行った。「矢を受けたのが私なら良かったのに…」ある夜、永楽帝が鶏鳴寺へやって来た。朱瞻基はやっと祖父に会えると急いで駆けつけ、父は暗殺に無関係だと訴える。すると永楽帝は身体の弱い皇太子を少し休ませるのも良いと言った。「へ?爺爺は私にも会いたくないと仰せとか…」「ヤレヤレ〜そこまで話が膨らんでいたか?会う必要がないと言っただけだ、よし、あの女子に会うぞ」朱瞻基は狐につままれたような顔になり、祖父の後に続いた。永楽帝は娘のカサカサになった唇を見て心配した。「どうした?唇が割れておる」「水を受け付けぬので塩水で口を拭いています」すると永楽帝は娘の哀れな姿に痛み入り、思わずため息を漏らした。「何度も戦を重ね、あまたの矢を受けて来た…女子に守られたのは初めてだ、悔やまれる」永楽帝はたまらず部屋を出ると、ゆっくり考えたいと言った。「女子の家族を呼べ、会いたい」朱瞻基は収監した徐浜(ジョヒン)・孫愚(ソング)・聶興(ジョウキョウ)に会うため、詔獄(ショウゴク)へ向かった。すると徐浜は機嫌が悪い朱瞻基の様子で何かあったと見抜く。図星だった朱瞻基だったが、若微が具合が悪いので1人だけ面会させるとだけ伝えた。「水に落ちて熱を出した、侍医も治療に手こずっている」「私は医術の心得がある…」監国を任された朱高煦は皇太子でも使ったことがない尚書房に入り有頂天だった。そこで皇太子を呼び出し、力を貸して欲しいと頼む。実は父が神機(シンキ)営に銃2000丁と大砲50門を揃えたいらしいが、どう見ても金が足りなかった。朱高熾は″鍋の大きさに合わせて料理を作る″で良いと助言したが、朱高煦は父の意向である軍需拡大を監国として成功させたいと訴え、戦では火器が勝敗を分けると熱弁を振るう。そこで不足分の3万両あまりを兄弟3人で負担しようと持ちかけた。金欠の朱高熾は反対したが、朱高煦に押し切られてしまう。漢王妃も夫が監国を任され、鼻高々だった。「昨日、皇太子妃に言われたわ、その気があるなら六宮を任せると… 寛大さを見せたつもりよ、強欲な人だわ、皇上に褒められたいのよ」王妃の話を聞いた朱高煦は鼻で笑い回廊に出ると、趙(チョウ)王で第3皇子・朱高燧(シュコウスイ)と皇甫雲和(コウホウンワ)が待っていた。「私が至らぬせいでこんなことに…お許しを!」「長年の信頼がなければ完全にお前を疑っていたぞ?瞻基も大したものだ あの娘をうまく皇上に近づけた」話を聞いていた朱高燧は朱瞻基がいずれ真相に気づくと懸念し、秘密を守るためには逆賊たちの口を封じるしかないと吹き込んだ。朱瞻基は錦衣衛の姿のまま、徐浜を連れて鶏鳴寺にやって来た。徐浜は話に聞いていた様子とは全く違う若微の姿に動揺し、すぐ脈診する。「ルォウェイ?…脈が弱り不安定になっている、失血がひどい…何があった?!」「助かるか?」しかし徐浜は答えず、若微を連れて帰ると言い出した。慌てた朱瞻基は徐浜を若微から引き離し、死なせたら牢へ逆戻りと脅す。「…若微はもたない、我々の仲間だ、我々が弔う、何を焦っているのだ?」「若微の死は私が決める!」「そうだ、我々の生死を決めるのは太孫だ…」徐浜はあきらめたふりをすると、隙をついて朱瞻基の帯剣を抜き、首に突きつけた。「だがこちらにも意地がある!いいか?若微は私が連れ帰る!」朱瞻基は必死に徐浜を押し返そうとするが、動けない。その時、突然、若微が大きく息をして咳き込んだ。朱瞻基は枕元へ飛んで行った。「ルォウェイ!」若微が苦しそうに目を開けると、朱瞻基の顔がある。「もう…いいんでしょう?…私たちを解放して…役目は果たした…」「もうすぐ皇上が来る!君は矢を受けたんだ、命の恩人である君に会いに来るんだ」「矢を受けた?!」寝耳に水だった徐浜は思わず声を荒げた。「馬鹿者!そんな危険を冒すなんて、なんてバカな子なんだ!」「みんなを救いたくて…ゥッ…」その言葉に徐浜は呆然となった。「太孫…若微を解放してくれ、我々3人の命と引き換えだ…情報も提供する 朱家のために若微は体を張ったのだ、生かしてくれ…若微はまだ若い…」「…もし…帰るなら…みんな一緒よ…」若微は傷の痛みと心の痛みで涙があふれだす。そこへ錦衣衛から知らせが届いた。こうしている間に趙王があとの2人を連れ去ったという。。゚(∩ω∩`)゚。徐浜哥哥…朱高燧は逆賊2人を北鎮撫司(チンブシ)署へ移した。皇甫雲和が待っていたが、朱瞻基が訪ねて来たと知らせがあり、殺すわけにもいかない。「二兄の秘密を詮索する気はない だが遺児を使い皇上の暗殺を企てたり、太子に罪を着せたりと、どうも感心できぬ 太子とて馬鹿ではないのだ…しかも瞻基は皇上のお気に入り、下手なことはできぬ」皇甫雲和は必ず漢王に2人を引き渡すと約束したが、朱高燧は万が一、皇帝に真相が知られた時は皇甫雲和の命を差し出すことになると釘を刺しておいた。「怯えなくていい、2人は瞻基に渡さぬ、とは言え何かあれば私は己の身を守る」永楽帝は若微の意識が戻ったと知って会いに来た。「なぜ私をかばい、矢を受けた?死ぬところだったぞ?なぜそこまで? 手柄を立てて褒美をもらっても、死ねば意味がない」すると永楽帝は家族が何を望んでいるか聞いた。自分ならこの世の物なら何でも与えてやるれるという。しかし若微が望むものはこの世になかった。「…私が死んでも誰も困らない、でもあなたが死ねば私の周囲に累が及び、皆が殺されてしまう だからいいのです」若微は涙をこらえてそう言った。「瞻基の奴は果報者だ…」朱瞻基は徐浜を同行し、北鎮撫司署の前庁でしばらく三叔父を待っていた。するとようやく朱高燧が現れる。朱瞻基は皇帝がいる鶏鳴寺から来たと脅したが、朱高燧は刺客の件を調査中のため2人を引き渡せないと拒んだ。「懐に隠している金令牌(キンレイハイ)は通用せぬ、お前の父親ももはや監国ではない」逆賊を逃したのも皇帝の指示ではないはず、今回も牢にいたのは3人だったはずだ。朱高燧が朱瞻基に説明を求めると、急に徐浜が笑った。「皇上が仰いました ″客引きと演者は協力しあうもの、大事なものは大きな布団で覆い隠すに限る″と…」「そんな常識など三叔はご存知だ」朱瞻基がわざとたしなめると、朱高燧は徐浜の元へやって来た。「瞻基、この者の語る言葉が全く理解できぬ…」「私は皇上に仕えるただの男でございます、で解放には応じないのですね?では結構…」そこで朱瞻基と徐浜は引き上げることにした。「待て、目的を申してみよ?」徐浜が耳打ちすると、朱高燧は仕方なく2人を引き渡した。若微が目を覚ますと、書物を読んでいる皇帝の後ろ姿があった。驚いた若微は重い身体を起こしたが、永楽帝は礼なら不要だと免除する。「水でも?」「フルフル…」「死のふちからよくぞ戻って来たな…」つづく(  ̄꒳ ̄)どうも三叔父が…苦手wで、瞻基は若微の伸ばした手をつかまなかったね…
2020.06.19
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白发 Princess Silver第2話「攏月楼の若店主」政略結婚のため北臨(ホクリン)へやって来た西啓(サイケイ)の長公主・容楽(ヨウラク)。早々に北臨帝・宗政允赫(ソウセイインカク)に謁見が叶い、兄からの返礼品として白玉瑠璃盞(ハクギョクルリサン)を献上した。この宝物は100年前より伝わる価の付けられない貴重な逸品だという。すると侍従・蕭煞(ショウサツ)が西啓帝・容斉(ヨウセイ)からの伝言を上奏した。「″白玉瑠璃盞は世にも稀なる宝なれど、公主の大切さに比べれば万分の一にも及ばぬ 両国の長き平和のためにも公主を歓待して欲しい″、と…」北臨帝はもちろん和平の使者である公主をおろそかにはしないと快諾した。しかしそこへ宦官が駆けつけ、黎(レイ)王がまだ休んでいるので来れないと報告する。驚いた北臨帝は陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)に黎王府へ向かい、何がなんでも連れて来いと命じた。陳王は確かに黎王・宗政無憂(ソウセイムユウ)を連れて来た。しかし七兄がどんなに声をかけても起きなかったため、何と寝台ごと運んで来てしまう。朝廷が騒然とする中、北臨帝は憤慨して玉座から降りると、無憂を叱責した。「早く婚礼衣装に着替えよ!今日ここで婚礼を挙げる」すると無憂はようやく起き上がり、婚姻に同意した覚えはないと突っぱねる。北臨帝はすでに両国で婚書も交わしたと言い聞かせ、どうしても動かないなら代理の者で式を挙げるとまで言い出した。「代理で式を挙げるなら、初夜も代理に頼みましょう~ふっ」無憂は婚礼を断固拒否、同盟を望むなら別の皇子にして欲しいという。黙って聞いていた容楽だったが、大人気ない無憂の態度に思わず口を挟んだ。「婚書では黎王を絶賛していましたが、実際の黎王は礼儀正しいどころか傍若無人です 道理に合わぬことを言い、非常識な振る舞いをなさる…まるでわがままを言う子供です 私も好きな人に嫁いで幸せに暮らしたいし、祖国を離れるのは嫌です でも祖国の利益のためにここへ来ました、なのに男子たる殿下が逃げておられるとは… 国を思う気持ちはないのですか?」容楽に非難された無憂はようやく寝台から出た。「結局、文句が言いたいだけか?」「違います…お互いを知る時間をください 半年後も殿下が同じ気持ちなら、私は他の方に嫁ぎ、恨み言は申しません」「…私は自分の婚姻を利益と交換するなど御免だ、お互いを知る?フッ、興味はない」「ないのは自信では?私に負けるのが怖いのでしょう?」「挑発する気か?」「まさか賭けをする度胸もないと?どうやら世に聞こえた黎王も実際はその程度なのですね~」そこで北臨帝は公主の言う通り半年待つと宣言、退朝を命じた。無憂は弁が立つ西啓の長公主にやり込められた。しかしどちらにしても婚姻に同意するつもりはない。実は無憂は父にわだかまりがあった。そのせいか父を避けるように政(マツリゴト)には関わらず、朝議にも出ようとしない。ただ今回ばかりは国家の大計に関わる問題だった。先の尉(イ)国との戦で皇太子が采配を誤って大敗を喫し、この屈辱を晴らすためにも西啓と手を組んで北境の守りを固める必要がある。北臨帝は改めて無憂を説得した。すると無憂は皇太子の失策の尻拭いをするのかと反発、南境の平定策を提供して役目は果たしたと訴える。「どうか朕への恨みは水に流し、過去は忘れてくれ、そなたの才があれば大業を成せる」「過去を水に流すことも、公主を娶ることもあり得ません 陛下は女子を利用して権力を固めた、私は欲しいものは自分の力で手に入れます!」皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)は黎王の相手が思わぬじゃじゃ馬で胸がすく思いだった。しかし尚書・余世海(ヨセイカイ)は皇帝が寵愛する黎王が西啓という後ろ盾を得れば、皇太子の地位を脅かすと懸念する。筱仁は考え過ぎだと鼻であしらし、政に関わらない無憂より自分の方が重用されていると言った。現に尉国に敗北しても、こうして皇太子の座は揺らいでいない。むしろ黎王のあの様子では同盟は頓挫しそうだと余裕を見せた。一方、西啓では皇帝・容斉(ヨウセイ)が容楽の居所にいた。ふと机に向かうと、容楽が第1話で挟んでおいたあの紙片を見つける。そこへ容斉の密偵が現れた。「神医を探すために″凧(タコ)″を放ったか?」「雪(セツ)山に人を遣り、探させています」その時、皇太后がやって来る。密偵はすぐ姿を消し、容斉は母を迎えた。「何度も言ったはずですよ?大業を成そうとするなら犠牲はやむを得ないと…早く忘れることです」「肝に命じます」「陛下を狙った宸(シン)国の刺客は調べがついて?」「母后も全員が口封じて消されたとご存知のはずですが?」どうやらこちらの母と息子にもわだかまりがあるようだ。容楽たちは北臨での住まいとなる公主府にやって来た。しかし容楽は早々に総管・秋怡(シュウイ)ともめることになる。秋怡は容楽が下がれと命じても従わず、男である蕭煞を公主の寝殿には通せないと邪魔した。容楽は嫁ぐまでは西啓の公主だと釘を刺し、指図は受けないと反発する。「ここは陛下が私に賜った屋敷、ここでは私の言葉が規則です、下がりなさい!」それでも秋怡は動こうとしなかった。憤慨した容楽は出て行くことにしたが、秋怡が容楽の行く手を阻み、これも安全のためだと止める。「蕭煞っ!」容楽の一声で蕭煞が剣を抜き、秋怡に突きつけた。確かに黎王に拒絶されても術はないが、下人が逆らうなら殺して憂さを晴らそうと文句は言われまい。焦った秋怡はひざまずき、どうしても出て行くなら公主府の侍衛を連れて行くよう頼んだ。「何かあれば私の命では償いきれません…」すると容楽はその辺で矛を収め、寝殿に入った。容楽はようやく仮面を取ると、兄の言葉を思い出した。…北臨の黎王は当代きっての秀才で、北臨の前丞相・秦永(シンエイ)の弟子だ…それゆえ秦永が記した『山河志(サンガシ)』を持っている可能性が高い山河志とは各国の地形や街の様子、天然の要害を記した書で、天文・地理・気象から戦の必勝法まで網羅した兵書でもある。そのため″山河志を得る者が天下を得る″と言われていた。半年以内に山河志を手に入れれば、兄の元へ戻れる…。容楽はからくり箱から取り出した指輪を眺めていたが、そこへ蕭煞がやって来た。「分かった?」「はい、攏月(ロウゲツ)楼に…」公主府は秋怡の監視の目が厳しく、容楽は容易に外出できなかった。そこで使用人たちをねぎらって褒美を渡すと伝え、公主府の侍女や太監、侍衛たち全員を寝殿前に集める。すると仮面をつけて公主に扮した泠月(レイゲツ)が現れ、蓮心(レンシン)が褒美を差し出した。使用人たちは一斉に褒美に群がり、その隙に侍女に扮した容楽はこっそり出て行ってしまう。一方、無郁は茶が好きな七兄に土産を差し入れていた。「いい茶だ」「茶器も極上ですよ?攏月楼の唯品(ユイヒン)閣で見つけました、各地の貴重な宝ばかりを扱っています」 攏月楼で銘茶を飲み、唯品閣を見ませんか?」容楽は都の茶楼・攏月楼にやって来た。そこで店内を眺めていると、1人の侍女が容楽に気づいて駆けつける。「若店主、お待ちしていました」「ふっ、この茶楼は随分、繁盛しているようね?」すると攏月がやって来た。「銘茶と名水に店主の志があれば繁盛せぬはずがありません」「でも聞くところによると慢心しているそうね?″凧″のように舞い上がって主も眼中にないとか?」「とんでもない、高く上がろうと糸は店主の手の内です 若店主がいらしたからには全てご指示に従います」「あなたが番頭の攏月ね」攏月の指にも容楽と同じ指輪があった。攏月は容楽を唯品閣に案内した。そこで2人の指輪を卓の鍵穴に入れて回すと、隠し扉が開いて密道が現れる。さらにその奥には密室があった。「公主にご挨拶を…」攏月が改めて拝跪すると、容楽は慌てて立たせた。「ここに公主はいないわ、若店主と呼んで」すると容楽は、″西啓の公主は醜い″と噂になったのは攏月の仕業かと笑う。「できるだけ時間を稼ぐため、陛下の策です」「私も半年、時間を稼いだわ」容楽は早速、山河志の情報を聞いた。実は16年前、北臨では符鴛(フエン)の焼死をはじめ、複数の事件が起きていた。符鴛とは宸国の前皇帝の娘で、北臨帝が宸国に身を寄せた時に情を交わし、国を捨て北臨帝に嫁いだという。国の復興後は皇后となったが、後に2人は反目し、符鴛は冷宮の火災で亡くなった。また同じ年には他にも事件が起きたという。北臨帝の寵姫・雲(ウン)貴妃は符鴛と不仲だったが、同じ年に急死、その後、前丞相・秦永が処刑されたのも関係があると噂されていた。しかし北臨帝が禁令を出し、今では秦永と山河志に関して話すことも許されない。ただ当時の秦永の配下が今も健在だった。攏月はすでに1人、見つけたという。「都の中山(チュウザン)ではお茶といえば攏月楼、飲んで遊ぶなら香魂(コウコン)楼でしょう 香魂楼の名妓・沈魚(チンギョ)は花のような美女ですが、その正体は不明です まだ断言はできませんが、沈魚の父親が秦永の配下でした」沈魚はその美貌ゆえ王侯貴族もひいきにしていた。あの陳王も常客だという。「…はお、分かったわ」「あなたは攏月楼店主の娘・漫夭(マンヨウ)です、父親と一緒に各地を回り、この茶楼を継いだ ここは表向き茶楼で貴重な宝物も扱いますが、真の目的は情報収集と間者の活動の隠ぺいです」「ここが″凧″の拠点なのね?」すると攏月は漫夭の身分を表す文書を渡しておいた。容楽と攏月が唯品閣を出ると、攏月楼の上階から悲鳴と共に何かが落ちて来た。攏月は小箱から密書だけ抜いて箱を蹴飛ばしておいたが、そこに刺客が現れる。2人はいきなり襲われ、箱の持ち主は階段で刺し殺された。そこへ偶然、無憂たちがやって来る。「趙(チョウ)大人(ダーレン)!」無郁は急いで階段まで飛び上がり刺客を片付け、無憂は刺客に囲まれた女を助けた。無郁が七兄を攏月楼へ誘った本当の目的は趙大人と会わせるためだった。実は地方の小役人である趙は重臣による汚職の証拠を持っていたが、黎王にしか渡せないと言っていたという。しかし重罪を犯しながら昼間の都で堂々と人を殺せるとなれば、背後の勢力の大きさは想像がついた。無憂は確かな証拠があるか聞いたが、そこへ侍衛・冷炎(レイエン)が報告にやって来る。刺客は全員が自害、証拠らしき小箱を見つけたが、中身はすでに抜かれていた。その頃、将軍・余文杰(ヨブンケツ)は尚書府に戻っていた。「父上、2人の殿下と会う前に口を封じました、ただ密書の行方が知れません」「黎王の手に渡っていたらまずいぞ」「それはないでしょう、刺客が始末した可能性もあります」「楽観はできん」皇太子が銭の大半を手にしたとは言え、余家も関わっている。余世海は事が明るみに出れば真っ先に非難されると恐れた。すると余文杰は黎王が趙に会いに行ったのは野心の表れだと疑い、無関心を装っているが、時機を狙っているのかもしれないと警告する。そこで余世海は黎王と陳王を見張るよう命じた。思いがけず事件に巻き込まれた容楽と攏月。そこで攏月は黎王の禁忌を耳に入れておいた。「黎王は酒と女には決して触れないのです、間一髪でしたね」容楽は確かに黎王が助けてはくれたが、自分を避けていたと思い出した。「気づかれないようにね…」「はい」すると案の定、2人は陳王に呼ばれた。陳王はなぜ趙が殺されたのか聞いた。「そう言えば、お前も狙われていたな?」「その趙大人という方はお友達ですか?」「そうだ…っておい!私が聞いているのだ!」弁が立つ容楽は陳王の質問に質問で返し、丸め込んだ。「お友だちのせいで当店は損害を被りました お二人に請求したいところですが、助けていただいたので帳消しにしましょう お礼の代わりです」「何者だ?」急に黎王が聞いた。「茶楼の若店主・漫夭と申します」容楽は気がついたら争いに巻き込まれたと説明し、陳王に見せられた小箱も知らないと言った。つづく( ๑≧ꇴ≦)あ〜そうだそうだ!ジワジワと記憶が蘇って来た〜!ここで視聴済みの方へお知らせですコメント欄でのネタバレ厳禁です、匂わせ系wの感想も削除です
2020.06.18
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大明风华 Ming Dynasty第10話「命の恩人」永楽帝は各国の使者たちをもてなすため、園遊会を開くことにした。そこで朱瞻基(シュセンキ)に自分の部屋に住まわせている女子を連れてくるよう命じる。「必ず会わせよ、今夜の園遊会に帯同しろ」(๑・᷄ὢ・᷅๑)<爺爺…朱瞻基は頭を抱えながら東宮へ戻った。すると部屋に入るなり、孫若微(ソンジャクビ)が高価な陶器を投げつけてくる。「何をする!…詔獄(ショウゴク)へ入れるぞ!」朱瞻基はここでの暮らしの何が不満なのか分からなかった。食事を与え、命を守り、景色も眺められるというのに…。しかし若微は3日も放ったらかしにされ、牢のほうがましだと激怒する。「息が詰まるっ!」「あ?3日も会えず、私が恋しかったのか?」朱瞻基の戯言に若微は膨れっ面になった。どうやらこの調子では園遊会どころではない。「私は君を助けたのだぞ!義父君も理解している 宮廷を出たら殺されるぞ!君を守ってやっているのに…」苛立ちを隠せない朱瞻基だったが、義父と聞いた若微の態度が急に変わった。「父上や徐浜(ジョヒン)哥哥は?」「私は逆賊の世話がかりかっつーの!」「…そうよ!見張っているんだもの」「自分の立場を知れ!」朱瞻基は根負けし、正直に祖父が若微に会いたいと言っていると伝えた。「爺爺って…朱棣(シュテイ)?!」若微はうっかり皇帝の名前を口にしてしまう。「オイオイオイ~!″皇上″と…禁忌まで犯すのか?」そこで朱瞻基はある人物に若微を説得させることにした。若微は詔獄で徐浜と面会した。「なぜ1人なの?父上は?」「お前が連行された日、ここへ入れられた…」「私のせいね…」「死ぬよりましだ」すると徐浜は皇太孫が若微と孫愚(ソング)を会わせないのは、自分たちが人質だからだと言った。「朱棣がお前に会いたいとか、太孫はお前が従えば殺さぬと…」「従わないわ」「…機会があれば朱棣を殺せるか?」「近づければ…」「では頼む」徐浜は都に来た時から覚悟は決めていたと話し、最後に孫愚からの伝言を教えた。「″最悪でも死ぬだけだ、好きなようにやれ、3人で黄泉の国へ行くのも悪くない″と… 従順な者を演じるか、もしくは朱棣を殺せ…私たちの運命はお前に預ける」徐浜は若微の選択なら喜んで従うと言った。若微が園遊会に同行することに同意し、朱瞻基は若微の支度に付き切りだった。「まだ試すの?どれも大差ないわ…」「衣の次は装飾品と化粧を決める…最も重要なのは礼儀作法だ…」若微はうんざりしていたが、人質を取られている以上、黙って従うしかなかった。その夜、園遊会が始まった。永楽帝は皇太子に各国の使節への挨拶を任せると命じ、朱瞻基の姿を探す。その時、朱高熾(シュコウシ)はちょうど息子の姿を見つけた。「皇上、来ました」「…若さとは良いものだ、誰もがいずれ老いるが、今の若者は恵まれておる」永楽帝は初々しい孫と娘の姿に眼を細める。「で姑娘の出自は?故郷はどこだ?」「知りません…」朱瞻基と若微は御前で拝跪した。すると永楽帝は朱瞻基に皇太子と挨拶回りに行くよう命じ、若微を玉座に連れて行ってしまう。気が気でない朱瞻基だったが、朱棣の暗殺を目論む若微には絶好の機会だった。若微は皇帝の後に続いた。その道すがら、思いがけず、胡善祥(コゼンショウ)とすれ違う。2人は言葉を交わす時間もなかったが、自然と笑顔になり、なぜか互いに親しみを感じていた。永楽帝は玉座に落ち着き、若微は卓のそばに控えた。すると倭国の使者が謁見し、朝貢船が嵐に遭って時には転覆するため、荷を乾かすためにも寧波(ネイハ)か鎮海(チンカイ)の島を欲しいと上奏する。若微は話を聞きながら皇帝に酒を注ごうと酒瓶に手を伸ばした。その時、運良く卓に果物用の小刀があると気づく。一方、永楽帝は使者に荷を乾かすなら地方官吏に手伝わせると伝え、祖先の土地を与えるわけにはいかないと退けた。使者が下がると、永楽帝は若微に意見を求めた。「率直に申せ」「大明は広大ですが、余分な土地はありません」すると永楽帝は若微に酒を下賜した。「朕の意に沿う言葉であった」若微は銀杯の酒を一気に飲み干し、その豪快さも永楽帝を喜ばせる。「名は何と言う?」「皇上、孫若微と申します」遠目からその様子を見ていた朱瞻基は胸をなでおろし、思わず手を合わせて拝んだ。趙(チョウ)王で第3皇子・朱高燧(シュコウスイ)は父から酒を賜った娘に興味津々だった。しかし漢(カン)王で第2皇子・朱高煦(シュコウク)はなぜあの小娘が園遊会にいるのか困惑する。「…なぜここに?」「ご存知で?」「…はっ、知るわけない(汗」「瞻基が自ら選んだらしい、風流者の選ぶ女子だ、たかが知れている、ふん」ウリヤンハイの使者が皇帝に謁見し、長城を境に山海関(サンカイカン)の外を割譲して欲しいと可汗からの要求を伝えた。しかし永楽帝は山海関の外も明の土地であり、そこで暮らす民も自分の民だと説明する。そこで牧畜が立ち行かないなら部族を連れて明に来るよう提案した。その時は望むだけ土地と農具を与え、好きな時に領地に戻ればいいという。一方、若微は小刀を手にし、果物の皮をむいて小さく切り分けた。…小刀を握りしめる若微次の瞬間、いきなり永楽帝の胸を突き刺す『うっ!』無防備だった永楽帝は玉座にもたれかかり、口から血が流れ始め…妄想にふけっていた若微は我に返り、恐ろしくなって小刀を卓に戻した。「国は割譲せぬ、絶対にな」永楽帝は若微が切り分けた果物をひとつ手に取って食べている。ともかく明とウリヤンハイ三衛は兄弟も同然、永楽帝は可汗に兄弟同士が殺しあってはならないと伝言を託した。「そのことでは朕も後悔しておる…」若微は永楽帝が後悔の念を口にしたことにいささか驚いていた。すると永楽帝は若微にウリヤンハイの使者には反意があると話し、来年の親征でアルクタイを討伐するが、ウリヤンハイ三衛も始末するべきかと問う。「ふっ…」「なぜ笑う?」「これまでと同じ方法がよいかと…」「どんな方法だ?」「静観するか、根絶やしに…」「私にそう言えるのはそなただけだ、姑娘、肝が据わっておる」永楽帝は思わず失笑したが、その時、園遊会に紛れた刺客の矢が永楽帝の袖に刺さった。標的を外した刺客はすぐ次の矢を放ったが、若微が無意識に永楽帝の前に飛び出す。「うっ!」永楽帝は身代わりとなって矢を受けた若微を抱きとめ、声を上げた。「守れっ!」朱瞻基は矢が胸に命中した若微を抱いて東宮へ運んだ。一方、朱高熾、朱高煦、朱高燧は父を心配して謁見を求めたが、総監・鼻涕(ビテイ)に追い返されてしまう。「お戻りを、皇上はお一人になりたいと…」しかし3人の息子は父に付き添いたいと食い下がった。そこへ機嫌が悪そうな永楽帝が現れ、いきなり手に持っていた書物を3人に向かって投げる。(っ'-')╮ =͟͟͞͞📖 ヒイィィィ!!(((゚ロ゚(((゚ロ゚(((゚ロ゚ノ)ノ「はお、平穏を好まぬなら罰を与える、お前たちは家族の和を乱す気か?いい加減にせよ! 太子爺?…策に長け、監国もしかと務めたはずだ 上奏せよ、こたびの件を分析するのだ…親征から戻っても心が休まらぬ! 漢王爺?…お前がうろつくと恐ろしくて眠れぬ!自分が私と似ていると吹聴しているであろう? 正してやろう…全く似ておらぬ、お前の方が私より強いっ! 趙王爺!…北鎮撫司(チンブシ)が本件を調べるのか?それはすごいな~ 早く行わせるがよい、誰の仕業かしかと調査せよ…出て行け!」3人はとぼとぼと帰っていった。すると父の真意が分からない朱高煦が戻っては駄目だと止める。朱高燧は分からないのかと呆れ、二兄は禁足、黒幕は皇太子と自分が探すと教えた。しかし皇太子は禁足ではなく、数日おとなしくしていろと言ったのだとなだめる。それにしても刺客はなぜ紛れ込んだのか。胡善祥は皇太子の娘が気になっていた。そこで胡尚儀が眠ったのを見計い、こっそり出かけることにする。「私がお前なら今はおとなしくしている」胡尚儀は寝台に横になったまま胡善祥を止めた。「姑姑、あの女子が心配なのです、初めて会った時、親しみを感じました」「関わらぬことよ、あの女子が死んだら責任を負わされるわ 助かったら…一生、あの者に従うことになる、助かれば必ず地位を得るから」「…あの者が得られるなら、私も手に入れられます」若微は矢が肺に達し、死の淵をさまよっていた。侍医は治療法を考えることにしたが、今は若微の生命力だけが頼りだという。一方、朱高燧は刺客が二兄の仕業だと疑い、漢王符を訪ねた。弟から時を選ばず無謀な行動だと激しく責められた朱高煦だったが、本当に自分ではないと訴える。そもそも今、父を殺して黙って兄を即位させるはずがない。その頃、永楽帝は内閣首補・楊士奇(ヨウシキ)を呼び出し、皇太子が自分を狙ったのかと問い詰めた。「太子の噂はどこで?証拠は?」「よく考えよ!高熾、高煦、高燧ともに嫡出なら誰が即位を?」「太子です」「そうだ、能力のみを考慮したら誰を立てる?」「太子です」「表向きは忠臣を装い、私の暗殺を企んでいるのがその者なら?」「私は信じませぬ、皇上も信じませぬよう」「…頑固だな?…強情だ…煉瓦のように固い頭だ!情けない!」永楽帝は必ず皇太子以外の者を推挙しろと命じ、出て行ってしまう。皇太子妃・張妍(チョウケン)は第2皇子が禁足と知って喜んだ。また解縉(カイシン)も地位を盤石にするよい機会だと皇太子に吹き込む。「皇上を守った女子は?」「療養中だ」「皇上をかばい矢を受けた女子は太子府が選んだ太孫妃です 婚儀を挙げれば皇上は喜び、太孫に冊封を… 太子府にいる女子は陛下の命を救った、皇上の恩人です 皇上は太子爺を悪いようにはしません 皇上の恩人を盾とし、後継の座を確固たるものに…」「アイヤー、滅多なことを言うな」「太子爺、すぐあの女子の出自と生年月日を記し、秀女に入れるのです 太孫と相性が合うよう適当に記すのです、皇上も見抜けません」その頃、胡善祥は皇太子の部屋を訪ね、女子に付き添っていた。「若微?あなたは若微なの?」若微はちょうど夢の中で父と母と妹と一緒に笑っている幼い自分の姿を眺めていた。張妍は息子を捕まえ、今や皇太子府の宝だと言った。そこで娘の両親や兄弟、先祖に至るまで書き出せという。皇帝も珍しく娘を気に入り、しかも皇帝の命の恩人、実は皇太子は若微を東宮が推薦する皇太孫妃として上奏していた。一方、朝廷では鼻涕が皇帝からのお達しを楊士奇に伝えていた。「″朕は汝を重んじ、太子府の小官吏から朝廷の官吏とし、入閣させた しかし汝はその恩を忘れ、太子と結託して朝廷を乱した、罪を認めるか? 汝は弁が立つゆえ、北鎮撫司より直接、尋問させる、ちんつー″」「…この楊士奇、しかと拝命しました」翌朝、東宮に北鎮撫司が乗り込み、官吏たちを集めた。「他にはおらぬか?」「太子府の者は17名で、3名が戸部へ行っているので今は14名です」朱高熾が説明していると、そこへ起きたばかりの朱瞻基があくびをしながらやって来る。「朝っぱらから我が府の者を連行するとはどう言うことなのだ?」「…皇上の命なのです」驚いた朱瞻基はなかば強引に聖旨を奪い取って確認した。「どういうことだ?!父上が皇帝暗殺に関わっていただと?!」「ご意見があれば上奏を…皇上は太孫に会いたくないと」困惑した朱瞻基は急に襟を正し、おとなしく従って北鎮撫司を見送った。それにしてもなぜこれほど早く断罪されたのか。皇太子はとんだ災難だと嘆き、浮かれていた張妍は涙に暮れた。朱瞻基はすぐ馬車を用意させた。そして若微を乗せ、胡善祥が付き添って慌てて宮中を出発する。つづく( ๑≧ꇴ≦)またしても良いところで続く!
2020.06.17
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大明风华 Ming Dynasty第9話「大いなる監獄」孫若微(ソンジャクビ)たち逆賊の隠れ家に捕らわれた朱瞻基(シュセンキ)。しかし実は若微たちを操る謎の人物″皇爺″をおびき出す作戦だった。若微は隠れ家がすでに錦衣衛に取り囲まれていると知って馬車を準備しようとしたが、義父・孫愚(ソング)は間に合わないと止める。「朱瞻基を解放するのだ、生きるために」孫愚は復讐など無意味だと言い聞かせ、死んではならないと訴えた。一方、逆賊を率いる皇甫雲和(コウホウンワ)は朝服に身を包み、修練場にいる″皇爺″に拝謁していた。実はまだ朱瞻基を始末できず、配下たちも心を決めかねているという。「無理強いすれば皇爺を疑い出すかと…」「疑うだと?手駒が偉そうに…私が資金を出し、奴らを都へ導いたのだぞ? …10年もの間、守ってやり、訓練を受けさせた、それが今になって私を疑うだと? 恩を仇で返すつもりか?!」「しかし中には頭の切れる者もおりまして…欺ききれません…お許しを!」「瞻基が太孫に冊立されたら太子の立場は盤石となる…私は不利になるばかりだ」すると″皇爺″は自ら手を下すと決意、剣を手にする。「皇爺!」「…何を恐れることがある?」振り返ったのは漢(カン)王である第2皇子・朱高煦(シュコウク)だった。(^ꇴ^)知ってた〜!w一方、若微は地下で拘束されている朱瞻基の縄を解いていた。徐浜(ジョヒン)は自分たちが皆殺しにされると警告したが、若微は上層部が自分たちの命など何とも思っていないと指摘、所詮は使い捨の駒だと言い放つ。「もう朱家の争いには付き合えないわ」仕方なく徐浜は皇甫雲和と″皇爺″が来る前に若微だけでも逃げろと急かした。しかし解放された朱瞻基が笛を出し、自分の命令がなければ若微たちも出られないという。♪ピ~ピロロロ~ン朱瞻基が合図の笛を吹いて中庭で待っていると、すでに待機していた錦衣衛たちが集合した。大人(ダーレン)にご挨拶を!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ「で″皇爺″はどこだ?」「今、鐘楼(ショウロウ)の付近に…」朱瞻基は必ず″皇爺″をここへ連れて来いと命じたが、同じ頃、朱高煦の馬車にも急報が届く。「王爺!朱瞻基は最初から錦衣衛と別行動を…」同乗していた皇甫雲和は徐浜たちが確かに皇孫をさらったと訴えたが、朱高煦は引き返せと命じた。「これは芝居だ、私を待っている」しかしすでに錦衣衛が馬車を取り囲んでいた。朱瞻基の配下と朱高煦の配下で激しい争いとなった。しかし結局、朱瞻基は″皇爺″を取り逃がしたと報告を受ける。そこで若微を自分の屋敷に連れて帰ると決めた。若微は困惑したが、孫愚は両親のように死なないことが優先だという。「行きなさい」朱高煦は逃げる時に斬り殺した錦衣衛の腰牌を持ち帰った。そこで趙(チョウ)王で第3皇子・朱高燧(シュコウスイ)に腰牌を見せる。朱高燧は呆然、その腰牌の持ち主は永楽帝が寄越した大内(ダイダイ)侍衛だった。「瞻基め、皇帝の助けを得て、やりたい放題か?!」すると朱高煦は父が自分たちを見張っていると警戒し、何か気づかれたのかもしれないと動揺する。敵は朱瞻基ではない、父だったのだ。入内(ジュダイ)して間もない永朴(ボク)妃が永楽帝の夜伽を努めることになった。朴妃のために準備された豪華な衣や装飾品を受け取りに来た胡善祥(コゼンショウ)は、再び秀女になる夢を膨らませる。しかし同僚の心眉(シンビ)は冷ややかだった。「もし妃になれば私はあなたに仕えるのよ?」「なれなかったら?」「私の主人になろうとするなら、友には戻れない…」その頃、若微は朱瞻基と一緒に皇宮に到着していた。朱瞻基は若微が命を狙われないよう連れて来たと説明したが、あくまで罪人だと釘を刺す。「天牢へ入る必要はない…私のそばにいれば守ってやれる」「何と大きな監獄だこと…」「…言い得て妙だな、ふっ」こうして若微は東宮にある朱瞻基の部屋に閉じ込められた。若微は朱瞻基がまた何か企んでいると疑った。しかし朱瞻基は夕食を取りながら、罪人なら出された物を素直に食べろという。若微は仕方なく一緒に食卓を囲んだ。すると朱瞻基は祖父が過去を後悔しており、建文(ケンブン)と話がしたいだけだと説明する。力を貸してくれれば無罪放免にできるかもしれない。若微は信じないとあしらったが、朱瞻基は若微が勝手に動けば仲間が殺されると脅した。「協力しなければ、牢送りより悲惨な目に遭う 逆臣の子女は辺境へ送られて兵に仕える、つまり兵に嫁ぐということだ」「ふん!大歓迎よ!宮中に閉じ込められるよりよっぽどましだわ!」「鼻息の荒い女は斬り殺されるぞ?」「それはここも同じでしょ?」「入内すれば私に仕えることになる!君の結婚相手は私が決められるのだ…あ~そうだな~」朱瞻基は扉を開け、回廊で控えていた太監を見つける。「お前だ!どうだ?いいだろう?」さすがに調子に乗り過ぎたのか、激怒した若微は朱瞻基の顔に白米をこすり付けてやった。皇太子妃・張妍(チョウケン)は息子が娘を連れて帰ったと知り、やきもきしていた。秀女はどの娘も気に入らず、皇太子・朱高熾(シュコウシ)はどうせ父が決めると言って会おうともしない。「私と気が合わないと困るわ~毎日、嫁と言い争っていたら身が持たない…」「あ、さっきのあの娘なら従順そうだし悪くない…」朱高熾は胡善祥を勧めた。すると食事中だというのに総監・鼻涕(ビテイ)がやって来る。「太孫は?皇上が太孫を待っておられます」朱瞻基は例の丹薬のことをすっかり忘れていた。「皇帝爺からの命令である…″早く来ないと尻を蹴飛ばすぞ!″」朱瞻基は急いで祖父に薬を届けた。すると早速、娘の話を小耳に挟んだ永楽帝から会わせろと迫られてしまう。「早過ぎませんか?謁見となれば心の準備も必要です、皇上もお忙しいし…」朱瞻基は祖父をからかい、慌てて逃げ出した。…永楽7年…公元1409年10月…鄭和(テイワ)、第3回出航…永楽9年…公元1411年に帰国…永楽10年に入朝内宮監(ナイグウカン)太監および市舶司(シハクシ)総監事、遠洋宝船隊・指揮使の鄭和は遠洋航海を終え、皇帝に謁見した。朱棣(シュテイ)に早くから仕えていた鄭和は雲南(ウンナン)にも同行し、″靖難(セイナン)の役″では先鋒を務め、永楽帝はいかなる名将にも劣らぬ俊英だと評価している。「そなたは国の宝だ」すると永楽帝は鄭和と近しい第2皇子と第3皇子に声をかけた。朱高煦と朱高燧は行事が終わったら酒を飲もうと誘い、無事に帰還したことを喜ぶ。しかし鄭和は2人との挨拶もそこそこに皇太子に礼を尽くした。「太子爺、ご挨拶を…」さすがはそつがない鄭和、そして改めて御前にひざまずき、遠洋航海の成果を報告した。「私、鄭和は永楽7年9月、市舶司の正使として副使の王景弘(オウケイコウ)、侯顕(コウケン)と共に 2万7000人の官兵を率い、48隻の宝船を連ね、劉家(リュウカ)港より出航しました その後、チャンパ、賓童龍(ヒンドウリュウ)、真臘(シンロウ)、シャム、カリマンタン、交闌山(コウランサン)、 ジャワ、ジャンガラ、吉里地悶(キツリチモン)、カリカット、マラッカ、パハン、アウ、ランカスカ、 淡洋(タンヨウ)、スマトラ、花面(カメン)、龍涎嶼(リュウゼンショ)、ニコバル、アルー、セイロン、キーロン、 コーチン、ベンガル、プラワ、ジューブ、モガディシオ、スールーを巡りました 各国の使者が私と共に都へ来ております、どうか謁見をお許しください」朴妃は皇帝の寵愛を受け、住まいも移った。中庭では心眉が宮中のしきたりなどを説明している。そこへ同郷の安(アン)貴妃が駆けつけ、自分にはできなかったことだと大喜びした。すると安貴妃は朴妃を引っ張って殿内へ連れて行くと、心眉は締め出されてしまう。戸惑う朴妃をよそに安貴妃は我が事のように興奮していた。「皇上のお気に召した者はこうして屋敷を移されるの 懐妊が確かになったら、さらに大きな屋敷へ移る、妹妹、よく聞いて? 子を産めばあなたの将来は安泰よ?褒美が一族に行き渡る!貴妃や太妃にもなれるのよ!」「姐姐…少し大げさではありませんか?」「妹妹、すべてはこのひと月に懸かっているの!」永楽帝は使者との面会を済ませ、鄭和を連れて着替えに戻った。実は今回、因縁のあるアデン国の胡一族の使者が来ている。かつて胡氏は不当に陳王の座を奪い、明は陳王の孫・陳天平(チンテンヘイ)を援護して使者まで送ったが、全員が殺されていた。そこで永楽帝は使者を呼び出し、厚かましくもやって来た使者を一喝する。「恥を知れ!」その頃、胡尚儀は太子府を訪ね、皇后がいないため皇太子妃に朴妃の処遇を頼んだ。また皇帝の意向で秀女選出の件は各宮へ知らせたと伝える。「皇上が言ったの?宮ごとに秀女を推挙せよと…」張妍は皇帝がこれを機に皇太子と第2皇子の関係を良くしたいのだと深読みした。第2皇子が推挙するなら皇太子は尊重するに違いない。その話を回廊に控えていた胡善祥が聞いていた。一方、胡一族の使者を糾弾していた永楽帝はそこに陳天平の娘を呼んだ。そこで公主を帰国させ、王位を継承させると宣言する。「新しい女王の誕生だ」すると鄭和は船を用意したので使者も帰国するよう命じ、朝貢品も受け取らないと伝えた。使者は許しを乞い、罪を償って公主の身を守ると誓う。しかし使者は宦官たちに引きずられるように連れ出された。そこで永楽帝は公主へ報復など考えないよう助言する。「悪人に見える者も実は心が弱いだけだ…反乱を防ぎ、力をつけ、人心を得よ 民に尽くしなさい、民に学びを与え、導くのだ」張妍はふと思い立ち、胡尚儀に息子が連れて来た娘を見て来て欲しいと頼んだ。「重罪人だそうよ、会わせてくれないの、顔を見て来てちょうだい」胡尚儀は関わりたくなかったが、皇太子妃から東宮の婦女子に関わることなら尚儀の仕事だと言われてしまう。「お願いよ~顔立ちと物腰を見て来て、待っているわ…西の一番目の部屋よ」閉じ込められた若微は焦燥し、物に八つ当たりしてた。すると誰かがのぞいていることに気づき、扉へ近づいていく。胡尚儀は仕方なく部屋へ入り、尚儀だと名乗った。若微はここから出してもらえないとこぼし、ともかく空腹だと訴える。そこで胡尚儀は回廊に控えている胡善祥から菓子を受け取り、差し入れた。若微は菓子に飛びつき、頬張りながらお茶をがぶ飲み、その姿を見た胡尚儀は退散する。「ねえ~ちょっと、首を斬るなり、皮を剥ぐなり、早く頼むわ!」若微は菓子を食べながら胡尚儀を扉まで見送った。その時、偶然、回廊にいた胡善祥と顔を合わせる。「誰なの?」「あなたが太孫が連れて来たっていう…」胡善祥は急いで胡尚儀の後について行ったが、不思議とその娘に好感を持った。つづく( ゚д゚)安貴妃の方が美人なのになぜ?十人十色とは言うけど…w
2020.06.16
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白发 Princess Silver第1話「記憶を失った公主」漆黒の夜、雷雨の中を黒衣の娘が馬で駆けていた。娘は黒い鬼面の一群に追われ、連弩(レンド)から乱射される矢をかわし、飛びかかって来た追っ手を蹴り飛ばす。しかし追っ手を振り切ることができず、やがて鬱蒼とした竹林へ逃げ込んだ。鬼面の追っ手たちが竹林を捜索していると、やがて娘が乗り捨てた馬がいた。追っ手たちは馬を降りて剣を抜き、付近を警戒する。その時、待ち伏せしていた娘が襲撃、次々と惨殺した。娘はついに全ての追っ手を片付けたが、そこに外套を目深にかぶったひとりの男が現れる。使い手の男は逃げようとした娘を捕まえ、首をつかんだまま地面に叩きつけた。「逃げられると思っているのか…」すると娘はそのまま意識を失ってしまう…。黒衣の娘は見知らぬ場所で目を覚ました。すると高貴な身なりの男が駆けつけ、やけに親しげに声を掛けてくる。「嫁ぐのが嫌だからと逃走するとは…己を痛めつけて満足したか?」「あなたは誰?ここはどこ?」「容楽(ヨウラク)?」やはり劉(リュウ)侍医の不安は的中した。公主は脳に傷を負い、記憶を失ってしまったらしい。「ここは西啓(サイケイ)の皇宮、朕は西啓の主である そなたは朕の妹で西啓の容楽公主だ…」娘は自分が皇帝・容斉(ヨウセイ)の妹だと言われてもにわかに信じがたい。「案ずるな、侍医の話では薬を飲み続ければ記憶は戻るそうだ」皇帝は自ら薬をくれた。しかし娘はまだ誰も信用できず、薬を拒む。「ゆっくり休め、気が向いたら服薬を…」皇帝はそこで帰ることにしたが、娘は皇帝を試すようにわざと薬を盆ごとひっくり返した。器は割れて床に破片が散乱、すると皇帝は黙って自ら片付ける。「容楽、皇兄が約束しよう、必ず記憶を取り戻させてやる、ひとまず養生しなさい」娘は床を離れたが、まだ自分が容楽だと信じられなかった。しかし何か思い出そうとすると激しい頭痛に苛まれる。「何も思い出せない…私は誰なの?」その時、娘は自分の手の平にまめができていることに気づいた。公主の手になぜまめが…。娘は庭園の散策に出た。侍女・泠月(レイゲツ)の話では自分は皇帝にとって唯一の妹で、皇帝は政務がどんなに忙しくても妹を忘れたことがなく、自分も兄を頼りにしていたという。しかし娘は隙を見て逃亡、すると道すがら侍女や宦官たちが自分の姿を見るなり、その場で拝礼した。「公主…」「私、本当に公主?」驚いた侍女や宦官たちは粗相があったと誤解、いきなり平伏する。娘は戸惑い、逃げるように立ち去ったが、運悪く皇帝と出くわした。「今日は顔色が良い、連れて行きたい所がある」容斉は容楽を茶室へ連れて行った。「記憶を取り戻したければ協力する、だが、先ほどのような軽率な行動はせぬように…」実はこの茶室は容楽の一番好きな場所だった。茶道の腕前では容楽に勝るものは宮中にいないという。「試してみよ」そこで娘は茶を入れてみたが、何も聞かなくても不思議と手順を踏まえて茶を入れた。しかも確かに自分で入れた茶が美味しい。「ほら、記憶を失っても以前の好みや習慣などは身体が覚えているものだ」容斉は心配しなくてもいずれ何もかも思い出すと励まし、容楽の好物だった茶菓子を勧めた。娘はひとつ手に取ったが、やはり警戒して口にはしない。しかし容斉はとがめず、今度は容楽が好きだった曲を弾いてみることにした。「よく演奏をせがまれた、ここで琴を奏で、茶を味わっている時が最も楽しかった…私はそう思う」容斉は妹のために琴を弾いてくれた。娘は自然と耳を傾けたが、やはり記憶は戻らない…。娘は自分の部屋で何か手がかりになりそうな物を探した。すると書巻の間から紙片を見つける。…維(コ)れ以て永く傷まざらん…維れ以て永く懐(オモ)わざらん娘は自分でその詩を書いてみたが、どうやら自分の筆跡ではない。そこへちょうど泠月が薬を持ってやって来た。「泠月、これは私の字?」「…そうです、以前、書いておられました」娘は困惑し、紙片を袖に隠したが、そこへ皇太后の来訪を知らせる先触れが聞こえた。泠月は慌てて公主を座らせ、皇太后を迎えた。現れたのは仮面で顔を半分隠し、威圧感のある皇太后だったが、やはり覚えていない。すると皇太后はいきなり容楽を捕らえるよう命じた。「西啓と北臨(ホクリン)の結盟は決まったこと、そなたは北臨へ嫁がねばならぬ、連行せよ!」容斉はひざまずき、母が来るのを待った。そこへ皇太后が容楽を連れてやって来る。容斉は容楽が記憶がないため、輿入れは当分、見合わせて欲しいと嘆願した。しかし西啓は内乱で疲弊し、宸(シン)軍が国境に迫っているというのに応戦も不可能、転覆の危機に瀕している。「北臨と結盟すれば宸軍は腹背に敵を受け、退散しましょう なぜ陛下はいまだに決断なさらぬのか?」「戦の件は改めて対策を考えます、ただ容楽の輿入れはもう少し考えさせてください」「結局はかばいたいのですね… かつて哀家はそなたを許し、公主に封じてやったが、そなたを殺そうと思えばいつでもできる」「母后、いけません!」「輿入れは7日後です、さもなくば哀家が毒酒をあおるまで」「母后!なぜそこまで…」「陛下、この者を北臨に輿入れさせるか、骸となった母と対面するのか、お選びなさい」その夜、容斉は容楽を宦官に扮装させ、馬車に乗って復安(フクアン)門から城を出た。「今から行く所に到着すれば、すべてが分かる」やがて馬車は人里離れた山あいの山荘に到着する。すると娘は木彫りの人形に気づき、記憶の断片が蘇った。「そなたはここが好きで一時、住んでいた…」確かにかすかにここに住んでいた自分の姿が脳裏に浮かぶ。そこで娘は隠し持っていた紙片を出し、これを知ってるかと言いたげにちらつかせた。「永く傷まざらん、懐わざらん」「どうして分かるの?」容斉は隣の部屋に案内し、壁に飾られた同じ詩の書を見せる。実は書も紙片も容斉が書いたものだった。「そなたは私の字を好み、手本にしていた」容斉はその証拠に卓の上に残っていた容楽が暇に飽かせて写した書を見せる。その時、娘は確かに自分がここで筆を走らせていたことを思い出した。「この小屋は馴染みがある、皇宮で育ったはずなのに…皇宮は見知らぬ場所のように感じるわ」「冷宮で育ったからだ、そなたの母は位の低い妃嬪だったが、父上の不興を買い冷宮送りに… すでに身ごもっていたため、冷宮でそなたを産んだ」「はあ~どうりで太后が私を疎むわけね~」「母上は顔を負傷して以来、人が変わってしまった…」「なるほど~」娘は何気なく手の平のまめを見たが、容斉がその理由を知っていた。「そなたは辛酸を嘗めてきたが、屈しない性格でね 母君を恩人と慕う内侍にこっそり武術を習っていたのだ」「私は落ちぶれた皇族なのね?どうりで手にまめが…」「幼い頃、そなたと初めて会った時、こう言われた…″あなたをいじめる者は私が絶対に許さない″」「そうだったの?」「辛い過去を教えたくはなかったが、信用してもらうためにやむを得ぬ 形あるものは変化する、己の心を信じよ、私はこの世でそなたの幸せを最も願う者だ」容楽がうなずくと、容斉は紙片を返した。容斉は笑顔が戻った容楽に安堵し、容楽が好きだった花を見せた。しかしその時、黒衣の刺客が現れる。外では侍衛・蕭煞(ショウサツ)が応戦したが、多勢の刺客を阻むことはできなかった。容斉は容楽を守りながら戦っているうち肩を斬られ、掌(ショウ)を受けてしまう。すると容楽は自然と身体が反応し、見事な武功で刺客たちを片付けた。蕭煞が駆けつけ、皇宮に帰って手当てするよう進言した。容斉は激しく喀血したが、容楽を逃がすのが先決だと訴え、深手を負ったまま馬車に乗り込む。しかし容斉が意識を失い、驚いた容楽は蕭煞に皇宮へ引き返すよう命じた。皇帝が危険を顧みず妹を逃がそうとしたため、宸国の刺客に襲われた。皇太后は蕭煞に罰として杖刑(ジョウケイ)80回を命じ、容楽を連れて永陽宮を出る。そこには兵士たちが整列していた。「我が西啓は土地が不毛で兵力が足りず、長引く戦乱で国庫はひっ迫… 力を蓄えるべきなのに見てごらんなさい?新たに集めた兵たちは老いぼれや手負いの者ばかり 凶暴な宸軍や尉(イ)軍と対峙させれば、生きて帰れぬのは明白よ」容楽はようやく自分が嫁がねばならない理由を知った。まさか自分の肩に国の命運がかかっていようとは…。しかも兄は病の身を押して大臣たちの嘆願を拒み、自分を嫁がせまいと奮闘した。容楽はそんな兄の恩情に心打たれ、国を守るために自ら北臨へ嫁ぐと宣言する。そしてようやく警戒心を解き、記憶の回復に効果があるという薬を飲み始めるのだった。その日、容楽は化粧台に紙片を挟んでおいた。泠月は届いたばかりの豪華な花嫁衣装を見せに来たが、公主は背を向けたまま黙っている。「申し訳ありません、公主…陛下のことを心配なさっているので? 喜ばせたかったのです…公主、機嫌を直してください」「ハァー、今度、西啓に戻れるのはいつかしら…」「西啓が強くなれば戻れます」すると泠月は身寄りのいない自分ならどこでも生きて行けるという。容楽はこれからも自分のそばにいて欲しいと頼み、そしてついに北臨へ出立する日を迎えた。容斉は容楽を輿まで見送ると、自分が幼い頃から身につけていた玉佩(ギョクハイ)を贈った。「朕の代わりにそなたを守ってくれよう」「あまり心配しないで、皇兄も身体を大切に…」すると容斉は蕭煞を今日から容楽の侍従に任じ、しっかり護衛するよう命じる。そして最後に容楽を抱きしめ、別れを惜しんだ。公主の婚礼の長い隊列は一路、北臨へ向かった。すると道すがら、泠月と蓮心(レンシン)が公主の政略結婚について噂話をしている。「黎(レイ)王は北臨の皇帝に溺愛されているとか、お顔立ちも端正だそうよ?」「だったら、なぜいまだに誰も娶ってないの?」「それは~私にも分からないわ」容楽は輿の中で2人の話を小耳に挟みながら、容斉から聞いた情報を思い出していた。『北臨の黎王・宗政無憂(ソウセイムユウ)はあまり朝廷に姿を見せぬらしい だが北臨から届いた密書によると、この黎王殿下は慎重でかなりの策士のようだ この前、北臨大将軍の傅筹(フチュウ)が南境で10万の反乱軍を3万の兵で制圧した 少人数で勝てたのは黎王の妙計のおかげだ』その時、容楽は嫁ぐ相手としては悪くないと笑った。北臨の皇宮に西啓から長公主が到着した。しかし黎王は出迎えもせず、なぜか弟の陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)が現れる。「陳王にご挨拶を…」「公主は風変わりな醜女ゆえに婚期を逃したと聞いている だが声は意外にも聞こえがいい」「…蓮心?」すると蓮心が輿の帳を上げた。「陳王殿下に褒められるほどの声音ではありません…ふふ」「…公主は横暴でわがままと言う噂だが、それほどでもなさそうだ 最低限の礼儀と身の程はわきまえている」陳王は仮面をつけた公主にいささか驚いていたが、その時、皇帝からの命が届いた。皇帝・宗政允赫(ソウセイインカク)は長公主を先に参内させた。すると皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)がなぜ仮面をつけているのか尋ねる。「西啓の風習で、仮面は婚礼の日に新郎が外すのです…陛下、お許しを」そこへ宦官が駆けつけ、黎王は休んでいるので来れないと報告する。皇帝は陳王に禁衛軍の向(コウ)統領を連れて黎王府へ向かい、何がなんでも連れて来いと命じた。「連れてこなければ生涯、西郊で皇陵の墓守をせよ」しばらくすると陳王が黎王を連れて戻って来た。しかし…。つづく
2020.06.15
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です陈情令 The Untamed「中国版エンディングと考察」※参考までに最終話の中国版エンディングをご紹介しますとは言え全く異なるシーンがあるわけではなく、たた順番が違うだけですちなみに魏無羨と藍愿の再会までは同じです…魏無羨と藍湛は温寧と藍愿を見送った。「藍湛、俺たちも行こう!…どこへ行けばいいかな~?」魏無羨は小苹果を連れて歩き出したが、藍湛はその場に留まって動こうとしない。「藍湛!(ハッ)お前…行かないのか?」藍湛が遊歴に出ないと気づいた魏無羨は寂しそうな顔になったが、すぐいつもの笑顔に戻った。別々の道を行くことになった魏無羨と藍湛…。そこで2人は雲深不知処へ戻り、裏山で陳情と忘機琴で合奏した。そして最後に並んでしばし美しい景色をながめる。「藍湛、正直に言うとお前が仙督を引き受けるとは意外だった」「我らはここで誓った」…この魏無羨が一生、悪をくじき弱きを救えるように…この藍忘機が一生、悪をくじき弱きを救えるようにすると魏無羨は天子笑(テンシショウ)をあおった。「プハーッ!藍湛、さすがハングアンジュンだな」「お前も、さすがはウェイインだ」魏無羨と藍湛が下山すると、山門で聶懐桑が待っていた。「なんと雲深不知処にまた千条、家規が増えたか…」聶懐桑はちょうど石碑に彫られた姑蘇(コソ)藍氏の家規を眺めている。「聶兄?いくら藍氏の家規が何条、増えようと、一番、大切な家訓を知ってるか?」「はてはて…魏兄にご指南を願おう」「それは…″奸邪(カンジャ)との交流を禁ずる″」「おお?」魏無羨と聶懐桑は互いに意味ありげに笑った。「魏兄ときたら、まったくお見それしたぞ?」「とんでもな~い、聶兄には負ける」すると聶懐桑はふと藍湛に気づき、丁重に拝礼して引き上げることにした。( ತ _ತ人 仙督>人°ェ° )しかし魏無羨が1つだけ指南して欲しいと声をかける。「あれだけ周到に手を回したのに、仙督になりたくないのか?」「魏兄、ある人が言っていた… 四季折々の山河の美しさは、どれだけ眺めても見飽きないと…私は身の程を知る人間だ やるべきことは自分でやるが、本分でないことは手を出さぬ、さらばだ!」魏無羨はそれ以上、追及しなかった。誰が莫玄羽(モーシュエンユー)を解放し、刀霊を放ったか?また誰が思思(スースー)と碧草(ビーツァオ)を探し出し、あの匿名の文を書いたか?今となってはもはや重要ではない。魏無羨と藍湛は山の峰で向き合い、しばし黙って見つめ合った。( ̄꒳ ̄)<俺は向こうへ( ತ _ತ)<私はこちらへ(^ꇴ^)クスッ( ತ _ತ)<どこへ行くか決めたか?(^ꇴ^)<(フルフル)…この世は広い、酒とロバと生涯、放浪するさ~この天下が家だ!確かに魏無羨らしい返事だった。しかしそれが望む答えではなかったのか、藍湛はただ小さくうなずく。(^ꇴ^)<ランジャン、もう行くよ…小苹果、出発だ!藍湛は旅立つ知己の背中を見送った。♪水は絶えず流れ続ける…またいつか会おう~魏無羨は詩を詠みながら手を振ったが、もう振り返らなかった。藍湛は帰路の途中、山あいに響く笛の音を聞いた。どうやら魏無羨が自分が作ったあの曲を吹いている。『藍湛、今度、会う時までに曲名を考えておけよ?』『…もう考えてある』藍湛は魏無羨との会話を思い出しながら、再会を祈って歩き出した。ある日、雲深不知処にかすかに懐かしい笛の音が聞こえて来た。裏山の頂では魏無羨が知己の曲を吹いている。「ウェイイン…」藍湛の声を聞いた魏無羨は笛を止めて振り返り、満面の笑みを浮かべた。その瞳には知己の姿が映っている…。完(^ꇴ^)中国版では余韻を残し、魏無羨が振り返ったところで終わりました(記憶が定かならw)日本版の場合、いきなり山の上に移動し、しかもうーさんの衣装が変わっています中国版では一度、雲深不知処に戻っているので、着替えてから藍湛が山までうーさんを見送ったのだと分かります当時、最終話で意見が分かれたのは最後のシーンではなく、山の上で別れた後の話でしたひとつは『魏無羨はこのまま旅立った→遊歴後に戻って笛を吹いた→それを聞いて藍湛が探しに来た』という解釈もうひとつは『魏無羨は旅立ったものの、やっぱり決めかねて笛を吹いてみる→藍湛が迎えに来たから留まる』という解釈です私は前者の『一度、旅立った派』でしたどうやら原作では確かに″魏無羨と藍湛は雲深不知処で幸せに暮らしました~″で終わるようですが、やはり魏無羨が姑蘇に落ち着くなんてピンと来ない~江湖で弱き人を守って欲しいです(^ꇴ^)管理人の希望は雲夢へ戻り、例の観音廟を買い取って魔術学校を開校して欲しい!生徒第一号はもちろん欧陽子真、それから綿綿の娘もwでスピンオフは『イーリンラオズーと陰虎符の石』で(^ꇴ^)そうそう、山で別れた魏無羨と、そのあと山で笛を吹いている魏無羨の袖口が違うことにお気づきでしょうか?実はこれも魏無羨が一度は旅立った説の根拠だったのですが、まあ~これは意図したものとは思えませんwそれにしても思いがけずファンの人たちが喜ぶエンディングに改編してあるとは驚きました中国側の配慮だったのか、日本の担当の方が陳情令迷だったのかどちらにしてもこういう心遣いは視聴者として感激ですね最後に放送してくれたwowowさんに心からのありがとうを~♪今後も期待しています!
2020.06.15
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です※なお最終話は日本版エンディングです陈情令 The Untamed最終話「忘羨」金光瑶(ジングアンヤオ)は左腕と蘇渉(スーショウ)@憫善(ミンシャン)を失い、もはや戦意も喪失したと思われた。しかし聶懐桑(ニエホワイサン)が突然、藍渙(ランホワン)@曦臣(シーチェン)に向かって叫ぶ。「曦臣哥!危ない!」すると瞬時に反応した藍曦臣は剣を抜き、振り向きざまに金光瑶を刺してしまう。「どうした?!」魏嬰(ウェイイン)@無羨(ウーシエン)や藍湛(ランジャン)@忘機(ワンジー)たちは殺伐に気づき、一斉に立ち上がった。聶懐桑は金光瑶が背後から藍曦臣を襲おうとしたと説明した。「言ったはずだ、抵抗すれば躊躇なく命を取ると!」藍曦臣は憤っていたが、確かに藍曦臣に分かるはずもない。この金光瑶さえ長年、気づかなかったのだから…。「聶懐桑よ…とんだ食わせ者だったな〜、こんな形で私を葬り去るとはっ! …″知らぬ存ぜぬ″とは恐れ入った どうりで何年もひた隠しにして、さぞ歯がゆかっただろうな?」すると金光瑶は自ら剣を握り、さらに深く差し込んで藍曦臣に迫った。「藍曦臣よ、藍曦臣…私が一生で偽り、殺めた人間は無数だ…ゥッ… あなたの言う通り、天下の悪事はやり尽くした! だが…あなただけは傷つけようとは思わなかったぁ… その昔、雲深不知処(ウンシンフチショ)が焼き討ちに遭い、あなたは逃亡した… その時、あなたを救ったのは誰だ? 姑蘇(コソ)藍氏が雲深不知処を再建する際、惜しまず支援したのは誰だと? これまで私が姑蘇藍氏を抑えつけたり、支持しなかったことが? こたび霊力を封じた以外に、あなたを陥れたことも、見返りを求めたこともない… 憫善は私が彼の名を覚えていただけで、あれほど私に報いた なのにあなたは…藍曦臣…ィャ、沢蕪君(タクブクン)… あなたまで聶明玦(ニエミンジュエ)のように私を許さぬとわあぁぁぁぁ! 二哥、私に生きる道さえ残してはくれないと…」すると金光瑶はいきなり藍曦臣の肩をつかみ、そのまま棺まで引き連れて行った。金光瑶は柄(ツカ)をつかむ藍曦臣の手を握りしめ、剣を極限まで身体に差し込んだ。すると貫いた剣を伝って鮮血が棺にかかり、封印が解けてしまう。やがてその血は″覇下(ハカ)″と陰虎符(インコフ)にまで滴り落ち、凄まじい怨念が飛び出した。藍湛は兄を助けようとしたが、魏無羨は危険だと判断して制止する。「崩れるぞ!逃げるんだ!」江澄(ジャンチョン)は皆に危険を知らせ、金凌(ジンリン)@如蘭(ルーラン)を連れて走り出した。その後を藍愿(ランユエン)@思追(スージュイ)、温寧(ウェンニン)、聶懐桑たちが続く。一方、金光瑶は藍曦臣を道連れにしようとしていた。「二哥、一緒に死んでください…」藍曦臣は金光瑶を突き放すべく掌を構えていたが、結局、その手を降ろして覚悟を決める。しかし金光瑶は最後に情義を示した藍曦臣を許し、いきなり突き飛ばして助けた。魏無羨は藍湛と藍曦臣を先に逃がした。すると金光瑶はついに因縁の相手と向き合うことにする。「聶明玦、この私がお前を恐れると?」いよいよ殿内が崩壊し始めた。さすがに魏無羨でも手に負えず、ギリギリのところで外へ逃げ出す。その時、金光瑶は自ら棺に身を投げ、そのまま崩れる殿内に飲み込まれて行った。藍曦臣と聶懐桑は観音殿の前の石段に座っていた。「阿瑶が分からない… 私こそが彼の理解者、それは私の思い違いで、改めて見極めようとしたが、今でもよく分からぬ」「曦臣哥…完全に理解するなど無理だ」「懐桑、本当に阿瑶は私を襲おうとしたのか?」「それは…ソノ~…何となく見えたんだ…」「誠か?誠なのか?!」「曦臣哥…問いただされると、私だって断言できない…分からないよ」聶懐桑は藍曦臣の目を見て答えられなかった。中庭では江澄が何か言いたげに藍湛たちと一緒にいる魏無羨を見ていた。魏無羨は気がついて笑顔を見せたが、ふと腕の傷のことを思い出す。そこで袖をまくってみると、最後の復讐を遂げたことで傷が治り、呪いが解けていた。すると仙子(シエンズ)の鳴き声と共に、各世家の宗主や弟子たちがなだれ込んでくる。「仙子っ!」金凌は嬉しそうに仙子に駆け寄ったが、犬嫌いの魏無羨のため、仙子を連れて出て行った。宗主たちは観音殿を調べた。巨大な観音像はバラバラに壊れ、殿内もひどく散乱していたが、敵を討った刀霊は鎮まっている。すると聶懐桑は偶然、潰れてほこりまみれになった金光瑶の帽子を見つけた。…孟詩(モンシー)は妓楼に身を落としたが、博識な女子だった…そのため息子の孟瑶には″君子は身なりを正す″と教え、帽子はきちんとかぶるようしつける…いつか父である金光善(ジングアンシャン)が迎えに来ても恥ずかしくないように金凌がしばらくして観音廟に戻ってみると、すでに魏無羨の姿はなかった。ちょうど殿内にいた藍景儀(ランジンイー)の話では、含光君(ガンコウクン)と一緒にロバの小苹果(シャオピングォ)を迎えに行ったとか。驚いた金凌は藍景儀に仙子を預けて追いかけることにしたが、江澄に止められた。「追いかけるな、奴なら去った…」「舅舅、行かせたの?」「だったら引き止めて飯でも食うか?!そしてお礼を言って謝れと?!」「そんな態度だから去るんだよ!…嫌になる!」←全視聴者が同意した瞬間w金凌はふてくされてその場にしゃがみ込んだ。「それが年長への態度か?!殴るぞ!」江澄は思わず手を振り上げたが、やはり姉の忘れ形見を叩くわけにはいかない。「我らも戻ろう、それぞれの帰るべき場所へ…」すると江澄は歩き出した。拍子抜けした金凌は慌てて追いかけ、魏無羨に話があったはずだと食い下がる。「はっきり見たんだ、何か言いたげだったでしょう?」江澄は何もないと答えたが、ふと第16話に思いを馳せた。…あれは温氏に襲撃され、蓮花塢(レンカウ)が全滅した時のことかろうじて逃げ出した江澄たちは江厭離(ジャンイエンリー)が高熱を出したため、ひとまず宿に身を隠した茫然自失の江澄だったが、雨の中、姉の薬を買いに行った魏無羨が気になり、宿を出る実はその時、温氏の追っ手はすぐそこまで迫っていた江澄はちょうど魏無羨が露店で焼餅(シャオピン)を買っている姿を見つけたが、運悪く追っ手が通りかかるすると追っ手は魏無羨を怪しみ、剣に手をかけて近づいて来た『達者でな、阿姐を頼む…』江澄は魏無羨を守るため、咄嗟に別の追っ手の前に姿を見せる『捕まえたぞ!ここだ!』魏無羨もいずれ真実を知る時が来るだろうか。この時、江澄の犠牲おかげで命拾いしていたことを…。「達者で…」江澄は独り言のようにつぶやき、結局、魏無羨に何も伝えず、別れることにした。「行くぞ」観音廟をあとにした魏無羨と藍湛、すると道すがら藍湛はまだ1つ話していないことがあると切り出した。しかし大事な用件を伝える前に二人を追いかけて来た藍愿と温寧が現れる。「魏前輩!大切な話があるんです…」藍愿はこの数日で記憶が戻るもおぼろげだった。そこで魏無羨と含光君にどうしても確かめたいことがあると訴え、断片的な思い出を話し始める。料理自慢なのに作るのはお腹を下すような料理だったこと、畑で大根のように土に植えられたこと、そして含光君におごるはずが勘定もせず、結局、支払わせたこと…。「幼すぎて不完全ですが、これだけは言える、私は温姓だった…」「…温姓?だって藍氏だろ?藍思追…藍愿…ランユエン…アユエン?阿苑なのか?!」「ウンウン…魏前輩!私は…私は阿苑です!」「阿苑?阿苑は死んだのでは?…それとも乱葬崗(ランソウコウ)に取り残されて…はっ! 藍湛、お前が助けたのか?」「いかにも、さっきはそれを話そうと…」藍愿は思わず魏無羨に抱きつき、珍しく感情をあらわにした。「魏前輩…懐かしいです…会いたかった(うわ~ん」「バカだな、泣くやつがあるか…(ぐすん」すると藍愿は急いで魏無羨から離れ、いつもの藍氏らしいたたずまいに戻った。(^ꇴ^)<ったく子供なのに力が強いな~含光君が指導しただけある~ははっ( ತ _ತ)<お前も指導した(^ꇴ^)<ああ~どうりで美男子なわけだ~ははは~(๑ ❛ᴗ❛ )<あ、確かに思い出しました!例えばどうすれば美人画を…ゥッ!魏無羨は驚いて藍愿の口をふさぎ、危ないところで止めた。( ̄▽ ̄;)<あははは~(๑ ❛ᴗ❛ )<他にも美女が通ると…( ๑≧ꇴ≦)<嘘だ!俺が子供にそんな事を教えるとでも?!適当なこと言いおって!(๑ ❛ᴗ❛ )<いやでも…(* >ω<)b<藍湛!何を指導した!阿苑は素直だったのに!ぁぁぁ~黙れ!また植えるぞ!魏無羨は藍湛に叱られる前に畳み掛けたが、その時、藍愿が思わず魏無羨の脚にしがみついた。「ふっ、阿苑、いい年してまたそれか? …覚えているか?昔もそんな風に含光君の脚をつかんでいた」藍湛は微笑ましい魏無羨と阿苑の姿に思わず顔をほころばせた。かつて阿苑を自分の子だと紹介した魏無羨、16年後に復活してからも何より幼い阿苑の死を悼んでいたことを藍湛は知っている。しかし決して阿苑を焦らせず、自ら記憶を手繰り寄せるのを待ち、こうして魏無羨と再会させた。↓(꒦ິ⌑꒦ີ)たんたん、立派に育ててくれてありがとう温寧も魏無羨に大事な話があった。以前、魏無羨から事件が解決したらどうしたいか聞かれたことがある。実は藍愿とも相談し、岐山(キザン)に戻って一族の衣冠塚(イカンヅカ)を建てようと決めた。そして藍愿を雲深不知処へ送り届けたら、その後のことはゆっくり考えたいという。「これからの道は自分で歩いてみます」魏無羨と藍湛は温寧と藍愿を見送った。「藍湛、俺たちも行こう!…どこへ行けばいいかな~?」魏無羨は小苹果を連れて歩き出したが、藍湛はその場に留まって動こうとしない。「藍湛!(ハッ)お前…行かないのか?」藍湛が遊歴に出ないと気づいた魏無羨は寂しそうな顔になったが、すぐいつもの笑顔に戻った。魏無羨と藍湛は山の峰で向き合い、しばし黙って見つめ合った。( ̄꒳ ̄)<俺は向こうへ( ತ _ತ)<私はこちらへ(^ꇴ^)クスッ( ತ _ತ)<どこへ行くか決めたか?(^ꇴ^)<(フルフル)…この世は広い、酒とロバと生涯、放浪するさ~この天下が家だ!確かに魏無羨らしい返事だった。しかしそれが望む答えではなかったのか、藍湛はただ小さくうなずく。(^ꇴ^)<ランジャン、もう行くよ…小苹果、出発だ!藍湛は旅立つ知己の背中を見送った。♪水は絶えず流れ続ける…またいつか会おう~魏無羨は詩を詠みながら手を振ったが、もう振り返らなかった。藍湛は帰路の途中、山あいに響く笛の音を聞いた。どうやら魏無羨が自分が作ったあの曲を吹いている。『藍湛、今度、会う時までに曲名を考えておけよ?』『…もう考えてある』藍湛は魏無羨との会話を思い出しながら、再会を祈って歩き出した。ある日、雲深不知処にかすかに懐かしい笛の音が聞こえて来た。裏山の頂では魏無羨が知己の曲を吹いている。「ウェイイン…」藍湛の声を聞いた魏無羨は笛を止めて振り返り、知己の姿に満面の笑みを浮かべた。魏無羨と藍湛が下山すると、山門で聶懐桑が待っていた。「なんと雲深不知処にまた千条、家規が増えたか…」聶懐桑はちょうど石碑に彫られた姑蘇藍氏の家規を眺めている。「聶兄?いくら藍氏の家規が何条、増えようと、一番、大切な家訓を知ってるか?」「はてはて…魏兄にご指南を願おう」「それは…″奸邪(カンジャ)との交流を禁ずる″」「おお?」魏無羨と聶懐桑は互いに意味ありげに笑った。「魏兄ときたら、まったくお見それしたぞ?」「とんでもな~い、聶兄には負ける」すると聶懐桑はふと藍湛に気づき、丁重に拝礼して引き上げることにした。( ತ _ತ人 仙督>人°ェ° )しかし魏無羨が1つだけ指南して欲しいと声をかける。「あれだけ周到に手を回したのに、仙督になりたくないのか?」「魏兄、ある人が言っていた… 四季折々の山河の美しさは、どれだけ眺めても見飽きないと…私は身の程を知る人間だ やるべきことは自分でやるが、本分でないことは手を出さぬ、さらばだ!」魏無羨はそれ以上、追及しなかった。誰が莫玄羽(モーシュエンユー)を解放し、刀霊を放ったか?また誰が思思(スースー)と碧草(ビーツァオ)を探し出し、あの匿名の文を書いたか?今となってはもはや重要ではない。←Σ( ̄。 ̄ノ)ノ えっ?!裏山に出た魏無羨と藍湛は陳情と忘機琴で合奏し、雲深不知処の景色を楽しんだ。「藍湛、正直に言うとお前が仙督を引き受けるとは意外だった」「我らはここで誓った」…この魏無羨が一生、悪をくじき弱きを救えるように…この藍忘機が一生、悪をくじき弱きを救えるようにすると魏無羨は天子笑(テンシショウ)をあおった。「プハーッ!藍湛、さすがハングアンジュンだな」「お前も、さすがはウェイインだ」永遠に響く「忘羨」曲が終われど絆は永遠に…完(TㅅT)終わったーっ!何だかんだ言いながら、結局、最後はただただ感動〜(←単純w(:3_ヽ)_ ロスにつき抜け殻中…ちなみにアニメ版『魔道祖師』は同じ原作ではありますがストーリーが微妙に違いますどちらも見ると分かりやすいな〜という印象でした
2020.06.15
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です陈情令 The Untamed第49話「不義の果て」金光瑶(ジングアンヤオ)はいよいよ追い詰められた。最後の望みの綱は自分の真心を知る藍渙(ランホワン)@曦臣(シーチェン)だけ、そこで藍曦臣の情に訴えかけることにした。 「二哥…こたびの件は私がどうかしていました…大きな過ちです」魏嬰(ウェイイン)@無羨(ウーシエン)と藍湛(ランジャン)@忘機(ワンジー)は金光瑶と話さないよう警告したが、藍曦臣は知己の涙の訴えに耳を傾けてしまう。「二哥、嘘偽りはありません、文を受け取ったのです…脅迫文です 文には″お前の所業を7日後に天下に告げる、罪を認め、自らを裁くか、死期を待て″と…」退路を失った金光瑶は皆を乱葬崗(ランソウコウ)に集め、傀儡で包囲させた。もし本当に7日後に悪事が世に伝わっても、その時には各世家も大打撃を受けている。しかしここまで徹底的に排除する必要があったのだろうか。「二哥!私の所業が全て白日の下にさらされ、永遠の笑い者に成り下がるのですよ? そして世に向けて謝り、足元にすがり、許しを求めろとでも? 第三の道などない、彼らが死ぬか…己が滅びるか…」確かに悪事は否定しないが、これも追い詰められたゆえだという。「二哥…少しも私を信じられないと?」すると藍曦臣は自分の質問にひとつひとつ答えてもらうと迫った。「兄上…!」「私なら大丈夫だ、惑わされぬ」そこでまず最初に藍曦臣は、なぜ妹と知りながら秦愫(チンスー)を娶ったのか聞いた。「致し方なかったのです」( ゚ェ゚)ねえ?藍兄は兄妹だっていつ知ったの?金光瑶は妹だと知らず秦愫を愛した。秦蒼業(チンツアンイエ)に婚姻を認めてもらうため、どれほど心血を注いだか。婚礼間近でようやく金光善(ジングアンシャン)と秦蒼業も納得したというのに、突然、拒めば、2人にどんな理由で説明しろというのか。全て事がうまく運んだと喜んでいた時、金光瑶は秦夫人に真相を告げられた。「私の偉大なる父は、長年、従った配下の妻にまで手を出し、娘が増えたことすら知らない! …もし私が婚姻を拒めば、金光善と秦蒼業が反目するどころか、私も2人を敵に回す! 最も悲惨な目に遭うのは誰だと?」確かに真実を知った時の金光瑶の衝撃たるや筆舌に尽くし難い。とは言え娶ったとしても冷遇することは出きたはず、しかし、その時すでに秦愫のお腹には子が宿っていた。(←と思う)「今となっては少しも父親らしくない父を恨めばよいか… 疑い深く考え過ぎる自分を恨めばいいのか…」←もうわけわかめw「だから殺しのか?…己の父を…あのような方法で…」←あのような方法って何よ?「はい…」すると激情に駆られた藍曦臣はいきなり金光瑶の頰を激しく打った。「阿瑶っ!」金光瑶は父殺しも認めた。次第に明らかになる真実、すると藍曦臣は金子軒(ジンズーシュエン)の死の真相にも迫る。父の名を聞いた金凌(ジンリン)@如蘭(ルーラン)は色めき立ち、魏無羨と江澄も固唾をのんで見守った。「確かに金子軒には偶然、遭遇したのではない…」あれは金凌の満一月を祝う宴の当日、金光瑶は闘妍庁(トウケンテイ)の前でわざと配下と密談した。金子軒は当然、何かあったと気づき、金光瑶に声をかける。そこで金光瑶は金子勲(ジンズーシュン)が魏無羨を襲撃しようと、大勢を率いて窮奇道(キュウキドウ)へ出かけてしまったと教えた。当然、金子軒は慌てて止めに行く、まさかその後ろで金光瑶がほくそ笑んでいるとも知らずに…。そしてついにあの痛ましい事件が起こった。金光瑶は蘇渉(スーショウ)@憫善(ミンシャン)に邪曲を吹かせ、温寧(ウェンニン)@瓊林(チョンリン)が金子軒を惨殺するよう仕向けたという。「なぜそんなことを…なぜだ…うぇいしぇんむぁーっ!」金凌は思わず叔父につかみかかったが、やがてその場に崩れ落ちるようにしゃがみこんだ。金光瑶にとっても金凌は幼い頃から育てた可愛い甥だった。泣きじゃくる金凌に自然と手を伸ばしたが、もはや触れることは叶わない。「なぜだと?…阿凌、では教えてくれ、なぜなのか 私が笑顔で相手に接しても、いい顔をされるとは限らない 一方、お前の父は尊大だが、大勢が群がって敬う 教えてくれ、同じ息子であっても、お前の父は最愛の妻と優雅に我が子をあやせるのに、 一方、私は実の父から当然のようにあごで使われるっ!」実は金光瑶と金子軒は誕生したのも同じ日だった。金光善は一方の息子には盛大な宴を催し、もう一方の息子に対しては配下が蹴落とすのを眺めていたという。あの日、金光瑶は自分が息子だという証しを持って父を訪ねた。しかし認知してくれるどころか金麟台の一番上から蹴落とされ、金光瑶は階下の地べたまで転がり落ちてしまう。「阿凌、教えてくれ…この差はどうして生まれる? 私とて善人でいたい、あの父にも期待したことはあった… 父の命令であれば魏公子を陥れもしたし、薛洋(シュエヤン)を守ったりもした どれほど愚かで恨みを買うことにも手を染めたのだ… 阿凌、私が何に失望したと思う?父が私を軽んじ、金子軒を溺愛したことではない 莫玄羽(モーシュエンユー)を呼び戻したり、お前を抱かせてくれなかったり、 私の力を奪おうとしたことでもない、失望したのは…」ある日、金光善は女子をはべらせ、酒を飲んでいた。金光瑶は偶然、父が女子に漏らした本音を聞いたという。その時、なぜ父のごとき金に困らぬ大家主がわずかな手間すら惜しみ、母を身請けしなかったのか分かった。『女は面倒だ、特に学識のある女はな…身請けなどしてみよ?一生つきまとわれる …息子だと?奴の話はするな!さあ飲むぞ』金光瑶はこの時、心の中で何かが壊れた。「どうです?私のような息子は大した価値もない…″奴の話はするな″?ふっ…あははは〜」その壮絶な生い立ちにその場の誰もが言葉を失った。しかし藍曦臣は今さらそんな話をして何になるという。「…何にもならない、今、何を言っても無駄だ…仕方ありません 悪事を尽くし、命乞いをする…私はそんな人間なのだ」すると金光瑶が一瞬の隙をつき、体内に忍ばせておいた琴弦で金凌の首を捉えた。←(ヾノ・∀・`)ナイナイw「要求は同じだ、私を逃がしてくれたら阿凌を無事な姿で返してやろう」蘇渉は金光瑶の元へ駆けつけようとしたが、藍曦臣に見つかって止められてしまう。「…金宗主、私ならお構いなく」「かたじけない」金光瑶は人質の金凌を連れて逃げ出そうとした。しかしその時、雷鳴と共に正門の扉が激しい音を立てる。魏無羨たちは何事かと一斉に外を見ると、開いた門から藍愿(ランユエン)@思追(スージュイ)が観音殿まで吹っ飛んできた。「思追!」「魏前輩、含光君(ガンコウクン)、阻止できません!」「誰を?」観音廟に凄まじい黒い気に包まれた傀儡が現れた。その手には赤鋒尊(セキホウソン)の得物である″覇下(ハカ)″が…。誰もが当然、聶明玦(ニエミンジュエ)かと目を疑ったが、骸は箱の中だった。「温寧だ…」魏無羨は温寧だと気づいた。藍愿の話では温寧と遭遇した時にはすでにこの状態で、制止しようにもできなかったという。そこで魏無羨は口笛を吹いて温寧を制御しようとしたが、全く効果がない。(´ ・ω・)<温寧が従わないなんて、まさか…( ತ _ತ)<刀霊が取り付いた!温寧はゆっくり観音殿まで歩いてきた。すると雄たけびを上げ、覇下を振りかぶって殿内に飛び込んで来る。驚いた金光瑶は思わず琴弦から手を離した。魏無羨は咄嗟に飛び出し、金凌を抱えたまま床に倒れこむ。「魏無羨!金凌!」江澄は慌てて駆けつけると、2人とも無事だと分かって安堵した。その時、金光瑶の悲痛な叫び声が響き渡る。「うわああーっ!」金光瑶は肩から左腕をばっさり切り落とされていた。刀霊の標的は明らかに金光瑶だった。蘇渉は金光瑶の元に駆けつけ、迫り来る温寧から必死に金光瑶を守る。そこで藍湛と藍曦臣は琴と簫(ショウ)で温寧を鎮めることにした。しかし効果はなく、温寧は再び覇下を振り上げる。「逃げて!」金凌は思わず叔父に声をかけた。すると刀霊がその声に反応し、動きが止まる。実は金凌は魏無羨と一緒に床を転がった際に肩を負傷し、出血していた。温寧が殿内に飛び込んできた時、金光瑶は咄嗟に金凌を突き飛ばして逃していた。と同時に魏無羨が金凌を抱きかかえて救出、床を転がり難を逃れる。一方、藍湛は避塵で金光瑶の腕を切り落とし、そのおかげで金光瑶は刀霊の一撃を免れていた。(?)刀霊は血の気が失せてきた金光瑶ではなく、近くにいた同じ血筋の金凌に反応した。すると温寧は急に方向を変え、金凌に向かって覇下を振り上げる。「温 瓊 林 っ!」魏無羨の叫びに温寧はついに我を取り戻し、自分では刀霊を制止できないと訴えた。そこで温寧は刃を素手でつかみ、必死に刀を振り下ろさないようこらえる。「今だ!早く逃げろ!」しかし江澄も金凌も身体が動かない。仕方なく温寧は全身の力を使って覇下を動かし、勢いのまま柱に斬りかかった。覇下は凄まじい勢いで柱に食い込んだが、温寧もいつまで持ちこたえられるか分からない。その時、魏無羨は床に転がったままの陰虎符を思い出し、口笛を吹き出した。藍曦臣は陰虎符を使うことに抵抗があった。しかし藍湛が兄を諌め、魏無羨に任せることにする。その時だった。「魏無羨!」魏無羨が振り返ると、江澄が密かに持っていた陳情を投げ渡す。←( ๑≧ꇴ≦)陳情!どこから来た?!こうして魏無羨は16年ぶりに陳情で陰虎符を操ることになった。↓めっちゃ見てるたんたんw魏無羨の陳情に誘導され、覇下はゆっくり主の骸へ戻った。一同は安堵して見守っていたが、突然、聶懐桑(ニエホワイサン)の叫び声が聞こえる。何事かと戻ってみると、聶懐桑が足を斬られていた。「蘇渉!なぜ私を殺そうと?!」「違う!奴が自分で!」「助けてくれ!助けてくれ!」蘇渉は焦って誤解を解こうとしたが、その時、聶懐桑の助けを呼ぶ声に覇下が反応、再び主の元から飛び出してしまう。すると覇下は蘇渉めがけて突進、一撃で刺し殺した。魏無羨は再び陳情を吹いて刀霊を鎮めることに成功した。←しかもわりとあっさりwそして再び赤鋒尊の骸に覇下を収め、刀霊が暴走しないよう陰虎符も副葬しておく。最後に自分の血を使って封印するころには、さすがに魏無羨も立ちくらみを起こした。しかしいつの間にか後ろにいた藍湛が支えてくれる。←( ๑≧ꇴ≦)ありがとう、たんたんこうして莫家から始まった一品霊器騒ぎはついに決着がついた。実は藍愿は陳情を操る魏無羨の姿を見ながら、かつての面影が蘇っていた。今なら莫家で会った時からなぜ莫玄羽(モーシュエンユー)のことが気になっていたのか、合点がいく。↓2人からめっちゃ見られてるうーさん一方、藍曦臣は負傷した聶懐桑を介抱していた。手当てが終わった藍曦臣は、今度はそばの柱にもたれかかっている金光瑶の様子を見る。「…金宗主、無駄な抵抗はしないことだ、さもなくば私も躊躇なく命を取る」その言葉を聶懐桑は聞き逃さなかった。「…沢蕪君(タクブクン)に感謝を」もはや他人行儀の2人、すると藍曦臣は黙々と金光瑶の腕の傷に薬を塗り始めた。あまりの痛みに顔を歪める金光瑶…。藍曦臣はさすがに同情し、薬を飲ませることにした。「懐桑?さっきの薬を…」聶懐桑は足元にあった薬瓶を取ったが、わざと懐に入れて探しているふりをした。すると藍曦臣が振り返り、薬を受け取りに来る。その時、だった。「曦臣哥!危ない!」驚いた藍曦臣は瞬時に剣を抜き、目を閉じたまま振り向きざまに刺した。「どうした?!」魏無羨たちが慌てて立ち上がると、金光瑶が藍曦臣に突き刺されている。「たった今、三哥が…いや、金宗主が背後から迫って、曦臣哥を襲おうと…」つづく(  ̄꒳ ̄)もうどうにでもなれって感じで主観で突っ走ってますw
2020.06.13
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です陈情令 The Untamed第48話「暴かれた呪い」雲萍(ウンヘイ)城の観音廟、斂芳尊(レンホウソン)@金光瑶(ジングアンヤオ)は人質そっちのけで、懸命に何かを掘り起こしていた。一方、魏嬰(ウェイイン)@無羨(ウーシエン)は、藍湛(ランジャン)@忘機(ワンジー)が実はすでに金丹の一件を聞いたと知る。「いつ温寧(ウェンニン)@瓊林(チョンリン)から聞いた?」「お前の気絶中に…」「江澄(ジャンチョン)@晩吟(ワンイン)にも告げたのか?」「…衝撃を受けていた」「温寧には口止めしたのに…(ブツブツ」「口止めだと?」魏無羨と藍湛のひそひそ話を聞いた江澄が思わずかみついた。「魏無羨よ、お前は私欲がなく、実に偉大だな? 誰にも人知れぬよう善行を施すとは、何とも感動的だ 泣きながらひざまずき、感謝しようか?」「…感謝しなくていい」「そうとも、″見返りを求めぬ″…高尚ではないか、だが私は違う どうりで父上がお前こそ江家家訓を理解すると言うわけだ」「大概にしろ」「大概にだと?私に命令するな!お前は全てにおいて私に勝る 天賦の才、修行の成果、霊力、そして徳までも…そして私は低劣、だったら私は何だ!」江澄は昔から腹を立てると悪態をつき、相手が不愉快になるよう罵倒する。その性格を誰よりも知っているのは魏無羨だった。「答えろ、魏無羨…何の資格があって?」「資格ってなんだ?」「江家から恩を受けただろう?私こそ江家の息子で雲夢(ウンム)江氏の継承者だぞ?! だが長年、お前に抑えつけられ、たくさんの命が犠牲になった! 父上、母上、姐姐、そして金子軒(ジンズーシュエン)の命も… お前のせいで金凌(ジンリン)@如蘭(ルーラン)は両親を失った 魏無羨…先に誓いに背き、江氏を裏切ったのは誰だ?言ったよな? 将来、私が家主で、お前は配下となって一生、私を支えると… ″姑蘇の双璧がなんだ?雲夢は双傑、江家を裏切りはしない″と…誰の言葉だ? …誰の言葉か答えてみろっ!すっかり忘れたのか?!」↓( ತ _ತ)oO(そんなこと言っていたのか?!みたいな…魏無羨は返す言葉もなく、そっと涙を流した。「その結果お前は他人を守った、それも温家の奴らを… どれだけ世話になった?迷いもなく出て行くなんて、江家は何なのだ? 善行をやり尽くし、悪事を行うにも理由がある…言えない事情でもあるのか? だったらなぜ私には告げぬ?バカにしているのか?!すると江澄は重い身体を引きずって魏無羨の前でしゃがんだ。「魏無羨、江家への仕打ちの数々、恨んで当然では?恨んで何が悪い! これではまるで私がお前に顔向けできず、長年、道化役だったも同然ではないか! 私は何なのだ?お前の偉大さにひれ伏すしかなく、恨むこともできぬと?!」江澄がじりじり魏無羨に近づき、隣にいた藍湛は警戒して動いた。魏無羨は咄嗟に藍湛を制止、慌てた金凌も叔父をかばう。「含光君(ガンコウクン)!舅舅は深手を…」「うるさい!藍二など恐れぬわ!」江澄は苛立って金凌を突き飛ばした。「なぜだ…なぜだ魏無羨?なぜ私に黙っていた…」江澄は己の不甲斐なさに思わず泣き出した。すると魏無羨は、そんな江澄の姿を見たくないからだと答える。「お前は言った、将来、家主になった私を配下のお前が一生、支えて行く… 雲夢江氏を永遠に裏切らないと…お前の言葉だぞ?」「…すまない、約束を破った」「ふっ、この期に及んで謝罪されるなんて…私は随分ご立派だな…すまない…」魏無羨は江澄の口から初めて謝罪の言葉を聞いた。「謝らなくていい…これは江家への恩返しだ このことは気に留めなくていい、忘れろ…ふっ、お前の性格じゃ、ずっと覚えてるよな? だけど、今の俺からすれば全部、過去だ、まるで前世のことのように… 水に流そう、もう執着するな」魏無羨は江澄の涙を拭い、笑顔を見せた。江澄はようやく魏無羨へのわだかまりが解け、調息して傷を治し始めた。すると気絶していた聶懐桑(ニエホワイサン)がようやく目を覚ます。その時、発掘現場からうめき声が聞こえ、悪臭が漂って来た。観音殿の奥でようやく目当ての品を掘り当てた金光瑶だったが、罠だった。作業していた子弟たちは地中から噴き出した毒を浴び、顔や手が焼けただれて死んでしまう。金光瑶も手を負傷したが、危ないところで蘇渉(スーショウ)@憫善(ミンシャン)が救出した。そこで蘇渉はすぐ金光瑶に薬を飲ませ、毒が回らないよう手首を強く縛っておく。しかし毒なら調息で排出できると考え、金光瑶は再び発掘現場へ戻った。藍渙(ランホワン)@曦臣(シーチェン)や魏無羨たちも金光瑶が何を掘り起こしたのか見に行くことにした。すると早速、蘇渉が箱のふたを開けたが、金光瑶は驚愕のあまり言葉を失ってしまう。何と箱の中には首と身体がつながれた赤鋒尊(セキホウソン)・聶明玦(ニエミンジュエ)の骸が入っていた。「答えよ、何を企んでいるっ?!」さすがに冷静沈着な藍曦臣も激昂したが、魏無羨が金光瑶を責めないようなだめる。恐らく金光瑶が埋めたのではなく、先に埋めていた物を誰かにすり替えられたのだ。「金宗主?金麟台で秦愫(チンスー)が見せた文を覚えているか? 秦愫にお前の所業を教えたのは秦夫人に仕えていた碧草(ビーツァオ)だった だがなぜ碧草が突然、暴露する気になったか…扇動した者がいないと? それとお前が監禁した思思(スースー)、誰が救ったのか? 誰が碧草と共に雲夢江氏へ行かせ、秘密を暴かせたのか? その者はお前の秘密を全て調べ上げ、一足先にここへ来て、埋葬した物と赤鋒尊の骸をすり替えた そして到着したお前に贈ったわけだ…」その時、無事だった金氏の子弟が確かに掘り起こした形跡があると叫んだ。「金宗主?あんたは出し抜いたつもりでいても、背後に先回りする者がいた お前を見張るそいつは、この瞬間もどこかでお前の一挙一動をうかがっているかもな? …あ!そうか!そいつは人間とは限らない」金光瑶は魏無羨の指摘に思わず身震いし、毒が抜けたら仕切り直して出立すると決めた。蘇渉は魏無羨と江澄が何もしないよう、両手首を縄で縛っておいた。 ←なぜ2人だけ?すると金光瑶は傷だらけの蘇渉に薬を渡し、先に傷の手当てをするよう告げる。魏無羨はあの敵意丸出しの蘇渉がなぜ金光瑶だけには礼儀正しいのか首を傾げた。その時、藍湛は偶然、蘇渉の破れた衣に目を留める。( ತ _ತ) <こちらを向け蘇渉は何事かと含光君(ガンコウクン)を見ると、魏無羨はその破れた衣からのぞく胸に気づいて驚いた。「お前だったのか!」蘇渉の胸には千瘡百孔(センソウヒャッコウ)の痕があった。藍曦臣は金光瑶が金凌の満一月を祝う宴に魏無羨を招いたのも、金子勲(ジンズーシュン)が千瘡百孔のことで殺意を抱くと分かっていたからだと気づく。恐らく金子勲が呪われなければ、窮奇道(キュウキドウ)での悲劇は起こらなかったはずだ。江澄は金光瑶が一度の殺りくで金子軒と金子勲の2人を片付け、後継者争いにおける邪魔者を消し去ったのだと指摘する。これで蘇渉がかけた呪いも、もはや誰が指示したかは明白だった。「金光瑶!お前と確執はなく、関わりもなかった!なぜ俺を金子軒殺しに仕立てたんだ?!」魏無羨は当時の絶望を思い出し、何ともやりきれない。しかし金光瑶は、確執など関係ないと誰より魏無羨が分かっているはずだと迫った。「誰かが最初の一太刀(ヒトタチ)を浴びせるのだ…」「冷酷な小人(ショウジン)め!」江澄が思わず罵倒すると、蘇渉がこれまでの鬱憤をぶちまけた。「お前たちは廉潔の名士を気取るが、それはよい家柄に生まれただけだ!侮辱できる資格が?! 外門の弟子は人ではないのか?私に身を守る力があれば脅迫もされず、 落ち葉を掃くかのように藍氏から破門されなかったはず!」( ತ _ತ)<ィャ、破門する、信義に背いた者は姑蘇(コソ)藍氏に留め置かぬ ←容赦ない藍湛w「ハングアンジュン…その態度が気に食わぬのだ! 少しの過ちですら許そうとしない、まるで私が人として劣るかのように…」そんな蘇渉に唯一、敬意を払って接してくれたのが金光瑶だった。「金子勲ごとき人を見下す奴は全員、殺す!片っ端から殺してやるっ!」すると蘇渉の心の叫びを聞いた魏無羨は思わず泣き笑いしてしまう。「あっははは~予想外だったな…だってそうだろう? 大勢、殺した理由がまさか、そんなこととはねえ…」「魏公子?自分はとばっちりを受けたと?」金光瑶はまるで人ごとのような言い草の魏無羨に聞いた。金光瑶はたとえ自分たちが金子勲に呪いをかけずとも、いずれ魏無羨は別の理由で襲撃されたはずだと指摘した。なぜなら魏無羨は良く言えば義に篤く、自由で何事にも縛られないが、悪く言えば至る所で敵を作る。敵に回した者の身に何かあれば、真っ先に疑われるのは他でもない魏無羨だ。「たとえ不夜天(フヤテン)で陥れられなかったとしても、一生、無事で済むと思っているのか? だからお前のような人間は短命なのだ」「お前こそ短命だ!…妓女の子め!のし上がるためなら恥も外聞もなしか?」江澄は金光瑶を挑発した。すると金光瑶は得意の弁舌で江澄を追い詰めて行く。「今の気持ちは分かる、真相を知ったゆえ怒りが込み上げるのだ 長年の行いを振り返り、高慢な心に罪悪感がよぎった だから全ての責任を押し付けられる悪魔を急いで見つけたいのだな? 江宗主、何もかも私の責任にして気持ちが楽になるのなら好きにせよ だが1つ確かなのは、魏公子がこうなったのはお前にも責任がある、しかも大きな責任がな! なぜ大勢が夷陵老祖(イリョウロウソ)を倒そうとしたか? なぜ関係ない者までもが一斉に訴えたと思う? ただの同調か?…当然、違うっ!原因の一部はお前にあるのだ」射日(シャジツ)の征戦後、蘭陵(ランリョウ)金氏、清河(セイガ)聶氏、姑蘇藍氏の三家が競い、各自が勢力を形成した。しかし江澄は蓮花塢(レンカウ)を再建したばかりで、何をしでかすか分からない魏無羨も抱えている。そんな状況にある若い家主を他の世家が歓迎するだろうか。金光瑶の言葉に魏無羨はこらえきれず、大粒の涙をこぼした。「もしお前がこの師兄を少しは厚遇し、2人の結束は固いと示していたら? もしくは事が起きても寛大に処置していたら?あのような悲劇は起きなかったやも… 忘れぬことだ、乱葬崗(ランソウコウ)の討伐にはお前も加わったのだぞ?」魏無羨はふと思い出した。江澄にここまで突っかかるところを見ると、″妓女の子″という言葉は金光瑶の逆鱗に触れるのだ。「赤鋒尊を殺すわけだな…」赤鋒尊の記憶に入った魏無羨は、金麟台で赤鋒尊が金光瑶を″妓女の子″だと罵ったと知っていた。すると焦った金光瑶は蘇渉を連れて急に出立することにする。しかし魏無羨が引き止め、赤鋒尊の話を続けた。「お前と薛洋(シュエヤン)は赤鋒尊を傀儡にしようとしたが、かなり手間取った、怖くないのか?」「何を恐れるっ!」金光瑶は動揺を隠せず、魏無羨は図星だと分かった。「赤鋒尊が化けて出ることさ…」魏無羨は金光瑶の弱点を見抜き、口笛を吹き始めた。すると金光瑶は母がいた妓楼で燃え盛る炎の中、苦しみながら死んだ妓女たちの怨霊に襲われ、悲鳴をあげる。しかし他の者には何も見えず、金光瑶がなぜこれほど取り乱しているのか分からなかった。やがて金光瑶は自分で口を噛み切り、黒い気に血を吐いて幻覚を消すことに成功する。「さすが夷陵老祖だけある、薛洋が復元したあの半欠(ハンカケ)の陰虎符(インコフ)のみで 陳情がなくとも操れるとは…」その時、密かに霊力を回復した藍曦臣が剣を抜き、金光瑶の首を捉えた。蘇渉は金光瑶を救うため咄嗟に魏無羨に襲いかかったが、藍湛が避塵(ヒジン)を抜いて手首を斬りつけ、剣まで折れてしまう。こうして形勢は逆転、藍湛は縛られている魏無羨と江澄の縄を切った。( ๑≧ꇴ≦)たんたん、江澄には容赦ないw魏無羨は金光瑶から剣を奪い、陰虎符を出すよう迫った。金光瑶は観念したのか、素直に袖から陰虎符を出し、床に落とす。↓(^ꇴ^)インコフカム欲しい紛れもない証拠を見た藍曦臣は愕然となり、実は金光瑶が早々に陰虎符を狙っていたと気づいた。それどころか金光瑶は不浄世(フジョウセ)ではすでに薛洋と手を組んでいたという。あの夜、泥酔した総領が目撃したのは孟瑶(モウヨウ)と薛洋の密談だった。「当時、陰鉄を持つ薛洋は暁星塵(シャオシンチェン)を救おうと私と協力し陰虎符を精錬してみた だが2人で力を合わせても陰虎符の半分の威力しか出せぬ 当時、私もお前が薛洋の陰鉄を奪い、陰虎符を作ったと思ったが、結果は違った…」すると魏無羨は金光瑶がどうやって陰鉄を手に入れたのか知りたいのだと分かった。「薛洋が言ってた、陰鉄は4つだと思われているが、実は違う…」「なるほど、″四方の気は玄武に帰する″…そういう意味だったか」金光瑶は魏無羨が屠戮(トリク)玄武を封印していた陰鉄の剣を手に入れ、その後、乱葬崗で陰虎符を精錬したと知った。藍曦臣は信じていた知己が陰虎符のために悪事を重ねてきたと知り、深く失望した。しかし金光瑶はそれだけではなかったという。すると藍曦臣は剣を収めた。「お前の所業を知らなかったわけではない、ただ苦渋の決断だと信じていた だが今は…お前は手を染めすぎた…信じていいか分からぬ」←( ゚д゚)え?そこで金光瑶は力なくその場にへたり込み、藍曦臣の情に訴えかけることにした。 「二哥…私が間違っていた…」魏無羨は弁舌攻撃に飽き飽きしていたが、藍曦臣は殊勝な態度になった金光瑶の訴えに耳を傾けてしまう。「二哥とは付き合いも長い、真心で接してきたことは知っているはず… もう仙督の座に未練はなく、陰虎符も渡した 今夜、東瀛(トウエイ)に渡り、二度とこの地には戻らない…それに免じて命だけは助けてください」つづく( ー̀ωー́ )「予想がついてるなら聞かずとも良い」イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ〜そこは語ってくださいよwww肝心なことなんですから ( ̄▽ ̄;)
2020.06.12
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です陈情令 The Untamed第47話「華麗なる弁舌」斂芳尊(レンホウソン)@金光瑶(ジングアンヤオ)が雲夢(ウンム)に現れた。知らせを聞いた魏嬰(ウェイイン)@無羨(ウーシエン)は、芳菲(ホウヒ)殿の密室で赤鋒尊(セキホウソン)の首の外に乱魄抄(ランハクショウ)と土地権利書があったことを思い出す。「その場所が雲萍(ウンヘイ)城にある」そこで藍湛(ランジャン)@忘機(ワンジー)、温寧(ウェンニン)@瓊林(チョンリン)と共に一路、雲萍へ向かった。魏無羨は記憶を頼りに雲萍にある金光瑶の土地を探した。その道すがら、藍湛に温寧の伴侶を探してやりたいと相談する。( ˘ω˘ )<この件が解決したら俺とは離れるべきだ、いつまでも一緒じゃいられない( ತ _ತ)ウム…魏無羨は少なくとも何人か友は必要だと話し、藍愿(ランユエン)@思追(スージュイ)を推薦した。しかし藍湛はなぜか気まずそうに行ってしまう。魏無羨はともかく温寧を宿で待たせ、慌てて藍湛を追いかけた。金光瑶の土地の権利書にあった住所には驚くことに観音廟があった。2人は人々で賑わう観音殿に入ると、藍湛が陣で何かを鎮圧していると気づく。しかし今、陣を解くのは困難なため、夜の誰もいない時に破ることにした。そうと決まれば、人目につかないよう早々に退散した方が良い。すると中庭でちょうど大師が参拝客に明日からは3日、廟を閉めると話していた。そこで魏無羨はその大師に声をかけ、何かあったのか尋ねてみる。大師の話ではただ建物や鐘鼎(ショウテイ)が古くなったため、修繕するという。「ところで普通、廟は山に立っているのに、街なかの廟は珍しいですね」「街の人は忙しいため、祈願して心の平穏を求める場所がさらに必要かと…」「…ではここは観音様を祭っているだけですか?」「その通り」大師は話を終えて殿内に戻ることにしたが、魏無羨がすかさず揺さぶりをかける。「大師は素質のある方だ、受戒(ジュカイ)していないの仏法に通じている」しかし大師は顔色ひとつ変えず、黙って手を合わせて拝礼した。街が寝静まった頃、魏無羨たちは再び観音廟を訪ねた。しかし正門は結界が敷かれている。そこで魏無羨は温寧を外で待たせ、自分たちが出てこない時は江澄(ジャンチョン)@晩吟(ワンイン)に知らせるよう頼んだ。独りになった温寧は仕方なく正門の石段に腰を下ろす。すると山の方から黒い気が湧き上がっていることに気づき、急いで飛び出して行った。魏無羨と藍湛は屋根に上り、観音廟の中を偵察した。すると中庭に昼間に挨拶した大師や弓矢を装備した蘭陵(ランリョウ)金(ジン)氏の子弟たちがいる。そこへ沢蕪君(タクブクン)こと藍渙(ランホワン)@曦臣(シーチェン)が現れた。魏無羨と藍湛は驚いて身を乗り出したが、その時、思いがけず犬の鳴き声が聞こえる。「仙子(シエンズ)っ!どこへ行く気だ!」それは金凌(ジンリン)@如蘭(ルーラン)の霊犬・仙子だった。恐らくこの観音廟に何かを感じ、主人を連れて来たのだろう。…なぜ金凌が、温寧は何してる?…お坊っちゃまめ、頼むから早く立ち去ってくれ金凌は門を叩いたが、誰も出て来なかった。そうこうしているうちに仙子がまた急に引き返し、どうやら廟を離れたらしい。しかし金凌は好奇心で塀を登り、中をのぞこうとした。中庭に待機していた金氏の子弟たちは、塀から顔を出した金凌に気づいて矢を放った。魏無羨は咄嗟に竹笛を放ち、金凌めがけて飛んで来た矢は竹笛に突き刺さる。「ジンリン!逃げろ!」正体がばれた魏無羨と藍湛はそのまま中庭へ飛び降りた。2人は子弟たちと対峙したが、その時、物陰から琴の弦が飛び出し、魏無羨の首に絡みつく。藍湛は避塵(ヒジン)を抜いて弦を切ろうとしたが間に合わず、魏無羨は不覚にも金光瑶に捕らわれた。藍湛は仕方なく避塵を下ろすと、藍曦臣が申し訳なさそうに声をかけた。「忘機…」「兄上…」「…慚愧(ザンキ)に堪えぬ、謀られ霊力を失ってしまった 朔月(サクゲツ)や裂氷(レツヒョウ)があってもどうにもならぬ」しかし魏無羨は恥じる必要はないとなぐさめた。騙されたのも斂芳尊のお得意の芝居のせいだろう。すると金光瑶はなぜここが分かったのか聞いた。魏無羨は芳菲殿の密室に赤鋒尊の首と一緒に権利書があったと教えると、金光瑶は別々に保管しなかったのは自分の落ち度だと認める。「もはやお前の手中からは逃れられないが、俺の好奇心を満たしてくれないか? 廟にはどんなお宝が眠っている?」「ふっ、好奇心を満たす代償は高い、魏公子、それでも試してみるか?」その時、突然、正門が開いた。逃げたと思った金凌は大師に扮した子弟たちに捕まり、連行された。しかし霊犬は凶暴で逃げられてしまったという。金光瑶は騒ぎにならないよう追いかけて殺せと命じたが、金凌が豹変した叔父の様子に困惑していた。「阿凌、みだりに逃げたり叫べば、お前に怖いことをするぞ?よく考えて行動せよ」すると金光瑶は子弟に作業を急がせるよう命じた。実は観音殿の中では床の板石を剥がし、大師たちが土を掘り起こしている。…何を掘っている?…陰虎符(インコフ)で何を鎮圧させているのか?その時、魏無羨は金光瑶が殿内の様子に気を取られていると分かった。藍湛は魏無羨の目配せに気づいて飛び出したが、あと一歩のところで金光瑶が反応し、失敗する。これに憤慨した金光瑶はさらにきつく弦を引き、魏無羨の首から血が流れた。魏無羨は自分のことは気にせず助けを呼べと訴えたが、藍湛は反撃を断念、金光瑶に従って避塵を鞘に収め、自ら霊脈を閉じてしまう。雷鳴と共に急に雨が降り出した。「沢蕪君、雨だ、中へ避難を…心配は無用、おとなしくしていれば手出しはしない」こうして魏無羨たちは観音殿に落ち着いた。(´・ω・`)<藍湛、あそこまでしなくていい、16年前の件なら…負い目を感じるな( ತ _ತ)<負い目ではない(๑ ・᷄ὢ・᷅)<じゃあなぜ?( ತ _ತ)<当然だからだ…キリッするとこの激しい暴風雨の中、蘇渉(スーショウ)@憫善(ミンシャン)が気を失った聶懐桑(ニエホワイサン)を連れて入って来た。「来る途中に遭遇したので利用できるかと…」金光瑶は聶懐桑のことを実に肝の小さい男だと蔑み、再び発掘現場へ戻った。蘇渉は藍湛と魏無羨に気づき、2人を見下ろして形勢逆転だと勝ち誇った。しかしこの後に及んでも含光君(ガンコウクン)は自分を歯牙にもかけない。「果たしていつまで澄ましていられるかな?」藍曦臣はなぜ蘇渉が弟に敵対するのか分からなかった。すると蘇渉は藍湛が己を誇る態度が鼻につくという。「?!藍湛がいつ己を誇ったんだ? 俺の記憶が確かなら、姑蘇藍氏の家訓で偉ぶるのを禁じたのは何条だ?」魏無羨の話を聞いた金凌は思わず口を挟んだ。「なぜ家訓を知ってるんだ?」「…何度も写せば覚える」「なぜ姑蘇藍氏の家訓を写すんだ?」「好きで写すかよ!…罰を受けたんだ」「恥さらし!」なぜか金凌に叱られる魏無羨、ともかく藍湛が無愛想なのは昔からのこと、誰に対してもつれない態度だと教えた。「蘇宗主、雲夢(ウンム)江氏で学ばなくて幸運だったな~ 俺なんて昔から奇才を自負してたし、あちこちで触れ回ってたぞ」「黙れ!」蘇渉は激怒して掌を放とうとしたが、藍湛が避塵で制した。そこで魏無羨は斂芳尊が沢蕪君に敬意を表している以上、含光君を傷つけない方が得策だと助言する。「驚いたな〜正邪両派の肝を縮ませる夷陵老祖(イリョウロウソ)も死を恐れるか」「死を恐れるというより望まないだけさ~」「言葉尻を捕らえおって…死を恐れるも望まぬも同じだ!」「違いはあるさ~ ″己の運命を決め、運に委ねず、死を望まぬゆえ運命を決め、死を恐れぬゆえ運に委ねず″ 分かるか?」「口の達者な奴だ、死を恐れぬなら願いを叶えてやる」蘇渉はついに剣を抜いたが、その時、外から子弟たちの悲鳴が聞こえた。「誰だ!」蘇渉は外の様子を確認しようと門へ向かった。すると紫電(シデン)がいきなり扉を開け放ち、蘇渉は巻き込まれて吹き飛ばされてしまう。「舅舅!」江澄が殿内に現れ、金凌は喜んで思わず立ち上がった。「助けを呼ぶくらいなら、なぜ逃げ出した?!」そこへ江澄に危急を知らせた仙子が駆け込んで来る。魏無羨は思わず藍湛を盾にしたが、金凌が仙子に蘇渉を襲わせた。驚いた蘇渉は逃げ惑い、やがて仙子に追い立てられて外へ逃げ出してしまう。江澄の紫電が相手では子弟は手も足も出なかった。藍曦臣は金光瑶の動きに気づき、江澄に琴の音に注意しろと助言する。すると金光瑶は耳をつんざくような曲を弾きながら、琴弦を放った。しかし江澄は紫電の先で剣を操り応戦、見事に金光瑶を琴から引き離すことに成功する。(゚∀゚ノノ゙パチパチパチパチ「江宗主、その殺傷力には私もお手上げだ」金光瑶は観音像の後ろから姿を現し、仙子が江澄にこの場所を教えたのだと分かった。それにしても江澄はなぜか視線を伏せて魏無羨の方を見ようとしない。実は金光瑶はその理由を知っていた。「江宗主、相手にするな、彼は弁舌巧みだ、話をすることで相手の注意を引き、動揺させる…」藍曦臣は金光瑶の手の内を明かしたが、江澄はまさかの事態に追い込まれた。「江宗主、昨日、貴殿は蓮花塢(レンカウ)で騒ぎを起こしたとか 夷陵老祖が使っていた剣を持ち、駆けずり回っては会う人々に抜かせたと…」金光瑶の話に誰よりも驚いたのは魏無羨だった。「俺の剣だと?温寧に渡しただろう?いや、今日は持っていなかった なぜ江澄が持っていて、他人に抜かせるんだ?自分は抜いたのか?!」「魏嬰、冷静になれ」藍湛は魏無羨をなだめた。すると金光瑶は誰ひとり随便(ズイベン)を抜けなかったが、江澄だけ抜けたと暴露する。「実に奇妙だ…16年前、私が手にした時、剣は自ら封印した 夷陵老祖以外に抜ける者はいないはずだが?アラアラ~」江澄はまんまと金光瑶の弁舌にはまった。「江宗主は何ともご立派だ、最も若い家主で、独力で雲夢江氏を再建した 心から敬服するが、以前は魏公子に全て劣っていた …どうやって射日(シャジツ)の征戦後、挽回した? まさか…金丹か妙薬でも飲んだとか?」金光瑶に見透かされた江澄は驚愕し、そのまま立ちすくんでしまう。その機を見逃すまいと金光瑶は剣を抜いて飛び出した。江澄は反応が遅れ、防御一辺倒となる。そして金光瑶は攻撃しながら霊脈を傷つけ、ついに江澄は霊力を失った。蘇渉が殿内に戻って来た。しかし結局、仙子は殺せなかったという。その時、奥からついに掘り当てたと叫ぶ声が聞こえた。金光瑶は急いで駆けつけると、早く掘り起こせと急かせる。「傷つけるな…クックック~」魏無羨は藍湛に金丹の件を知っていたのか聞いた。すると藍湛は黙ってうなずく。「いつ温寧から聞いた?」「お前の気絶中に…」「江澄にも告げたのか?」「…衝撃を受けていた」「温寧には口止めしたのに…」「口止めだと?」2人のひそひそ話を聞いた江澄が思わず口を挟んだ。つづく(  ̄꒳ ̄)うーん…帽子ねえ…
2020.06.10
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です※不適切な表現が含まれますが作品のオリジナリティを尊重しそのままあらすじを書いています陈情令 The Untamed第46話「金丹の真実」思思(スースー)と碧草(ビーツァオ)による斂芳尊(レンホウソン)@金光瑶(ジングアンヤオ)の告発…。宗主たちは金光瑶が妹だと知りながら秦愫(チンスー)を娶ったと知り、驚愕した。恐らく自分の地位を盤石にするには秦蒼業(チンツアンイエ)という義父の後ろ盾が必須だったのだろう。すると姚(ヤオ)宗主がやはり自分の言った通りだと声を上げた。金光瑶の息子・金如松(ジンルーソン)の死は他殺ではなく、金光瑶が手を下したのだという。「兄妹の間で生まれた子は大抵、愚物となる 幼い頃は変わりないように見えるが、成長すれば常人と違うと徐々に周囲も気づき始める 本当に愚物であれば当然、金光瑶のことを誹謗する者も現れよう それに考えてみてくれ、金如松を毒殺したとされる者は金光瑶の仙督就任を反対した家主だ これは単なる偶然か?そこで金光瑶は容赦なく金如松を殺し、その家主に罪を着せ、 息子の敵という名目で一族を討伐した」しかし魏無羨には気になることがあった。「金麟(キンリン)台の清談(セイダン)会で秦愫に会ったのか?」「それは…」碧草は気まずそうに口ごもる。「あの晩、芳菲(ホウヒ)殿で秦愫と金光瑶はもめていた 秦愫いわく、ある者が自分に真実を告げ、文を渡したそうだ その者は自分を騙しはしないと…君のことか?」「…そうです」「なぜ長年の秘密を突然、告げようと思った?しかも公にするとは…」「その~なぜって、お嬢様に夫の正体を知って欲しかったからです!」碧草は自分も公にしたくなかったが、秦愫の死が謎の自害として片づけられ、金光瑶の化けの皮を剥がして秦夫人と秦愫の敵を討ちたかったという。「自覚があるのか?君が告げたせいで秦愫は自害した」「おい、その言い方はいかがなものか?真相を隠すべきだと?」姚宗主は言葉尻を捕らえ、魏無羨を制止した。その時、魏無羨は碧草の手首に目を留める。「立派な腕輪だな…」すると碧草は慌てて袖の中に隠した。黙って聞いていた聶懐桑(ニエホワイサン)だったが、確かに誰が2人をここへ届けたのか疑問を呈した。( *`ω´)<こまけーことはいいんだよ!姚宗主はそれが誰であろうと自分たちの味方に違いないと訴える。すると藍湛(ランジャン)@忘機(ワンジー)が珍しく口出しした。( ತ _ತ)<実に疑わしい…確かに金光瑶がなぜ思思だけを生かしておいたのか、本人の証言はあっても物証はない。しかし宗主たちの金光瑶への疑念は深まるばかりだった。「金光瑶が赤鋒尊(セキホウソン)や沢蕪君(タクブクン)に取り入らねば、妓女の子が今の地位まで出世したか?」「その赤鋒尊の命を奪い、沢蕪君も手中にある…何事もなければいいが」「金光善(ジングアンシャン)が死ぬ数年前、奴は己の座を守るため、隠し子を次々と抹殺していた それを考えると莫玄羽(モーシュエンユー)は幸運だな~ 追い出されなければ他の者と同様、消されていたぞ」「金子軒(ジンズーシュエン)の死も奴が関係したのでは?」「もう1つ、薛洋(シュエヤン)の存在を忘れるな、薛洋が逃げたのも金光瑶が関与している!」「そうだ、傀儡を操る陰虎符(インコフ)も薛洋が作った」こうして金光瑶が父、兄、我が子、主まで殺したことが暴かれた。今日の一件も、恐らく各家の力が強まっていることに危機を感じた金光瑶が岐山(キザン)温(ウェン)氏のように討伐されることを恐れ、罠を張ったのだろう。「ならば奴の恐れていることを現実に変えてやる!一斉に金麟台を攻めるのだ!」金麟台を攻めるぞ!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<金光瑶を生け捕れ!各世家の宗主と弟子たちが声高に決起を叫ぶ中、魏無羨は何とも虚しくなった。…昨日までは、かの恐ろしい人物を誰もが″斂芳尊″と絶賛した…それがまさか一夜の間に打倒すべき敵になるとはなまさに昨日の敵は今日の友、乱葬崗(ランソウコウ)であれほど夷陵老祖(イリョウロウソ)を憎き敵だと責めていた宗主たちがあっさり態度を変えた。「魏先生?!魏先生?!金光瑶の持っている陰虎符はお任せしたぞ!」「ォォォ~それが良い!この道で夷陵老祖に勝る者はいない!」魏無羨は宗主たちの変わり身の早さにへき易し、藍湛と退散した。魏無羨は藍湛を連れて屋敷の回廊を歩いた。2人は誰かがこの機を選んで金光瑶の悪事を暴くよう仕組んだと疑っていたが、証拠は何もない。「敵か味方か、動機が何かも判断できないが、どちらにしても金光瑶の悪事は揺らぎない事実だな」「うむ、慎重を期すよう兄に知らせねば」やがて2人はちょうど江氏の祠堂(シドウ)の前に出た。( ತ _ತ)<入るか?( ˘ω˘ )<ぃゃ…そうは言ったものの、魏無羨は後ろ髪を引かれる。結局、魏無羨は藍湛と一緒に祠堂を訪ね、2人で江一族の位牌に叩頭した。「江叔、虞(ユー)夫人、師姐(シシャ)、俺だよ…また眠りを妨げに来た」思えば以前はちょっとしたことですぐ虞夫人に罰を与えられ、祠堂でひざまずかされていたものだ。( ತ _ತ)<耳にはした…(; ˘ω˘ )<姑蘇(コソ)にも伝わっているとは…知れ渡ってたんだな魏無羨はしみじみ今まで生きて来た中で虞夫人ほど気性の荒い夫人は見たことがないとこぼした。(; ̄▽ ̄)<あはは~これは罰当たりだった失言した魏無羨はお詫びに拝礼する。( ತ _ತ)<江澄(ジャンチョン)に告げぬのか?( ˘ω˘ )<さあな~少なくとも今は…( ತ _ತ)<だが兄弟分でもある( ˘ω˘ )<江澄と袂を分かって長い、簡単じゃない、しかも陰虎符は俺が最初に作ったしかし運悪く、祠堂に江澄@晩吟(ワンイン)がやって来る。( ˘ω˘ )<…金光瑶がいなくとも、事実は変わらない「ウェイウーシエン、まるで身内のように来たい時にやって来て、連れまで引き入れる ここの主人は誰だと?」江澄の声を聞いた魏無羨はすぐ立ち上がる。「含光君(ガンコウクン)を機密の場所には入れていない、江叔と虞夫人に線香を上げただけだ すぐ去るさ」しかし江澄は魏無羨に罵声を浴びせた。「確かにひざまずくべきだ、祠堂に乗り込み、眠りを妨げたのだからな!」「江宗主、言葉に注意せよ」藍湛にとがめられ、江澄はムキになった。「私が注意すると?何某(ナニガシ)こそ所作に注意せよ うちを破門されておいて、私の両親と姉に合わせる顔があるのか?」( ತ _ತ)<江晩吟っ藍湛は思わず江澄に向き直ったが、魏無羨が慌てて止めた。「ランジャン、もう行こう」江澄は魏無羨のそっけない態度に苛立ち、さらに挑発した。「去るなら遠くへ行け!ふざけた仲間どもと我が一族の前に現れるな!」これには魏無羨も我慢ならず、つい言い返してしまう。「罵倒するなら俺だけにしろ、他は関係ない」「お前は忘れっぽいな、なら忠告してやる その昔、お前が英雄を気取り、藍の二公子を救ったせいで両親と蓮花塢(レンカウ)は犠牲となった それでも飽き足らず温氏を救い、姉まで犠牲にしたのに…実に偉大だじゃないか しかも驚くほど寛大な心で鬼将軍を蓮花塢(レンカウ)に連れて来て、二公子に焼香させるとは… 私や家族への当てつけか?二公子にも恐れ入るよ〜 姑蘇の双璧でありながら藍氏の名声など顧みず、夷陵老祖と徒党を組むとは 藍叔もあなたの哥哥もさぞ誇らしいだろうな」「ジャンワンイン!…すぐに謝れ!」「なぜだ?偉大な知己との情を侮辱したからか?」「いい加減にしないか!」魏無羨は江澄につかみかかったが、祖先たちの目があることに気づいて手を離す。「…藍湛、もう行こう」藍湛は立ちくらみを起こした魏無羨を支え、祠堂を出て行った。江澄は魏無羨がおとなしく引き下がったことに納得がいかなかった。そこで2人の前に飛び出し、魏無羨の胸ぐらをつかむ。「さっきの威勢はどうした?殴るんだろう?やれよ!」( ತ _ತ)<手を離せ…藍湛がしつこい江澄の手を払い避けると、魏無羨はよろけながら急に鼻血を出した。驚いた藍湛は魏無羨をかばって先を急ごうとしたが、ついに力尽きた魏無羨がその場で意識を失ってしまう。そんな2人を逃すまいと、江澄は紫電(シデン)を放った。その時、温寧(ウェンニン)@瓊林(チョンリン)が駆けつけ、2人をかばって紫電に打たれてしまう。江澄は勝手に屋敷に入った温寧に逆上、再び紫電を放った。しかし温寧は打たれても打たれても立ち上がり、なぜか江澄に″随便(ズイベン)″を差し出す。「抜け」「抜いたら何だ?!」江澄はやけになって随便をつかんだが、なぜか剣が鞘から抜けた。「封印を解いたのか?」「解いていない、今も剣は封じられている、他の者が抜こうとしても、それが誰であれ抜けない」「なぜだ…なぜ私は抜ける?」「剣が魏公子だと思っているからだ」「私を魏無羨だと?どうして?なぜ私なのだ?」すると温寧はついにその秘密を明かした。「なぜならその体内で霊力を生み出す金丹は…彼のものだからだ」江澄はこれまで抱山散人(ホウザンサンジン)が金丹を修復してくれたと信じて疑わなかった。突然、金丹が魏無羨の物だと言われても、とうてい受け入れがたい。しかしその場にいた温寧は全てを目撃していた@18話。「あなたは黒い布で目隠しをし、長い杖を持っていた 山頂の手前で林を通り抜け、半時ほど迂回して鐘音のが聞こえたはず 驚いた鳥が飛び立ち、あなたは杖を握りしめた、剣のように… 鐘の音が静まると剣を突きつけられ、立ち止まれと女子の声がした あなたは歩みを止め、緊張しながらも興奮していた 女子の声は低く、名前と目的を尋ねたので、あなたは…」「黙れっ!」「あなたは蔵色散人(ゾウシキサンジン)の子、ウェイインと答えた 蓮花塢が襲われ滅亡に瀕し、温逐流(ウェンジューリゥ)に金丹を消されたと… その女子に両親のことを聞かれ、最後の質問に答える時、香を嗅いでから意識を失ったはずだ」「なぜそれを?!」「言っただろう?その場にいたと…私だけでなく魏公子もいた 我らだけでなく、姉の温情(ウェンチン)もあの場にいた 江宗主、あそこが抱山散人の隠居の地だと?ただの夷陵の山に過ぎなかったんだっ!」「あり得ぬ…そんなはずはない!だったらなぜ私の金丹は修復された?!」「修復されてなんかない!」「違う!違う!そんなはずは…」「江宗主、もう予想はつくだろう? 金丹が修復されたように感じたのは、岐山温氏の最高の医師・温情がいたからだ 姉が魏公子の金丹を取り出してあなたに移した!」魏無羨は己を犠牲にして江澄を救っていた。衝撃の真実に言葉を失う江澄、一方、藍湛は意識のない魏無羨の顔を見ながら、その深い情義に思わず涙した。それ以来、魏無羨は礼儀知らずだと白い目で見られても、陰口を叩かれても、随便を使わなかった。なぜなら金丹を失って霊力がなければ、随便を抜いても持ちこたえることができない。剣の道が進めなくなり、魏無羨は止むを得ず詭道(キドウ)術法を編み出し、夷陵老祖となったのだ。江澄は確かに思い当たる節があった。第24話、江澄は肩に手を回してきた魏無羨を突き飛ばしたが、魏無羨はあっけなく転んでしまう。…なんだ、酒の飲み過ぎで霊力も弱くなったか?そして魏無羨はあの山で自分を送り出した時、必死に叫んでいた。…江澄!これが最後の機会だ!2度と無茶はするなよ!今になって思えば全て合点がいく。しかし何も気づかず、魏無羨に剣を佩けと注意していたのだ。それでも魏無羨はいつも笑っていた、こんな絶望を抱えながらも…。藍湛はやりきれず、握りしめた避塵で床を突いた。それはまるで知己の苦しみに寄り添えなかった自分への苛立ちをぶつけるように。(←と思う)ガツン!江澄は藍湛の無言の憤怒に身がすくみ、もはや立ち去る藍湛と魏無羨を止める気力はなかった。すると温寧は随便を鞘にしまって江澄に渡し、他に誰か抜ける人がいるか試すよう勧める。「そうすれば嘘かどうか分かるはず… 江宗主、あなたは負けず嫌いで常に誰かと競っている でも本来、あなたは永遠にあの人には勝てない」江澄は激しく動揺し、随便を持って逃げるように走って行った。藍湛と温寧は魏無羨を舟に乗せ、蓮花湖に出た。すると温寧が金丹の件は口止めされていると伝え、藍湛にしばらく伏せておいて欲しいと頼む。またかつて藍湛が金麟台で味方してくれたことに感謝し、何より温苑(ウェンユエン)を世話してくれたことを喜んだ。「てっきりうちの一族は皆殺しになったと思ってたのに… まさか阿苑が生き延びていたとは…従兄の二十代の頃とよく似ています」実は温氏が処刑された後、藍湛は魏無羨を探しに乱葬崗を訪ねていた。そこで偶然にも洞窟に隠れていた温苑を発見したという。しかしその時、温苑は熱を出して病にかかっており、藍愿(ランユエン)はその影響で以前の記憶を失っていた。温寧は藍愿が幸せなら気が重くなるような過去を知るより、今のままでいた方が良いと判断、素性は明かしていないという。もちろんいずれは知ることになるだろう。自分の金丹が魏無羨の物だと江澄が知ってしまったように…。藍湛はふと金丹を取り出すのは痛いか聞いた。温情なら何らかの方法があったのだろうが…。しかし体から金丹を分離する時、麻酔にかかった状態では金丹も影響を受けるため、本人は覚醒している必要があった。「意識がある中で霊脈と結合していた金丹が身体から分離され、 湧き上がる霊力が少しずつ静まるのを感じる… そして最後は、何の波も立たない死水のように霊力は消える…」「ずっと意識が…」「1日半、ずっと覚醒しています」「成功の確率はどれほど?」「5割ほど…今まで誰も試したことのない施術です、誰が自分の金丹を他人にあげますか? そんなことをすれば、永遠に自分が頂きに登れない非力な人間になってしまう だから魏公子に頼まれた時、姉は拒んだんです、でも魏公子は諦めず、 ″5割でも十分だ、半々だろう?失敗して金丹を失っても自分には別の道がある″と… でも江宗主は違います、あまりに負けず嫌いで損得を重んじ、修行の成果は命も同然、 もし何の変哲もない普通の人間になれば、人生は終わってしまうでしょう」するとようやく魏無羨の意識が戻った。魏無羨はいつの間にか舟に乗っていた。そこで藍湛は江澄と戦って外へ出たとごまかす。「藍湛、江澄の言うことなんて気にするなよ? あいつは昔からあの性格で、腹を立てるとひどい悪態をつく…絶対に気にするな、な?」すると魏無羨は子供の頃、師姐と良く遊びに来た蓮花湖にいると気づいた。…阿羨、蓮の実よ魏無羨は江厭離(ジャンイエンリー)の幻影を見る。…家族と呼べるのは私たち3人だけよ…師姐~お腹が減ったよ~…まるで子供みたいねしかし師姐はもういない。その時、ふいに魏無羨の頰を涙が伝った。「魏公子?どうしたの?」「…ふっ、腹が減った」魏無羨たちが蓮の実で腹ごしらえしていると、金色の蝶がやって来た。すると藍湛が手を差し出し、伝言を届けて蝶は消散する。( ತ _ತ)<金光瑶が来た( ̄꒳ ̄)<蘭陵にいるんだろう?なぜ雲夢に?…はっ!魏無羨は芳菲殿で土地権利書を見たことを思い出した。金光瑶の行き先は雲萍(ウンヘイ)城に違いない。つづく(꒦ິ⌑꒦ີ)師姐が言っていた通り、うーさんの性分は変わらない「そんな性格だから阿澄を受け止められるのね」「俺はそんな良い性格じゃない、師姐がいるからさ」でももういない…。゚(∩ω∩`)゚。しくしくあ、忘れるところだったけど、どうして宗主たちは金光瑶が赤鋒尊を殺したって知ってるんだろう?
2020.06.10
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です陈情令 The Untamed第45話「在りし日の面影」魏嬰(ウェイイン)@無羨(ウーシエン)は宗主たちが一時的に霊力を失ったからくりを暴いた。実は蘇渉(スーショウ)@憫善(ミンシャン)が戦曲の一部を邪曲に変えて弾いていたという。その邪曲は雲深不知処(ウンシンフチショ)の禁室に存在する東瀛(トウエイ)の秘曲集・乱魄抄(ランハクショウ)のことだ。恐らく斂芳尊(レンホウソン)@金光瑶(ジングアンヤオ)が蘇渉に指南したのだろう。魏無羨は思わず実に見事な作戦だと感心した。「みんなを乱葬崗(ランソウコウ)へ誘導すると傀儡が待ち構えている算段だ 黒幕は疑われぬようその場におらず、お前に呼応させる 俺の縄張りで全滅ってことになれば、誰もが俺の仕業だと思うだろうな もし俺に遭遇すれば、あの憎き魏無羨だとみんな一斉に攻撃する、俺の釈明を聞く奴はいない」しかし蘇渉は仙督(セントク)である金光瑶が今さら覇を争う必要などないと反論し、皆を死地に送って何の得になるのかと呆れた。魏無羨はならばさっきの戦曲をここで弾いてみろと挑発し、懐からある紙切れを出す。「俺たちが何の収穫もなく金麟(キンリン)台を去ると思うか?芳菲(ホウヒ)殿の密室に隠してあったぞ? 乱魄抄から破かれた2枚だ、藍啓仁(ランチーレン)先生に見てもらおう お前が弾いていた旋律が書かれているかどうか…」藍啓仁は魏無羨から楽譜を受け取ろうとした。焦った蘇渉は阻止しようとしたが、瞬時に反応した藍湛が避塵(ヒジン)を放つ。蘇渉はうっかり剣を招喚して跳ね返し、自ら霊力を失っていないと暴露した。(  ̄꒳ ̄)b<なぜ霊力があることを隠していたのかな~?追い詰められた蘇渉は法陣に血を吹きかけ破壊、陰虎符(インコフ)を使って一瞬で姿を消してしまう。法陣の効力が消え、傀儡が伏魔殿の扉を押し開けた。魏無羨はひとまず傀儡を温寧(ウェンニン)@瓊林(チョンリン)に任せ、その間に宗主たちを脱出させる方法を考える。すると姚(ヤオ)宗主がなぜ蘇渉が陰虎符を持っているのか聞いた。魏無羨はあの陰虎符は薛洋(シュエヤン)が模造したものだと教え、自分たちが義城(ギジョウ)で薛洋と戦っていた時に鬼面の男が現れ、薛洋を救おうとしたが失敗、陰虎符だけを持ち去った説明する。「つまり蘇渉こそ仮面の男だ」宗主たちは傀儡を操っていたのが蘇渉と知り、呆然となった。傀儡と戦っていた温寧は魏無羨にきりがないと知らせ、再び戦いに戻った。すると勇敢な藍愿(ランユエン)@思追(スージュイ)が助太刀へ、それを見た金凌(ジンリン)@如蘭(ルーラン)も剣を抜く。江澄(ジャンチョン)@晩吟(ワンイン)は咄嗟に紫電(シデン)を持っていくよう促したが、金凌は無視して飛び出して行った。「ジンリン!青二才め、戻って来い!」(๑ŏ _ŏ)<戻っては?@思追( ๑≧ꇴ≦)<断る!@金凌(  ̄꒳ ̄)そして結局、温寧は傀儡と戦いながらお子様も守るはめに…wもはや待った無しの状況となり、宗主たちの間に動揺が広がった。すると魏無羨が外衣を脱ぎ、藍湛(ランジャン)@忘機(ワンジー)の剣で指を切ると、白い中着に自分の血で呪文を書き始める。「第二波が襲ってきたら、血池におびき寄せ、含光君(ガンコウクン)が始末する、俺が傀儡の標的だ 戦おうとせず、外へ逃げれば傀儡には襲われない」藍景儀(ランジンイー)は自分の衣にも標的の印を描いて欲しいと名乗りを上げたが、魏無羨は標的なら1つで十分だと言った。「攻撃するのは含光君のみ、しゃしゃり出てくるな!」そして魏無羨と藍湛が2人で外へ飛び出し、魏無羨が竹笛を吹いて傀儡を引きつける。「温寧!全員を頼む!」こうして宗主たちは伏魔殿から脱出した。宗主たちは無事にふもとまでたどり着いた。しかしまだ宗主たちの霊力は1割程度、そこでここから一番近い蓮花塢(レンカウ)へ避難させてもらい、8割ほど回復したら帰還しようという。江澄はこのまま去るのは気が引けたが、宗主たちは含光君たちは助からないと決めつけた。それを聞いた藍愿は居ても立ってもいられず、来た道を引き返してしまう。するとちょうど藍湛が憔悴した魏無羨を抱えて逃げて来る姿が見えた。「魏前輩!」「…思追」魏無羨はふもとまで逃げ切ったと分かり、その場にへたり込んでしまう。「魏前輩!大丈夫ですか!」「思追、平気だ、怯えるな…」「怯えてはいません、ただ…よく分かりませんが…なぜか…」「こまった子だな…気が動転しているのか?」魏無羨はそのまま意識が遠のいて行った。「魏前輩!しっかり!目を覚まして!」「…阿苑(アユエン)」無意識に温苑(ウェンユエン)の名を呼ぶ魏無羨、その名を聞いた温寧は藍愿に在りし日の面影を重ねた。雲夢(ウンム)江氏の蓮花塢へ水路で向かった一行は、黒幕とされる金光瑶の話題で持ちきりだった。一方、藍愿は船酔いで気分が悪く、立ち寄った埠頭で休みを取ることにする。欧陽子真(オウヤンズージェン)は北方の者ならともかく、姑蘇(コソ)の人間が舟に弱いと知って驚いた。「4~5歳の頃から舟には弱いのだ」しかしそれ以前の記憶が定かでない藍愿は生まれつきかもしれないという。そこへ突然、鬼将軍と恐れられる温寧がやって来た。藍景儀や欧陽子真は怯えて後ずさりし、近くにいた金凌は父の敵である温寧に敵意丸出しになる。すると温寧は藍愿の前まで来たが、ふと気づいて遠慮し、後ろへ下がった。「…君の名は?」藍愿は驚いた様子だったが、なぜか抵抗なく温寧に近づいた。「姑蘇藍氏の子弟でランユエンと申します」「ラン″ユエン″?ゥ~ン…ではその名前をつけたのは?」「当然、両親です」「両親はまだご健在なの?」「私が幼い頃、亡くなりました…」「ェート…思追が君の字(アザナ)かい?」「まさしく」「誰がつけたの?」「ハングアンジュンが」「そっか…ボソ」温寧は何やら考え込むと、藍愿は自分の名前に問題があるのか尋ねた。慌てた温寧は何もないと答え、実は藍愿が遠縁の親戚に似ていると顔をほころばせる。ニコ( ఠ‿ఠ )ニコ (´゚艸゚)∴ブッ ( ๑≧ꇴ≦)<鬼将軍は親しみやすいな穏やかな温寧の姿に藍景儀と欧陽子真は思わず失笑した。しかしその時、藍愿は不思議な感覚を覚える。…どこかでこの顔を見た気がする「ぁ…藍公子?君を阿苑と呼んでいいかい?」「はい」「アユエン、ずっと元気だったかい?」「はい、とても」「含光君のおかげだね」「含光君は父兄であり、琴の師です」「いつから含光君は君を指導してきたの?」「よく覚えていませんが4~5歳頃です それ以前は指導していないはず、含光君は面壁中でしたから…」すると温寧は懐から玩具を出した。「さっき埠頭で買ったんだ、好きだと思って…あげるよ」それは奇しくも第39話で藍愿が潭(タン)州で購入した竹細工の蝶とよく似ていた。驚いた藍愿は袂から蝶を出して並べてみると、それを見た温寧は藍愿が可愛がっていた温苑だと確信する。思わず手を伸ばし、藍愿の頬に触れようとする温寧、その時、金凌が剣を抜く音が聞こえた。金凌は温寧に剣を向けた。驚いた藍愿は剣を収めるよう頼んだが、憤慨した金凌に突き飛ばされてしまう。温寧は危うく倒れそうになった藍愿を助け、金凌に怒りは自分にぶつけるよう訴えた。「抵抗はしません」すると藍景儀と欧陽子真が横暴な金凌を非難し、目撃していた姑蘇藍氏の子弟が思わず口を滑らせてしまう。「誰が教育したんだか…(ボソッ」その頃、藍湛は舟の中で気絶した魏無羨のために琴を弾いていた。魏無羨は外の騒ぎに気づき、ふと目を覚ます。「…金凌?!藍湛、金凌たちに何があったんだ?」その頃、桟橋では金凌が剣を抜いていきり立っていた。「どうせ私は最低だ!悪いか!」「なぜ急に癇癪を起こす?」「まさに″大小姐脾气(お嬢様気質)″だな」魏無羨と藍湛は舟を降りて駆けつけると、温寧は自分が悪いと恐縮していた。「つい顔を見たくなって…」ともかく魏無羨は剣を降ろせと叱ったが、金凌は興奮して手がつけられない。「嫌だ!放すもんか!」「ジンリン、わがまま言うな」「そうさ、わがままで聞き分けがないのさ!」すると金凌は急にしゃがみ込み、亡き父の剣を抱いて号泣してしまう。(꒦ິ⌑꒦ີ)じんりん…ずっと独りで我慢して来たのね…魏無羨は金凌に何も言葉をかけられなかった。すると騒ぎに気づいた江澄が舟から金凌を呼び戻し、誰に泣かされたのか聞く。金凌は答えなかったが、桟橋にいる魏無羨と温寧を見れば十分だった。「よく戻れたものだ…」江澄は魏無羨に嫌味を言うと、舟に戻った。蓮花塢に到着する頃には日が暮れ始めた。江澄は温寧が足を踏み入れることを許さず、温寧は素直に外で待つことにする。すると藍愿が駆けつけ、付き添うと言った。2人が楽しそうに話している様子を見た魏無羨は連れ戻そうとしたが、藍湛は好きにさせれば良いという。そしてその夜、魏無羨はついに夢にまで見た蓮花塢の敷居をまたぐことが叶った。一方、温寧と藍愿は意気投合していた。「確か含光君が幼い私をウサギの群れの中で育てたことが…」「本当に?」「うん、食べる物も同じでした、だから私は人参が好物なんです」(  ̄꒳ ̄)oO(何してんの?藍湛…試剣(シケン)堂に宗主たちが落ち着いた頃、江澄のもとに2人の女子が訪ねて来たと知らせが届いた。江澄は追い返すよう命じたが、女子は今日のために来たという。仕方なく江澄は退席して女子に会いに行ったが、2人の話は信じがたい内容だった。魏無羨は殿内に入れず、門の外で待っていた。藍湛も魏無羨と一緒に外にいたが、目を閉じたまま姿勢を崩さず立っている。江澄がなかなか戻らず、やがてだらけて座る魏無羨、すると藍湛に注意されてしまう。するとようやく江澄が2人の女子を連れて試剣堂へ戻って来た。ふてくされていた魏無羨は何事かと振り返ると、江澄がようやく入れと許してくれる。江澄は着席し、女子たちに再度、話して欲しいと頼んだ。実は驚愕する内容のため軽率に判断できず、皆にも聞いて欲しいという。先に口を開いたのは面紗(メンシャ)で顔を隠した思思(スースー)だった。思思は人気のある妓女だったが、十数年前に豪商に嫁ごうとしたところ、その妻が男たちを雇って顔を傷物にしたという。そこで思思は面紗を外し、顔に残る大きな傷跡を見せた。この顔では嫁ぐどころか娼館も追い出され、仕方なく年のいった妓女を頼ったという。おかげで顔を隠して何とか商売を続けていたが、約11年前のある日、仲間の妓女が大きな仕事を持ちかけてきた。妓女たちは大金を積まれ、馬車に乗ってある屋敷にやって来た。思思はこれほどの富豪がなぜ自分たちのような妓女を指名するか腑に落ちなかったという。実は妓女たちを呼んだのは金光瑶だった。金光瑶は金光善(ジングアンシャン)を寝台に縛り付け、妓女たちに相手をするよう命じたという。『父上、女子は大好きでしょう?しかも大勢いる…うれしいですか?クックックック…』思思は相手の男はもがき苦しんでいたと話した。ただ全身には全く力が入らないようで、そのまま息も絶えてしまったという。しかし驚いたことに帳の後ろにいた金光瑶が死んでも続けろと命じたのだった。「あの方が死に私たちも観念しました、案の定、仲間の妓女たちは全員、殺されたのです」しかしなぜか思思だけは殺されず、この11年間、監禁された。最近になってある人に救われ逃げ出したが、直接、会っていないので誰かは知らないという。「ただ、君子面した悪党を野放しにはしないと憤ったそうです 今は破竹の勢いでも、いずれ化けの皮を剥がし、 妓女たちが浮かばれるよう公正に裁いてくれると…」すると魏無羨が証拠はあるか確認した。思思はないと言ったが、姚宗主は微細にわたる説明のため虚偽ではないとかばう。次は碧草(ビーツァオ)の番だった。碧草は楽凌(ラクリョウ)秦(チン)氏の侍女で、金夫人となった秦愫(チンスー)に幼い頃から仕えていたという。あれは12~3年前、秦愫の縁談が決まった頃だった。なぜか秦夫人がふさぎ込むようになり、碧草は溺愛する娘を手放したくないだけだと思って夫人を慰めたという。しかし婚礼の日取りが決まると、招状を見た夫人は気絶した。そして秦愫が嫁いでからは心を病んで症状も重くなり、そして亡くなる前、夫人はついに碧草に全て打ち明けたという。実は金光瑶と秦愫は兄妹だったのだ。金光善はかつて美しい秦夫人に恋慕し、外出の時を狙って酔いに任せ襲っていた。泣き寝入りするしかなかった秦夫人だったが、娘の父親が誰か忘れるはずがない。娘が金光瑶を慕っていると知った秦夫人はまさに青天の霹靂、悩んだあげく過ちが起きないよう婚礼前に金光瑶を訪ね、秘密を明かしていた。しかし金光瑶は妹と知りながら秦愫を娶ってしまう。話を聞いた姚宗主は愕然とした。先代の秦宗主は金光善に何年も従って来たのに、まさかその妻にまで手をつけていたとは…。「金光善は獣にも劣る!」つづく( ๑≧ꇴ≦)なぜか急にフィーチャーされる姚宗主www
2020.06.08
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烈火如歌(Lie huo ru ge)The Flame's Daughter第51~52話ダイジェスト暗夜羅(アンヤラ)を討って暗河宮を滅ぼしたものの、再び銀雪(ギンセツ)を失い、梨院で涙に暮れる歌児(カール)こと烈如歌(レツジョカ)…_(꒦ິ⌑꒦ີ 」 ∠)_しかし戦楓(センホウ)から玉自寒(ギョクジカン)の意識が戻ったと知らせを受け、急いで竹院へ向かいますやけに巨大なもふもふ枕で横になっている玉自寒カールは枕元に腰掛けて手を握って自分が来たことを教えますが、あら不思議、玉自寒はカールの姿がぼんやりと見えるんですね~暗河宮が滅んだと聞いて安心したのが良かったのか、やがて聴力まで戻ります何だかんだで一番、不びんだった玉師兄、ホント良かったわ~カールは牢で銀さんとずっと一緒だった戦楓に縹渺(ヒョウビョウ)派の手がかりがないか尋ねます…カールは100年前のことを覚えていない、これも私への天罰だろう…戦いが終わればほどなく私も死ぬ、忘れて欲しい…短い縁だったゆえ、すぐに忘れられるだろう、すぐになと言ってたとかカールは銀雪が以前、消えた時はすぐ戻ったとあきらめきれない様子、そこで青龍堂で片っ端から武林の文献を調べますが、縹渺のヒョの字もありません暗河宮でカールたちに協力していた薫衣(クンイ)も烈火山荘に戻っていましたそこで松院を訪ねると、ちょうど中庭にいる姫驚雷(キケイライ)と碧児(ヘキジ)の仲睦まじい様子を目撃思わず立ち去ろうとしましたが、碧児が気づいて追いかけました薫衣は精一杯の笑顔を作って振り向き、玉自寒の耳が治ったことを知らせに来たとだけ伝え、身を引きます梨院に入り浸りのカール不思議とそばに銀雪がいるのを感じ、戦楓に宗主の座を譲ろうと思うと伝えますしかし銀雪の幻影はふっと消えてしまうのでしたそんな中、烈火山荘の再興を見届けた鍾離無涙(ショウリブルイ)は青龍堂を三堂主の碧児に託し、3年を待たずに蝶衣(チョウイ)の位牌と共に去ることになりました…行き先は決めていない、旅をしながら考えよう…もしも気に入った場所があれば、雪を降らせてくれ…雪を見たら、そこに留まるよするとカールは堂主たちに鍾離無涙を終生に渡り、陰から守るよう命じましたそして2年後、カールは荘主の座を戦楓に譲り、玉自寒と一緒に竹屋で隠棲していました凌(リョウ)堂主は蓮池で物思いにふける戦楓を見かけ、カールに会いたければ訪ねてはどうかと助言しかし戦楓は自分の顔を見ればカールが過去を思い出すからと遠慮しますそんなある日、玄璜(ゲンコウ)と黄琮(コウソウ)がなぜか焼餅を買って竹屋に戻って来ました玉自寒から勧められたカールは早速、味見しますが、その焼餅には雪記(セツキ)焼餅店の判子が…これは紛れもなく銀雪が自ら彫ったあの判子です実は玉自寒はこの2年間、カールのために銀雪の手がかりを探しまくっていたんですね~もう最後まで良い人なんだから…(꒦ິ⌑꒦ີ)そこで唯一、見つけられたのがこの焼餅でしたしかし焼餅を売っていたのは店ではなく行商、すぐ追いかけたものの、見失ってしまったとかカールは銀さんを自分で探しに行きたいと訴え、行商がいたという平安鎮(ヘイアンチン)へ旅立ちます一方、霹靂(ヘキレキ)門の門主となった雷驚鴻(ライケイコウ)は今年も愛しい娘子に会うため、天下無刀城(テンカブトウジョウ)を訪ねていましたちなみに鳳凰(ホウオウ)は身を引き、品花楼の女将に…刀冽香(トウレツコウ)は贈り物だけありがたく受け取りますが、兄の子供が成長して城主を譲るまではまだ雷驚鴻の元へ行けそうにありませんカールは一路、平安鎮へしかし平安鎮はまだ先なのに町が見えて来ますともかくその町に入ったカール、しかし密かにカールを警固していた黄琮はカールがこつ然と消えてしまい、途方に暮れていましたカールが道すがら通りかかった町には人が見当たりませんでしたようやく書物を読んでいる白衣の青年を見つけますが、いきなりよそから来たのかと聞かれます「どうやってここに?」「前にも来たことが…ぁ、違うわ、平安鎮へ行くつもりが気づくとここにいたの」「よそ者が町に来たことはない、仙術で作った町だからね、普通の者には見えないんだ」すると青年の前にあの焼餅が…カールは青年が縹渺派の弟子だと気づき、総帥の居場所を尋ねますしかし子弟は総帥が亡くなったと答えました「もしや総帥の知り合いかい?縹渺と縁があるゆえ、ここに来られたんだ、弟子入り希望か?」「いいえ、総帥が生きていると思って探しに来たの…」カールは落胆し、ともかくどこか泊まるところはあるかと尋ねますすると子弟はある空き家を貸してくれますが、そこは平安鎮の雪記焼餅店とまったく同じ家でした「でも家の主人が戻ったら明け渡して欲しいんだ」「はお」♪けれど物語は~まだ語り終えていない~♪振り返れば美しい人生だった~♪君の口から~愛の告白を聞けたから~♪ささやかな温もり~心に広がってゆく~ ←ここから♪若遺憾遺憾~(え?歌わない?w)♪けれど悲しみがこみ上げてくる~♪完璧な結末など求めていない~♪秋風が吹く頃~紅葉が乱れ舞う~♪深い情愛~多くは語らない~やがて日も暮れますが、幻の町のせいか明かりも灯りませんカールは仕方なく寝所で横になると、外から賑やかな話し声が…外へ出てみると、子弟たちが集まって酒盛り中ですすると家を貸してくれた子弟がカールを招き、酒を勧めました噂にたがわず、世俗にまみれず浮世離れしている縹渺派…カールは3日ほど留まりましたが、見切りをつけて帰ることにしましたしかしその日は激しい雷雨、子弟にもう1泊した方が良いと説得されます夜になっても激しい雨が続き、カールはふと目を覚ましましたすると人の気配を感じ、門へ向かって戸を開けると、そこには銀雪の姿が…2人は涙の再会を果たし、抱き合って喜びます銀雪はカールが玉自寒と隠棲したという噂を聞いて誤解していたんですね~「かつて私の執着がそなたを傷つけたゆえ、会いに行けなかったのだ …私は100年前、そなたを娶るどころか死なせてしまった 今生はただ無事に生きて欲しかったが、やはりそなたを危険にさらした もう会いには行けぬ」しかしカールは危険など恐れないと言いますあの日、死んだと思っていた銀雪はまた師匠のもとに戻っていました実は銀さん、第35話で寒咒の毒を制御するために暗河心法を使っています天下で最も猛毒と言われる寒咒に最も邪悪とされる暗河心法、つまり毒をもって毒を制しちゃったんですね~こうして初夜を迎えた銀雪とカールでしたが…翌朝、目を覚ました旧カールが外に出ると、子弟が書物を読んでいます銀雪は裏山に薬草を採りに行っているとかすると子弟はカールに出きたての焼餅を渡しました『町には人がいないのに、焼餅が売れるの?』『売れなければよその町で売りさばくんです』『ふ~ん、で、なぜこの町を?』『作った理由?…知りません』『知らない?縹渺派が仙術で作ったんでしょう?』しかし子弟は気まずそうに焼餅を売りに出かけてしまいますカールが朝食を作っていると、銀雪が帰って来ました銀雪は怪我を負っていましたが、カールに悟られないよう振る舞います早速、食事を始めた2人、カールはここに住むのかと尋ねますが、銀雪は答えませんでした『なぜ毎日、薬草を採りに?帰りが遅いわりに収穫は少ないわね』『近場の山は採り尽くしたから遠くまで行ってる』『ふ~ん…大変ね…』『憧れていた、そなたを養い、永遠に追っ手から守ることだ…』『追っ手ですって?誰かが私たちの命を狙っているの?』その時、銀雪は殺気に気づきます『ここにいろ、出てくるな』銀雪は剣を手に家を出ますすると外に暗河宮を装った黒衣の追っ手たちがいました銀雪は暗河宮と決別すると宣言しますが、追っ手たちは裏切り者には死あるのみと断罪しますしかし暗河宮に男の弟子はおらず、銀雪はなぜ執拗に追いかけてくるのか訝しみました実はその追っ手たちは銀雪に襲われたところをカールが助けた男たちだったんですね~そこへカールが駆けつけ助太刀します男たちはカールが恩人であっても、悪鬼と一緒にいるなら妖女だと容赦ありません銀雪は掌を放って男たちを吹き飛ばし、その隙にカールを連れて山へ逃げ込みましたしかし男たちに追いつかれ、再び手合わせにこんな一大事にカールは『銀雪!殺さないで!』って(;╹⌓╹)ェェエエ工そんな甘いこと言ってるうちにカールが刺され、逆上した銀雪は男たちを殺してしまいますカールは息も絶え絶えに銀雪に魔道に落ちてはダメだと訴え、これからは人に尽くして生きると約束するよう懇願しました『この一生は来世のためよ…』『分かった』するとカールは意識を失ってしまいますカールを腕に抱き、自分の犯した過ちをなぜカールが償うのかと途方に暮れる銀雪…その様子を新カールが見ていました(そして第1話の冒頭へ…)カールは銀雪の100年前の記憶を見ていました銀雪は縹渺洞へ続く石段の前に座り、師匠にカールを救って欲しいと懇願していますそのためなら縹緲の頂で10年間ひざまずく覚悟だと…しかし師匠でもカールを救えず、亡くなってしまいますすると師匠はカールが″魔道を離れ、縹緲派の仙道を修めて欲しい″と遺言を残したと伝えました銀雪は縹緲派に戻ると決意、ただし暗河宮に身を置いていた銀雪は、100年間も厳寒に耐えなくては再び仙道を修めることができませんその上、縹緲派に戻るにはまず全身の仙力を除く必要があり、とても耐えられるような苦痛ではないのだとか『耐えます』『例え仙人になろうと天命を変えることなどできぬ…』『いいえ、必ずやカールに会ってみせます』『情を断たずして仙道を納めればいずれ天罰が下るぞ?』『覚悟は…できています』驚いたカールは必死に自分なら生きていると叫びながら駆けつけますが、師匠と銀雪は突然、消えてしまいます「銀雪!私はまだ生きてるわ!返事をして!」その場で泣き崩れるカール…銀雪はカールの声で目を覚ましますしかし目の前には師匠の姿が…「銀雪、魔物と化すところだった…」銀雪は暗河心法の九層の魔障に閉じ込められていましたそこで師匠はカールを幻の町に導き、カールが銀雪を助けたと教えますこうして銀雪は捕らわれていた100年前の記憶から解放され、下山することになりましたと言うか邪道を極めちゃったので、事実上、破門なんですけどね~一方、カールは平安鎮の雪記焼餅店で目を覚ましていました黄琮の話では道中でカールの姿がこつ然と消え、一帯を探していたところ、この家で見つけたとか何日も昏々と眠っており、ようやく目が覚めたと安堵します「ある夢を見たの…とても長い夢よ…」カールは銀雪との再会が幻だったと気づいて落胆しますが、そこへ玉自寒の使いが駆けつけました「吉報です!品花楼の主人が戻ってくるそうです!」品花楼はカールのため貸し切り、女将の鳳凰が客を全て断っていました聚芳閣(シュホウカク)は一面に花びらが敷き詰められ、銀雪が琴を弾いてカールを出迎えますここでカールは自分が見たのが銀雪と自分の100年前の記憶だったと知るんですね~銀雪は玉自寒から吸い取った寒咒が暗河心法で奇跡に解けたものの、魔障に閉じ込められてしまいます幸い師匠がカールを思い出し、幻の町に導いてくれたとかカールが探しに来てくれなければ、銀雪は100年前の記憶から出ることはできなかったのですカールは銀雪があの辛い夢をエンドレスで見ていたと知ります「私が死ぬのを見るたび、もだえ苦しんだのでは?」「苦しんでもいい、そなたに再会できればこの上なく幸せだ」「どれほど辛くても構わないの?」「ああ、そなたに会えればな」「ここに誓うわ、今日から私に会いたければ何ら苦しむことなく毎日、会えると…」そして2人は口づけを交わし、幸せに暮らしました終わり( ゚ェ゚)で…結局、カールの封印は何だったの?
2020.06.08
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です陈情令 The Untamed第44話「裏切り者の旋律」乱葬崗(ランソウコウ)へ向かった魏嬰(ウェイイン)@無羨(ウーシエン)と藍湛(ランジャン)@忘機(ワンジー)は旅の途中、偶然にも蘭陵(ランリョウ)金(ジン)氏の仙師だった羅綿綿(ルォミエンミエン)と再会した。綿綿は今では夫と娘と3人、幸せに暮らしているという。実は綿綿は青羊(チンヤン)と名を変え、自分の娘に″綿綿″と名付けていた。夫は商人だったが、今は青羊と夜狩(ヨカリ)に出ているとか。その時、傀儡たちの唸り声が聞こえて来た。魏無羨と藍湛は早々に綿綿と別れ、急いで傀儡の退治へ向かう。しかしそこにいたのは傀儡ではく、温寧(ウェンニン)@瓊林(チョンリン)だった。実は温寧は先回りして2人のために傀儡を始末していた。藍湛は温寧が金麟(キンリン)台から自分たちを尾行していると気づいていたという。驚いた魏無羨は温寧が巻き込まれないよう、どこかに隠れて何も関与するなと言い聞かせたが、温寧は隠れる場所などないと肩を落とした。「分かった、連れて行く、一緒に来い」こうして3人は懐かしい夷陵(イリョウ)の町にやって来た。魏無羨はかつてこの町で藍湛と再会し、温苑(ウェンユエン)と3人で茶楼に入ったことを思い出した。そう言えばあの時、ご馳走すると言いながら、結局、藍湛に勘定させてしまったと笑う。「あの子が生きていたら、もう十代だな…」魏無羨は可愛がっていた温苑を懐かしんだ。その時、藍湛は何か言いたげだったが、今は何より乱葬崗へ行くことが先決だと急ぐ。傀儡たちを始末しながら乱葬崗に到着した魏無羨たち、しかし思い出の家や畑は16年前に全て破壊され、当時の面影はなかった。…ごめんね、そしてありがとう…魏無羨は温情(ウェンチン)の最後の言葉を思い出し、あの時の無念さが込み上げる。それは温寧にとっても辛い記憶だった。すると魏無羨はその場にしゃがみ込み、痩せた土を手に取る。「これでいい…俺にとっても、温情や温寧にとっても… 一生で最も過酷な歳月を過ごした場所だ、もう訪れる必要もない」すると物陰から突然、傀儡が飛び出して来た。藍湛は温寧と一緒に傀儡を退治した。そこで念のため護身用に″随便(ズイベン)″を魏無羨に持たせたが、なぜか剣を抜かない。魏無羨は咄嗟に今の身体は霊力が低いので宝剣の威力を発揮できないと言い訳したが、藍湛はどこか違和感を感じていた。魏無羨たちが伏魔洞へ入ると、奥から話し声が聞こえて来た。様子を見てみると、何者かに捕らえられた各世家の子弟たちがいる。「狙いは明白だ!不夜天(フヤテン)の時のように我らを傀儡にして、家族を襲わせる気だ 家族も手出しはできない、卑怯な魏の犬め!」「黙れ!」金闡(ジンチャン)と金凌(ジンリン)@如蘭(ルーラン)が小競り合いとなり、一緒に縛られている藍愿(ランユエン)@思追(スージュイ)は珍しく声を荒げた。「もうやめるのだ!いつ傀儡が襲って来るかも分からない!争っている場合か!」しかし金闡が母親がいないと揶揄したことから金凌が激怒、小突き合いとなる。そこへ魏無羨と藍湛が現れた。子弟たちは夷陵老祖(イリョウロウソ)の姿に呆然、そこで魏無羨は温寧に命じて子弟たちの縄を切ってやることにしたが、鬼将軍に殺されるとでも思ったのか、子弟たちはことの外、怯えている。これには悪魔と恐れられた夷陵老祖も形無しだった。「戦慄さでは俺は温寧に負けるわけか…(´・_・`)、」解放された金闡は真っ先に逃げ出そうとしたが、欧陽子真(オウヤンズージェン)が外には傀儡がいると引き留めた。一方、藍愿、藍景儀(ランジンイー)ら姑蘇(コソ)藍氏は含光君(ガンコウクン)に拝礼し、再会を喜ぶ。「莫(モウ)…いえ、魏前輩、我らを捕らえろと指示していないですよね?」「俺が?俺は貧乏だ、誰かを雇う金はない」「うん、貧乏なのは知っていました」魏無羨は聡明な藍愿のツッコミに言葉もない。「で相手の総勢と近くに待ち伏せは?」藍景儀の話では鬼面をつけた者が何人もいて、自滅しろとばかりにここに捨てられたという。「それに外には傀儡がたくさんいる」( ತ _ತ)<ふっ、よくやった藍湛に褒められた藍愿は気まずそうにうつむいた。すると魏無羨が確かに藍愿まで喧嘩するとは予想外だと驚く。「つい衝動的になって…」喧嘩の話を聞いていた金凌は思わず魏無羨たちの元へ向かった。しかし金麟台で魏無羨を刺した金凌を警戒し、藍湛は思わず金凌の行く手を阻む。( ˘・з・)<また刺す気か?!@景儀(,,Ծ‸Ծ,,)<うぉ(我)っ@凌(´ ・ω・)<ジンイーッ!@思追(^ꇴ^)<まあまあ~まずはここから出てからだ@うーさんそこで魏無羨は温寧に随便を渡し、先に外にいる傀儡を始末させることにした。しかし飛び出していった温寧が吹き飛ばされ、洞窟に戻って来る。「金凌!こちらへ」「舅舅!」その声は江澄(ジャンチョン)@晩吟(ワンイン)だった。乱葬崗に各世家の宗主たちがやって来た。子弟たちは安堵し、自分たちの宗主の元へ戻る。藍湛は藍啓仁(ランチーレン)に拝礼したが、子弟たちを託しただけで合流しなかった。すると最後に洞窟から魏無羨が現れ、藍湛は知己と一緒に矢面に立つ。その時、かつて姑蘇藍氏を裏切った蘇渉(スーショウ)@憫善(ミンシャン)が口火を切った。「夷陵老祖が復活を知らしめんと、大々的に傀儡を作り子弟を捕らえた それゆえ我らも早速、参上したわけだ」「俺がその子弟を助けたのに?感謝しないどころか、罪を着せるのか?」しかしこれほど盛大な催し物だと言うのに、斂芳尊(レンホウソン)@金光瑶(ジングアンヤオ)と沢蕪君(タクブクン)こと藍渙(ランホワン)@曦臣(シーチェン)がいない。蘇渉の話では金光瑶が先日、金麟台で何者かに襲われ、深手を負い、藍曦臣が治療しているという。「ふっ、斂芳尊はずい分と簡単に傷を負うんだなw」魏無羨は鼻で笑った。欧陽子真は父に魏無羨の仕業とは思えないと訴えた。「義城(ギジョウ)でも救ってくれたし、助けに来てくれたのでは?」「子供は黙っておれ」その話をちょうど隣に立っていた藍啓仁が聞いていた。魏無羨はふと聶懐桑(ニエホワイサン)もいないことに気づいた。「そうだ、清河(セイガ)聶氏はどうした?」「ちょっと失礼!…魏兄!数合わせで来ただけで、私は何も知らぬのだ…」前に出て来た聶懐桑は気まずそうに答え、さっさと人影に隠れてしまう。すると16年前の不夜天での戦いで魏無羨に恨みを持つ宗主たちが続々と声を上げ始めた。その中には姚(ヤオ)宗主の姿もある。 ←(꒦ິ⌑꒦ີ)まだ生きてた「天下で悪事を働いた者は誅さねばならぬ! お前がどんな手段を使い、何度、復活しようが消滅させるまでだ!」その光景はまさに16年前の決起大会そのものだった。煽られた宗主たちは魏無羨を殺せと叫び、気がつけば3千人も殺したと誇張されている。さすがに魏無羨は言い返した。「一方的な言い分で俺を断罪するな!やっていないことを償う気はない 窮奇道(キュウキドウ)と不夜天の件に証拠はないが、赤鋒尊(セキホウソン)に手を下したのは俺じゃない 金夫人にも自害を強いていないし、道中の傀儡も俺が操ったんじゃないぞ?」ザワザワ>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<ザワザワ宗主たちの間に動揺が走ると、すかさず蘇渉が扇動した。「夷陵老祖、常軌を逸しておいてずい分と謙虚だな? だがお前でなければ、誰があれほどの傀儡を操り、これほど我らを愚弄する?」「簡単なことだろう?陰虎符(インコフ)があれば誰でも可能だ」「陰虎符はお前の法宝だろう?!」「それは陰虎符に固執する者に聞け 例えば温寧だが、どこかの世家は″鬼将軍を殺せ″と叫びながら十数年も隠していた、変だろう? 温寧が灰と化したと言ったのは一体、誰だ?」ザワザワ>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<ザワザワ蘇渉は盲点を突かれて焦った。しかしその時、傀儡の大群が現れる。宗主たちは一様に剣を構え、傀儡を退治しようとしたが、驚いたことに宗主たちは霊力を失っていた。藍愿は伏魔殿の中に大きな法陣があるのを見つけ、補えば防げると気づいた。そこで皆に避難するよう声をかけたが、蘇渉が反対する。「入れば袋の鼠だぞ!もっと危険な罠が!」しかし藍湛と温寧が片付けても、傀儡は次から次へとあふれるように現れた。たまりかねた聶懐桑は誰も入らないなら1人でも行くと告げ、子弟を連れて逃げ込んでしまう。確かにこれが夷陵老祖の罠ならすでに殺されているはず、そこで宗主たちは子弟たちを引き連れて続々と伏魔殿に避難した。魏無羨は全員が避難したところで藍湛と温寧を呼び戻し、伏魔殿の扉を閉じた。すると藍啓仁が剣気を放って法陣を有効にしたが、宗主たちは魏無羨に何かされると警戒している。魏無羨はそれよりなぜ自分の霊力が消えたのか気にならないのか聞いた。その時、姚宗主がこの中に医者がいたはずだと気づき、脈診を頼む。どうやら金丹は損傷しておらず安堵したが、霊力が戻るまでに少なくとも2時(4時間)は必要だった。「補った法陣が2時も持つと?!魏兄…これからどうすればいい?」聶懐桑が思わず魏無羨に助けを求めると、宗主たちは固唾をのんで見守った。何とも調子が良い宗主たち、そこで魏無羨は霊力が残っているのは自分と藍湛と子弟たちだけ、本気で襲えば誰も止められないとわざと脅かす。「御託はいい!殺すなら殺せ!泣きつくなど英雄ではない!命乞いすると思うな!」蘇渉は宗主たちを煽ったが、魏無羨はまた蘇渉を忘れていた。「…ところであんた誰だ?」魏無羨は何か霊力を失う原因やきっかけがあったはずだと言った。すると聶懐桑が山を登る時に皆が水を飲んだのではないかという。しかし宗主たちは乱葬崗の水など飲むはずないと否定した。聶懐桑はならば山の霧を吸ったせいだと気づいたが、今度は金凌が否定する。「霧は山頂の方が濃い、でも2日ここにいた我らの霊力は無償だ」魏無羨は金凌の鋭い指摘に満足そうに頷いた。「いい加減にしろ!本当に奴と話し合うとは…敵に誘導されていいのか?!奴は…うっ」藍湛は何かと水をさす蘇渉に禁言術をかけてしまう。( ತ _ತ)<続けよそれにしても蘇渉の言動はさっきから奇妙だった。「傀儡が襲って来た時、霊力を失った者に死も辞さず戦おうと呼びかけた そして今度は俺と話すなと言い、皆殺しにしろと俺を挑発するとはな~ 盟友たちに対してあんまりだろ?」その時、魏無羨は蘇渉に目もくれない藍啓仁に気づき、秣陵(マツリョウ)蘇氏と言えば姑蘇藍氏との関係が最悪だと言った。何も知らなかった聶懐桑は興味津々、すると姑蘇藍氏の門弟だった蘇渉が藍氏を裏切って追放され、門派を作ったと知る。また秘技も姑蘇藍氏と変わりなく音律に長け、蘇渉の一品(イッポン)霊器も含光君を模倣した七弦古琴だった。そのせいか藍景儀が聞いた話では、蘇渉は″含光君の模倣″と言った者とは絶縁するという。侮辱された蘇渉は憤慨し、血を吐いてまで自ら禁言術を解いた。「雅正(ガセイ)を家訓とする藍氏のくせに、何が玄門一の名士の集まりだ! これが子弟への教えだと?!」姚宗主は仲間割れしている場合かとなだめたが、蘇渉は姑蘇藍氏も魏無羨と一緒にかき乱すばかりだと藍湛を揶揄する。「何が仲間だ…ふん」この蘇渉の言葉はさすがに宗主たちの反感を買った。「姑蘇藍氏の者でなくても言葉に気をつけよ」「宗主はもう脱退したのにその物言いは何だ!」←脱退って…KRS48かw蘇氏の子弟たちは宗主をかばい、優れた門弟が独り立ちしては駄目なのかと反発する。「退魔曲をあれだけ弾き間違えたくせに…何言ってんだか、ブツブツ」魏無羨は藍景儀のぼやきを聞いてついに謎が解けた。秣陵蘇氏は姑蘇藍氏から分離した門派で、絶技は姑蘇藍氏を基礎にしていた。姑蘇藍氏の秘技と言えば邪を駆逐する破障(ハショウ)音があるが、中でも七弦古琴は最も奥深いため、琴を修めるものが一番多い。(  ̄꒳ ̄)b<当然、秣陵蘇氏でも琴を修める者が一番多いだろうな~( ತ _ತ)<いかにもしかし独り立ちしたとは言えは蘇渉は琴技を極めておらず、家主の育てる門弟も腕が劣るはずだ。つまり秣陵蘇氏の弾く戦曲は旋律がどこか変でも、姑蘇藍氏は疑問に思わない。藍景儀のように単に弾き間違えたと思うだけだ。「まさかわざと弾き間違えたとは誰も疑わないよな」魏無羨は宗主たちが霊力を失ったのは傀儡を殺したからだと暴露した。実は一緒に戦っていた蘇渉は表向き琴で傀儡を退けるよう見せかけ、戦曲の一部を一時的に霊力を失う旋律に変えていたという。蘇渉は自分が姑蘇藍氏から相手にされないと知っているため、それを逆手に取ったのだろう。弾き間違えても姑蘇藍氏しか気づかず、かと言って姑蘇藍氏が歯牙にもかけないと分かっていたのだ。しかし聶懐桑は聴く者の霊力を奪う邪曲がこの世に存在するとはにわかに信じがたい。「あるとも、魔物を退治できれば邪も呼べる… 東瀛(トウエイ)の秘曲集″乱魄抄(ランハクショウ)″には、証拠も残さず相手を殺せる音律がある」魏無羨は乱魄抄が雲深不知処(ウンシンフチショ)の禁室にあると教えた。すると蘇渉はあったとしても、当時、門弟の自分が入れるわけがないという。「お前じゃなくても主が出入りできるだろう?曲を変える方法も主に教わったのでは?」つづく
2020.06.07
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大明风华 Ming Dynasty第8話「だまし合い」胡(コ)尚儀は永楽帝に皇太孫の妃候補となる秀女(シュウジョ)の選考について報告した。その時、控えていた胡善祥(コゼンショウ)は皇帝が選考は皇太子に任せると指示したのを小耳に挟む。そこで秀女になりたい胡善祥は、皇太子が10年前に自分を助けてくれた縁を利用することにした。皇太子・朱高熾(シュコウシ)は書物を読んでいたが、気がつくと尚儀の屋敷の者が平伏していた。聞いてみれば10年前に自分が助け、胡尚儀に託した娘だという。朱高熾は話を聞いて思い出し、あの時の娘がこれほど成長したのかと感慨深かった。すると胡善祥がその時の恩に報いるため、何度、生まれ変わっても牛馬のごとく仕えると誓う。朱高熾はともかく顔を上げるよう命じたが、その美しさに息を飲んだ。とは言え見ての通り年老いて太っており、皇太子妃のあの気性ではいじめられるかもしれない。「惜しいことにもう私の体が持たぬのだ…望みは叶えてやれんが…」しかし胡善祥が仕えたいのは息子の朱瞻基(シュセンキ)だった。朱高熾は笑って勘違いをごまかし、実は本人が自ら相手を選ぶと言っていると教える。何より段取りを仕切っているのは皇太子妃と尚儀、とても口は出せない。地下組織では皇甫雲和(コウホウンワ)が朱瞻基の暗殺に失敗した孫若微(ソンジャクビ)を始末すると決めた。孫愚(ソング)と若微は組織の者たちに包囲されたが、孫愚は隠し持っていた剣を出し、何としてでも恩人の娘を守るという。すると若微がずっと気になっていた疑問をぶつけた。「黄(コウ)大人(ダーレン)が私を誘い出した聴雨軒(チョウウケン)には至るところに錦衣衛が配置されていた 罠だったのよ、強硬手段に出れば皆、葬られるわ!鍵を覚えている? ″皇爺″から賜った物で、詔獄(ショウゴク)の鍵だった、皇爺はすべて分かっていたのよ 黄大人が朱瞻基ならば、皇爺は一体、何者なんです?私たちの動向を知り、命を掌握している…」徐浜(ジョヒン)は確かに一理あると言った。「この娘を殺すなら、私も立場を変えるやも… 朱棣(シュテイ)一族の内乱に乗じるのは良策に聞こえますが、逆に利用される可能性も… 皇爺が誠に即位されたら、我々を潰すのはたやすいこと」そこで逆に朱瞻基にだまされたふりを続け、再度、若微を接近させ、その手で殺させてはどうかと提案した。朱瞻基が婚姻を結び、皇太孫に立てられる前が好機だという。皇太子妃・張妍(チョウケン)も朱瞻基が婚姻して正式に皇太孫に冊立されるのを待っていた。そうすれば皇太子の地位が盤石になる。そこで張妍は皇帝にも近しい胡尚儀に口添えを頼んだ。しかし胡尚儀は厳しい表情になり、皇太孫の冊封や秀女選出は国の未来に関わるため、宮仕えの身で口添えなどもっての他だという。すると宮女が駆けつけ、皇太子妃に何やら耳打ちした。「フーン…あなたの子供の方がずっと心得ているわよ?」胡尚儀は胡善祥が皇太子に秀女の件を頼んだと知った。面目丸つぶれの胡善祥は激怒、居所へ戻ると胡善祥に出て行けと叫ぶ。驚いた胡善祥は思わず胡尚儀の足にすがりつき、母と呼んだ。「あなたは母です、4歳の私を引き取り、育ててくれました、死ねと言われれば従います でも母親なら私の願いを叶えてください」すると胡尚儀が急に寝台の下から箱を引っ張り出して来た。その中には宝飾品や銀子がつまっている。「子はいないし、お金も必要ない、これらはお前の嫁荷に充てようと… でも1人で生きていけるようだし、持って出て行って!」思いがけず胡尚儀の愛情に触れた胡善祥は子供のように泣きじゃくった。「姑姑~見放さないでください~一生ここにいます~うわ~ん」(  ̄꒳ ̄)え?と言うことはまだ14歳?!朝鮮王朝から献上された朴(ボク)妃は後宮の生活に馴染めずにいた。同じ朝鮮王朝から嫁いだ安(アン)貴妃(キヒ)は豪華な衣をまとって歌舞を見ながら豪勢な食事をしていると聞いていたが、実際は前掛けをつけ、料理のためにネギを選別している。「そんなこと聞いたの?ふっ…住み心地が悪い?明の規則を聞いていないの?」安貴妃は朴妃を連れて永楽帝に料理を差し入れに行くことにした。「皇上は私の手料理が好きなの 私の料理を学び皇上が気に入れば、妹妹、あなたの本当の活路が開ける」「貴妃様は?」「私?私は嫁いで10年、顔も見たことがない だからあなたが謁見できたら、私のことを引き立てて」宮廷にやって来た安貴妃は廊下で控えている鼻涕(ビテイ)に差し入れを渡した。すると胡尚儀が毒味する。そこで安貴妃は朴妃の初料理のため、皇帝に挨拶させて欲しいと頼んだ。その時、殿内では第2皇子・朱高煦(シュコウク)と第3皇子・朱高燧(シュコウスイ)がオイラトを攻めるべきだと訴えていた。皇太子・朱高熾(シュコウシ)は皇帝が草原の各部族と和平を望んでいると反対、何しろ金がないと訴える。永楽帝は息子たちの言い争いにうんざりしていたが、ちょうどそこへ朴妃が差し入れを持って現れた。永楽帝は料理と朴妃が気に入ったようだった。そこで朱瞻基を連れて別室へ移動し、丹(タン)房の侍医に聞いて来いと命じる。「戦にかまけてきたが…子を増やさんと」永楽帝は子供が生まれたらアルクタイを片付けたいと教え、自分に命を懸けている兵士たちのためにも、馬鹿な息子たちには任せられないと奮起した。「爺爺、英明です!」「ペイッ!出兵前にお前の婚儀を挙げるぞ、意中の女子を連れて来い」「それより薬を取りに…」「待て!何を焦っておる?」すると永楽帝は朱瞻基に何やら耳打ちした。「それは…」「名は伏せろ」こうして朴妃はその夜、皇帝の夜伽に召された。朱瞻基は若微を再び弓術の修練場に誘った。そしてまた若微に手取り足取り弓の弾き方を教えていたが、急に締め上げる。「皇帝暗殺を企てた″靖難(セイナン)の役″の遺児を探している 姑娘、君に付き合うほど私が暇だと?君と会うのは調査のためだ あの店を見張って久しい、牢から解放された者がどこで治療しているか全部、把握している 私の前で芝居しても無駄だ…建文(ケンブン)はどこにいる?」若微は必死にもがいて反抗したが、どうにもならない。「この畜生め!まだ人を殺す気?大勢を殺したのに…いいわ、教えてあげる」すると若微は反動をつけて頭突きを食らわせ、衝撃でよろけた朱瞻基に狙いを定めた。「恩を仇で返すのか?忘れたのか?聶興(ジョウキョウ)は私が救ったのだぞ?」「私を利用したっ!」矢をつがえた若微は朱瞻基を殺すと宣言する。「待った!遺言がある!…婚姻は?」「まだよっ!」「あ~あ、もう一言!」「まだあるの?!」「…私も独り身だ、弓を下ろし話し合いを」その時、若微が矢を放った。朱瞻基は咄嗟に太鼓の後ろに隠れて難を逃れた。しかし再び若微が矢を放ち、朱瞻基は上手く交わしながら衝立の裏に逃げ込む。「いい腕前だ、習ったことがあるだろう?」「ふっ、皇・太・孫♪…黄(コウ)大人(ダーレン)、さすが賢いわね」「…私のことを?」「ついこの間ね!」朱瞻基は若微が自分の正体を知っていることに驚き、仕方なく両手を挙げて出て来た。「よく考えるのだな、その矢を放てば仲間の苦労は無駄になる… 私は君の敵ではない、靖難の役の時は子供で、君の両親を殺してはいない」「説教しないで!」若微は矢を引いて朱瞻基の目前に迫ったが、その時、朱瞻基が急に矢じりを握りしめた。慌てた若微は弓矢を引き抜こうと動かしているうち、なぜか矢じりがあっさり壊れてしまう。「皇太孫がこのまま殺されたら弱すぎるだろう?」実は矢じりは石炭でできていた。朱瞻基は手の中で粉々になった石炭を捨て、錦衣衛が全部、取り換えておいてくれたと暴露する。「あははは~!皆の者!皇太孫を殺そうとした逆賊を捕らえろ!」宮中では皇太子にまつわる噂が広まり、張妍は機嫌が悪かった。皇太子は第2皇子が会う人、全員に金を渡していると言いふらしているとか、国庫を管理している皇太子が皇帝にもお金を渡さず私腹を肥やしているとか…。しかし朱高熾は朱高煦が自分を追い詰めようと躍起になっているだけだと取り合わなかった。張妍は漢王が任地へ送られまいと戦を始めたいのは当然、それを邪魔したせいだと指摘する。すると朱高熾はやることなすこと皇帝に否定され、かと言って皇太子の座も降りられないと愚痴り、張妍を余計に苛立たせた。「何か策を練らないと、来世では猫になって噛み殺すわよ!」朱瞻基は若微と一緒に馬車に乗り、どこかへ向かっていた。「安心しろ、おとなしく私と戻り、祖父の胸のつかえを解けば厚い褒賞をもらえる 爺爺は高齢だ、黄泉の国で先祖たちに顔向けできぬと嘆いている 心から建文と語り合い、怨恨を解きたいのだ」「朱家の怨恨が解けたら私たちは?私の両親の命は何なの?どう解くの?」「今までの行動は敵討ちだと?君は利用された、主の手駒に過ぎぬ 主が誰なのかも知らぬのであろう? そうだ、詩の礼がまだだったな?だから詔獄には入れず、私の屋敷へ… 修練場での話をどう思う?本当に独り身か?…ふふっ 民は気楽でよいな~自分の好みで相手を選べる…どんな男が好みだ?私は女狐が最も嫌いだ 君のように口数が少ない女がいい…」すると馬車が止まった。「黄大人、到着しました」「私の両親に君をどう紹介すればいいかな~?」しかし馬車の外で待っていたのは徐浜たち若微の仲間だった。その頃、永楽帝はアルクタイ攻略について楊士奇(ヨウシキ)の見解を聞いていた。すると楊士奇まで面倒なのはオイラトだと進言する。永楽帝はオイラトなど恐れるに足らずと言ったが、楊士奇はオイラトにはマフムードという英雄がいると警告した。「ふ~…高熾が金を渋る、決めたぞ、もう1人、皇子を作る 太子に監国を任せたが、朕に恩着せがましく媚びへつらってくる 泣くばかりで意気地がない…はあ~分かっておる、そなたは太子府の者だ ここだけの話、皇帝の座は誰に渡せばよい?」「皇上は英明です、太子は年長で賢明ですから、東宮の地位も定まり、国も任せられます 太子が良いでしょう」「情に厚いのだな~」そこで永楽帝は親征を止めるかと聞いた。楊士奇は兵部のことなら分かるが、他のことはわからないと言葉を濁す。面白くない永楽帝は話を切り上げ、鼻涕に朱瞻基を呼んで来いと命じた。その頃、朱瞻基は地下組織に捕らわれていた。すると若微が食事を差し入れにやって来る。自分たちの手に落ちてさぞ悔しがるかと思ったが、朱瞻基は相変わらず減らず口を叩いた。「教えてやろう、鶏の塩煮込みは酢を少し入れろ、肉は柔らかくなり、爪の部分は弾力が出る」「…宮廷の食事じゃないのよ?!」若微は自分が天牢で受けた仕打ちに比べれば厚遇していると呆れ、戻ることにした。その時、朱瞻基が″皇爺″はいつ会いに来るのかと聞く。驚いた若微は足を止め、思わず振り返った。「皇爺は姿を隠していて神秘的だとか…金の力で靖難の役の遺児を都に入れた 皇族にも詳しいようだし、何者なのだ?ん?」「皇爺に会いに来たの?」「教えてやろう、錦衣衛が標的を見失うことは決してない」若微は慌てて外へ飛び出した。やはり隠れ家の周りはすでに錦衣衛に包囲されている。若微は馬車を用意することにしたが、孫愚は間に合わないと止めた。「またあの男の罠にはまるなんて…」すると孫愚は若微だけ逃がすことにする。「朱瞻基を解放するのだ、生きるために」若微は拒否したが、孫愚は復讐など無意味だと言い聞かせ、死んではならないと訴える。「急いで逃げろ!」つづく( ̄▽ ̄;)若微の走り方が変だった…(←どうでもいい?wそれにしてもまだ皇太孫じゃなかったのね…でもセリフでは「皇太孫」って言ってる気がする~
2020.06.06
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大明风华 Ming Dynasty第7話「血の誓い」鶏鳴(ライメイ)寺の老和尚・姚広孝(ヨウコウコウ)に骨相を見てもらうことになった孫若微(ソンジャクビ)。すると突然、姚広孝の数珠の紐が切れ、床に落ちた珠がバラバラっと音を立てた。若微はハッとして老和尚の顔を見上げたが、老和尚から動くなと言われてしまう。朱瞻基(シュセンキ)と若微は姚広孝から驚くべき結果を聞いた。「姑娘、骨相を見た、帝王の相だ …そなたは幼くして両親を失い、国を放浪したが、この都で生きる運命になっている」しかし若微は自分をただの骨董店の娘だと話し、笑い飛ばした。一方、胡善祥(コゼンショウ)は胡尚儀の使いで漢王府を訪ねていた。そこで王妃に雲南(ウンナン)へいつ発つのか尋ねたが、王妃は憤慨して席を立ってしまう。すると入れ替わるように第2皇子・朱高煦(シュコウク)がやって来た。「先ほどの質問は皇上がしたのか?それとも尚儀か?太子か?」「王爺にお答えします、太子妃が質問なさいました」朱高煦は平伏している胡善祥に顔を上げて話すことを許し、確か幼い頃に尚儀に拾われた娘だと思い出した。「そなたの年齢からして″靖難(セイナン)の役″の時か?」「それより前でございます」「女官は出世してもせいぜい尚儀までだ、胡尚儀のように生涯独身を通し、美貌を無駄にする気か? 我が明(ミン)の妃になるには高(コウ)皇帝が決めた規則がある 高皇帝は外戚による権力掌握を心配し、妃候補に高位の身分を求めなかった、身元が確かなら良い そなたの身元が確かで出世したいと思うなら、この屋敷にたびたび来て王妃に目をかけてもらえ」胡善祥は丁重に拝礼して感謝し、そこで下がることにした。しかし急にきびすを返し、改めて平伏する。「今後もどうかご厚意を…」朱瞻基は若微を骨董店まで送った。そこで別れ際に揺さぶりをかける。「老和尚の骨相は当たる、皇帝の相とはどういうことだ?」「あはは~ご冗談を、あなたも占いを信じないはず 父がいるのに″両親を失った″だなんて…私は身分の低い庶民の生まれです、皇帝なんてあり得ない 入内(ジュダイ)でもすれば別ですけど~宮廷なんて″生き地獄″には行きたくない」「なぜ生き地獄だと?」「″貴人の家に嫁げば愛しい人とも他人になる″…そう言いますよね?」若微は宮廷に入るなど海に飛び込むようなものだとうまくかわした。朱瞻基は思わず入内したいなら協力すると言ったが、若微はそんな器ではないと笑って断る。「ふっ…君という人間はわからないな~」朱瞻基は首を傾げながら帰って行った。朱瞻基は急いで鶏鳴寺へ戻ると、老和尚はまた裏山で綱渡りしながら修行していた。そこで改めて若微のことを尋ねたが、姚広孝は人の生涯は″因果″、重要なのは当然だという。「因は果の頭であり、果は因の尾である、日や月が巡り、花が咲き、散るのも因果なのだ 人との出会いにも当然、因果がある…もう帰れ、話すことはない」朱瞻基はそれだけでは不十分だと訴えたが、姚広孝は意味深な言葉を残し、修行に戻った。「すべてが満ちれば死ぬ、すなわち因による果が来た時、私は死ぬだろう」その頃、若微は両親の霊位の前にひざまずいていた。祖先と共に祭ることもできず、霊位と言っても名を書いた紙切れが壁に貼られている。「ディエ、ニィャン…天の助けだわ、今日、私たちの敵に会ったのよ、黒衣の僧・姚広孝にね フッ…私を覚えていた、そしてでたらめを言ったわ…信じがたいでたらめをね… 奴らが生きていてよかった…ディエ、ニィャン、あの世から私を守ってね」その夜は激しい雷雨となった。姚広孝は若微が来るのを座して待っていたが、案の定、若微が復讐にやって来る。「待っていたぞ、出てくるがいい」すると剣を握りしめた若微が物陰から現れた。「あなたは国を乗っ取った反逆者よ、そのため何人が亡くなったと思う?あまりに罪深いわ あなた自身が殺される日が必ず来る…それが今日よ」姚広孝は若微を見た時、すぐ景清(ケイセイ)の子供だと分かったという。「景清は本当によい官僚だった…」「でも殺されたわ!私は8歳だったけれど、あの時のことは…ゥッ…克明に覚えている あなたが進言したため、朱棣(シュテイ)は謀反を起こし、父は殺された!」激情に駆られた若微は思わず老和尚の肩に剣を突きつけた。「あなたが災いの源よ…」その時、外で物音がする。若微は慌てて隠れると、姚広孝が瞬時にろうそくの火を消した。「老和尚?起きていますか?」朱瞻基は老和尚のあいまいな言葉のせいで悶々とし、再び話を聞きにやって来た。しかし姚広孝は占いに明確な答えなどないとはぐらかす。仕方なく朱瞻基は実は若微が刺客の一味で、いわゆる″靖難の遺児″だと見ていると話した。当然、信用すべきではないが、若微が何をするつもりなのか気になるという。「まるで魔力です」「魔力だな…ふふ~」すると朱瞻基が灯りをつけようとした。姚広孝は咄嗟に制止し、それより外で皇帝を待てという。「来るんですか?!」朱瞻基は急いで祖父を迎えに行こうとしたが、姚広孝がふいに言葉をかけた。「″因縁″は心が作る、お前と彼女の運命もお前たちが作るのだ、天が決めるのではない」一方、永楽帝は胸騒ぎがして眠れずにいた。太監たちは軍報もなく天下泰平だとなだめたが、苛立つ永楽帝に蹴飛ばされてしまう。「鶏鳴寺へ行く、輿の用意を」朱瞻基が出て行くと若微が戻って来た。すると姚広孝は明かりを灯しながら、一生を平穏に過ごしたいなら山に隠れるよう助言する。皇帝は退位を考えており、情勢は不穏、無駄死してはならないというのだ。「数珠が切れたのはそなたの殺気のせいだ もうすぐ皇上が来る、寺は御林軍に囲まれている 私を殺しても良いが、そなたの仲間たちが罪に問われることになるぞ」朱瞻基は祖父が到着したと知らせにやって来た。すると姚広孝はなぜか剣を手にして座している。その頃、裏口から脱出した若微は裏山の道無き道を登り、やがて身を隠せる岩陰を見つけた。永楽帝は姚広孝を相手にとりとめのない話を続け、やがて朝になった。相変わらず悪夢に悩まされている永楽帝、どんなに功績を残そうとも簒奪(サンダツ)した罪は消えないのではないかと不安らしい。そこで姚広孝は安寧を得るためにある提案をした。「靖難の役で殺された臣下たちと、その家族を赦免するのです 遺児たちを都に受け入れ、全ての民が恩も仇もなく新しく出発する この王朝の新しい時代が始まると宣言するのです」「つまり自分の過ちを認めろと?」永楽帝は自分は間違っていないと憤慨した。すると姚広孝が今後も朱家の殺戮が続き、子孫の手が血で染まると脅かす。「恨みが続く限り、皇上の子孫も同じ運命をたどるでしょう 今やあなたは皇帝だ、恨みを水に流してこそ、民から尊敬を集めるに違いありません」「バカな!私の子孫の手はもう血に染まることはない!」宮廷に戻った永楽帝は癇癪を起こし、急に断捨離を始めた。「これもいらん!捨てろ!」殿内は割れた陶器や書物などが散乱している。皇太子・朱高熾(シュコウシ)は1人で謁見する勇気がなく、息子の朱瞻基を無理やり引っ張って行った。永楽帝によれば、10年前に国運を予言した老和尚から子孫もいずれ肉親を殺すと言われたという。そこへ第2皇子・朱高煦と第3皇子・朱高燧(シュコウスイ)も駆けつけ、ただならぬ様子に困惑した。すると永楽帝は跪拝した息子たちと円陣を組み、今後は絶対に肉親の血で手を染めてはならないと命じる。そして息子たちをそれぞれ労った。「老大よ…私が遠征していた時、お前は黄子澄(コウシチョウ)の軍から順天を守り抜いたな… 半年もの間にわたり、お前は内政を取り仕切った…仁政を行なったことは今も覚えているぞ 叱責したのは成長を期待したからだ…お前が生まれた時、生きて帰れるかも分からない状況だった だが息子の誕生を聞き、嬉しくて酒を飲んだ…喜びのあまり泣いた…うっ 苦労させたな…お前の苦労は分かっていたぞ」「うっ…父上」「老二…お前は戦の連続だった、死地を生き抜いたお前は身体に多くの傷痕がある いつの傷かすべて覚えているぞ、刀傷が37か所あり、矢傷が16か所だ うっ…私はお前を治療する侍医たちを全員、昇進させた…よい治療を受けさせたかったからだ」朱高煦は父が自分をこんなにも気にかけていたと知り、大粒の涙をこぼした。「老三…才こそ哥哥たちに及ばぬが、お前には慎重さがある 遠征では野営地の見張りをしていたな、夜も巡回していた、私は気づいていたぞ…うっ だが言えなかった、皇子が苦労してこそ臣下も命を懸けてくれるのだからな お前の足音から分かる、矢傷を負ったな?今後は大哥を助けてくれ、協力するのだ」「はい」「はあ~この孫は私にそっくりだ、朱姓でなければ殺しているところだ」「ヒィィィ(((;꒪ꈊ꒪;)))」「私の代で終わりにしよう、もう揉め事を起こすのはやめてくれ、反目せず、助け合うのだ 歴史書に″朱棣は悪人だ″と書かれるだろう…うっ…だが子孫は…子孫は善人でいて欲しい」永楽帝はこらえきれず泣き出し、皇子たちも父の思いに涙した。すると永楽帝は皆で手の平を切り、血の誓いを立てる。「天地の神に誓います、もし息子たちが朱家の者を殺した時は、 命を奪い、悲惨な死を与えても構いません」山から骨董店へ戻った若微は死んだように眠った。やがて目が覚めると、徐浜(ジョヒン)の姿がある。「徐浜哥哥…」「台州から来たので到着が遅くなった、だが来てみればなんてありさまだ」若微の錦衣衛との取引が問題になり、組織は大騒ぎだという。その夜、宮廷では朱瞻基の妃候補となる秀女(シュウジョ)の選考が始まった。秀女は身元が肝心だが、士大夫でも農民でも3代に罪がなければ、誰でも入内できる。ただし宮廷で選考が行われ、合格できない場合は土産を持って故郷へ帰されるという。胡尚儀は居所に戻ると、胡善祥に秀女たちの世話を任せた。すると胡善祥は急にひざまずき、自分も秀女になりたいと懇願する。「秀女になる意味が分かってるの?」胡尚儀は今日の8人は不合格になると断言した。実は容姿より礼儀作法や修養が大切とされ、屏風の後ろにいる太監が候補者たちの記録を取っていたという。例えばお茶を飲む時の手の動き、外向きは高貴で内向きは卑しい。長い指は知性を表し、厚い手の平は徳を表すという。首の振り方からは育ちが分かり、食事の時は碗を寄せて上品に食べるかを見ていた。後ろを振り返った時は首の美しさを見る。ここで合格すると皇太孫との相性を占い、黄道館が先祖の墓を調べるのだ。しかし今夜の選考を見ていた胡善祥は容姿も礼儀作法も負けていないと自負する。何よりかつて皇太子と皇太孫に助けられたという縁があった。「女官で終わるのは嫌なんです」「私に後ろ盾になれと?」「私が皇孫妃になればいずれは皇后、太后、そうなれば一生、姑姑の面倒を見られます 姑姑は私の母も同然ですもの…」その時、胡尚儀がいきなり胡善祥を引っ叩いた。「何ですって?私が母親?お前は汚らわしい反逆者の子よ!身の程をわきまえるがいい!」「分かっています…両親も姉も殺された…私は反逆者の子 頼れるのは姑姑しかいない、今まで育てていただいた恩は死ぬまで忘れません…うっ でも姑姑、このままでは嫌なのです!女官のまま年を取りたくない! 姑姑!太監との夫婦ごっこで一生、面倒を見てもらうなんて嫌なんです! 落ちぶれて札遊びもしたくない!姑姑!力になってください」すると胡尚儀は胡善祥の結い髪の上に茶が入った碗を置いた。「1滴でもこぼしたら罰として浣衣(カンイ)局で洗濯を…こぼしたら火傷するわよ」孫愚(ソング)と若微は組織の隠れ家に呼ばれた。そこで若微は皇甫雲和(コウホウンワ)から錦衣衛の黄(コウ)大人(ダーレン)が皇帝の孫・朱瞻基だと知らされる。「奴は靖難の遺児について調べている」徐浜は若微が何も知らなかったとかばったが…。胡尚儀は皇帝に謁見し、皇太孫の秀女について報告した。「1人は北鎮撫司(チンブシ)の趙(チョウ)大人の姪で、趙大人が推薦しています」しかし他に推薦された秀女がいないと聞いた永楽帝は、皇太孫に嫁ぐのを敬遠しているのかと不満を漏らす。「もっと推薦を募れ…あ~太子と太子妃にも選ばせろ 私が独断したとあとで恨まれても困る、太子に選考を…」つづく( ๑≧ꇴ≦)心温まる皇帝と息子たちの話なのに…なぜか笑ってしまうw
2020.06.05
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烈火如歌(Lie huo ru ge)The Flame's Daughter第49~50話ダイジェスト歌児(カール)こと烈如歌(レツジョカ)は仲間たちを守るため、暗夜冥(アンヤメイ)の身代わりになると了承銀雪(ギンセツ)は自分の命がわずかだと言うのにカールから恨まれてしまい、もうやけ酒ですカールの大恩人になりたくて玉自寒(ギョクジカン)を救ったのに…チッ(TㅅT)戦楓(センホウ)は暗河心法の第九重を極めて銀雪を救うと誓いますが、銀雪はもう間に合わないと肩を落とすのでしたそしていよいよ銀雪はカールに暗夜冥の記憶を埋め込み、自分の血を入れた茶を飲ませてカールを消しますその頃、雷驚鴻(ライケイコウ)は近くの支部からありったけの火器を調達し、暗河宮の森に戻っていましたそこで使い手である雷驚鴻・刀冽香(トウレツコウ)・鍾離無涙(ショウリブルイ)・碧児(ヘキジ)が先発隊に決まり、姫驚雷(キケイライ)や堂主たちは合図があるまで待機します早速、4人はそれぞれ火器を持って森の中へ木に飛び移りながら火器を投げ、ドッカーンドッカーンと爆発させながら暗河宮の弟子を吹っ飛ばし、陣を壊してふもとの宮殿へしかし宮殿はすでにもぬけの殻、4人はカールたちを探しているうちに閉じこめられてしまいます一方、地下宮殿の牢では戦楓が急ピッチで修行中銀雪の話ではカールを暗夜冥化したものの長くは続かず、暗夜羅(アンヤラ)を殺す好機を逃すわけにはいきません戦楓は魔道に堕ちそうになりながらも、銀雪の導きで辛い過去を乗り越えて行きます暗夜羅が見守る中、ついに暗夜冥の記憶を持ったカールが目を覚まします「また地下宮殿に入り込んだのね?…羅児?」「記憶が戻ったのか?」「何か忘れてた?」「いいや、姐姐は私と師父の争いを止めようとして傷を負ったんだ」「羅児、懲りもせず師父に逆らったの?師父は師妹に八つ当たりを?」「案ずるな、師妹も地下宮殿で療養している」するとカールは疲れたと言ってすぐ寝てしまいますしかし暗夜羅が出て行くとそっと目を開けました|ω-`)うそだよ〜ん実は暗夜羅もまだ半信半疑、そこで今度はカールに自分たちの位牌を見せてみます「本当に並べたのね…ここは歴代の宮主を祭る場所よ?師父に殺されるのが怖くないの?」「それより、なぜ私たちの位牌があると?」「ここに並べるとあなたが私に言ったわ、違ったかしら?」暗夜羅はカールが位牌の話を覚えていたことから、本当に暗夜冥化したと信じます「羅児、私は子供のたわ言だと真に受けなかった」「私は本当に宮主となった、宮主夫人の姐姐もここに祭られる」「口を慎みなさい、あり得ない!姉弟も同然なのになぜ…」するとカールは急に戦飛天(センヒテン)という名前を思い出します驚いた暗夜羅は戦飛天が亡者で、縁もゆかりもないと教えますが、カールは戦飛天のことを知りたいと懇願暗夜羅は憤慨し、カールを眠らせてしまいます\\\٩(๑`◇´๑)۶//// うわああああああ~! ←海に向かって荒ぶる暗夜羅カールは目を覚ますと烈如歌に戻り、約束通り玉師兄に会わせろと迫ります仕方なく暗夜羅は認めましたが、再会した玉自寒は再び聴覚を失くし、両足も動かず、さらに視力まで失い、声が出せなくなっていましたしかも昼夜の別なく激痛に襲われ、最期まで苦しみもがくとか…それでも玉自寒の美しく澄んだ目は健在ですカールは涙ながらに肩に手を乗せると、玉自寒はようやくカールの存在に気づきます驚いた玉自寒はカールの手の平を指でなぞり意思の疎通を図りましたカールは玉自寒の指を自分の口元に当て、返事をします「恐れるな」「うっ…何も怖くないわ」「元気なのか?」「私は元気よ…うっ」カールは必ず助け出すと伝え、玉自寒を強く抱きしめるのでした暗夜羅は銀雪を呼び出し、烈如歌を消し去って暗夜冥を取り戻したいと懇願しますそこで手始めに琴を返し、仙力も回復させると約束しかし銀雪は思いのほかカールの精神力が強くて本人に戻ってしまうと説明し、ただし本人が望めば問題ないと伝えます暗夜羅はカールに烈如歌が消えてくれるなら仲間たちを解放し、玉自寒を治すと持ちかけましたカールは暗夜羅に誓いを立てさせ、自分を犠牲にしてでも仲間たちを救うことに…ふもとの暗河宮殿刀冽香はひとり、雷驚鴻・鍾離無涙・碧児と岩の扉で隔てられていました水もなく次第に空気も減り、死を覚悟する4人雷驚鴻は岩越しに改めて刀冽香に謝罪し、家族の情に気づいていれば刀冽香の兄を殺さなかったと後悔の念を伝えますカールが暗夜冥化に承諾、銀雪が再び薬を飲ませるためにやって来ます「言い残すことは?…秘めずに打ち明けよ」「私が消えてもあなたは忘れないでいてくれる?…そうだと言って」「忘れぬ…」そして薫衣(クンイ)が見守る中、カールは薬を飲んで意識を失いましたこうしてカールは暗夜冥となり、暗夜羅は安堵しますしかしやはり戦飛天の名前が頭から離れず、暗夜羅は修行中に見た幻覚だとごまかしました焦った暗夜羅は銀雪に戦飛天の記憶を消すよう迫りますが、銀雪は強い感情を消すことは無理だと答えますそこで完全に記憶が戻る前に暗夜冥を娶るよう助言、そうすれば思い出しても、もう後戻りはできません暗夜羅は早速、翌日に暗夜冥と婚礼を挙げると決め、プロポーズしかし暗夜冥は姐弟弟子で結婚など、笑い者になると拒みます暗夜羅はならば全員を殺すと言い出し、暗夜冥が同意するまで弟子を殺すことに…驚いた暗夜冥は仕方なく嫁ぐと決意します婚礼衣装に身を包んだカール、しかし急に胸の痛みに襲われ、銀雪が呼ばれます銀雪は治療するので周囲10丈(ジョウ)に近づくなと警告し、暗夜羅たちを追い出しましたするとカールはまだ烈如歌だと暴露、暗夜冥のふりをしていたと明かします「あなたの血は内功で溶かしたの」カールは銀雪と戦楓が2人で暗夜羅を倒すつもりだと気づいていましたまたしても銀さんに逆らうカール…これもカールの命を守るため、自分たちが失敗しても暗夜冥でいればカールだけは助かると考えた末の計画だったのにねえ~そこでカールは暗夜羅の弱点を教えて欲しいと頼みます「止めても無駄よ、教えてくれなければ私の命はないわ」←イヤイヤ〜脅すとか何?wまあ~確かにカールがいた方が暗夜羅暗殺計画の成功率が上がるのは事実、銀さんは眉間が急所だと教えますかつて暗夜冥が傷つけて痛手を与えたあの眉間ですねするとカールは暗夜羅が最も油断した時に急所を狙うと伝えました「好機を見極め、一撃で倒すのだぞ?」「はおっ!」暗夜羅と暗夜冥の結婚式銀雪だけでなく江湖の代表として戦楓、朝廷の代表として玉自寒が出席していますしかし喜んでいるのは暗夜羅だけという緊張感ただよう結婚式wこの微妙な空気を変えるべく、暗夜羅は銀雪に一曲、頼みますこれが合図だったのか、ついに戦楓が剣を手に席を立ち、暗夜羅に戦いを挑みました暗夜羅と戦楓の一騎打ちそこでカールは戦楓が斬りかかって来た時を見計らって飛び出し、暗夜羅をかばって背中を斬られてしまいます暗夜羅は激怒して戦楓を吹き飛ばし、暗夜冥の元へ…「冥児!かばわずとも負ける相手ではなかった…」「私たちは夫婦になれない…でも愛してたわ…」カールは虫の息となり、今にも死にそうだ〜という演技暗夜羅は衝撃のあまり絶叫し、倒れていた戦楓をとっ捕まえて首を絞め上げましたその間にカールは密かにあの銀釵を準備、銀雪はカールが仕留められるよう祈りつつ見守りますすると暗夜羅が戦楓を放り投げ、暗夜冥の元へ戻ろうと振り返ったまさにその時、カールが暗夜羅の眉間に銀釵を突き刺しました「うわああああーーーーっ!」暗夜羅は激痛に耐えながら、暗夜冥が烈如歌だと気づきますまんまと騙された暗夜羅は道連れにしてやると逆上、激しい掌を放ちました銀雪は咄嗟にカールを突き飛ばし、掌を放って暗夜羅と真っ向勝負2人の掌と掌がぶつかり、付近にまで凄まじい衝撃波が及びますそして互いに渾身の一撃!すると銀雪は胸に、暗夜羅は眉間に、相手の掌が炸裂して倒れます暗夜羅はついに絶命、カールは慌てて銀雪の元へ駆けつけました涙ながら銀雪を腕に抱くカール…「あの人に会いたいなら死んではだめ!」「バカだな…あれは嘘だ、死にたくないのはそなたがいるからだ…思い人はそなただ… これまで殺生を繰り返した罪を償うため…私は…ゴホッゴホッ 長年待ち続けていた…そなただけを… 私の一生は血なまぐさいものだった…天罰が下って当然だ…だがそなたに会えて… 思い残すことはない…」「やめて…絶対に死んではダメ、何があっても生きるの…うっ」「思い人はそなただ…婚姻証を書いたのも、誓った婚約も、何もかも…そなたのためだ…」そして銀雪はカールの腕の中で事切れ、再び雪となって離散してしまいます(* ̄0 ̄)~♪<若遺憾遺憾(ルォイーハ~ン イーハン)若心酸心酸(ルォシンスゥァン シ~ンスゥァン)又不是非要圓滿(ヨウ ブー シー フェイ イャォユェンマ~ン)来年秋風乱(ライニィェン チィゥフォンルゥァン)笑看紅叶轉(シァォカン ホンイェヂュァン)深情(シェンチ~ン)只好(ヂーハオ)淺談(チィェンタ~ン)暗河宮の森の霧が晴れ、姫驚雷たちもふもとの宮殿へ向かっていましたそこに戦楓が現れ、暗夜羅が死んだと報告、凌(リョウ)堂主にカールと玉自寒を頼みます戦楓は姫驚雷や慕容(ボヨウ)堂主たちと閉じ込められた4人の救出へこうして全員が無事に暗河宮から解放され、それぞれが自分の門派へ帰って行きました有琴泓(ユウキンオウ)が梅院に駆けつけると、カールが銀雪の白い衣を握りしめ、婚姻証をながめていました「私を娶ると言ったけど…きっとまた嘘ね…」「いいえ、嘘ではありません、ずっと前から師父はあなたが現れるのを待っていました そして成長したあなたと再会することも…」「分かってる、銀雪は輿入れの日を書かなかったわ、そして私に預けると言った 暗河宮を討伐した日に娶ると言ったのに…」すると有琴泓はその場で叩頭し、カールに別れを伝えます「恐らくこれが永の別れとなるでしょう、どうかお元気で」「有琴先生、縹渺(ヒョウビョウ)派はどこにあるの?」「縹渺は修仙の地で縁がないと入れません、私がたどりつけたのは師匠のお導きです ゆえにあきらめたほうがいい、師父はもうこの世にいない…」その頃、集賢(シュウケン)堂では戦楓が後始末に追われていました後顧の憂いを残さぬため暗河宮の残党を一掃し、また暗河宮のために滅んだ門派を再興させると決めますそして最後に亡き先代・烈明鏡(レツメイケイ)が実は実父だと公表しましたその場は騒然となりましたが、この件はいずれ話すと伝え、出て行きます本当なのか?>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<ザワザワ…戦楓はひとり霊堂へようやく息子として父を弔うことが叶ったんですね〜(꒦ິ⌑꒦ີ)<ディエ…つづく(  ̄꒳ ̄)もう終わったと思ったでしょう〜?まだあるんですw
2020.06.04
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です陈情令 The Untamed第43話「重なり合う心」魏嬰(ウェイイン)@無羨(ウーシエン)は斂芳尊(レンホウソン)・金光瑶(ジングアンヤオ)が邪曲を使い、赤鋒尊(セキホウソン)・聶明玦(ニエミンジュエ)の発作を誘発したと考えた。邪曲集・乱魄抄(ランハクショウ)の抜け落ちた部分は金光瑶が破ったのだろう。ただし、写す暇がなかったからではない。万一、秘密に気づかれても旋律の出所が分からないよう、証拠を隠滅したのだ。「金光瑶は何事にも非常に慎重で、藍宗主の前では清心音を完璧に弾いた 赤鋒尊は曲に傾倒せずとも清心音を聞いたことがあるから、大体の印象は残っている そこで金光瑶は直接、邪曲を弾かず、わざわざ性質や効果の相反する曲を組み合わせた しかも何の違和感も抱かせないとは…音律に関して天賦の才がある 予想するに清心音を弾く際、使う霊力はわずかだが、″乱魄抄″の部分で本格的に注入する だが精通していない赤鋒尊に違いが分かるわけがない 命を奪う邪曲が組み込まれていたなんて…」魏無羨の話を聞いた藍渙(ランホワン)@曦臣(シーチェン)は動揺を隠せなかった。しかし金光瑶を雲深不知処(ウンシンフチショ)に出入りさせていたとは言え、禁室のことは話していない。魏無羨は思わず、金光瑶にとって禁室を見つけることなど朝飯前のはずだと言った。金光瑶が不夜天(フヤテン)に潜入した時、温若寒(ウェンルオハン)の密室まで見つけ、誰にも知られず地図や記録を全て暗記、金麟(キンリン)台に送っている。もはや否定できなくなった藍曦臣は曲譜を再現してみると言った。自分に試すなら家訓に背くことにはならない。「私の知る金光瑶とお前たちの知る金光瑶、そして世人の知る金光瑶は全く違う 長年、私の中での金光瑶は屈辱に耐え、衆生を顧み、上を尊び、下を哀れんだ 固く信じてきた…世人は誤解から彼を嘲笑するが、私の知る彼こそ真実だと… だが全ては偽りだとすぐに信じろと言うのか? 彼が義兄弟を死に至らしめ、私もその駒だった…それどころか、手を貸していたと?」藍曦臣は慎重に考えて判断するため、時間が欲しいと言った。↓あーが( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)ガーン蔵書閣を出た藍湛(ランジャン)@忘機(ワンジー)は叔父へ挨拶に行くことにした。そこで藍曦臣が魏無羨を影竹(エイチク)堂まで送り届けたが、魏無羨はこの機会に藍湛の身体に残る戒鞭(カイベン)の痕の理由を聞いてみる。藍曦臣は魏無羨が何も知らないことに驚いていたが、確かにあの弟のこと、余程のことがなければ話さないだろう。実は16年前、藍湛は乱葬崗(ランソウコウ)で騒ぎを起こしていた。蘇渉(スーショウ)@憫善(ミンシャン)が金氏の弟子たちを率いて魏無羨の住処だった伏魔(フクマ)洞を潰そうとしたが、藍湛が妨害したという。結局、金光瑶が駆けつけ、聖人君子の含光君(ガンコウクン)の顔を立てて伏魔洞は無事だった。しかしこれを知った藍啓仁(ランチーレン)が激怒、藍湛を雲深不知処へ連れ帰り、戒鞭300回の罰を与えたのだ。『打てっ!(バシッバシッ) 藍氏家規、第52条は何だ!』『″奸邪(カンジャ)との交流を禁ずる″…』『藍氏の教えの根本を忘れ去るとは!藍氏の祖先に合わせる顔があるのか!』『(バシッバシッ)叔父上にお聞きします、誰が正道で、誰が邪道ですか?』藍湛は激しく叩かれて喀血しても我を通した。そんな甥の姿に藍啓仁は深く失望し、寒潭(カンタン)洞で3年の面壁を命じる。洞窟では戒めとして家訓である″妖邪を誅し 正法を立てれば 大道は永存す″が置かれていた。「ワンジーには寒潭洞に入った後も忠告したが、ワンジーは言った 君の知己ならば、信じるべきだと…」「なぜそこまで…」魏無羨は困惑したが、藍曦臣には弟の気持ちが良く分かった。影竹堂の静室は藍曦臣と藍湛の母の居所だった。「奇妙に思うだろう?家主の妻なのになぜ家主と寒室に住まないのか?」藍曦臣と藍湛の父が俗世を離れ、修行のため閉関していたのは有名な話だった。そのため叔父の藍啓仁が姑蘇藍氏を切り盛りしていたが、実は父の修行は母が原因だったという。竹林の奥深くにひっそりと建つ静室、居所とは名ばかりで、実際は軟禁と大差なかった。「父が若かりし頃、夜狩(ヨカリ)から戻る途中、姑蘇の城外で母と出会い、心を奪われたそうだ だが母は父に心を奪われてはおらず、父の恩師まで殺すことに…」「なぜです?」「分からない…いずれにせよ恩仇(オンキュウ)が理由に他ならない それを知った父はいたく苦しんだが、熟慮した結果、秘密裏に母を雲深不知処に連れて帰った 一族の反対も顧みず、ひっそりと祝言を挙げ、宣言したのだ ″生涯で唯一、愛する妻だ″と、″もし殺すなら、まず自分を倒せ″とな… 母を娶ってから父はこの建物を見つけ、母を閉じ込めた そして自分も別の建物にこもったのだ、修行という名の改悟と言える」父は息子たちが生まれるとすぐ他の者に世話をさせ、少し成長すると藍啓仁に指導を託した。叔父はもともと一本気で、母が父の一生を台無しにしたと考えたのだろう。それからは道を外し、素行の悪い者をさらに憎むようになっていったという。2人の甥への指導も厳しさを増し、心を砕いた。「我らが会いに行っても、母は軟禁の苦痛など見せず、修行のことも聞かなかった ワンジーは黙っていたが私には分かる 毎月、母と会う日を待ちわびていた、ワンジーも、この私も… だがある日、叔父に言われたのだ、″行く必要はない、母はいない″と… あの頃は幼すぎて意味が分からなかった、誰が説得しても叔父が叱責しても、 ワンジーは毎月ここへ来て戸が開くのを待ちながら廊下で座っていた その後、成長し、我らも理解できた、母はもう戻らず、この戸は開かないと… それでもワンジーは来た ワンジーには執着がある、だから魏公子、当時、ワンジーは君が詭道(キドウ)を修めるのを見て、 口では黙っていたが、心の苦痛と迷いは母親に対してと同じだ」こうして我が身にも藍湛と同じことが降りかかり、藍曦臣はかくも決意が難しいと分かったという。すると藍湛が天子笑(テンシショウ)を手土産に帰って来た。藍湛は魏無羨のための酒を注ぎ、自分には茶を入れた。魏無羨は改めて藍湛に礼を伝えたいが、どうも恥ずかしい。結局、話題を変え、藍曦臣の受けた打撃が大きいことを心配した。しかし証拠を見つければ手は緩めないだろう。藍曦臣は藍湛の兄であり、姑蘇藍氏だ。( ತ _ತ)<伝えたのか?…窮奇道(キュウキドウ)で笛の音が…( ゚д゚)<知っていたのか?( ತ _ತ)<温寧(ウェンニン)に聞いた、2か所から笛の音がしたと… ←いつ聞いたの?魏無羨はあの時はまだ自分の錯覚だと思っていた。しかし不夜天では確かに笛の音が聞こえたという。それはほんの一瞬だった。魏無羨は混乱していたため、どこに問題があったのか考える余裕もなかったという。その夜、雲深不知処は雪になった。魏無羨は回廊に出て雪を眺めると、藍湛もやって来る。「目覚めてから夜中に思い返すたび強く感じた、あの笛の音は錯覚じゃないと… そして今日、確信に変わった 窮奇道と不夜天で誰かが乱魄抄を使い、″陳情″の指令を変えた」「金光瑶だ」「…そうかもな、もしくは違うかも、ふっ」「答えを知りたくはないのか?」「目覚めたばかりの頃は知りたかった、でも今は… 言えることは1つ、ご勝手に、好きにすればいい」世人にとって夷陵老祖は悪事を働いた男、濡れ衣と訴えたところで誰も信じないだろう。結局、重要なのは真相を知ることではないのだ。時に世人は何か口実をつけて罵倒できる標的を求める。つまり夷陵老祖がいれば憤慨できる敵を共有し、自分を誇れるのだろう。例え金光瑶がいなくても、また他の誰かが現れ、別の偶然が起きたはずだ。「世は不確か、何でも起こり得る…」するとふいに琴の音が聞こえてきた。魏無羨が回廊から殿内をのぞくと、いつの間にか戻った藍湛が琴を弾いていた。…思えば、あの時は本当に孤独だった…俺を信じてくれた人は全員、死んだ、温寧、師姐(シシャ)…でも幸い( ತ _ತ)oO(この世にはお前を信じる者がいる…藍湛、お前に捧げる…人生でひとりの知己を得れば満足だ魏無羨はひとり雪見酒を楽しんだ。( ತ _ತ)oO(信じるのは心に恥じぬためだ…誰に誹謗されようと、心に恥じなければいい魏無羨と藍湛は言葉を交わさずとも、同じ志でつながっていた。「ランジャン、すまない…ありがとう」←( ๑≧ꇴ≦)温情ーっ!そんなある日、金光瑶が雲深不知処に現れた。寒室に藍曦臣を訪ねた金光瑶は卓に通行玉令を置き、失効したので持ち主に返すという。「含光君と夷陵老祖の行方は分からず、雲深不知処の捜索は禁じるも、 各世家は疑念を持ち異論を唱えています 機を見て1時(トキ)ほど門戸を開けてくれれば、皆を連れて来るので納得させます」その話を衝立の奥で魏無羨と藍湛が聞いていた。「ワンジーのことなら心配には及びません、含光君が品行方正なのは百家の周知の事実です こたびは丸め込まれただけで、取り返しのつかぬことでもない その時、釈明すれば良いこと…陰口など叩かせはしません」「…その時とはいつだ?」「乱葬崗の掃討後に…」実は金麟台での乱闘後、乱葬崗への道中に異常があり、傀儡が現われたという。何でも傀儡は乱葬崗の方向に逃亡したとか。「恐らく魏無羨が陣を起動させたか、陰虎符(インコフ)を使い、傀儡を招喚したのかも…」「だが彼は金麟台で金凌に刺された」「二哥…16年前、魏無羨は江(ジャン)宗主と戦って負傷しても傀儡を招喚したではないですか? 夷陵老祖には簡単なことです」(  ̄꒳ ̄)oO(随分、俺を見込んでるね~「程なく乱葬崗で2度目の包囲を行います、他の世家も金麟台へ招集しました 二哥も来ていただけますか?」「分かった、外で待っていてくれ、共に向かう」金光瑶は安堵して出て行くことにしたが、ふと振り返った。「二哥、大哥に会いに行きたいですか? …葬儀を執り行います、大哥を最後に送り出しましょう」藍曦臣は金麟台に行くことになった。そこで藍湛と魏無羨に先に乱葬崗へ行くよう告げる。「もし異心があれば、決して容赦せぬ…」魏無羨は藍湛と裏山にいるロバの小苹果(シャオピングォ)を迎えに行った。しかし変な感じがする。明らかに危険が待ち受けていると分かっているのに、少しも怖くない。魏無羨は相変わらず頑固な小苹果を引っ張って下山したが、気がつけばウサギたちが藍湛を見送りに来ていた。(^ꇴ^)<含光君がこれほど小動物に好かれるとはな〜俺はさっぱりだ( ತ _ತ)<…さっぱり?(  ̄꒳ ̄)<地を行く奴、水を泳ぐ奴、空を飛ぶ奴も俺を見ると逃げる( ゚д゚)<って待てよ! ((((( ತ _ತ)…藍湛は小苹果の手綱を引き、背中にまたがった魏無羨は笛を吹いた。「藍湛、教えてくれ、暮渓(ボケイ)山の玄武洞で歌ってくれたのは何て曲だ?」「なぜ突然、聞く?」「いいから教えろよ~何て曲名だ?なぜ俺だと分かったか予想がついた」「・・・」「言えよ~何て曲だ?誰が作った?」「…私だ」「お前が?」「コクリ…」「じゃあ、曲名は?」「どう思う?」「俺の意見を?へっへ~だったらいっそ曲名は…」「喉が渇いた、水を」「あ〜?」魏無羨と藍湛は山間で民家を見つけた。そこで水をもらおうと訪ねたが、誰もいない。すると話し声が聞こえ、魏無羨と藍湛は咄嗟に身を隠した。民家に戻ってきたのはまだ幼い娘を連れた若い夫婦だった。しかしなぜか妻は剣を佩いている。「…ひとりで先に行くなんて、生き返った夷陵老祖と鬼将軍に遭遇して食べられたら? 父さんと母さんが悲しむぞ?」父親の話に顔を見合わせる魏無羨と藍湛、すると娘は怖くないと言った。「母さんが言ってた、そんな物語は嘘っぱちだって、夷陵老祖は善人をいじめないよ?」(*゚▽゚)*。_。)*゚▽゚)*。_。)ウンウン@魏無羨「おい、青羊(チンヤン)、口答えしたぞ?」「綿綿(ミエンミエン)、言うことを聞いて」魏無羨はどんな親子か見たくて思わず顔を出し、見つかってしまう。「誰?出て来るのよ!」仕方なく藍湛と魏無羨が姿を見せると、青羊は驚いた。「ハングアンジュン!…あなたはウェイ…ぁ…」( ゚ェ゚)?oO(俺を知っているのか?ハッ!「ミエンミエン?ミエンミエンなのか!」つづく( ˘ω˘ )何だか色々、消化不良です…
2020.06.03
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です陈情令 The Untamed第42話「清心音の謎」芳菲(ホウヒ)殿で赤鋒尊(セキホウソン)・聶明玦(ニエミンジュエ)の首級を発見した魏嬰(ウェイイン)@無羨(ウーシエン)。そこで藍湛(ランジャン)@忘機(ワンジー)と藍渙(ランポワン)@曦臣(シーチェン)の協力を得て金光瑶(ジングアンヤオ)に密室を開けるよう迫った。その時、なぜか蘇渉(スーショウ)@憫善(ミンシャン)が現れ、礼儀を重んじる姑蘇(コソ)藍氏が家主の寝殿に押し入るのかと嫌味を言う。「藍氏を裏切りながら含光君(ガンコウクン)の真似ばかりして琴まで使うとは… ←これいつの話? お前に姑蘇藍氏を語る資格が?」蘇渉は莫玄羽(モーシュエンユー)に揶揄され憤慨したが、金光瑶が制止した。「見られて困るものなどない…二哥の仰せならお見せ致しましょう」密室には魏無羨の言う通り金光瑶の夫人・秦愫(チンスー)がいた。しかしどこか様子がおかしい。…チンスーを隠さず、殺してもいない…彼女が暴露していいと?魏無羨は夫人に声をかけたが、秦愫はうつむいたままぼんやりして反応がなかった。そこで早速、問題の封印された棚へ向かい、帳(トバリ)を開けてみる。するとすでに首級は消え、代わりに小刀が飾られていた。金光瑶は呆然とする莫玄羽を尻目にその小刀を手に取り、皆に刃先を見せた。しかしその刃先に映っているのは金光瑶ではない。実はこの剣には刺客の手で死んだ者の霊識が姿となって現れ、陰気も強かった。そのためこうして封印していたという。「これは温若寒(ウェンルオハン)の所有物で後日、温情(ウェンチン)の手に…」すると背後から突然、秦愫が短剣を奪い、腹を刺して自害してしまう。金光瑶に密室を開けるよう迫ったことから思わぬ悲劇が起きた。妻の死を嘆き悲しむ金光瑶、そこへ騒ぎを聞いた江澄(ジャンチョン)と聶懐桑(ニエホワイサン)も駆けつける。藍曦臣は責任を感じ、仕方なく事情を説明した。「先日、姑蘇の子弟が夜狩(ヨカリ)に出た際、莫家荘で騒ぎを起こす刀霊と遭遇してな 殺気と怨念があまりに強いため、子弟たちが姑蘇へ報告に戻ったのだ その後、ワンジーがこの件を調べ、ついに義城(ギジョウ)という場所で刀霊の主の骸を見つけた 骸には首がなかったが、刀霊は形を現し、その形状は…″覇下(ハカ)″だった」すると兄の無残な最期を知った聶懐桑は卒倒してしまう。「死後、骸を切断?首と身体を分離するなど、誰がそんな常軌を逸した真似を?!」金光瑶の演技力は逸材、確かに藍曦臣が騙されるのも無理はなかった。金光瑶は自分が聶明玦の首を密室に隠したと疑われたのだと分かった。しかしこの寝殿に隠し部屋があることをどうして知ったのか。そして何を根拠にそう判断したのか。…どう説明する?…聶明玦の首を見たことや、ここに潜入したこと、そして燃やされた文のことも追い詰められた魏無羨、すると金光瑶と蘇渉が莫玄羽に難癖を付けた。「シュエンユー、お前が二哥に告げたのか?すぐ分かる嘘をついて何になる?!」「モーシュエンユー、お前は金夫人にまとわりついて金家を追放された だが噂ではなぜか含光君の目に留まり、友としてそばに仕えているようなだな? 品行方正で有名な含光君が、なぜこんな不埒(フラチ)者をそばに置くのか?理解に苦しむ」すると金光瑶は秦愫の自害にも莫玄羽が関わっていると疑い、仇討ちとばかりに剣を抜いて襲いかかった。藍湛は咄嗟に飛び出して金光瑶を阻止したが、魏無羨は藍湛を巻き込むわけにいかず、剣を収めるようなだめる。その隙をついて蘇渉が莫玄羽に斬りかかった。魏無羨はまんまと金光瑶の罠にはまった。いきなり蘇渉に襲われた魏無羨は咄嗟に棚にあった″随便(ズイベン)″をつかみ、剣を抜いてしまう。金光瑶は思わずニヤリ、しかしすぐ目を見開いて驚愕して見せた。「イーリンラオズーだな!」金凌(ジンリン)@如蘭(ルーラン)は仮面を着けた男が夷陵老祖(イリョウロウソ)だと聞いて発作的に剣を抜く。「まさか…本当に?!」「あの剣を抜けたのだ、奴こそ夷陵老祖・魏無羨だ」すると夷陵老祖と聞いて急に目を覚ました聶懐桑が立ち上がり、不思議そうに尋ねる。「その剣を抜いた者が夷陵老祖になるのかい?三哥? 含光君?お互い何か誤解があるのでは?」「いや、夷陵老祖・魏無羨で間違いない!一番手っ取り早いのは仮面を取ることだ…」「待って!舅舅が大梵(ダイボン)山で紫電(シデン)を食らわせても奴は無事だった 奪舎(ダッシャ)された者は必ず元の姿を現すんじゃ…だから魏無羨とは限らない」甥の思わぬ指摘に金光瑶は焦ったが、確か大梵山で温寧(ウェンニン)が現れたはずだと思い出した。「鬼将軍を呼んだのも彼では? 以前、シュエンユーが金麟台にいた時、夷陵老祖の書き付けを見ていた 記されていたのは邪術・舎身呪(シャシンシュウ)だ、これは己の霊識を代償とし、重傷者を修復する そのような術では紫電を使っても判別できない 夷陵老祖… お前が崖から飛び降りた後、剣は蘭陵金氏が保管していたが、程なくして剣は自ら封印した 剣には霊が宿る、主以外の者が使うことを拒み、自ら封印したのだ」つまり随便は夷陵老祖本人以外では絶対に抜けない、金光瑶はこれを利用し、仮面の男の正体を暴いたのだった。金光瑶、金凌、蘇渉が一斉に仮面の男に襲いかかった。藍湛は3人の剣を封じ、その間に魏無羨が流金呪で目を眩ませ、2人は芳菲殿を脱出する。金光瑶は蘇渉に追跡を命じると、金凌に魏無羨こそ父を殺した敵だと念を押した。藍湛は魏無羨の腕をつかみ、中庭にいた子弟たちを一気に飛び越えた。そして2人は金麟台の長い階段を駆け下りて行ったが、挟み撃ちにされてしまう。魏無羨は咄嗟に藍湛を突き離すと、そこへ金光瑶たちが到着した。金光瑶から仮面を外せと迫られた魏無羨はもはや潮時と判断、仮面を外して正体を明かす。「さすが夷陵老祖、16年後、世に復活し、我らを翻弄するとは…ふっ ジンリンだけでなく、含光君まで惑わした」(^ꇴ^)<その通り〜 ( ತ _ತ)<違う…藍湛は包囲された魏無羨の隣へ立ち、正体を知っていたと認めて剣を抜いた。驚いた魏無羨は藍湛を止め、藍湛まで矢面に立つ必要はないとなだめる。「欺かれていたと言えば誰も追求しない」「ウェイイン…雲深不知処(ウンシンフチショ)で私に問うたな?」…あれは第33話、魏無羨は藍湛にこう聞いた…ランジャン、あの時は本当に俺を信じていたか?「険しい道を突き進むのも悪くはない…」藍湛は第29話で聞いた魏無羨の歌を引用した。「ぷっ…お前って奴は…藍湛、最後の機会だ、覚悟はあるか? ここを出たらお前の名声は地に落ちるぞ?…それでも戦うか?」「…愚問だ」魏無羨と藍湛は子弟たちと交戦し、隙を見て階下へ飛び降りた。しかし魏無羨の前に思いがけず金凌が現れる。「ウェインなのか?…本当に魏無羨なのか?!」金凌は魏無羨に剣を突きつけた。その様子を金麟台の上にいる聶懐桑が扇子を握りしめながら、見つめている。「ジンリン、この件は改めて説明する、な?」すると金凌はいきなり魏無羨の腹を突き刺した。驚いた藍湛は金凌を突き飛ばし、崩れ落ちる魏無羨を支える。「大丈夫か?」「あの小僧…刺す場所も舅舅と同じか…耐えられる」「行くぞ」藍湛は深手を負った魏無羨を連れて金麟台を脱出したが、やがて激しい雨になった。身体が冷えるのを心配した藍湛は途中で魏無羨を座らせ、自分の霊力で補ってやる。魏無羨は次第に身体が温まるのを感じながら、ふと16年前に崖から落ちた時のことを思い出し、失笑した。「以前は皆が俺をもてはやしていた時、お前だけが俺に反発した だけど今は違う…みんなが俺の死を望み、恨み、侮辱している時、お前だけが俺のそばにいる…」すると魏無羨は急に咳き込み、激しく血を吐いてしまう。魏無羨が目を覚まして身体を起こすと、藍湛が様子を見に来た。「腹の傷は?」「傷か?もう平気だよ…」藍湛は念のため腹の傷を確認、確かに出血は止まったらしい。すると魏無羨の袖をめくり上げて腕の傷を出した。「舎身呪の痕か?どう解く?」「(フルフル…)だが莫玄羽の最後の敵が分かった、奴が死ねばこの呪いも解けるはず…」「金光瑶だな…」「コクリ…」恐らく莫玄羽は金光瑶の秘密を知り、秦愫に告げようとして金光瑶に先手を打たれたのだろう。詳細は分からないが、魏無羨は確信していた。莫玄羽に秘密を告げたのは夫人に文を書いた者と同じ、そしてその者が自分たちに赤鋒尊の行方を調べさせたのだ。果たして金光瑶の後ろ暗さを知り、憎んでいるのは誰なのか。(  ̄꒳ ̄)<金光瑶の情人だったりして~昼メロかっ( ತ _ತ)<…藍湛は軽口が戻ってきた魏無羨に呆れると、″随便″が目に入った。( ತ _ತ)_/<お前の剣だ藍湛から随便を受け取った魏無羨、しかし随便が自ら封印したとはにわかに信じがたい。そこで藍湛が随便を抜こうとしたが、やはり随便は拒んだ。どうやら随便は今も魏無羨を主人と認めているらしい。その時、魏無羨はようやくここが静室だと気づく。( ๑≧ꇴ≦)<オイオイ!無謀にも俺を雲深不知処に連れてきたのかーっ!しかし魏無羨をここでかくまうよう指示したのは藍曦臣だった。静室に藍曦臣が現れた。藍曦臣の話では各世家もその目で赤鋒尊の骸を確認し、今は聶懐桑が管理しているという。( ゚д゚)<で金光瑶の反応は?( ತ _ತ)<寸分の隙もない…それどころか徹底的に追求し、己の潔白も証明すると意気込んでいるという。「ワンジーよ、お前は証明できるか?」「赤鋒尊の首は確かに金光瑶の手に…彼が見ました」「信じるのか?」「はい」「金光瑶は?」「信じません(キッパリ」すると藍曦臣は弟が魏無羨を理解するがゆえ信頼するように、自分も金光瑶を信じていると訴えた。「お前の理解が正しく、私の理解が間違っていると?!」「藍宗主…」珍しく感情的になった藍曦臣は魏無羨に止められ、ハッとした。冷静になった藍曦臣は改めて真相が明るみに出るまで中立だと伝え、ただし密室での目撃では証拠にならないと釘を刺す。そこで魏無羨は別の話をすることにした。赤鋒尊の死因は気が暴走したことだった。しかしあまりに偶然すぎる。刀霊が悪さをしたことも一因ではあるが、魏無羨は背後に別の誘因が潜んでいると疑った。「清心音です」「魏公子、清心音は私自ら金光瑶に手ほどきした」「ではじっくり聴いてください、この曲に奇妙なところはないか」魏無羨は赤鋒尊の記憶の中で金光瑶が琴で弾いた清心音を笛で再現した。魏無羨が吹いた清心音は藍曦臣が金光瑶に教えた曲だった。習いたいと希望したのは金光瑶だが、清心音を勧めたのは藍曦臣だという。「清心音は難しいが、効果は絶大だと…だが習得しづらい、魏公子も先ほど吹き間違えた」すると藍湛も魏無羨が一部分、間違えたと指摘した。しかし魏無羨は共情(キョウジョウ)した時、確かに金光瑶はこの通り弾いていたと訴える。つまり間違えたのは自分ではなく金光瑶だと言うのだ。藍曦臣は金光瑶に限って覚え間違えはないと否定したが、魏無羨も記憶力抜群の斂芳尊(レンホウソン)が間違えて覚えるはずがないと納得する。恐らくわざとだ。そこで魏無羨はもう一度、再現して聞かせた。「止めろ」藍湛が間違えたところで声をかけると、藍曦臣もそこだと認める。驚いたことに違和感はないが清心音とは違った。「…はっ!一緒に来い」藍曦臣は2人を連れて蔵書閣の地下にある禁室へやって来た。ここには珍しい曲譜が保管されていたが、藍曦臣はその中から″乱魄抄(ランハクショウ)″を取り出す。そこで早速、藍湛が琴で弾いてみると、これがあの旋律の起源だと分かった。「藍宗主、この″乱魄抄″は一体どこの曲だ?」「東瀛(トウエイ)の秘曲集で、姑蘇藍氏の仙師が船で大海へ流れ着き、 東瀛の地で数年かけて集めた邪曲集だ この書にある曲は演奏中に霊力を加えると、人を害す 日々、痩せて、焦燥していき、気血がみなぎり過ぎて五感を失う 霊力が高い者なら3拍もあれば命も取れる」藍曦臣の話では乱魄抄の中には人の心を乱し、気血をたぎらせ、簡単に激情させるような曲もあるという。魏無羨は確信した。ただし金光瑶なら3拍で命を取れるような殺傷力のある曲は選ばない。すぐ気づかれてしまうからだ。恐らく精神を落ち着かせる名目で清心玄曲を引き続けながら、慢性の毒のようにじわじわと赤鋒尊の発作を促したのだろう。つづく( ゚д゚)え?待って待って…舎身呪は己の霊識を代償とし重傷者を修復する?( ๑≧ꇴ≦)ェェェェエエエエ工工工〜つまり魏無羨は魏無羨のままだったの???うっそ〜んwwwところでチンスーの自害、計画通り?予想外?
2020.06.02
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※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です陈情令 The Untamed第41話「両者の溝」魏嬰(ウェイイン)@無羨(ウーシエン)の人形の札は芳菲(ホウヒ)殿の密室で赤鋒尊(セキホウソン)・聶明玦(ニエミンジュエ)の首級を発見した。すると同時に部屋にいた魏無羨の様子が変わる。「共情(キョウジョウ)か?」見守っていた藍湛(ランジャン)@忘機(ワンジー)は、魏無羨が赤鋒尊の記憶に入ったと気づいた。…赤鋒尊と金光瑶(ジングアンヤオ)の因縁は金光瑶がまだ孟瑶(モンヤオ)と名乗っていた頃にさがのぼるある日、夜狩(ヨカリ)に出かけた赤鋒尊は、殿(シンガリ)を守っていたのが孟瑶という外弟子だと知ったしかしその孟瑶という男、なぜか子弟たちが休んでいる洞窟に入らず、外で焼餅(シャオピン)を頬張っている『モンヤオか?』『はい』『なぜ洞窟に入って休まぬ?…一緒に来い』赤鋒尊は孟瑶を連れて洞窟へ入ると、孟瑶が1人で外にいた理由がすぐに分かった聶氏の子弟たちは孟瑶が金光善(ジングアンシャン)の息子だと知っていた実は孟瑶は証しの品を持って雲夢(ウンム)から父を訪ねたが、認知どころか門前払いされてしまう金光善にとって息子は嫡子の金子軒(ジンズーシュエン)だけ、確かに外で大勢、産ませていたが、未だかつて認知したことはなかった『妓女の産んだ子なんぞ相手にするか?父親が誰かも分からん きっと金光善も怪しんで認知しなかったのさ』『それどころか、その妓女との情事すら忘れたんだろう?』子弟たちは孟瑶を蔑み、日夜、駆けずり回っているのも名声を得て父親に迎えてもらうためだと揶揄したその時、立ち聞きしていた赤鋒尊が現れ、激昂する『民のために働かず、無駄口だけを叩くとは!…モンヤオ!』『ここに』『偉丈夫(イジョウブ)たるもの後ろ暗きことなく堂々とあれ!』すると赤鋒尊はその場で孟瑶を副将に抜擢、こうして孟瑶は河(セイガ)聶(ニエ)氏で頭角を現したしかしやがて聶明玦は孟瑶の裏の顔を知ることになる第10話、聶明玦は不浄世(フジョウセ)で捕らわれた薛洋(シュエヤン)を巡り、温晁(ウェンチャオ)と衝突したその時、孟瑶は交戦のどさくさに紛れて総領を刺し殺してしまうちょうどその様子を見ていた聶明玦は激怒、温氏が引き上げると、祭刀(サイトウ)堂で孟瑶を追求した孟瑶は総統が薛洋を逃すのをこの目で見たと釈明し、さらに母が卑しいからと自分まで殺そうとしたと涙ながらに訴えるしかし現場を目撃した聶明玦をごまかすことはできなかった総領を殺した時の孟瑶は屈辱に耐えられず逆上した顔ではなく、しかもわざわざ温氏の剣を使ったのは薛洋の所業に仕立てるためだろう↓分かりやすい悪い人w『以前から企てていたな!』実は温氏の襲撃の前夜、総領は宴の帰りに偶然、孟瑶を目撃していた孟瑶は確かに物陰で誰かと話をしていたが、追求しても決して認めなかったというそして当日、温氏がまさに不浄世を襲撃せんとする時、孟瑶は聶懐桑(ニエホワイサン)に薛瑶を見て来ると言い残し、ひとり姿を消していた思えば孟瑶と最初に出会った時、孟瑶は自分に助けてもらうため、侮辱を受ける弱い己を装ったのではないか『私が手を差し伸べねば、今日のように奴ら全員、殺したのか?!』聶明玦は深く失望し、孟瑶を不浄世から追放したそして第22話、温氏討伐のため聶明玦は不夜天に潜入、しかし配下と共に炎陽(エンヨウ)殿に捕らわれてしまうすると深手を負った聶明玦の前に、温若寒(ウェンルオハン)に寝返った孟瑶が現れたこの時、孟瑶は聶明玦を愚弄し、子弟たちを手にかけ、取り上げた″覇下(ハカ)″を折ると脅す『確か折れた刀を見た時、先代は亡くなった…怒りのあまり…ふふ』憤慨した聶明玦は掌を放ったが、孟瑶の反撃に遭って倒れた第23話、意識を失った聶明玦が目を覚ますと、情勢は一変していた沢蕪君(タクブクン)こと藍渙(ランポワン)@曦臣(シーチェン)の話では孟瑶が温若寒が油断した隙に殺す計画を立て、ついに温若寒を討ったというこうして大きな功績を挙げた孟瑶は父に認められ、金光瑶と改名、宿願だった金氏の族譜に入ったそしてこれを機に聶明玦、藍曦臣、金光瑶は兄弟の契りを結ぶことになるしかし聶明玦は金光瑶に目を光らせていた金光瑶は斂芳尊(レンホウソン)と雅号を付け、赤鋒尊と沢蕪君と肩を並べて″三尊″と呼ばれるようになったそんな中、金光瑶は藍曦臣から姑蘇(コソ)の清心音(セイシンオン)を学び、強い殺気の刀を持つ聶明玦の気を鎮めるため尽力するようになるしかしなぜか聶明玦は日に日に気性が荒くなっていったそしてついに金麟台で悲劇が起こる百家宴を控えた金麟台、しかし藍曦臣は気性が不安定な聶明玦が気がかりだったそこで金光瑶に決して怒らせないよう釘を刺しておく『最近、刀霊にむしばまれている、お前が毎日、清心音を弾かなければ…』しかし聶明玦がすごい剣幕で現れ、金光瑶を連れ出した聶明玦はなぜ薛洋が今も金麟台で投獄されているのか問いただしたすると金光瑶は父の命令なので拒めないという『当時とは違い常萍(チャンビン)が供述を翻したため、薛洋が常氏を虐殺した証拠はありません そして父も生かしておけと…』しかし聶明玦は気づいていた孟瑶が薛洋を生かしているのは、薛洋が持っている陰鉄(インテツ)が目当てだろう『あざとい芝居はやめよ、お前のその手など通用せぬわ』『私のその手?どんな手です?』確かに聶明玦のように世家の出で、修行も重ねた偉丈夫なら謀略など必要ないだろうただし自分には修行の基礎もなく、師もいなければ、世家の後ろ盾もないこうして金氏に受け入れられても、決して嫡子の代役にはなれないのだ『私はこの天地が怖い!そして人の心も!」『結局、薛洋を殺さないのは、蘭陵金氏での地位を守るためか…』『いけませんか?!大哥…ずっと聞きたかった、あなたが殺めた命は私より少なくはないはず なぜ仕方なく数人、殺しただけの私が今も大哥に恨まれねばならぬのです!』『そうか…では教えてやる…我が刀で葬られた魂は数知れず… だが決して私欲のために殺めたことはない!のし上がるためなどもっての外だっ!』『つまり大哥が手を下した者は殺されて当然なのですね?では伺います 罪人だと判断する根拠は?その根拠は正しいですか? 1人殺して100人救えれば、それは功績か?それとも罪に値するか? 大事を成すには犠牲が付きもの』『なぜ己を犠牲にせぬ?お前の方が高貴で他人とは違うとでも?』『そうです!私は当然、奴らとは違う!』『た わ け が !』聶明玦は逆上し、金光瑶を蹴り飛ばしたすると金光瑶は金麟台の長い石段を転げ落ちてしまう『妓女の子め…程度が知れるは!』金光瑶の本性を暴いた聶明玦は覇下を抜いたしかし金光瑶を成敗しようとしたその時、激しい胸の痛みに襲われる金光瑶はその時を待っていた頭から血が流れ、身体中が傷んだが、金光瑶は石段をゆっくり上がり、いよいよ聶明玦と対峙する『大哥…私は二哥から清心音を教わり、いつも大哥の心を鎮めてきました 大哥は油断し過ぎだ、なぜ気づかぬのです?私と二哥の弾く清心音はどこか違うと…』聶明玦はようやく金光瑶にはめられたと気づいたが、遅かった激昂すればするほど気血がたぎり、聶明玦は血の涙を流しながら錯乱する金光瑶はそんな聶明玦の苦しむ様子を見てほくそ笑んだが、その時、予想外に弟の聶懐桑が石段を駆け上がってきた『大哥!』『行くな!いつもの大哥ではない!』慌てた金光瑶は咄嗟に聶懐桑を抱えて引き止めた『大哥!私だ!私が分からないのか?!』すると全身から血が吹き出した聶明玦は崩れ落ちるようにひざをつくそして最後の力を振り絞り、覇下を突き出して金光瑶を指し示すと、どこかへ逃げて行った金光瑶が芳菲殿の密室に戻ると、薛洋が待っていた傀儡となった聶懐桑は机に縛り付けられていたが、やはり半欠の陰虎符(インコフ)の力では制御できないという『どうする~?』『殺せ…』すると薛洋はためらいもなく、聶明玦の首を切り落とした床に転がり落ちた赤鋒尊の首級…ガタッ!その時、突然、棚に置かれた首級の目隠しが外れ、魏無羨も剥がれ落ちた。首級から落ちた魏無羨は、思いがけず赤鋒尊と目が合った。度肝を抜かれ、慌てて棚から飛び出した魏無羨、すると待ち構えていた金光瑶に襲われてしまう。魏無羨は金光瑶の剣を間一髪でかわしながら逃げ回り、やがて偶然にも棚に飾られた″随便(ズイベン)″を発見した。そこで随便に登り、必死に剣霊を起こそうとする。…やる気を出せ!どうした!一方、藍湛は様子がおかしい魏無羨のため、琴を弾いて起こそうとしていた。「ウェイイン!」その時、ついに随便が鞘から飛び出し金光瑶に応戦、主人を守る。魏無羨はその隙に銅鏡に向かって飛び出し、密室から脱出することに成功した。藍湛は部屋に戻ってきた札を出迎え、魏無羨に意識を戻した。目を覚ました魏無羨はまだよろけていたが、芳菲殿へ行くという。「芳菲殿の銅鏡は密室への入口、夫人の秦愫(チンスー)が秘密を握り、中で監禁されている 赤鋒尊の首もあった、急がないと」藍湛と魏無羨は金氏の屋敷へ向かった。夜番の子弟たちが止めたが、藍湛の敵ではない。すると騒ぎに気づいた藍曦臣が駆けつけ、中庭で合流した。「どこだ?」「芳菲殿に…」しかし芳菲殿の前には金凌(ジンリン)@如蘭(ルーラン)が立ちはだかる。「待て!叔父上の寝殿だぞ?何か勘違いでも?」藍湛は無視して入ろうとしたが、魏無羨たちは駆けつけた子弟たちに囲まれてしまう。そこへようやく金光瑶が現れた。魏無羨は芳菲殿に密室があるとバラして牽制したが、金光瑶は密室など珍しくないと開き直る。「法宝を持つ家なら隠し部屋くらいある」「阿瑶、見せてくれるか?」藍曦臣はいつになく厳しい口調だった。「二哥…隠し部屋と呼ぶからには物を隠しておく場所です、突然、開けろと言われても…」「…開けよ」その時、なぜか姑蘇(コソ)藍氏を裏切った蘇渉(スーショウ)@憫善(ミンシャン)が現れた。つづく( ๑≧ꇴ≦)出たー!スーショウ!それにしても孟瑶が雲夢の出身だったなんて…でも孟瑶はダメだったのに、なぜ莫玄羽は金麟台に入れたのかしらね〜
2020.06.01
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